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ウルトラセブン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ウルトラセブン[34話]
製作国
ジャンルアクション,ドラマ,SF,シリーズもの,特撮もの,モンスタードラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 教訓めいたもののない、ほとんど純粋な娯楽エピソードに見える。
時代背景としては、冒頭のナレーションで「水道・ガス・電気・地下鉄など、大都会の動脈を作る工事が、いつも、どこかで行われています」ということが語られている。工事自体は今でも当然あるとして、高度成長期の頃はそもそもインフラ自体が整備途上のため目についたということかと思うが、言われてみれば昔の記憶として、ある場所を掘り返す工事が終わって埋めたあとにすぐまた別の工事で掘り返す、といったことが皮肉めかして語られていた気もする。またそれとは別に当時の世相として、今まで普通に暮らしていた人間が突然失踪する“人間蒸発”というのが問題になっていたこともあり、この前年にも「人間蒸発」(1967年、今村昌平監督)という映画が公開されたりしている。
今回はそのような“街を掘り返す”ことと“蒸発する”という要素を組み合わせて作った話のようで、具体的には大都市の一角がそのまま野原に移動してしまう(舗装つき)というのが見所になっている。しかし締めのナレーションなどは取ってつけたようで、社会批評にしてもあまり突っ込んで考えたようには思われない。生粋の東京人なら、田舎は自然があっていいですねと言いながら、実は東京だけが人の住むところなどと思っていたはずで、それはナレーションで言及されたビル街も同じ思いだったに違いない。

今回登場の宇宙生物(名乗らない、知能あり)は、本来は不定形のものだったらしく、湧き立つ白い泡が増殖する細胞を思わせて気色悪くも見える。これが何にでも形を変えるとのことで、変な怪獣になった姿は薄い水色にあざやかな赤の目と口という配色が悪くなかった。ただ怪獣としては特に武器になるようなものもなく非力だったようである。
また登場人物としては、前作の「ウルトラマン」にも出ていた真理アンヌという人が“霊媒師”の役で出ているが、脚本の金城哲夫氏がこの人のファンだったとのことで、この番組レギュラーの友里アンヌ隊員の名前の由来にもなっている。そのアンヌ隊員は、ラストの顔など見ると普通に可愛く笑っているが、途中でモロボシダンが“蒸発”して(拉致されて)心配していたところでは、精神的な負荷のためか無表情になっているのがかえって美しくも見えた。この人のこんな顔は珍しいかも知れない。
かっぱ堰さん [ブルーレイ(日本ドラマ)] 5点(2018-11-10 22:22:59)
その他情報
作品のレビュー数 1件
作品の平均点 5.00点
作品の点数分布
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