1. 木を植えた男(1987)
《ネタバレ》 エルゼアール・ブッフェが1910年から30年以上に亘ってドングリを植え続け、荒れ果てた地を林から森へと変貌させた。 村人の有り様も土地と比例するかのような殺伐としたものから温かく溌剌としたものへ。 10万本植えて1万本しか育たないやるせなさとか、木を植え始めるまでの人生で葛藤はあったはず。そこは一切語られない。 無私無欲で折り目正しい毎日を送り病気知らずで往生を遂げる。病はストレスからを実感させられます。 2度の大戦に触れて「人間は破壊以外の領域でも神と同じく全能なんだ」にもハッとさせられます。 英語ナレーションが似てると思ったクリストファー・プラマー。良い作品に参加していて嬉しい。 日本語ナレーションが三國連太郎さんというので引き続き観てみたら、やはり趣ある語り口で作品の味わい深さが増すことに。 本サイトのお陰で秀作に出会えて感謝であります。 [DVD(吹替)] 8点(2025-05-05 16:12:18)《新規》 |
2. 白い刻印
コバーン オスカー受賞作と言うことで鑑賞。 オープニングクレジットに期待特大となりましたが。 コバーンはひたすらにゲスい。若き日のいなせな彼がクズ男を演じた故の受賞だったとしても正視が辛かったところ。 ニック・ノルティは彼らしい役どころでプッツンして喚き散らす姿にやはりゲンナリ。 デフォーはらしくない大人しさな上に不要なキャラでした。 特濃な3人出演でしたが、各エピソードが全部尻切れトンボの脚本が駄目過ぎで、イライラしただけの凡作でした。 [DVD(字幕)] 3点(2025-04-11 20:50:37) |
3. ザ・プロフェッショナル
詰将棋の達人のような犯罪の計画と実行を71歳ハックマンほぼ出ずっぱりで見せてくれ健在ぶりに拍手。 彼の貫禄がサム・ロックウェル&レベッカ・ピジョンの小賢しさを際立たせているのが流石。 ごちゃついた展開はそれなりに楽しめたものの、大技一発大逆転を見たかった気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2025-04-01 23:50:33) |
4. オートマタ
だるい展開を黒幕は誰かの興味で我慢して観た甲斐無かった結末に脱力。 無機質な中に感情が微かに見えるクリオは印象深い(+1点)のですが、連れのラーテルのようなロボットは気持ち悪いだけでした。 [DVD(字幕)] 5点(2024-06-04 16:22:14) |
5. ヘブンズ・ゲート
お目当てドルフ・ラングレンは筋肉美を拝めず、アクションは地味、台詞回しは棒。 それにも増して、お話がどうしようもなくしょぼい。撃沈。 [インターネット(字幕)] 2点(2024-05-01 01:38:33) |
6. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
マイケル・キートン及びエンタメ業界内輪ネタ作品。あるあるテーマでのありきたりを嫌ったのか知りませんが、有名俳優の名を出すだの妄想だのカメラワークだの、技巧っぷりが策士策におぼれる感があり全くもって退屈でした。劇中劇のつまらなさは悶絶モノ。ヘレン・ミレン演じたコラムニストのクソババアぶりに比べたら本作批評家の可愛い事。決着が舞台上でなかったのがガッカリのダメ押しとなりました。 [DVD(字幕)] 3点(2024-01-28 19:23:10) |
7. ワイルド・ファイト エックス
兄弟、親子、夫婦の葛藤がそこそこ見応えあり、プロモーターの悪徳っぷりに神経逆なでされまくり、奴の吠え面かく姿にスカッと爽快。格闘模様と聴衆の熱狂がワンパターンで作品の主にならずドラマの添え物になっていたのが残念でしたが、安っぽい邦題とは裏腹に楽しめた掘出物の一品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2024-01-22 01:57:52) |
8. ファイヤーボール(1978)
《ネタバレ》 amazon prime Star Channel EX -DRAMA & CLASSICS 対象作品のレースものということで鑑賞。イケイケな歌と共に流れるタイトルロールで脚本クローネンバーグに「ヘッ?」そして監督もクローネンバーグに「あらまぁ、ハズレかなぁ」 レースはレースでも400㍍を6秒そこそこで走るドラッグレース。 いやぁ、これが全編血湧き肉躍る(死語?)物語で一気見。 勝ち負けよりもカーオイルが売れればOK、勝つためにコストを上げるのはダメ、どこかで聞いたような理屈のスポンサーを演じるのがお懐かしのジョン・サクソン。ステレオタイプの悪徳ぶりが見応えあり。 正真正銘の炎上シーンも盛り沢山。結末も爽快。 湿地帯の隠花植物の様なイメージとは真逆の掘出物の作品でした。 鑑賞後に知った監督は無類のカーマニアというのになるほど納得。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-05-22 02:08:20) |
9. ダブル・ジョパディー
《ネタバレ》 ジャケットに興味をそそられてから20年、ようやくの鑑賞。オープニングタイトルロール、「アシュレイ・ジャッドってヒートに出演してたっけ? 監督は・・・見辛い画面だなぁ・・ん、ん、ブルース・・誰?・・・・ブルース・ベレスフォード!!!」期待で血圧急上昇。 アシュレイ・ジャッドの無鉄砲な奮闘模様、ブルース・グリーンウッドのクズっぷりは強烈だったので遂に対峙するシーンが淡泊だったかなと。 ジョーンズさんはジェラード捜査官ばりのキャラクターが新味に欠ける感じで、男性二人のキャスティングを逆にして欲しかったところ。それでもフェリーから海中へのアクションには握り拳。 濃厚と淡泊が入り混じる起承転結ですがトータルで密度が高く満足出来た良作です。流石名匠! [DVD(吹替)] 7点(2023-05-15 12:00:49) |
10. キラー・ジーンズ
ちょっとだけ観て寝ようとしていたのが最後まで目が離せず。人気アパレルショップの新作ジーンズが発売前日の準備に追われる店員を次々になぶり殺しにするシーンはどれもエグい。 だけでなく、 見た目爽やかながら出世しか頭に無い極悪店長の下で横の繋がりが無い上下関係のみの職場に現実味があり、ジーンズ達の犯行動機が絵空事とは思えない考えさせられるもので、キラートマトとは段違いの出来映え。 尺が短いのは好感ながら強制終了のような結末が惜しいところ。あと一ひねり欲しかった。 珍作にして良作な一品。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-04-10 03:05:46) |
11. コーダ あいのうた
《ネタバレ》 オスカー作品賞以外の知識無く。傍から見て大変な暮らしでありながら、大変ヅラせず瑞々しくキラキラしているルビーを演ずるエミリア・ジョーンズが素晴らしい。ルビーを気遣う両親と兄もさることながら、V先生がMIP。音楽への熱い思いを持っての筋の通った物言いに教師かくあるべしであり、わざと間違えるところに胸熱にさせられました。 ルイーズ・フレッチャーがオスカー受賞の際、手話で両親に「夢を持つことの大切さをあなた方から教えて貰いました。あなた方は夢を叶えた私を見ています」涙ながらに語りかけるシーンを思い出しました。 劇場鑑賞を諦めたのを後悔する良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-04-09 23:13:01) |
12. 真夜中の処刑ゲーム
いやぁ、これは、超掘出物の秀作です。警察官がストライキ(そんなアホな!)の無法状態でのドクズ達とアパート住民達の籠城戦。手に汗握るというより、こんなに怖い思いをさせられたのは「狩人の夜」以来だったか。ひたすら怖かった。オチがまた超強烈で続編も作れるんじゃないかと思いました。お薦めです。 [DVD(字幕)] 9点(2022-12-24 03:10:16) |
13. ザ・タイタニック<TVM>
お目当てジョージ・C・スコットは彼でなくてもいいような役どころで期待はずれ。 実話ものの一大悲劇群像劇は楽団員たちにホロリとさせられたものの、冗長さに退屈させられてしまいました。 キャメロン版は興味なく観た事がありません。本作と見比べてみようか、とは思えませんね。 [DVD(字幕)] 5点(2022-08-11 17:52:49) |
14. チェンジリング(1980)
メルヴィン・ダグラス目当ての鑑賞。ジョージ・C・スコット、トリッシュ・ヴァン・ディーバ夫妻も出演しているのが嬉しい。 スプラッター臭皆無のオカルトサスペンスはヒタ・・・ヒタ・・・と迫ってくる演出にゾクゾクさせられ通し。怨念が清算されたかのような炎上ショットがもの悲しい。圧巻の対決シーンを初め両名優の硬派な存在感も相まって、味わい深い上質な仕上がりになっている掘り出し物の作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-07-25 12:13:02) |
15. アブソロン
NSDを発病させるウイルスで50億の人名が失われた後の世界は、症状を抑えるアブソロンの定期投与が不可欠で、購入出来ない者は死を待つだけ。貨幣無き世界で時間で支払うというのが説明不足であるのと、主人公のタイムリミットの切迫感が無いモヤモヤを横に置いておけば、病気根絶の新薬を巡る陰謀に立ち向かう刑事という筋立てでの、クリストファー・ランバート、ケリー・ブルック、ルー・ダイアモンド・フィリップス、ロン・パールマンのこなれた感ある演技はまずまず楽しめるものでした。 過去3回のワクチン接種において高熱で難儀した事を思うと、自己責任での選択ながら何が正しいのか考えさせられるところもありました。 [DVD(字幕)] 6点(2022-07-23 22:32:47) |
16. マレフィセント2
いい仕事していると感心した映像の美しさに話がついていけてないようで。語られているところの共存が奥行きがないもので退屈でした。上品さと邪悪さがいい塩梅だった王妃がアンジーを食ってしまう存在感。ミシェル・ファイファーだったとは10000へぇ。どうりで綺麗なはずです。3はあるのでしょうか? もう打ち止めで良いと思いました。 [DVD(字幕)] 5点(2022-06-29 16:09:32) |
17. レッド・ライト
《ネタバレ》 大物超能力者のインチキを見破ろうとする科学者。デ・ニーロ VS シガニー・ウィーバーの頂上決戦の期待に胸膨らませたのが、一緒の画面すら無い「そんなアホな、アカンわ~、詐欺やん」キリアン・マーフィ熱演なれどガックリ度合いは薄まりません。デ・ニーロはデ・ニーロで悪魔の微笑み無く暴れるでも無くこれまたガックリ。オチもどんでん返しというより、何やねんこれは一体、無いわ~。折角のキャスティングが活かしきれていないもどかしい作品です。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-06-26 00:59:01)(良:1票) |
18. しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
《ネタバレ》 私的にはエベレットの物語でした。不器用で無骨な彼が自分に正直になっての「捨てないでくれ」にはこちらも感無量。静かな語り口での深い愛情物語は記憶に留まる秀作でした。 [DVD(字幕)] 8点(2022-01-23 00:07:38) |
19. 静かなる叫び
予備知識無しでの鑑賞。実話というのがやるせない。犯人の女性への憎悪の理由が最後まで分からなく、時系列がいじくられていて話が呑み込めない部分もありモヤモヤが募ります。(鑑賞後に分かった)女の腐ったような性根の犯人に、前途を断たれる学生達の姿が防犯カメラを見ているかのように映し出されていて、エンドロールで哀悼の意を表してはいるものの、追悼に値する作品に思えなかったところです。「人生二度目の恐怖が妊娠」が心に残ります。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-11-06 21:56:58) |
20. クライシス(2021)
《ネタバレ》 法律で医療用に使用が許可されている病院での使用に限られていた麻薬鎮痛剤オピオイド。1995年にパーデュー・ファーマ社が開発したオピオイド系鎮痛剤が処方箋で誰でも簡単に買える常備薬となり、後発組による同種鎮痛剤開発でオピオイド危機に至るという背景を知らずに鑑賞。製薬会社から委託された新薬テストで明らかになった瑕疵を圧力に屈せず食品医薬品局に訴える大学教授(ゲイリー・オールドマン)彼の相手である製薬会社、役人、大学、最凶トリオの人の命を預かる自覚が1ナノグラムも無い姿が恐ろしい。とりわけ事実を公表する事は守秘義務違反、一生かかっても払いきれない賠償金を課せられるという理屈が流石アメリカというべき胸糞の極み。このエピソードのみで作り上げたら地味だと判断したのかもしれませんが、密輸業者への麻薬取締局おとり捜査官(アーミー・ハマー)、息子の死の真相に迫る母親(エヴァンジェリン・リリー)のエピソードが並行して描かれています。犯罪ものとしてまぁそれなりにと言ったところですが、喪失感一杯の母親が見せる奮闘振りは白けた不要さで作品が散漫になってしまったのが少し残念。簡単に薬に頼る事を見直さなければと考えさせられた佳作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-08-13 19:42:23) |