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獣になれない私たち のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 獣になれない私たち[9話]
製作国
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 これまでで緩急の一番激しい、凄みのある回だった。冒頭の甘い展開から後半は苦味全開。
ドラマの定石を外す展開もさることながら、最終的にはことごとく物語と登場人物たちをほろ苦くリアルな展開に落とし込んでいく脚本には、凄いと唸らされた。

会社に馴染んできて、必要な人になろうと奮闘するも、それでも働けずに逃げる朱里、社長と社員の前で気炎を上げても、「なら辞めてしまえ!」と一喝されて消沈する晶、不正の書類を破り捨てるも、不正から逃げる事を許されず、屈服してしまう恒星。本来なら視聴者の胸がときめくはずの、晶と恒星が抱き合うシーンさえも、ある意味では傷の舐め合いであり、幸福感はそこにない。

苦い。とにかく苦い展開。だが凄味を感じた。観ていて共感と同情で胸が痛むと同時に、強く惹きつけられた。
現実の社会では上手くいく事なんてそうそうない。しがらみ、既成概念、疲労と重圧、そんな中で、ただそれでも、みんなそれぞれの思いや葛藤を抱えながら生きていて、ただそれでも、あがき続けていく。
このドラマはその「ただそれでも…」という部分に強くスポットを当て、社会や視聴者に訴えかけているのかもしれない。世間にどこまで伝わるかはともかく、作り手側の思いはよく伝わってくる。そうした真摯なドラマを私は高く評価したい。
nakashiさん [テレビ(日本ドラマ)] 9点(2018-12-06 10:56:00)
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作品のレビュー数 4件
作品の平均点 8.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.73
このレビューの偏差値 53.33
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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