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ウルトラセブン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ウルトラセブン[8話]
製作国
ジャンルアクション,ドラマ,SF,シリーズもの,特撮もの,モンスタードラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 監督のせいで見た目が非常に特徴的なエピソードになっている。
冒頭、かよわい女性を痛めつける場面は子ども番組とも思われず、いかにも戦後社会に好まれた暴力性と狂気の表現になっている。その後の展開は迅速で、寺院の参道ですれ違う人々の断片的な会話から事情が知らされていくのは手際がいい。映像的には、メディカルセンターで白丸4個それぞれに人の頭4個が入っていたのが印象的だったが、そもそも室内照明を落としているのでいつもと同じ場所とは思えない。
終盤のアパートでは、ネコがニャンと言って逃げていった場面が好きだ。またちゃぶ台の上に茶碗があったが中には何も入っていなかったようで、これはわざわざ出したのでなく前の客が来た時のものを洗わずに放置していたということか。敵の宇宙人は偉そうな物言いだったが案外話好きな奴だったのかも知れない。

ところで、この番組の初期エピソードは子ども向け学習教材のように見えることがあるが、今回の物語で学ぶべきは人間社会を成り立たせている基本原理のようなものである。つまり人間が安定的な社会を形成するためには最低限必要な共通認識(人を害してはならないなど)があり、これを自分が守るとともに、他者も同様に守っていると信じられることで安全かつ安心な社会ができるのだということである。
これは日本ではとっくの昔に実現しているはずだが、しかし劇中のように誰が自分を害するかわからない状況になれば、自分を守るために皆が疑心暗鬼に陥ってしまい、人々の安全を担保するはずの社会自体が弱体化または崩壊してしまうかも知れない。例えばアメリカでは銃規制が緩いことで多数の人々が一度に殺されたりするのが不安要因であり、またいわゆる失敗国家などで治安が悪化するのも安全・安心が脅かされた事例といえる。この「安全」「安心」を確保する手段を、このエピソードでは「ルール」「信頼」という言葉で説明していたわけである。
そういう生真面目な話だったにも関わらず、「交通ルールを守る家」の札で茶化して矮小化してしまい、また最後のナレーションで「信頼」の意味をわざわざ歪曲していたのも大衆受けを狙って皮肉めかして格好つけただけのようで大人気ない。台本通りでは面白くないのはわかるとしても、この件で自分としては今回の監督が許せない。というか嫌いだ。レギュラー紅一点のアンヌ隊員をキレイに見せないのも気に入らない(なぜか胸を目立たせていたが)。
かっぱ堰さん [ブルーレイ(日本ドラマ)] 7点(2018-12-31 23:22:06)
その他情報
作品のレビュー数 1件
作品の平均点 7.00点
作品の点数分布
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