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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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1.  イゴールの約束 《ネタバレ》 
設定やシチュエーションは違うとはいえ、犯罪で繋がったグレーな人間模様という点で『万引き家族』を思い出した。 後年のダルテンヌ兄弟の作品群と比べても細かいカット割りが目立ち、 全体の粗削りさが嘘臭さのない、イゴールの葛藤に対するリアリティに貢献している。  イゴールは、外国人不法就労者の斡旋、搾取している父親ロジェの命令には絶対で従属的であり、 自動車修理工の見習いも辞めざるを得なくなるほど。 一方で金のある老婆の財布をくすねており、今まで罪の意識すら感じなかった彼が、 アフリカ系難民のアブドゥの事故死を目の当たりにし、 亡くなる直前に「妻子を守る」という約束をしてしまったことで罪の意識に苛むことになる。  ロジェは違法な仕事を続けていくために時折、不法就労者たちの存在を内通者に知らせて警察に売ったり、 アブドゥの事故死を隠蔽して、その妻アシタに真相を悟られないために娼婦として売り飛ばそうと画策する。 そんな非人道的な行いに、イゴールは「これで良いのか?」と違和感を募らせて、 ついに絶対的な存在であるロジェに逆らって、アシタとその幼い子と一緒に逃避行を始めるのだ。  グレーな存在だったイゴールが自らの倫理観に基づき、 今まで一心同体で密接に繋ぎ止めていたロジェの支配から自分自身の人生を取り戻そうとする。 しかし、その勇気ある選択は大きな責任と代償を伴うものだ。 不安だらけで父親にいつ見つかって捕まるか分からない。 そして無事にアシタたちを親戚のいるイタリアへ送り出せるかというサスペンスが浮上する。 母親がいなかったイゴールがアシタを抱きしめる行動は、自ら"孤独"を選んだ彼の偽りのない本心だったのだろう。 血も人種も超えた、新たな繋がりと信頼関係。  イゴールの告げる真相を聞いて、アシタは無言で駅のホームから踵を返し、三人は行く当てもなく歩いていく。 この中途半端とも言える着地点、安易な希望を与えないダルテンヌ兄弟らしい。 突き放したロジェの元には二度と戻れず、今まで以上に苦しい生活が待っている。 事故が明らかになれば、イゴールの服役も、アシタ親子の強制送還も免れないだろう。 ただ、共依存的な親子関係と、犯罪が引き継がれる負の連鎖を断ち切ったとも言える。  「困った難民を助けている、差別から守っている」という某団体の意見をテレビを見ていると、 本当に彼らのためなのかと訝しくなる。 真の優しさとは、人道とは、ネットのエコーチェンバーのように白黒つけるものではなく、 今までの積み重ねから自分自身に問いかけることである。
[インターネット(字幕)] 7点(2025-06-14 21:54:05)
2.  アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ 《ネタバレ》 
日本で劇場公開された監督〈自己検閲〉版ではなく、映画配信サイトJAIHOで配信されたオリジナル版で視聴。 本当に行為をしているのではないかという生々しい性描写がノーモザイクで繰り広げられ、 ハリウッドのR18指定映画がディズニー映画に見えるレベル。  舞台はコロナ禍のブカレスト。 夫との痴態を撮影したプライベートビデオがネットに流出し、その後始末に追われる名門学校の女教師の話。 品もなく、悪趣味かつ前衛的に描くことでマスクに隠された人間の偽善や差別意識を炙り出し、 一周回って社会風刺をさぞや高尚に見せているようで実は中身などない。 '70年代にヨーロッパで流行った悪趣味映画を、コロナウイルスの脅威に曝される時事ネタに差し替えただけだ。 かつてのチャウシェスク政権によるルーマニアの負の遺産? だから何だと言うのだ。 そんなものはどの先進国にもある事象でしかない。  第1章はコロナ禍のブカレストをただ撮っているだけ、第2章はゴダールみたいなアーカイブ映像と画像のコラージュ、 第3章は学校で保護者相手に説明する絶体絶命のピンチを迎えるさまを、3つのマルチエンディングで。 エンディング3番目は主人公がヒーローに変身して大人の玩具で懲らしめるジョークみたいな終わり方だが、 裏を返せば「こんな映画に本気になってどうすんの?」と嘲笑しながらも監督が逃走しているように見えなくもない。 ベルリン映画祭で金熊賞を受賞したらしいが、本作を評価できるほどインテリジェンスはありません。
[インターネット(字幕)] 2点(2025-03-11 00:34:38)
3.  蛇の道(2024) 《ネタバレ》 
1998年のオリジナル版と筋書きはほぼ同じ。 オリジナル版を難解にさせていた数学教師の設定から精神科医に変更されたことで、 分かり易く洗練された演出で生まれ変わったリメイクのお手本。  主人公を男性から女性に変更した理由。 凄惨な過去で心が壊れた女とその過去から逃げ続けようとする男たちの対比を、 循環性の象徴である"ウロボロスの輪"に例えたのだろう。 何度も読み上げられる娘の死、繰り返される復讐行為が廻りに廻って日常になっていく。 だが、男たちは馴れ馴れしく、常に都合の悪い話をはぐらかそうとする。 女は延々に廻り続ける生き地獄から絶対に逃がさない。 結末における芯の冷え切った台詞の数々がそれを象徴している。 オリジナル版と比べてダミアン・ボナールの影が薄く、 むしろ柴咲演じる主人公の掘り下げが増えたことを考えると合点がいく。  蛇のように低体温でじわじわ嬲っていく主人公の果てしない闇と虚無が視線から発せられるラスト。 全てが終わっても心穏やかに過ごせるわけでもなく、西島演じる患者のような末路を迎えてしまうのか。 復讐という名のウロボロスの輪に囚われ続けなければ生きていく理由を失ってしまうのかもしれない。  見ていて答え合わせしている感じは否めないが、 黒沢清の作風がフランス映画と親和性があり、ヨーロッパで評価されている理由に納得した。
[映画館(字幕)] 7点(2024-06-14 22:44:02)
4.  コングレス未来学会議 《ネタバレ》 
ロビン・ライト本人が主役のメタ設定といい、実写とアニメが混在する構成といい、こういう奇想天外さとバッド・トリップ感に乗れるか否かで評価が割れるだろう。アリ・フォルマン監督らしい、幻想的で悪夢のようなアニメーションは見ていて楽しいが、慣れると飽きるもので90分くらいで限界。夢を与える映画産業が衰退し、代わりに理想の自分になれる幻覚剤が生み出した理想郷は、争いも傷付くこともなく幸せかもしれない。ただ、ディストピアと表裏一体で、真実の世界とどちらが良いかと聞かれたら一度は迷う。今まで重要な選択を渋ってきたロビンの最後の選択は、ハッピーエンドだと解釈したい。
[DVD(字幕)] 5点(2016-02-15 19:02:33)
5.  ルネッサンス
実写を白と黒の2色のみで表現したようなストイックな世界観に惹き付けられる。ただ、それは最初の10分までで、SFでは手垢の付きまくった設定を如何に見せるかが脚本家の仕事なのに、新しい発見がないまま、退屈で予想通りの展開に終始する。独特のビジュアルを活かした画作りも乏しいために、白黒画面が次第に単調に映えていき、映画全体の足を引っ張る皮肉な事態に。企画倒れとはまさにこのこと。奇をてらったビジュアルだけでは観客を惹き付けられない残念なお手本。
[DVD(字幕)] 3点(2015-01-31 01:43:15)(良:1票)
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