1. 否定と肯定
劇場でみた当時、不勉強なせいで、「ホロコースト否認論者」の存在はもちろん、「ロイヒターレポート」なるものを全く知らず、ストリーというか、裁判の行方ばかりに注目していた そして、楽しめたのは楽しめたのだけれど、結局、まあ、そりゃあ勝つよな、というくらいの感想しかもたなかった 10年たって再視聴して、この作品が、なんでも自分で決め、行動することで人生を切り開いてきた、デボラ・E・リップシュタットという学者が、人に委ねることやチームの一員となることを描いているのだな、と感じた。 しかし、そうだとすれば、50歳前後のデボラ・E・リップシュタット教授を、30歳前半の美しきレイチェル・ワイズが演ずることによって(デビッド・アービングを演じるティモシースポールの陰湿さとあいまって)、事実をかなりゆがめてしまっているのではないか まあ、それはそれで、創作というのはそういうものかもしれないが、それにしても扱っているテーマがテーマだけに、もやもやした 裁判長の最後の質問(これは原作にもある挿話なのだが)は、全く意味不明 映画のストーリーとして、最後にドキドキさせる効果はあるけれど、「あれはなんだったんだろう(原作ではそういう扱いになっている)」というフォローがないため、もやもやさせられた そして、まあこれは事実なんだろうが、デボラを支えるリーガルチームが、ほぼほぼ男性なのには驚かされた あれから30年、イギリスは変わっているのだろうか? 1mA18/1/20 3thSX [映画館(字幕)] 5点(2025-05-08 14:24:38)★《新規》★ |
2. ナチス第三の男
緊迫が続き最後まで一気にみせる佳作ではあるが、私的には退屈な時間帯があった というのも、ハイドリヒとレジスタンスの二人、両者が主人公で描かれているのだが、私的にはハイドリヒやその妻のほうが魅力的で、正直、レジスタンスの二人は(風体が似ていることもあって)動向に興味が持てなかったからである (私的には、ハイドリヒの妻と、レジスタンスの片割れの恋人が風貌が似ていて、ちょっと混乱:相貌失認の人がドラマが楽しめないというのは、こういう感じなのかとも思った。 <上映時に鑑賞、25/5/7配信で二度見>24mA19/2/17 ohnSX [映画館(字幕)] 6点(2025-05-07 22:31:40)《新規》 |
3. 赤い闇 スターリンの冷たい大地で
第二次世界大戦前夜の歴史はそこそこ好きなので大変楽しめた ただ、ロイドジョージの当時の政界での位置がいまひとつよく分かっておらず、ウイリアム・R・ハースなんて名前を初めて聞いたくらいなので、もっと当時の状況の知識を持っていれば、さらに楽しめたと思う 知識なしに、この映画を楽しむのはちょっと難しそう こういう映画で描かれていることは、もっとみんなに知ってもらいたいのだけど、そもそも入口の興味がないとそういうわけにいかないんでしょうね [インターネット(吹替)] 7点(2025-05-04 14:07:38)《新規》 |
4. ゼロ・グラビティ
サンドラブロックの顔がどうも苦手なのと(ごめんなさい)、有人宇宙活動そのものが膨大な無駄だと思っている人間なので、大好きなジョージクルーニーが出ているにもかかわらず、話題になっていたのに上映中に観に行こうとも思わなかった作品 映像そのものはとてもよくできているんだと思います しかし、以前私が仕事で日本の有人宇宙活動の一端にかかわったことで少しは知識があるからなのか、え??なんでなの??これありえなくない?という疑問百出で、ちっともお話に入り込めなかったです(気になって調べたら、私の疑問の少なくとも半分くらいは「ありえない」ということが専門家から指摘はされているそうです) 20世紀のSF映画は、設定無視はお約束でよかったのだと思いますが、さすがに2010年代の映画でこれはないんじゃないかな、と個人的には思ったので低評価です とはいえ、オスカーも受賞しているし、ここの点数もよいので、そんなこと気にしないで見るのが正しい態度なんだなあ、というのが一番の感想です [インターネット(吹替)] 5点(2025-05-01 12:22:59) |
5. ギリシャに消えた嘘
原作は読んでいないのですが、申し分ないんじゃないかと想像します リプリー・太陽がいっぱいや見知らぬ乗客なみの奥行きと緊張感はなんとなく感じるんです ヴィゴ・モーテンセンはもちろん、オスカー・アイザックはよい芝居をしています デイジー・ベヴァンは本当に美しいです だけど、なんだか切れがないんですよね キルスティン・ダンストが冴えない(演技もルックスも)だけじゃない 演出とか脚本とか監督のせいなんですかね? 1960年代を感じさせないし、なんだかよくわからないけど、緊迫感なく、だらだらと話が続く感じです この原作でもう一度ちゃんと撮ってほしいと思います ヴィゴ・モーテンセンが現役のうちに、ぜひ [インターネット(字幕)] 4点(2025-04-19 22:38:59) |
6. オリエント急行殺人事件(1974)
ポアロシリーズが好きでだいたい観ているつもりだったが、この作品を見落としていたことに気が付きました オリエント急行は、この作品以外にも、映画のケネス・ブラナー版(2017)、そして言わずもがなのデヴィッド・スーシェ版があるわけだけど、エラリークイーンの描きたいポアロ的には、アルバート・フィニーのキモさがぴったりフィットする気がした この手の作品は、ネタバレが命なのだと思うが、ネタバレでも魅せるのは、アルバート・フィニーの演技と卓越した原作の賜物なのだろうと思う [インターネット(吹替)] 6点(2025-04-09 22:37:06) |
7. 関心領域
《ネタバレ》 久々に、自分にささる映画に出会いました まずは、絵柄がとてもきれいです 描く対象の深刻さゆえに、もちろん映像には最新の注意をこめて撮影や処理したのだと思いますが、それにしても美しく、かわいらしく、素敵な映像です カメラワークやライティングや、様々なテクニックのおかげなのでしょう この映像に、ちょくちょく不気味な音や、不気味な絵が入る、というのが、とてもささります そして、私的には、ここで描かれている「関心領域」は、①自分たちの生活が豊かで描いたものであるかどうか、②自分の社会的地位や自分たちの国家・民族が誇りを持てているかどうかというところにあり、それが虐殺するユダヤ人によってもたらされているという非人間的な状況に全く無関心な状況がこの映画の描くところだとすると・・・どこまで意識されてつくられているかどうかが分からないが、最後のアウシュビッツ博物館における③日々生活が淡々と流れる様子(だって、ユダヤ人の大量虐殺という圧倒的な悲劇なんてなかったような淡々とした日常なので)だって、十分関心領域なんだな、と勝手に納得しました なお、私的にはヘスの嘔吐は挿入すべきではなかったと思います むしろ、しっかりと「凡庸な悪」を演じさせてほしかったです 嘔吐するなんて、なにか罪悪感を感じているみたいで、そんな救いのある描写は不要です [インターネット(字幕)] 8点(2025-03-14 00:17:37) |
8. ナイル殺人事件(1978)
生まれて初めて女の子とデートした時に観に行ったと記憶しているのですが、どうしても年齢が合わない。リバイバル?の時でも観たのだろうか? 当時観たときは、犯人は分かったが(この人が犯人にしないと、お話として成り立たないなという理由で)どうやったのかは分からなかったけれど、久々に観たら(内容は全て忘れていた)、犯人も手口も分かった。 年齢を重ねることの意味を見出した作品だった。 ただ、最初に観たときは、すごくきれいな映像で記憶があったのだが、アマプラで観た映像は決してキレイという感じではなかった。 これもまた、時間というものの意味のような気がした。 [映画館(字幕)] 6点(2023-12-29 15:13:50) |
9. エニグマ
サスペンスの要素である,ストレスや駆け引きが,今一つうまく表現されていない映画.主人公の神経衰弱の原因やクレアの正体に焦点が行ってしまい,暗号が突然変わったことが問題になっているというのを理解しにくいまま進むので,最後の方で,「ああ,そういう映画だったのかあ」と肩すかしをくらう. 評価できるポイントは,ケイトウィンスレットがぱっとしない女性を演じる姿と,え,これがサフロン・バロウズなの,という驚きのみ. [DVD(字幕)] 4点(2017-03-21 11:09:35) |
10. スノーデン
久しぶりに途中で飽きないで,眠くらならないで一気に見られました.アメリカの彼女以外,全員本物の方が外見が魅力的なのは,ちょっと笑えました.リベラルってやっぱりお金持ちなんだなあ,という妙な感心をしました. [映画館(字幕)] 7点(2017-03-07 20:35:58) |
11. ドクトル・ジバゴ(2002)<TVM>
キーラナイトレイの透明感は良かったのだが,ストーリーに対する説得力を与える演技力はないように思えた.これは短縮したためのせいもあるのだろうけれど.映画版を好きなので,それと比べながらみることで楽しめたというところでしょうか. [DVD(字幕)] 5点(2017-01-15 10:32:47) |
12. マドモアゼル
ジャンヌ・モローをだいたい見てきた私には,ジャンヌ・モローにジャンヌ・モローを演じさせた映画のように思えて,安定感はあるけれど,物足りなさも感じた. [DVD(字幕)] 7点(2017-01-15 10:01:46) |
13. ロミオとジュリエット(1968)
オリビアハッセーの美しさと,ニーノ・ロータ先生の音楽のためだけにみる価値がある.しかし,それ以上の価値があるかと聞かれても困る. [DVD(字幕)] 5点(2016-12-29 10:54:59) |
14. 独裁者と小さな孫
楽しくみることができましたが、もう少し深められるプロットではないかと思いました。独裁者やその国の背景が、たぶん敢えてだと思いますが、ほとんど書き込まれていないために、ちょっと平板な印象でした。 [映画館(字幕)] 5点(2016-04-24 09:29:29) |
15. 007/スカイフォール
昔の007に比べれば、社会や人を映して複雑で、見る価値のある映画だが、MI6がVAIO使っているのだけはいただけない。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2016-03-21 22:25:18) |
16. リリーのすべて
終盤のヴァレイの抑圧された風景に、リリーの心的風景を重ねて、思わず涙してしまった。オスカーをもらったアリシア・ヴィキャンデルの演技が、アールデコというより、現代風なのが浮いていたようにしか思えなかったところが残念であったが、素敵な映画でした。 [映画館(字幕)] 7点(2016-03-20 00:21:50)(良:1票) |
17. マラヴィータ
休日ののんきな時間に見るのにはぴったり。ミシェルファイファーの歳のとり方はいいね。ダイアナ・アグロンも27歳とは思えない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-01-30 23:38:13)(良:1票) |
18. レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
結局人生はチャレンジと妥協なんだが、妥協だけの人生にも消耗しないという人もいて、そういう人にはこの映画は理解できないだろうな。ケイトの存在でこうした映画がみることができるのはありがたいことだと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2016-01-09 17:16:15) |
19. 華麗なる対決
今見ると、単なるお色気映画だが、当時これがどのように受けたのだろうか。 [DVD(字幕)] 5点(2015-07-27 19:58:00) |
20. わたしを離さないで
あの原作を上手く映画にしたなあとは思いますが、原作の方がよいですね。俳優さんたちはみなさんとてもうまいと思いますが。 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-02 09:01:14) |