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ウルトラマン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ウルトラマン[33話]
製作国
ジャンルアクション,ドラマ,SF,ファンタジー,シリーズもの,特撮もの,モンスタードラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 今回登場の宇宙人は、「暴力は嫌い」と言いながらも序盤から平気で破壊工作をやっている。侵略先の住民を利益供与や脅しで従わせ、またいきなり実力行使ではなく武力で威嚇するのは人類社会でも普通にあることだが、その上で全面侵攻にまでは至らなかったのは確かに力の信奉者ではないらしい。ウルトラマンとは互角の勝負であって、敵わないと思って逃げたのではないという点は重要かも知れない。
ただこの宇宙人が地球を奪う正当性が、議会とかならともかく少年一人の承諾だけで得られるという考え方は全く筋が通らない。何でこの少年でなければならないのかも不明であり、「サトル君は素晴らしい地球人だ」などという言い訳のウソ臭さには子どもでも騙されないと思われる。しかし思うにこれはこのエピソードの都合上あえてこういう無理を通したのであって、要は劇中少年の果たした人としての責務を、視聴者の一人ひとりがそれぞれ負うことを明瞭にするためだったと思われる。これこそが民主主義社会の本来あるべき姿を示したともいえる。
そういう前提で見れば、自分の食い物を他人に分ける気もないわがままで小癪なガキが「ぼく一人が…嬉しくなんかない」と啖呵を切るのには泣かされてしまう。それなりに幸せに暮らす人々と一緒に、自分もそれなりに幸せに生きたいというのが普通一般の人の願いであって、周囲の人々を見捨てて(踏みつけにして、従わせて)自分だけの利を得ようとしないでもらいたいという思いがここに感じられる。当時の大人に鼻で笑われていた子ども番組に、こういう真直ぐなメッセージを込めた真摯な姿勢には頭が下がる。
ラストでは「メフィラス星人は、今度はあなたの心に挑戦して来るかも知れないのだ」という脅し文句が出ていたが、これを見ていたガキ連中が今頃どうしているかと思うと悲観的になる。メフィラス星人のようなのにやられっ放しではないかと思わなくもないが、まあ世の中全部がそうでもないはずだと思っておく。

なお今回は、宇宙人よりむしろ「巨大フジ隊員」が見どころになっている。「ウルトラQ」第17話の時と立場が逆なようだが、実際はどちらも男連中は普通のサイズのままで、この人の方がその場の都合で縮小されたり巨大化させられたりするのは気の毒だ。オヤジ警官に拳銃で撃たれていたが、科特隊の制服だったので穴は開かなかっただろうと思われる。
かっぱ堰さん [DVD(日本ドラマ)] 6点(2022-12-31 10:21:33)
その他情報
作品のレビュー数 1件
作品の平均点 6.00点
作品の点数分布
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