1. グミ・チョコレート・パイン
《ネタバレ》 クラスに友達もほとんどいないというリアルにいけてない高校時代は笑えます。笑いにもキレがあるし、言えなかった言葉なんかはその時点では甘酸っぱいものだと笑えます。情けないのもしょうがない。全ては若さゆえと笑い飛ばせます。 しかし、それと並行して映し出されるのは成長することなく、ますますいけていない彼らの20年後の現在。そこはもはや苦味だらけ。そんな彼らを映し出す映画に、冒頭で語られる通り、カタルシスなどはなかった。彼らにとって何かが変わってもよかったはずの初ライブのことなんて、その他の苦々しい後悔の前では思い出されることもなかった。 ウォーターボーイズ、スウィングガールズみたいな青春は羨ましいが、やはりあんな美しい青春を手に入れられるのはほんの一握りのさわやかで前向きな人たちだけ。こんなイケてない青春をまざまざと見せつけてくれる映画はなんとも愛おしいです。 根拠のない前向きさなど用意されていないしみったれコメディに胸をしめつけられました。笑うしかないでしょ。 黒川芽衣の古臭いまでの無垢な可愛さは貴重です。キャスト陣も抑えた奇妙っぷりが光る人が多く、皆さん素晴らしかったです。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-20 02:46:56)(良:4票) |
2. ルーカスの初恋メモリー
《ネタバレ》 ヒロインの無自覚な残酷さ、かなりリアルです。あーゆー子いますよねー。必殺「ずっと友達でいましょ」。そういう言葉や態度が、どれだけこたえるかわかってないんだ、あーゆー娘は。悪気はないんだが、結局、イケメンのマッチョがいいんだよな。 反ご都合主義的に、最後までなかなかうまくいかないルーカス君に、かなり感情移入してしまいました。いいっすねー、こういうしょっぱい青春モノは。 しかし、純真なウィノナの美貌は素晴らしいですね。ヒロインがかすむことかすむこと。 [DVD(字幕)] 8点(2009-12-23 21:51:11)(良:4票) |
3. 冷たい熱帯魚
《ネタバレ》 情け容赦なく、殴って蹴って殺って犯ってヤりまくってバラす! ヌメヌメグチャグチャドロドロズッコンバッコンゲロゲロ映画! こんなにブチ切れた映画がインディーじゃなく、メジャーな感じで公開されてヒットしてるなんて、なかなか気持ち良いね。公開劇場増えればいいのに。 ブチ切れてる映画って、結構観客置いてけぼりのオナニー映画になりがちだと思うんだけど、本作はしっかりエンターテイメントになっていて、面白いのが凄い。2時間半弱の長さは全く感じない。ハードバイオレンスに、コメディ風味が足されているので終始苦笑いで観られる。 濃厚なゲロの味がするような、すげえ汚いけど、すげえ面白い映画。 実話ベースとは言っても、ここまでやられるとファンタジーにしか見えない。 細かいツッコミなんてしゃらくせえ。 18歳未満お断り! 「冷たい熱帯魚って面白そうだけど、グロいの苦手なんですけど大丈夫ですかね?」 とかイチイチ聞くような人は観ないでヨロシ。 しかし、間違ってもお母さんと観に行ったりしちゃダメだぞ! 「いやー、良い見世物を観た!」というような清々しい気持ちで劇場を後にできました。 [映画館(邦画)] 8点(2011-02-13 12:16:21)(良:4票) |
4. 塔の上のラプンツェル
《ネタバレ》 ザッツ、ビューティホー!!! これが3Dの真の力か!?自分の生涯観た映画で最も美麗な映像に完全に魅了された。 映像単品でも美しいのに、映像を際立たせる演出力が超1級品なものだからやはりそんじょそこらの3Dとは格が違う。ディズニーってやっぱスゲえんだ! この作品だけは3Dで観た方が良い。 しかし、こんなにミュージカルで歌いまくるとは思ってなかった。だったら原語で観れば良かったな。しょこたん自体は、全く問題なくいい仕事してる。 そして、スペクタクルも熱い!取り囲まれて、髪びよーん、木がドーン、水どばしゃーってとこ最高。髪がびよんびよんしてて便利で美しくて楽しい。 動物さん達がキュート!乱暴で有能なお馬さんと、ニヒルで賢いカメレオンさん、本作では動物さん達はおしゃべりしないのに、キャラクターとしてはこの二匹が、サイコーに魅力的である。 パーフェクトっぽい映画ではあるんだが、個人的に好きでない点はある。 恋愛シーンが観ててこっぱずかしい。出会ったばかりで、いつの間にかあっさり好き合ってたりとか、そういうとこディズニー安易だよね。簡単に心通っちゃう話苦手だよ、俺は。そんな二人がデュエットするとことか、鳥肌立つわ。あんな軽薄なドロボーの兄ちゃんのどこがいいんだ!俺はアイツ好きじゃない! あとさ、いくら嫌な奴だって分かったとしてもさ、育ての親に対する感情はあんなアッサリなくなっちゃうもんなの?そういうフォローないの寂しいよね。ラプちゃん冷たい。 結局哀れなクソババア独り悪者にして、仲間を裏切ったドロボーさんは善良な面すんのか! ディズニーはババアに冷たい。 [映画館(吹替)] 8点(2011-05-05 12:23:05)(笑:2票) (良:2票) |
5. さんかく
いやー、やはり痛面白い!! この監督は一体どんな人生を送ってきたんだか。 痛い人間の生態の描き方が、ひたすら生々しく滑稽。 恋をしている男女なんてものは多かれ少なかれ痛いものだから、少しくらいは、自分と共通する部分を見つけてしまうかもしれない。「そんな痛いトコみせないでくれよ」と居心地が悪くなり、笑えるシーンも苦笑いしかできなくなってしまうことだろう。 キャスティングがかなり絶妙。 出ている映画のほとんどがヤンキーか柄の悪い高岡蒼甫は、本作ではかなりの新境地を開いたのではないかと思う。これこそが、本当の高岡蒼甫なのでは?と思うくらい自然にかなり痛い男だった。 そんでもってこういう男にコロっといっちゃう痛い女っているよなー。っていうのを演ずるのが田畑智子。この方も痛い女を演じさせたら恐ろしいくらいにハマってて「ザ・男をイラつかせる女」としてかなりリアル。 そして、ひっかき回すのがAKB48の小野恵令奈。この娘がとびきりエロい。15歳と言えど、バカにできない肉体。可愛すぎない程度の可愛さ、計算しつくされた無防備さと、あどけなさ。寝起きとか風呂上りとか、もう! このエロさで責められたら、ロリコンでなくとも悩殺されてしまったとて何ら不思議ではない。 ナタリー・ポートマンにデレデレのジャン・レノを責められないのと一緒である。 喋りも相当に舌ったらずで甘ったるく、何を言ってるのか分らない場面もしばしば。普通の映画では、まず起用されないだろうが、本作ではこれでいいのだ。「こういう娘フツーにいるよな」っていう自然的な若い娘を演じるには演技力などむしろジャマにしかならんのだ。そして、こういう娘に弱い男は多い。 恋をするのに年齢は関係ないと言うが、ロリコンにだけはならないようにした方がいいと思うばかりである。 [映画館(邦画)] 8点(2010-07-04 23:00:44)(良:4票) |
6. ガチ☆ボーイ
《ネタバレ》 センスの悪いタイトルとパッケージ、イマイチ食指の動かないキャスト陣と、安易っぽいスポコンコメディとくれば、どうにも敬遠しがちだったんですが、評判の高さにつられ見てみるとこれがなかなか良かったです。 主人公の男は新しいことが覚えられない記憶障害を持っているとのことで、予告編では軽く触れる程度だったが、この設定が実はかなり重く、切なく、怖い。映画自体は明るいコメディの雰囲気なんですが、ところどころでガチでシリアスに心をガクガク揺さぶってきて油断なりません。起伏のあるストーリー展開も文句ないし、賛否がわかれそうなサエコは個人的には好きですし、抜群のタイミングで流れるウルフルズの挿入曲にはかなりテンション上がり、最後までウナギ登りで観れました。 しかし、この時点では事故から1年程度だからいいものの、彼の5年後、10年後、その先を想像してしまうとどうにもハッピーエンドも一時的な気がしてへこんでしまいます。なので皆さんどうか彼の雄姿を心に焼き付けてあげてください。まぁ、フィクションですが。 [DVD(邦画)] 8点(2008-10-13 04:28:26)(良:4票) |
7. SUPER8/スーパーエイト(2011)
《ネタバレ》 これは結構、楽しめる人、楽しめない人が分かれる映画なのかも? 新しくなくてもいいんだ。 もう冒頭の過剰な大爆発からニヤニヤが止まらない。 こういう無駄な爆発がやたらとある映画が大好きなのである。 あと、愛くるしい子供達がワイワイキャッキャ楽しげなやり取りをしてて、どうでもいい脇役の大人たちはアッサリゴミのように死んでいくこの感じもイイ! これは、映画好き達の幼き心を理解しつくしているスピルバーグさんから、僕らへの『お前ら、こんなん好きやろ?』っていう、プレゼント映画じゃなかろうか。子供の頃、初めて映画に触れて、無邪気に楽しんでいたあの頃の気持ちを思い出させてくれるような作品だ。 SF、ホラー、モンスター、パニック、アドベンチャー、友情、親子愛の要素をごちゃっと詰め込みながら、それなりのバランス感覚で仕上がっているのは流石。 その分、当然粗くなってしまっている部分も多々あるし、ストーリー展開自体も遅い。 けど、そんなの別に気にならない。 画面から溢れんばかりの映画愛。それに尽きる。 この映画を見て、ホラーを好きになってくれる人が増えるといいなぁ。 [映画館(字幕)] 8点(2011-06-25 02:12:12)(良:4票) |
8. トロン:レガシー
《ネタバレ》 まず3Dについて。もともと、目が疲れるから3D嫌いだけど、この作品は目が疲れない。 2時間超えてるのに。何故か? 全然飛び出さないから! 3Dなのに! 追加料金取られてんのに! 最初の方の現実世界は2Dで撮られててゲーム世界に入ると3Dになるという手法は良いのに。ゲーム世界に入ったらグワっと素晴らしい奥行きが出てくれば感動するのになあ。なんで、こんなに地味な3Dなん? 特殊な世界観なのに説明が雑なせいか、どうも入り込めない。 肝心のアクション自体は、いちいちキメポーズしたりブーメランで戦ったり、変な乗り物なってバトルして楽しい部分もあるけど、どういうルール内で戦っているのかが分からないため盛り上がりに欠ける。それでも、ゴリ押しでド派手なアクションをガンガンかましてくれればいいんだが、案外アクションが少ない。もっと色んなゲーム見せてくれるかと思ったらほんのちょこっと。ダラダラ会話しているシーンがやたら多く、話の内容も全然面白くないし、説明的。 黒髪ショートカットの姉ちゃんは魅力的だった。そのおかげで最後まで、しっかり見れたので、この映画での彼女の功績は計り知れない! [映画館(吹替)] 5点(2010-12-19 11:25:13)(笑:1票) (良:2票) |
9. ガメラ 大怪獣空中決戦
《ネタバレ》 特撮に対する愛情溢れる怪獣映画で、アクションシーンはミニチュアだとバレバレでもCGとは違って、本当に爆発させている分興奮してしまうところがありました。ガメラの火の玉がなんだか凄くかっこいいぞ。 ストーリーはと言えば、子供向けにしては小難しいし、大人が見るにはいい加減。出てくる人間が結局ストーリー上何の役割も持っていないのが残念。巫女になってしまった娘さんとかも、重要そうに見えて、何の説明もないまま結局何の役にも立っていないって雑すぎないかい? [インターネット(字幕)] 6点(2008-12-21 10:29:57)(良:3票) |
10. 第9地区
《ネタバレ》 面白い! 凄い!! 感動した!!! ピーター・ジャクソン的B級悪趣味コメディテイストを持たせながら、社会問題、友情物語等も織り交ぜ、アクションとSFホラーを混在させながらも、高いエンターテイメント性を保ったハイグレードな映画だ。 ただの楽しいエイリアンモノを見に行くつもりで軽い気持ちで観に行ったが、そんなちっぽけな映画ではなかったのだ。 ゴキブリが超賢くて、人間サイズでコミュニケーション能力あったら僕らはどう対応すべきか? っていう難しくて意地の悪い投げかけがある。 やっぱゴキブリは生理的に無理じゃね?っていう。 観客としては、途中までどちらに肩入れして観ればいいのかが難しく、しっかり考えさせてくれる。いっそ攻撃してきてくれれば、やっちまえ!ってなるんだろうが、そう簡単にはならない。 そういう点からもバカ映画に見えて、実は極めて知的な映画であると思うのだ。 しかし、堅っ苦しいこと考えなくても、すげー面白いのだ。 面白いけど、色々考えさせられるし、だけれどちょー面白いのだ。 いろんな映画の面白いところをガンガン詰め込み、それでいて新しさを感じさせる見事なエンターテイメント映画だった。大満足。 [映画館(字幕)] 9点(2010-04-13 21:09:50)(良:3票) |
11. グリーン・ホーネット
《ネタバレ》 2Dで鑑賞。 戦う動機→かっこいいから!っていう、勢いとノリがバカで分かりやすくていい! 車からミサイル発射したりするのが爽快! ブリットがワガママで嫉妬深くて、人間としてかなりダメダメなのが愛着を覚える。 悪役も非道なのにバカでチャーミング。アクションがド派手で重火器全開でドカンバカンしてて楽しい。ヒーロー資質は皆無で、スポンサー適正しかないブリット君が出しゃばりまくるせいで、上手くいかなくなる感じが凄く可笑しい。 監督もPVでこなれてるとは言え、音楽の使い方も抜群に上手く、気持ち良くテンションをあげてくれる。映像的にも、序盤のアクションシーンでPVっぽい演出があったのも悪くなかったし、そういう事をしつつも、必要以上に映像をいじくり回したりしてはいないから見づらいってこともないし、アクション映画も全然いけるってことを知らしめたのではなかろうか。 とにかく最高に楽しい2時間弱だった! [映画館(字幕)] 9点(2011-01-30 10:51:32)(良:3票) |
12. 手紙(2006)
《ネタバレ》 原作未読です。ストーリーがシリアスなのに、しょっぱなのシーンからなんとも安っぽい(もみあってるうちにナイフが刺さっちゃって人が死ぬってパターンは、いい加減やめてほしい。「またそれか」と笑ってしまう)。 そして、次々と押し寄せるご都合主義的な展開と、安いテレビドラマに出てくるような判を押したような深みのない登場人物達(ツンデレ要次、暇人会長、お嬢様と手切れ金をちらつかせる金持ちパパなど)にげんなりして、途中で断念しそうになりました。 前の彼女をあきらめた主人公も、散々邪険にしていた子が、代わりに手紙を書いてくれたことがわかった瞬間に「これからは俺がお前を守る!」って、オイ・・・。 しかし、最後の手紙あたりから気合いが入ってきて、ラスト近辺ではタマテツの力か、ちょいと感動してしまいました(オダカズの曲が流れて笑いそうになったが)。もっと全編にわたって気合いを入れてほしかったですね。まぁ、この物語の主人公はモテなかったらもっと悲惨な人生を送ったことは間違いないんですが。(意図不明な関西弁を操り、何の説明もなく姿をガラリと変えるが)天使のような娘に一方的に惚れられるって、それだけで十分な幸せものじゃねーか。ある種のファンタジーですね。 [DVD(邦画)] 4点(2008-06-07 23:38:38)(笑:1票) (良:2票) |
13. スカイライン-征服-
《ネタバレ》 シュワちゃんもウィル・スミスもスーパーヒーローもいないこんな世界に宇宙人がやってきたら人類はなすすべもない! …「宇宙戦争」も同じようなプロットだったな。 本作では主人公達がとっても平凡で、何の魅力もない人達。 そんな人たちが内輪モメしたり、ギャーギャーいいながら逃げ惑うだけのお話。 登場人物も少ないし、なんでこんなチマチマしてんのさ。 しかも、一番可愛い子を真っ先に死なせるとか正気か!? もう、この時点で観る気が更に失われるのである。 それを差し引いても脚本に全然魅力がない。映像とか、音楽とかの使い方もダサい感じだし。 しかし、実は結構満足している。空からUFOもどきが大量に降りてくるシーンとか、米軍とUFOもどきの空戦とか、人がまるでゴミのように吸い上げられたりするシーンとか、引き画がいい感じなのだ。 たぶんこの監督、人間やストーリーにあんまし興味なくて、こういう引き画を撮りたかっただけなんじゃないかな。捕食シーンもいい感じだし(数が少ないのが残念すぎるが)。 こちとらそういう画が観たくて観に行ってるところもあるし、そういう意味ではそれなりに満足できるわけなのだ。 ただ、それだけじゃあない。 注目すべきは、3日目だ!おぞましき、3日目! 3日目からラストまでの流れが最高!なんて愛らしい映画なんだ!バカっ! 一気に好感度が上がった。 俺は好きだよ!こういうの。 [映画館(字幕)] 7点(2011-06-19 14:58:01)(笑:1票) (良:2票) |
14. 月に囚われた男
ケヴィン・スペイシーどこに出てたのかと思いきや、ロボの声だけなのね。 しかし、エイリアンも殺人鬼もでてこないし、地味だし、登場人物は…なのに何故面白い。 低予算映画とは思えないクオリティの孤独感を強調する丁寧で美しい映像、ありそうでなかった奇妙で切ないストーリーにすっかりひき込まれ、寝ぼけ眼の目も冴えまくった。 手塚治虫の火の鳥を思い起こしたのは僕だけだろうか。 大きくはないけど、ジワッとした感動。単館で終わるのはもったいない。 [映画館(字幕)] 8点(2010-05-02 23:43:30)(良:3票) |
15. 50/50 フィフティ・フィフティ(2011)
《ネタバレ》 もっとバカを全面に出したコメディかと思いきや、シリアスなテーマを軽快に描いたかなりの良作。 死ぬかもしれない人に対して「普通に接しよう」と心がけることは、なんて不自然なんだろうと、そんなことを思い知らされる。ただ、本作はあくまでもコメディとして描く部分も多いため、あからさまに不自然に接する人が、おもしろおかしく描かれたりもするのが、いい塩梅。 セス・ローゲン演じる、主人公の親友カイル。このキャラクターが素晴らしい。主人公のアダムには無償の愛とも言えるほど、献身的に尽くす。毎日朝迎えに来たり、家に入り浸ったり、外に連れ出したり、病院への送り迎えや、薬をぬってあげたりもする。その上、軽口でおちょくったり、ナンパのために利用したりと、無理してる感が全くない。長年連れ添った夫婦レベル。このレベルをあの彼女が要求されてたんなら、そりゃ無理だろ。 それだけにこの友人は、最後まで「もしかして、コイツただのバカなんじゃないの?」っていう疑惑を残しておいてほしかったのも確か。 こいつがイイヤツすぎるところが不満点でもあり、感動ポイントでもある。 普通の難病映画なら肝となる部分をサクサクっと流し、あっという間に話が進み、いつの間に終わっているというテンポの良さ。テーマがテーマなだけに、面白いだけに、もっとジックリ描かれてしかるべき部分が多かったようにも思える。 「えっ?」と思ったのは、おっぱいを強調する若いセラピストとあっさり恋仲になっちゃうところ。 この二人はくっつきそうでくっつかないぐらいじゃないとなぁ。 [映画館(字幕)] 8点(2012-07-29 02:06:17)(良:3票) |
16. ベスト・キッド(2010)
《ネタバレ》 評判は割と良い本作だが、あんまり好きじゃない。 師匠役をジャッキー・チェンにしたということで、オリジナルのミヤギの胡散臭さには到底敵わない。ジャッキーだと、出てきた瞬間、観客の全てが「カンフーの達人だ!!」って思ってしまう。だから、カラテライトコメディから、本格カンフーストーリーになったのは必然だったのかもしれない。アクションのレベルはビックリするくらい高かった。 ジェイデン君、ライバル役、その他の子供たちまで身体能力が高い。中国という舞台設定もいきている。 ただ、長くてベタな割りにストーリーやキャラクターに深味がなく、見ていてテンションが上がらない。主人公は女の子とイチャイチャしてるシーンが長くてライバルのチョン君の存在感が凄く薄い。薄すぎる。イチャイチャシーン、オールカットでいいっしょ。 ジャッキーの暗い過去とかもいらないなー、だったらライバル師範との確執とかを描いて欲しかった。 ジャッキーだからって、修行が本格的すぎるし。ワックスぐらいかけてよ。 ライトでB級なオリジナルのベスト・キッドのが断然好きだ。 最初に友達になったハリー君どこいった? あ、顔芸は面白かったよ!! [映画館(字幕)] 5点(2010-08-29 12:29:49)(良:3票) |
17. 奇跡(2011)
《ネタバレ》 穏やかで美しいカメラ割に、暖かいバンドサウンドの音楽がひたすら心地よい。 この点だけでも、観る価値あり。これが映画の画であり、音である。 と、言いたくなるほど。 物語を豊かにしていたのはイチイチ面白すぎる会話。こんなに楽しく、笑える映画だとは思っていなかった。脚本があるにしてもないにしても、どうやったらこんなにも自然で こんなにも面白い子供の会話が撮れるんだ? 奇跡なの? 天才なの? 子供たちの想いは一つではなく、みんなそれぞれ思い思いに自分の希望があって、考え方もバラバラ。兄弟だって、当然違う。でも、それで良い。それが良いのだ。 「一つになろう日本!」とか言ってる場合ではない。 本当にささやかで小さな物語だが、ほんの少しだけ成長する子供の姿に大きく心を打たれてしまった。泣かせの演出なんてこれっぽっちもないのにね。 まえだまえだをはじめとする子役たち全員ブラボー。 その他のキャストもみんな映画の中にしっかりと生きていた。 くるりの曲もがっちりハマっていて素晴らしかった。 是枝さんは、本当に信頼できる監督だ。 [映画館(邦画)] 9点(2011-06-25 02:04:09)(良:3票) |
18. ヒックとドラゴン(2010)
《ネタバレ》 「ブラボー!!」 終わった瞬間立ち上がって、そう叫んで拍手したかった。 そんな傑作。四の五の言わずに観ればいいじゃん! ベタなストーリーの話は、下手な演出だと観てられないけど、上等な演出だとここまで気持ちよくなるのか!というお手本。 男の子だったら当然、ドラゴン退治をしたいはずだし、ドラゴンに乗りたいとか思わないわけがない。その両方を同時に満たし、なおかつ超爽快。 ドラゴンに乗っている時のスピード感と来たら、もう! 本作は、緻密なCGというより映像がひたすらダイナミックで大迫力なのが特長だ。 愉快な仲間たち、見た目はそうでもないのに立ち居振る舞いが魅力的すぎるヒロイン、 厳格で強い父親、様々なドラゴンに、強大凶悪なドラゴン・・・。と、全てのキャラクターがいきいきと動いている。 ストーリー運びも過不足ないし、クライマックスの盛り上がり感も半端ない。 ゾワゾワ来ます。ホント。ラストも素晴らしいし。 最後になかなか描けないような形で代償を描いたところも含め完璧に近い。 声を大にして「面白かった!!」と言いたい映画。 [映画館(吹替)] 10点(2010-08-08 00:31:01)(良:3票) |
19. 必死剣 鳥刺し
《ネタバレ》 丁寧で落ち着いた作品だった。 映像、演出、キャストはかなり上質なのではないかと。 役者として一番存在感があったのは関めぐみで、美人で冷酷という役は、かなりのハマり役でウットリ。 そして、あどけない逆説的色気の池脇千鶴には目が離せない。 俺も池脇千鶴に背中を流されたい! 丁寧な語り口で、ストーリー自体も悪くはないと思うんだけど、ちょっと中盤が退屈。 殺陣はクライマックスまで全然ないし、殺陣自体も余り興奮しなかった。 鳥刺しは自分で編み出して、使う時は死ぬ時なので誰も見たことがないって、どうやって編み出したんだろう…。黒魔術? あと、それなりの満足感で最後まで観たのにエンドロールの曲が、浜崎あゆみ みたいな曲でゲンナリした。 トヨエツって乳輪でかくて、乳首黒いね! [映画館(邦画)] 6点(2010-08-01 21:50:35)(笑:2票) (良:1票) |
20. モテキ
《ネタバレ》 キスシーンがエロい。こだわりでしょうかね。長澤まさみやら、麻生久美子やらのキスシーンがエロくてドキドキします。ピンコ立ちします。後はおおむね貶します。まあ、ドラマ版も観てない癖にノコノコ観に行ったのが間違いだったんだけど。 クドすぎる演出にウンザリ!独白がクドい!漫画臭がプンプン! そして、同じ演出(カラオケ)を何回するんだ!?音楽の使い方がイチイチあざとい。もっとサラッと自然に使った方が効果的だと思うんだけど…。音楽使うごとにプロモみたいになってストーリーが止められるから、テンポが悪くてしょうがない。 そして何より釈然としない結末。 このラストはありえないんじゃないの?それまで積み上げてきた本作のテーマらしきものを無視するかのような唐突で納得いかないラスト。完全にぶれてるんじゃないか? この監督は自分のセンスをさらけ出すことにしか興味がないんじゃないのではないかとすら思ってしまった。エンドロールまでこだわってちゃんと作ってるのは好感持てるんだけど。 先にドラマを観ている人で、こういう演出だとあらかじめ分かっている上で好きな人だったら何の問題もなく観れるのではないかと思う。全く肌に合わない映画だった。 [映画館(邦画)] 3点(2011-10-11 02:05:35)(良:3票) |