1. ラスト・ワルツ
《ネタバレ》 最初はドイツの映画館で観た。1979年に、もう大昔。ザ・バンドの曲のファンだったが、メンバーのことは、今回DVDで初めて確認した。ドラムスのヴォーカルがいい!クラプトンのところ最高。で、やがてシンミリしてしまうね、終わりは。 [DVD(字幕)] 8点(2025-07-17 23:03:47)★《更新》★ |
2. ザ・コミットメンツ
《ネタバレ》 たしかイタリアのシエナの野外映画祭で見たのだが(記憶が定かではない笑)、あれは1992年の夏。今見直すと、ドラマが一応あって、音楽がやはりいい。本格的な音楽ものを見直したくなってきた、『ラスト・ワルツ』とか。 [DVD(字幕)] 7点(2025-07-16 23:26:01)★《更新》★ |
3. ミッドナイト・イン・パリ
《ネタバレ》 ピカソが似ていて笑ってしまう。贅沢な真夜中の夢。何もしないレア・セドゥでおわるのがなんとももったいない。 [DVD(字幕)] 6点(2025-07-14 21:40:19)《新規》 |
4. 旅立ちの時
《ネタバレ》 さすがシドニー・ルメット、メリハリのあるシーンの連続で、嘘っぽさというのが微塵もない。名作だ。あの時代の政治運動的なことについて一つ復習できたのは、ふたことめに言われた「ブルジョワ的」「プチプル的」とかの非難は容易に各人から「個人」の輪郭を奪う掛け声になってしまったということ。長男のことを最後の最後でやっと「自由」にするあの父親はすでに似てはいけないものに似ていたのだ、独裁者。 [DVD(字幕)] 9点(2025-07-13 22:29:07)《更新》 |
5. その土曜日、7時58分
《ネタバレ》 自分からの視点では些細な踏み出しにすぎないはずが結果的に大惨事に繋がっていってしまうのを「想定外」と決め込むのではなく、不愉快でもきちんと事前の「想定」に組み入れることを、こういう映画はいつも徹底的に教えている。 [DVD(字幕)] 8点(2025-07-13 13:31:31)《新規》 |
6. バーン・アフター・リーディング
《ネタバレ》 死体の処理はなかなかたいへんなものだろうが、国家がらみ、CIAがらみだと、実にスムーズに台詞のやり取りで「片付け」られて「観客の目に触れない」。コーエン兄弟の、人間関係の物象化を見据えるブラックなユーモアが冴えている。「物象化」の土台は、いうまでもなく人の関係が金銭のそれに覆われ破壊されていることで、ブラピとフランシス・マクドーマンドが国を売って一攫千金を企むのはその最も分かりやすい部分に過ぎない。とにかく愛という真面目な直接性は嘲笑されてしまう。 [DVD(字幕)] 9点(2025-07-11 14:17:38)《更新》 |
7. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 行方不明の妻を探す映画が同時に探される映画(夫の本性も暴き出されてゆく)となる。探す映画は探される、この構造は基本的。さて、この高学歴の女性がこの作品世界の成り行きをどこまでも手中に納めているというハナシはオーバーな感じ。 [DVD(字幕)] 6点(2025-07-09 23:29:04)《更新》 |
8. グッバイガール
《ネタバレ》 子役の擦れ方が飛び抜けて良い。台詞が面白い。ビリー・ワイルダーとかを研究したのだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2025-07-08 21:23:54) |
9. ザッツ・エンタテインメント
《ネタバレ》 なぜペアで並んで同じ踊りをする必要があるのだろう。組んで踊れば肩なめの180度ラインショットみたいなものだが、二人並んで同じ踊りは言わば小津的な等方向見交わし(180度ライン越え)にも匹敵し、その並んだ二人の「合致」が特別に気持ちいいからである。特にアステアとエレノア・パウエル。アステアとケリー。それにしてもMGMでは誰もが踊る、クラーク・ゲーブルでも、というのが面白い。 [DVD(字幕)] 8点(2025-07-07 04:52:03) |
10. ギルダ
《ネタバレ》 ハッピーエンドなのには驚く。リタ・へイワースの俳優としての存在感は立派なものなのに、脚本が良くないというか、彼女はあくまで囲われ者に過ぎず、矜持があるフィルム・ノワールの女として底無しの深淵へいざなう形になっていない。運命の女、フィルム・ノワールの女は、男の夢の産物ありながら、男が身を滅ぼすしかないほどに対等以上の「現実の」存在なのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2025-07-05 21:49:46) |
11. カバーガール
《ネタバレ》 リタ・ヘイワースが大活躍。テーマは深い。カバーガールは顔だけだがリタは踊れる、というのがキモなのだ。つまり映画スターは圧倒的にまず「顔」の演技なのだが、足で、ダンスで、と職域は広がる。ところで、「シンデレラが灰を探しに古巣に戻る」という台詞が、この作品の筋を極めて巧く言い当てている。シンデレラとは「灰かぶり」な細民のこと。 [DVD(字幕)] 8点(2025-07-04 23:24:05) |
12. ワイルド・アット・ハート
《ネタバレ》 映画商品ということに悪態つきまくる映画というか、汚い、グロい。コーエン兄弟のようなブラックなユーモアが滲み出るタイプなのだろうか、それにしても完成度は低い。あれはイザベラ・ロッセリーニだったのか、あとから気が付いた。「ブルー・ベルベット』は良かったな。 [DVD(字幕)] 5点(2025-07-04 08:57:47) |
13. キートンのカメラマン
《ネタバレ》 数あるギャグの中でも、絶対に彼女と合流すべく、キートンが圧倒的に駆けて、何の障碍も無かったように涼しい顔をして(いつものポーカーフェイスをさらに涼しくして)目的を達成するというギャグ、これが最高。内容的には、体躯も態度もデカい邪魔者に小柄なキートンが打ち勝つという毎度のパターンのカタルシスが素晴らしい。映画上映ということを扱う『キートンの探偵学入門』(これももちろん名作)と並んで、映画撮影ということがテーマの本作とで、見事な「映画の映画」コンビなのである。 [インターネット(字幕)] 9点(2025-06-29 22:44:42)《更新》 |
14. ブロンコ・ビリー
《ネタバレ》 イーストウッドにしてはたいへん盛りだくさんな感じ(通常はチョイチョイとコンパクトに作品をまとめてしまうような印象?)なのは、昔の作品だからなのであろう。ところで野暮を承知で言うなら、たとえ逆説的であってもあの雨の中の大説教シーンを作りたがるのはケシカランと思う。ああいう独裁の「恐怖政治」にシビれる臣民の「どM」な感性を誰もが即刻卒業していかなければならないのに。小さなコンミューン運動がリーダーの専制になりがちなのはあの80年代に限ったことではない。 [DVD(字幕)] 6点(2025-06-28 22:07:51)《更新》 |
15. グレン・ミラー物語
《ネタバレ》 筋には通常、嫉妬、対立、裏切り、離反等々のネガティブな因子が随所に仕掛けられて、その克服のうねりに観客は不可抗力的に翻弄されるわけだが、この映画は、ほんとうに仲のいい夫婦のハナシだけのことで、起伏には乏しい。そういう映画もありなのだ。音楽がしみじみ良い。 [DVD(字幕)] 7点(2025-06-27 22:20:19) |
16. あなただけ今晩は
《ネタバレ》 筋のキモは、存在しない人物になりすますことが、その存在しない人物に嫉妬することになったり、やがてその殺人犯にさえなってしまう成り行きである。その存在しない人物を殺していない証明はなかなかにムツカシイのである。実は存在してもいた?というラストシーンのイタズラもまたドキッとさせる。とにかく力作だ。洒落も活劇もすべて大変真剣な熱量だ。 [DVD(字幕)] 7点(2025-06-26 22:48:00) |
17. ラスト・シューティスト
《ネタバレ》 ジョン・ウェインはまさにガン(核実験の西部を仕事場としたためにという説もある)でなくなったのだった。西部劇の殉教者なのである。それはそうと、シブくまとまったいい映画である。ローレン・バコールは良い役だが、これぐらいの気位の高さは持ち前だったのだろう。赤狩りの時の姿勢でわかる。 [DVD(字幕)] 7点(2025-06-24 22:10:31) |
18. イースター・パレード
《ネタバレ》 中期アステア40年代。盛りだくさんな、立派なもの。ジュディー・ガーランドは歌声良し。ダンスシーンは当然ながら正面性(舞台劇の枠組み)を離れないが、観客席をも見せるこのミュージカルは徹底的に映画なのだと告げている。そういえば、通常スピードのバックダンサーの前のアステアの動きだけがスローのシーンは、ステッキの存在がなければ、スローの演技を信じてしまうところだ。 [DVD(字幕)] 8点(2025-06-24 07:36:33) |
19. ナイアガラ
《ネタバレ》 生きていたジョセフ・コットンがマリリン・モンローを追いかけるクロス・カッティングのみを問題にしよう。観客をハラハラさせて引っ張り込むこの追いかけの並行編集という技法は、まさに当のフィクションの登場人物たちを呑み込む罠である。誇張を承知で言うのだが、この技法が、ベルトコンベアのごとく人物(ジョセフ・コットン)の理性を押し流す、復讐の殺人へと。ほんらい「普通に」妻を告発して投獄するという手があってそのほうが自らは無傷でいられるところだ(笑)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2025-06-22 22:54:23) |
20. オットーという男
《ネタバレ》 駅のホームの線路に人が落下、のシーンで、みなが救出よりもスマホの撮影の方に気を取られるのはアイロニカルだし、youtubeのチャンネルもどきによる実況中継シーンというのも今日的。というわけで、何やら古めかしい感じのハナシが今日的なSNSの問題とコラボ。 [DVD(字幕)] 6点(2025-06-21 23:26:21) |