1. グレート・ビューティー/追憶のローマ
《ネタバレ》 これは大マジのマジで凄い。 何が凄いか、それは説明ムリ。 本当に凄いものを見た時、その凄さを自分の持ちうる言葉で表すことは到底不可能だ。 まず映像面。 今まで見てきた映画の中で最も美しかった。 それはどちらかと言えば、芸術的な美しさというより技術的な美しさ。 いや、それら両面での美しさかも。 次に音楽面。 エンドロールで流れる曲、これがおそらくメインテーマ曲だと思われるが、この曲が劇中で何度か流れるたびに、なんて素敵な曲なんだろうと感動した。 なんだか涙が出てきそうな曲だ。 内容的には難解な部分もあるかもしれない。 難解な作品はあまり得意ではないが、それなのに心地よいから不思議。 難解だからこそ、また見て少しでも理解を深めたいという思いさえ出てくるからますますもって不思議な映画だ。 100歳超えの修道女がラスト階段を這い登るシーン。 なんたる神々しいシーンだろうか。 ほんとヤバいな、この映画。 [インターネット(字幕)] 10点(2025-05-05 17:57:52)《更新》 |
2. いつまでも君を愛す
《ネタバレ》 序盤から中盤にかけてフィルムが一部焼失してるんじゃないなと思うほど内容が分かりにくかった。 要するに男の子どもを妊娠した途端捨てられ、幼き娘を一人で育てるシングルマザーが、やがて愛してくれる別の男と出会うまでを描いた内容。 かなりシンプルなストーリーなのに、何故にこここまで分かりにくいのか永遠の謎。 この作品を見る人は皆無であろうから、尚さらこの謎は解けないに違いない(わたしはフィルム一部焼失説に一票)。 [インターネット(字幕)] 3点(2025-05-02 07:19:32) |
3. シーラ山の狼
《ネタバレ》 まったく期待せずに見たが、意外としっかりできたストーリーだった。 ラストシーンこそ緊迫感があって、意外なところから弾が飛んできたし面白いのだが、そこにいたるまでの過程で退屈した。 シルヴァーナ・マンガーノの撮り方がとてもうまい。 さりげなく上半身がはだけるシーン、川辺で素足をばたつかせるシーン等は、彼女をとても魅力的に捉えており、それを見た野郎どもが色めき立つのも納得の出来栄え。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-04-29 15:04:23) |
4. ギリシャからの帰還
《ネタバレ》 ギリシャからの帰還という訳で、題名で既にネタバレしており、非常に予定調和な作りになっている。 マッシモ・ジロッティが看護助手をやたらに口説きまくるのが何故だか気に障った。 何故、気に障ったのか自分でも分からないけどね。 本作はロベルト・ロッセリーニの戦争映画三部作の一つであるが、この作品を現代において見る人は果たしているのだろうか。 おそらく、そんな物好きはいないだろう。 そして見なくて正解である。 何しろつまらないので。 [インターネット(字幕)] 2点(2025-04-25 21:39:32) |
5. 十字架の男
《ネタバレ》 ロベルト・ロッセリーニ戦争映画三部作のトリを飾る作品。 従軍司祭が敵味方関係なく人々を導き救おうとする話だが、宗教的だし真面目過ぎるし戦闘シーンは単調だしで、非常につまらない。 [インターネット(字幕)] 2点(2025-04-23 21:53:16) |
6. 白い船(1941)
《ネタバレ》 戦時中に政府から依頼されて撮った作品らしく、もちろんプロパガンダ映画なのだが、最後にはドラマ性をしっかり持ってきたところが凄い。 おそらくそれが評価され、後のロベルト・ロッセリーニの活躍につながっていったのだろう。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-04-22 23:38:49) |
7. 街は自衛する
《ネタバレ》 ノワールサスペンスなのでそこそこ面白いのだけれど、何かもう一つ捻りが足りないというか物足りなさが残る。 気弱なビビりなのに仲間から一緒に逃げることを断られ、分け前も貰えなかった青年だけが最後まで警察に捕まらず逃げ切る、、みたいなオチならもっと面白かったと思う。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-04-04 09:41:37) |
8. 欲望(1946)
《ネタバレ》 元娼婦が普通の暮らしに戻りたくて故郷に帰るが、ローマで娼婦をしていたことが既に噂で知られてしまっていた。 それに絶望して飛び降り自殺でFINEなのだが、短絡的であまり面白くない。 女性が映画の冒頭で自殺する人を擁護するような発言をしている。 自殺は自己防衛の一つであると。 これが死亡フラグであり、ラストはこの伏線回収になるのか。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-03-29 11:36:17) |
9. シェルタリング・スカイ
《ネタバレ》 いまいち乗り切れない、煮え切らない内容の映画だった。 序盤はエキゾチックなロードムービーといった趣きでなかなかの味わいだったが、終盤に近づくにつれ「海外旅行には行きたくない」という気持ちにさせられる、非常にネガティブな内容だったように思う。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-01-29 20:57:51) |
10. ヴァニナ・ヴァニニ
《ネタバレ》 反体制組織のリーダーである男と貴族の娘が恋仲になるが、互いの立場や思想の違いなどから仲違いしてしまう…という悲恋のはなし。 女の方は男への愛を一番に優先しているが、それに対する男の方は反体制組織のリーダーとしての使命や仲間のことを第一に考えている。 まるで家族を一番に考える妻と、仕事最優先の夫との確執を見ている様だ。 政治的な話でもありながら、そこに宗教的な思想も絡む内容は、わたしにはとても重く疲れる内容だった。 [インターネット(字幕)] 3点(2025-01-10 13:32:54) |
11. 神秘の騎士
《ネタバレ》 なかなか面白いストーリー展開ではあるのだが、最後のお屋敷での手紙を奪う顛末がどうも都合が良すぎる嫌いがある。 さすがのカサノバをもってしても無理がある展開が残念。 それに対しカサノバの弟が監禁されていたお屋敷の雰囲気が、まるでハマー・フィルムの映画に出てくるような不気味さがあって楽しめる。 [DVD(字幕)] 6点(2024-12-30 13:55:54) |
12. 栄光の日々
《ネタバレ》 ただのプロパガンダ映画だと思っていたら、思いのほか構成がしっかりしていて驚いた。 さすがは一流監督が携わっているだけのことはある。 もはやこのドキュメンタリーは貴重な映像過ぎて、面白いとか面白くないとかの評価軸から外れている。 時に残忍な映像が入ってくる辺りで吐き気を催すも、これが現実に起きた惨事だと思うと目を逸らす訳にはいかなかった。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-19 22:00:13) |
13. ブーベの恋人
《ネタバレ》 良くある遠距離恋愛を題材にしたメロドラマ。 一人で待っている女性は男からの便りがないため不安と孤独に襲われ、別の男と仲良くしてしまう。 そこに戻った彼氏。 そして、、、 そこそこ楽しいのだけれど進み方が緩慢で長く感じる。 もう少しキレ味よく進んでいく内容ならもっと楽しめただろう。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-09-08 15:43:53) |
14. 敗北者たち
《ネタバレ》 もはやまだ見ぬミケランジェロ・アントニオーニ作品を見られるだけで至福の悦びであり、内容は二の次みたいになっている今日この頃。 本作も内容にそこまでの魅力は感じない。 ただし若者の退廃的な心情とか、その場限りの実りのない男女関係とか、その辺りはミケランジェロ・アントニオーニらしさを少し感じたかな。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-27 21:21:14) |
15. 椿なきシニョーラ
《ネタバレ》 まだ見ぬミケランジェロ・アントニオーニの作品を見る機会に恵まれ、ただそれだけで嬉しい。 後のアントニオーニ色はあまり出ておらず大して面白くはないが、主演のルチア・ボゼーがとにかく美しいので救われた。 若くて美しい無敵な女優に忍び寄る賞味期限切れという現実。 権力や金のある男たちに良いように利用される悔しさ。 それらを容赦なく的確に描く終盤は、アントニオーニの魅力が出ていたように感じた。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-25 14:02:52) |
16. オリーヴの下に平和はない
《ネタバレ》 ストーリー的にはスピーディで面白いのだが、どうにもこうにも都合が良すぎる。 まるでアメリカ映画のようだ。 ボスが悪者と決まっていて、主人公が善玉で、善玉が最後に勝つ。 それまでボス側についていた羊飼いや警察署長が、とってつけたかのように最後は主人公の味方に… そんなことあるかい! 世の中は金のある者、権利を持った者の味方なんじゃい。 そう都合よくいくかよ。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-22 22:48:20) |
17. ヨーロッパ一九五一年
《ネタバレ》 思想や宗教という観点において、なかなか複雑で分かりにくさがある。 精神異常者として病院に幽閉されたことが理不尽であり、それを問題提起しているのだろうか? いまいち分からない。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-18 21:13:25) |
18. リラの門
《ネタバレ》 ジュジュの憎めないロクデナシキャラが最高だ。 マリアのことを好きなのに、いつの間に恋の橋渡し役をやらされる。 モテない男あるあるだけに、気持ちがよく分かる。 ラストの銃声が聞こえるシーン。 ジュジュとバルビエが取っ組み合い、どちらが物陰から生きて出てくるかと思ったら、ジュジュだった。 ジュジュが対決に勝ったのだ。 これがこの物語の救いになっている。 これがもしバルビエに殺されて終わっていたら、ただの救いのない話になってしまうからね。 それでもなお、切ない話だよね。 好きなコが騙されていて金目当てで利用されていただなんて。 ジュジュとしてはやり切れない気分だわな。 自分が好きなコとはいえ、バルビエとどこかの遠方の地で幸せになってほしいと願っていただろうはずだから。 最後にこの映画のモノクロ画像について。 1950年代後半だけあって、シャープでとても美しい。 この時代ならではの自然なモノクロ画像にはうっとりさせられた。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-06-23 17:16:59) |
19. ミラノの奇蹟
《ネタバレ》 最後はほうきに乗って大円団、、トトホ、いやちがった、トホホ。 トトとやらが、妙に老けてて、まるでとっつぁん坊やだ。 暗くなる話じゃないからいいんだけど、ファンタジーが苦手なもんで。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-05-14 22:29:14) |
20. 木靴の樹
《ネタバレ》 最後まで見るのが、もの凄く苦痛だった。 まるでテオ・アンゲロプロス作品を見ているかのような退屈さと苦痛。 特に個人的にキツかったのは、薄暗いシーンが多いこと。 とにかく暗くて何が起きてるのか分からない。 夜のシーンはほとんど見えない。 室内の薄暗いシーンはいくぶんマシだが、それでもはっきりとは見えない。 監督の意図した事であろうが、個人的には暗い画面が退屈さによる苦痛を更に増長させた。 [DVD(字幕)] 1点(2024-04-27 22:41:52) |