1. 黒の報告書
《ネタバレ》 ポールニューマンの「評決」の日本版。 でもこっちの方が、20年早い。 敏腕弁護士により、正義派検察官が敗れる話。 「俺もまだまだ人間を信じすぎていかんいかん。」 宇津井健の最後の一言が重い。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-05-11 00:24:45)★《新規》★ |
2. 浪華悲歌
《ネタバレ》 父の身上の立て方への苛立ちから、家出する長女。 しかし飛び出した先が、かつてから自分に色目を使っていた男の用意した部屋だった。 ここが間違いだった。 家出した子どもを迎えるところは、落とし穴ばかりだ。 かくして、少女は堕落していく。 まぁアレですね。 家に文句あるなら、就職して家から出ればいいので、 近道はないということですね。 溝口らしい、女の転落を描いた一本。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-05-09 22:25:40)《新規》 |
3. 折鶴お千
《ネタバレ》 不浄の金で、勉強させてはなるまいと、宗吉を励ますお千。 しかし、世間は厳しかった。 ついには、宗吉に旨いものを食べさせたいとお千も捕まる。 果たして、数年を経て、偉くなった宗吉の前に・・ 泣ける話です。 どうにも厳しい世の中に吐き気がします。 [ビデオ(邦画)] 8点(2025-05-08 22:33:56)《新規》 |
4. きみの色
《ネタバレ》 山田尚子監督は、「平家物語」からして、期待の人だった。 本作も良かった~♪ 映画を観てると、高野文子の「おともだち」を思い出した。 アニメ「平家物語」でキャラデザインした高野さんに触発されたのかな? これからも楽しみです♪ [DVD(邦画)] 9点(2025-05-06 23:23:43)《新規》 |
5. カラオケ行こ!
《ネタバレ》 山下監督は「リンダリンダリンダ」が良かったので、歌の使い方が巧い監督というイメージがあります。 とにかく作品数が多い監督なので、その後は全部はフォローしきれなかったのですが、 やはり本作、見事な娯楽作に仕上がってます。 圧巻は、ラストの岡君のカラオケ。 それまで先生面してたけど、ホントに凄かった。 強面の人たちも、キュートな一面を見せて、魅力的でした。 でもエンドロール終わっての1カットは、正直、怖っ!って思いましたが・・(笑) [DVD(邦画)] 8点(2025-05-05 01:13:23)《新規》 |
6. 碁盤斬り
《ネタバレ》 緊張感がすごい。 碁友だちであっても、侍を怒らせたら、こんなに怖いのかというのが出てた。 考えてみれば、庶民の中で生きてる浪人の恐ろしさをこんなに描いた映画は知らない。 草なぎ君が見事にはまっていた。 ラストの小泉今日子のシラで、やっと息がつけた。 時代劇ってこんな緊張感があって、当たり前だよな、って気がした。 まぁ「弧狼の血」の監督ですからね。 なんか続編もできそうな感じしますね。 [DVD(邦画)] 9点(2025-05-02 00:22:44) |
7. Cloud クラウド
《ネタバレ》 黒沢さん、ホラーの名手だけど、銃撃戦って初めてじゃないですか? ネットの勝ち組は、意外と周りが見えてなかったりするって話ですか? ちょっと怖いんですけど・・ 僕は、純粋な映画ファンなので・・ 恐いって! 投稿するのも怖いじゃないですか!?黒沢さん!(汗) (誰もお前を狙ったりしないって・・笑) [DVD(邦画)] 7点(2025-05-01 00:05:14) |
8. あんのこと
《ネタバレ》 佐藤二朗って、いい俳優だなぁ・・ 西田敏行には絶対無理な役・・ いい人なんだけど、どこか踏ん張れない、そんな役・・ 杏ちゃんの絶望に、光は差さなかった・・ 光をしめせなかった社会の現実・・ 実話というのが、最初に示されてるから、ああ!って思ってしまうラスト。 サイタマノラッパー3で、絶望の中から奇跡のラップを歌わせた入江監督の、寂しい今の問題意識。 やはり、今はささやかな光も示せないんですか?入江監督! [DVD(邦画)] 7点(2025-04-26 23:24:10) |
9. ラストマイル
《ネタバレ》 面白い! 物流倉庫という画力がある舞台で、混乱に次ぐ混乱、 満島ひかりは何者なのか?一体何の目的で爆弾が?これらの疑問がスピーディに 展開する映画に、日本映画の本気を見た~! 東京が標的ともいえる設定で、ダイハード4を思い出したが、 ブルースウィリスみたいなヒーローいなくても、事件が解決していく様は、見事! え!?女性監督なの??汗! おそるべす・・ [DVD(邦画)] 10点(2025-04-26 00:59:06) |
10. その夜の妻(1930)
《ネタバレ》 原作はアメリカのサスペンス小説らしい。 それを、小津が日本の人情噺に仕立ててる。 なるほど、刑事のキャラクターは、いかにもアメリカっぽい。 拳銃というとこもアメリカっぽい。 しかし、それでも小津さんは、この刑事の人柄に惚れたのだろう。 自分らは子供のころ、「おやこ刑事」という人情漫画があったが、 それは、こういうキャラの刑事像を描いてた。 自分は、そういうアメリカ的なキャラに知らず知らずに惹かれてたのだと思った。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-04-21 11:40:39) |
11. 黒い画集 第二話 寒流
《ネタバレ》 これは寒い! 無茶苦茶、ケンカを売った相手が強すぎたという話。 そもそも不倫がいけないのであって、主人公にそう全面的に同情できないが、 相手を闇の世界にまで巻き込んで復讐しようとして、簡単にひっくり返されるとこは、 庶民の道理が通用する世界ではないのだから、もう痛々しくて・・ 松本清張の社会派サスペンスは、アメリカの社会派映画と違って、 かならず不倫が出てくるが、それでもこの一本は噛み応えがあった。 「黒い画集」シリーズは、どれも面白いが、一番ぞっとしたのは、 本作だった。 [DVD(邦画)] 8点(2025-04-20 01:16:18)(良:1票) |
12. 黒い画集 ある遭難
《ネタバレ》 山岳映画は少ない。 何よりロケそのものが命懸けだからだろう。 平成になり、カメラマン木村大作の監督した「剣岳」も、 山に登るシーン全部が、現地撮影ではなかった気がした。 ハイテク装備でも、山岳映画は、難しいようだ。 黒澤さんの「夢」でも、山で撮影した部分は少しだった。 なのに、昭和のこの映画の、完璧な山岳映画はどうだ!? まったく、面白い映画のためなら、こんな無茶な撮影までやってのけるから、凄い! 内容もよく出来ており、ラスト近くでサスペンスの意味が分かる仕掛けは、お見事! アガサ・クリスティの小説を読んでるような、最後にどんでん返しがあるのでは、とドキドキしながら鑑賞! やるね♪松本清張♪でも、やっぱり、この作品も不倫がらみだった(笑) [DVD(邦画)] 7点(2025-04-19 00:13:08) |
13. 黒い画集 あるサラリーマンの証言
《ネタバレ》 松本清張サスペンスは、不倫がらみが多いね~ 北九州から東京に行き、あの大都会でうごめくサラリーマンを この映画みたいな人たちに思えてたんだろうなぁ・・ 知人の冤罪騒ぎからの不倫をごまかすための嘘が、ドンドン大ごとになり、 等々、自分の人殺し疑惑にまで発展していくサスペンスは、 ジャズの流れる白黒映画ってこともあって、「死刑台のエレベーター」を思い出した。 教訓・・分相応に人生、身を固めましょう、ってか!(笑) [DVD(邦画)] 8点(2025-04-17 01:11:12) |
14. 20世紀ノスタルジア
《ネタバレ》 何気に好きな映画。 令和の今、広末の不祥事をニュースで知った。 この映画の、ほわ~んとした広末が好き。 歌もうまいね♪ 土佐っ娘を、メディアが持ち上げるから、彼女も無理したんだろうと思う。 ダサい男たちは内心、チッと思っていたのだが・・ この映画の好きなセリフ。 「地球人は映画を食べて生きる」 そんな地球が好きになったんだね、チュンセ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-04-08 23:36:48) |
15. 女衒 ZEGEN
《ネタバレ》 今村昌平らしい映画。 海外での日本人女性の売春あっせんの話だが、今村昌平の手にかかれば、 暗いイメージはなく、むしろ笑いすら出てくる感じがそう。 当時の映画界は、翌年に日活ロマンポルノが終焉となり、 映画人口も少なくなってきてる世相の中で、本作は、今村監督の、裸のはなしで 盛り上がろうぜという気炎すら感じられる力作だ。 監督が二十年あっためてた企画らしい。 東南アジアでのロケ敢行と、映画界の期待も相当だったろう。 実在の人物を、緒形拳が怪演してる。 [DVD(邦画)] 7点(2025-04-06 20:10:53) |
16. ほかげ
《ネタバレ》 塚本時代劇・・って言っても、戦後すぐのはなし。 汚れたフスマとか、本当にこんな暗さだったのだろうって感じの室内の明るさ。 それを真新しい写真技術で見せられると、確かにそれは新しい。 未亡人女性と男の子が「夫婦」になるという妖しい内容もヨシ。 男の子の瞳がまぶしい。 [DVD(邦画)] 7点(2025-03-29 23:50:42) |
17. 鑓の権三
《ネタバレ》 追悼、篠田正浩! これだけの仕事をした大監督が2025年3月25日に逝去されました。94歳でした。 本作は、近松三大姦通ものの一つ、「槍の権三」。 あとの二つ、「堀川波の鼓」は「夜の鼓」として、「大経師昔暦」は「近松物語」として、 映画化されてます♪ 本作も見応えあった~♪ 郷ひろみが、元々映画界に縁の深い歌舞伎役者みたいな目をしてるから、 時代劇と相性がいい。 篠田時代劇と言えば、岩下志麻。 彼女と郷ひろみが不義密通で逃避行する話。 心中ではないが、お先真っ暗なストーリーで、 近松門左衛門の味が出てる。 [ビデオ(邦画)] 9点(2025-03-28 00:08:20) |
18. 暁の脱走
《ネタバレ》 黒澤明は、映画の鬼である。 「一番美しく」で国策映画を撮った黒澤は、 この作品では一転、日本軍を悪者として、そこから脱出する兵士に感情移入するような映画を創っている。 どうして、こう器用なのか? それは面白い映画を創りたい!もうただこの一心なのだ。 時代がこれが悪となれば、たちどころに、それを悪として話を創り上げてしまう。 そのプロ根性には、脱帽である。 言っておくが、私は黒澤大好きである。 反骨な骨太な映画こそ、彼の本領発揮であろう。 彼のアイデンティティは、反権力、徹底して逞しく生きる庶民目線なのかもしれない。 それでも地位を確立するまでは、プロに徹する。 見事だと思う。 本作の山口淑子は、戦争中、李香蘭という中国人女優として、人気があった人だ。 戦後、本名の山口淑子として活躍、本作が戦後5本目になる。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-25 21:48:38) |
19. 八月の濡れた砂
《ネタバレ》 時代時代によって、青春ものって、色があるんですね。 同じヨットの話でも、石原裕次郎の話のころは、こんなにギラギラしてなかったですもんね。 ちょうど、ポルノ映画が流行りだし、ニューシネマが全盛のころだから、 こんな青春ものができたってことですかね。 学園紛争の波も終わりを迎え、若者には敗北のやりきれない気持ちが漂ってた頃でした。 この映画の年から、日活がロマンポルノを撮りだすのですね。 ちなみに石原裕次郎も、日活でアクションものを創るのですが、不発だったようです。 日本人の男性は、ポルノの出現に、正直嬉しかったんじゃないでしょうかね(笑) 女性には、眉をひそめる映画が出だした頃です。 令和の今では、セクハラやDVで法律が整備されてきてるので、隔世の感を感じます。 [ビデオ(邦画)] 6点(2025-03-23 00:24:02) |
20. 長崎の鐘
《ネタバレ》 「邦画ベスト100」で検索したサイトで、知った映画。 そのサイトの運営者の身上を知ると、この映画の主人公の身上に重ね合わされたのであろう・・ 重い気持ちになった。 この映画は、原子学を研究してる人が、キューリー夫人たちみたいに、 やはり自身が原子病に侵されてしまうという映画。 物理学はよく知らないのだが(これでも小生、高校時代は元理系・・(笑))、 原子学の研究してる人が、戦中、原爆を受け、どこまでも原子力の人なのだな、と 運命の過酷さを感じさせられました。 ※原爆の原子力と、放射線の原子力って、違うのかな?分からない・・お恥ずかしい(照) それにしても、厳しい歴史を背負った浦上という地域・・ [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-20 23:51:51) |