1. スラムドッグス
《ネタバレ》 これは最高!ピンポイントでハマりまくりました。 動物を擬人化して口パクで語らせる映画は数あれど、ここまでお下品で下ネタ満載なのってあったでしょうか?下ネタにしたって、大人の下ネタあり、中学生レベルあり、小学生レベルありとバラエティ豊か。勿論、一見ファミリー向け映画ですが、お子様と一緒に家族での観賞は絶対NG!だって、親が笑う度に子どもからの質問攻めにあって、お父さんもお母さんも気が気じゃなくなっちゃいますから。 下ネタ下ネタって言うと相当お下劣な作品と思うかも知れませんが、ちゃんと感動出来るシーンだってあります。でも、即座に下ネタ被されちゃいますから感涙はしません。やっぱお下劣です。一体全体、全部で何回ファックって単語が出て来たことやら。 犬やら動物が大好きな人は勿論、犬がそれほど好きでもない人でも、お下品系が大好きな方には超おススメしたい1本でした。 ちなみに、邦題より原題の方が好きかな。うん、ちょこっと捻ったタイトルよりシンプルな方が良いような気がします。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-06-02 23:22:51) |
2. スペース・シャーク
《ネタバレ》 Z級サメ映画の巨匠(の一人)、ダスティン・ファーガソン監督によるトンデモ映画ですね。 大作のパロディ(と言うか思いっきりコピー)だったり、自身の作品のネタを引用したり(殆どの人には伝わらんて)、いつも通りの作風です。(ここで「いつも通り」と言ってしまえる自分にも驚きますが) 要は、何故か運動能力を備えた宇宙植物(この時点で植物じゃなくて動物でしょ)と、これまた何故か植物由来の手足の生えた小型のサメ風生物(やっぱ植物じゃなくて動物でしょ)が、墜落事故で地球上に放り出されて何故か急成長して植物も動物も人間を襲うというお話です。 細かいことは言いっこなし。とは言え少しだけ綴らせていただくと…異様に長いオープニング&エンドロール。のみならずヒーリングビデオよろしく長回しの風景と出演者のフル尺ランニング。宇宙船内はお馴染みのゲーム的画面も長い。何という尺稼ぎ。宇宙船内の研究室の壁面が銃器で埋め尽くされている。宇宙船に衝突する隕石を地上から双眼鏡で発見して個人的判断で宇宙船と交信する人物。完全にPデター丸パクリの宇宙ザメが走り回るetc.…兎に角すべてがツッコミどころ。それを楽しむためのものなのだ、と割り切れる方だけが楽しめる作品。ある意味貴重な作品を生み出し続ける監督に+1です。 ちなみに、何故にエリック・ロバーツさん??(何かしら大人の事情でしょうか?) [インターネット(字幕)] 2点(2025-05-29 10:00:58) |
3. 少し未来のある部屋で
《ネタバレ》 ひとつ間違うとコメディになってしまいそうなシチュエーション。もっとも、多様性が常識化した今の時代に、これをコメディにしたらさぞかし怒られるでしょうけれど。 男性による出産という設定は、SFの世界では既視感がないこともないような。ただ、本作では出産願望のある男性が実はゲイであるというひとひねりがあります。そして、突然訪れたお腹の子の父親には彼なりの苦しみがある。決して単純な話にはならない変化球的展開が新しく、物語に厚みを持たせてくれてます。 現実問題として、人工子宮による男性の出産って、倫理的な問題とかいろいろ障壁があるでしょうけれど実現可能なように思えてしまいます。現状では、出産そのものは女性に限られたお話(勿論原因は男性にもあることは承知していますが)、という前提があってこその不妊治療だったりする訳で、もし本作のように男性による出産が前提条件に加わったならば、当事者の思いは一体どうなることやら。決してコメディにはなり得ない深刻な問題ですね。 短編だからこその問題提起。結末までは示されない中、考えさせられるものはありました。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-05-27 22:14:14) |
4. スイート・マイホーム
《ネタバレ》 原作未読。原作は名のある賞を受賞した作品。映画化にあたっては、かなりの味付けを施したのでしょう。 そう、言い方を変えればかなりの部分で粗が目立つと言うかツッコミし放題と言うかの作品ですね。ホラーだホラーだとミスリードしておいて、結局はホラーじゃなくて人間の狂気をベースにしたサスペンス。敢えてベースとしたのはテーマ性は弱いかな?と感じたからです。 少なくとも本作を観る限り、主人公のトラウマになっている実家における過去の出来事と、おそらくはそれに起因する兄の現状は、主人公のマイホームに纏わるストーカー的事件とは関係なく思えるから。兄が何かに怯えているからといって、主人公の家にまで類が及んでいる訳じゃ全然ないでしょう。あるとすれば、あくまでも主人公の内なる世界のお話じゃないかと。でも、だったら一連の犯人は主人公でした、みたいな展開があっても良さそうだし。 子どもの頃、弟を庇い父親に虐待を受け続けていた兄。見かねて父を殺してしまった弟。同じく夫に苦しんでいた母親は、子どもたち(自分自身も?)を守るべく遺体を処理して犯行を隠してしまった。弟の凶行と母親の隠蔽行為は兄にとってあまりに重過ぎた。だから、得体の知れない脅威を想像し引き籠ってしまった。 主人公はあまりの心理的ショックに自らの行った行為の記憶を封印してしまう。閉所で錯乱するのは封じた記憶が解き放たれるのを妨げるためでは?百歩譲れば不倫行為もその延長上にあるのかも。十分に幸せなのに更なる幸せを欲張ってしまったとか? いずれにせよ、幸せの絶頂から奈落へと突き落とされたことで狂気に陥ってしまった設計士(原作では更に別エピソードもあるようですね)の犯行は、部分的・間接的には主人公の不貞行為に起因するものかも知れませんが、あくまでも彼女の世界を守らんがための凶行に思えてならないです。同僚殺しも主人公の元愛人の自殺も主人公の兄殺しも。とりわけ兄はある意味純粋な被害者。とばっちりに近いのでは? 全編を覆う不穏な空気感。登場人物の謎めいた雰囲気。途中でそこそこ見えてしまうにしても、適度に意外性を伴う真犯人とその人物像等々、惹き付けられる部分は少なからずあります。しかし、総じて見れば今一つ纏まりに欠けるように思えてしまうところ。数多ある「?」とか「んな訳ないだろ!」的ツッコミどころをもう少し丁寧に描きつつ、実家の事件と現在の事件の整合性を見せていただければ、もっともっと楽しめたかも知れません。エンディングも残酷さ・理不尽さに走ってしまった感があり、かなり残念な作品。赤ちゃん受難エピソードが胸糞だったことはかなりの減点要素です。甘めの4点を献上します。 [インターネット(邦画)] 4点(2025-05-05 00:09:21) |
5. スパイク・ガールズ
《ネタバレ》 あまり笑えないコメディ。てか、個人的には全く笑えず。おネーさんたちもコーチも謎のカルト集団?も、登場人物に全く感情移入とか共感とか出来ないってのは、いくらダークコメディであってもどうなの?という感じでした。 寧ろ、主人公たちがあまりにヒド過ぎるのでカルトなんだか山賊なんだかわからないオヤジ集団(一人だけ少し若い)の方に肩入れしたくなるぐらい。 チームの面々のキャラ設定から、もしかしてお色気路線なのかな?と仄かな期待もしましたがサービスカットはほぼゼロ。否、まるでゼロ。かといって、スプラッター全開かと思いきやチョコチョコっとVFXで仕上げてる程度。コメディなのかホラーなのか何なのか?バレーボールチームが一丸となって特技を生かして悪党どもと戦う作品、ではありませんでした。最後になってバレーボール武器にするなって。何なの邦題?(同時に何なの原題?) コーチの意味不明な爆死で全滅かと思いきや一部生き残りが凶暴化して?街に戻るというエンディングにも、意外性とかはまるでなく勿論?続編に繋がるようなフリもなく、一体これは何だったのだろうという後悔の念が残る作品でした。 [インターネット(字幕)] 2点(2025-04-29 11:59:26) |
6. 隙魔(OV)
《ネタバレ》 ありがちな都市伝説にひと工夫加えた物語。幽霊の正体見たら自分でした、という「実は死んでました系」の作りかな?と思えなくもないのですが、実際にヒロインは日々生活しているように見えるところから、ヒロインは幽霊というよりも死後の世界で追体験しているという理解も成り立つのかなと。 B級ホラーと言ってしまえば確かにそうなのかもしれませんが、要所要所が大きく破綻しているような雑さは感じられず、いろいろと考えを巡らせる楽しさもありました。長編ではなくショートフィルムで纏めてくれればもう少し高評価かな?と思われるちょっと惜しい作品ですね。 [インターネット(邦画)] 4点(2025-04-19 09:57:36) |
7. スペースボール
《ネタバレ》 やっぱりアメリカン・コメディはこうでなくっちゃ!というベタなコメディ。(誉め言葉です)邦画コメディとは大いに異なる味わい。個人的には大好物です。 パロディとしては殆どがSW関係で、終盤を除けば他作関係はほぼ無しという潔さ。他作は最後の最後にまとめてパロってる感じでしょうか。 下ネタやグロネタはほぼ無い状態でここまで作り上げるというのは称賛に価すると思います。宇宙船を始めとするCGの出来映えも80年代ということを考えれば相当ハイレベル。流石です。 まぁ既に製作後40年近く経ってしまっていますから、どのネタにも大笑いの捧腹絶倒という訳にはいかないところですが、今の時代に観ても十分にクスクス笑いを誘いまくってくれました。納得満足の7点献上です。 [インターネット(吹替)] 7点(2025-02-01 22:00:44) |
8. 座る女
《ネタバレ》 かなりの低予算と思われ、特殊効果を殆ど使うことなく一軒の日本家屋(千葉県内のようです)を舞台に撮り上げた作品。はっきりと目の前に居続ける幽霊(最後まで観てからよくよく考えれば死蝋化した死体と思われるのだけれど、移動するのだからやっぱ幽霊?)という発想は新しいかも。しかも、それを警察に通報することもなく、かと言って学術的に研究することもなく、ただ見世物にしようとする(モーリスにしてみれば研究資金を得るための収益事業と考えていた節はあるけれど、それだって歪んだ発想)というのも新しいかも。豪華キャストに頼ることもなく日本ロケ敢行、というのも新しいかも。つまりは、B級ホラー的テイストながらも見るべき点はいろいろある作品、と言って良いのではないかと。 シンプルに纏めれば、行方の知れない家族の帰りを待ち続け、祈りを捧げるうちに絶命した霊能者の怨念の物語。悪霊や悪魔が登場する洋画ホラーではなく邦画ホラー的アプローチ(かなり邦画の影響を受けているようにも思えますが)に徹した作りは好感が持てます。が、どうにもチープ。意欲作とは思うのですが、仮令低予算でももう少し丁寧な作り込みが欲しかったところです。決して称賛は出来ないまでも、興味を抱かせてくれた異色のホラーに甘めの5点献上です。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-10-01 17:57:25) |
9. STAND BY ME ドラえもん
《ネタバレ》 訳あって今更ながらに鑑賞しました。観始めは何故CGアニメ?(3Dで観れなくて残念)、いやいやドラえもんの世界観には合わないでしょ?との思いが強くて馴染めませんでしたが、声優交代と同様に中盤までには慣れたという感じ。どっちがいい?と聞かれれば迷うことなく2Dアニメと答えますが。 で、肝心のストーリーは既に多くの皆さんがご指摘のとおり、過去の名作のダイジェスト版的な構成。なので、感動の場面がいくつも出て来るのは必然ですが、少々端折って駆け足気味に展開してしまうので感涙には繋がらなかったというのが正直なところです。 そのくせ、約90分の尺なのに妙に長く感じたりして。あ、ここで終わりなのね、と思う間もなく終盤は二重三重の引き延ばし感。これも多くの皆さんが書いてらっしゃるとおり、別れの場面で締めるべきだったのでは?と思わざるを得ませんでした。結果的には再会エピソードまで持ち込んだことは失敗にはなっていないようにも思えますが、そのあたりは作り手の腕の良さ故と言ったところでしょうか。 コアなファンでも初心者・初見者でも楽しめるという決して低いものではないハードルに対して、実に無難に纏め上げた作り手の手腕には大いに賛辞を贈りたいとは思いますが、2D版で観たかったこと、エピソードを盛り過ぎなこと、着地点に違和感を感じたこと等々、納得出来ない点が少なからずあることから、6点献上に留めたいと思います。 いやいや今思い出しました。3D故の演出なのかも知れませんが、のび太が本を返しに来た時のしずかちゃんの入浴シーンがバストアップし過ぎな点と、のび太がしずかちゃんにもっと嫌われようとスカート捲りをした時の後ろ下方からのカメラアングルと、しずかちゃんが野比家の二階に這い上がりのび太を助けるシーンのスカートがはだけ過ぎな点が許し難く(必要なし!)、マイナス1点の5点献上です。(本来はもっとマイナス要素!) [インターネット(邦画)] 5点(2024-05-27 21:14:59) |
10. スーパーヒーロームービー!! 最'笑'超人列伝
《ネタバレ》 ホントっにくだらない!コッテコテに下品!道徳観も倫理観もあったもんじゃない!なのに最高に面白い!ひさびさにこの手のアメリカンコメディを鑑賞しました。 パロディとしてもかなりのハイレベルだと思います。勿論下品にハイレベルですが。でも、これ自体面白いのに元ネタを思い浮かべると重ねて面白いという二重の楽しさ。 そして御大レスリー・ニールセン様の存在感。本作出演の2年ほど後に他界されてしまいましたが、まだまだ楽しませていただきたかったという思いが10年以上を経た今でも湧いて来ます。この人が出て来るだけで、下品でも不道徳でも何だか許せてしまったりもします。 人の命を軽く扱い過ぎることとか、実在の有名人物を揶揄したり死なせたりとか、諸手を挙げて称賛は出来かねますし、アメリカはこれって許されるの?訴訟社会じゃないの?とか心配になったり恐くなったりもしますが、何せこの手の下ネタ&ブラックユーモアが大好物なので思い切って8点献上です。あぁ面白かった。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-04-09 22:30:22) |
11. ZOOMBIE ズーンビ ネクスト・レベル
《ネタバレ》 まさかの「ズーンビ」続編。と言っても、本作の後にはスピンオフ的作品の「シーワールドZ」もあり、更にはネット上では「3」の製作決定との情報もあったりして、アサイラムのヒットシリーズ?になりつつあります。と言うか、しつつあります。 本作は「2」ですが、時系列的には「ズーンビ」の前日譚ですね。ここで使用された新薬が発端となり「ズーンビ」や「シーワールドZ」に繋がっていくという具合です。 前作同様の、と言うかアサイラム作品のお約束どおりCG(時として着ぐるみ)は超チープで笑えるレベル。この見栄えに引いてしまう方には鑑賞出来ない作品という点では前作同様です。が、観始めて最初っから感じたのは前作より進化しているということ。何が?と言われると言葉に詰まってしまうのですが、出演者の演技に始まり相変わらずグダグダのシナリオや演出等々、確かにB級あるいはZ級作品であることに変わりないにしても、前作を超えた何かしらの見応えがある出来になっています。 ただし、あくまでもこの手の作品をワーワーと文句言いつつも爆笑出来る方、端的に言い換えればこの手の作品が「好き」な方にしかお勧めは出来ません。私は正直なところ「好き」なので大いに楽しめました。馬鹿馬鹿しいながらも大真面目に作っている(であろう)ところに惹かれます。 なので5点献上!と言いたいところですが、やはり狂暴化して暴走しているにせよ野生動物への乱射と虐殺はビジュアル的にはNG感の方が勝ってしまい、マイナス1点の4点を献上します。 [インターネット(字幕)] 4点(2023-12-26 11:55:46) |
12. スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜
《ネタバレ》 リアルでガチな変質者を描いた作品。等身大過ぎる描き方が只管恐ろしいです。 自らの幸せや生きる価値を見出せないからといって、毎朝気さくに満面の笑みをもって話しかけてくれる女性に対し、笑顔を剥ぎ取り不幸のどん底に叩き落そうとすることなど、一体どこの変質者が思いつくのやら。否、だからこその変質者なのか…。実行しないだけであって、世の中にはこの手の人物が数多く潜んでいるのかも知れません。 既にレビューされている方もいらっしゃいますが、精神的に病んでいることは勿論、その成育過程において極めて重大な問題があったのかと思わせられる異常性。彼が親離れ出来なかったのか、それとも母親が子離れ出来なかったのか、いずれにせよ今や会話さえも出来なくなってしまっている(息子とは話したくないのだけなのかも知れませんが)入院中の年老いた母親は、彼の報告めいた話を一方的に聞かされるだけで、彼にとっての救いとはなり得ない、いやそれどころか彼の行動をエスカレートさせる源にさえなってしまっています。 犯行の手段もある意味で残虐極まりない。しかも傷心の極みにある彼女に犯行声明的な手紙を送り付けるとは。巻き添えになった恋人は遠退いていく意識の中で何を思ったことでしょう。 それと、無実の罪を着せられてしまった清掃人の親子はまさに青天の霹靂。更には、捨て台詞的に残酷な言葉を投げ掛けられ失望の極みに追い込まれてしまった老婦人。愛犬も危害を加えられたし。前のアパートも含め、ここに登場しない被害者はまだまだいたのかも知れませんし、警察が捜査をしくじればこれからも増えるのかも知れません。 現実的に考えれば、ベッドの下でトイレも行かずに何時間もじっとしていたり、どこで知識を得たにせよ目的達成のための薬剤を十分に調達していたり、目撃者である女児を金品や脅迫で意のままにしたり、だいたいからして他人が一晩一緒に寝ていたら匂いとかで判るでしょうに…etc. そんなに上手くいかないでしょみたいな場面は多々ありますが、目を背けるような描写は殆どないながらも兎に角主人公の暗い素顔が恐ろしいホラー作品。恐いです。7点献上します。 ちなみに、これも既にご指摘がありますが、邦題は方向が違い過ぎますね。ミスリード目的?これはマイナスポイントです。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-11-11 11:37:05) |
13. 355
《ネタバレ》 豪華キャスティングによるスパイアクション。ただし、ストーリー的には特に斬新と言うこともなく、典型的と言っても良いような既視感溢れるストーリーです。正直言って意外性はゼロ、どんでん返し感は感じられません。 とは言え、2時間の尺がひとつも中だるみすることなくスピーディに展開。文句なしに楽しめることは間違いありません。けれど、その上で感じてしまうモノ足りなさは一体何なんでしょう? それはひとえにキャスティングなのかも知れません。豪華だし、魅力的だし、ビジュアル的にも申し分ないのですけれど、この人じゃなきゃダメ!みたいなベスト感溢れるキャスティングではないのです。具体的に誰がどうということではなく、それだけに「じゃあどうすればいいの?」といった問いに対する答えはありません。観終わった後、それがモヤついて堪らないのです。 面白いです。楽しめます。されど物足りない。なので甘めでも6点献上止まりです。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-11-06 20:12:46) |
14. 水曜日が消えた
《ネタバレ》 多重人格が心理的な虐待等を伴わない外傷性ショックで発症したり、日替わりで順序正しく発現するという症例があるかどうかは分かりませんが、アイディアとしては面白いと思います。メモや動画で各人格が情報交換したり、最終的には二つの人格にまとまり、短時間で入れ替わりながら記憶の中で会話するというのも、実際にあるのかどうかは分かりませんが面白いと思いました。 ただ、その延長線にある結末としてはどうなんでしょうか?一般的には主人格を残し、他の人格を消していくというのが治療方針というような話は読んだことがありますが、各人格が互いの存在を認識し、尊重し、多重のまま存続することを選択するというのは、「元に戻る」という本来あるべき姿からの現実逃避であって、医療チームがそれを容認するというのもおかしな話のような気がします。 あくまでも娯楽作品として楽しむのであれば、ヒューマンドラマとしてのエッセンスを散りばめ、出演者の確かな演技に支えられた本作は見応えのある佳作と思います。割れたドアミラーに映る鳥の姿で人格の統合と分離を表現したり、人格の入れ替わりを視覚的に表現したりなど、映像的にも印象に残る作品でした。とは言え、少々アイディアに走り過ぎた感があるのも否めず、迷った挙句7点献上します。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-11-02 21:33:17)(良:1票) |
15. Smile スマイル(2022)
《ネタバレ》 邦画「リング」を思わせる死の連鎖。怨霊?悪霊?それとも死神?その姿は邦画「デスノート」風のようでいて動きは「伽揶子」っぽさがあったり。更には、肝心要の死に際の笑顔は「喪黒福造」のそれに見えないこともない。この監督さん、きっとジャパニーズホラーとか日本文化が好きで堪らないのかなぁ、と思ったりして…。 さて、「ホラーですが決して恐くはないです。」といったテイスト。可愛いお姉さんに目の前で満面の笑みを湛えられたら最早笑い返すしかないです。これってホラー的には結構ハードル高めですね。つまり、「笑顔」の連投で今ひとつ緊張感に欠けてしまい、折角演出している恐さが半減しているように思えます。確かに不気味な貼り付いたような笑顔ではあるのですが…。 そもそも何で「笑顔」なの?何で自殺目撃で連鎖?何で自殺しないで殺人しても生き残る?いろいろと疑問は残りますが、思いっきりの「笑顔」を犠牲者に重ね合わせるという一発もののアイディアに免じて甘めの6点献上です。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-10-15 23:32:54) |
16. スレンダーマン 奴を見たら、終わり
《ネタバレ》 あまりにお馬鹿な4人に感情移入不能。と言っても、そうじゃなきゃ物語が先に進まないので仕方ないところですね。そして、お約束通りにどんどんと墓穴を掘っていく展開。 もう少し無理なく自然体でお馬鹿が出来ないものか?と一旦感じ始めてしまうと、脚本と言うか演出と言うか、有名都市伝説の映画化にあたってのアレンジがあっさりし過ぎていること(殆ど元ネタ)に面白味を見出せず、一つひとつの場面を観れば丁寧におどろおどろしく描いているように思える割には全く恐さのない(予測可能な)作品でした。 都市伝説の映画化、難しいですね。 [インターネット(字幕)] 4点(2023-08-14 00:20:45) |
17. スケア・キャンペーン
《ネタバレ》 決して面白くないとは言いませんが、折角の企画が十分に生かされていない作品ですね。既にレビューされている方もいらっしゃいますが、二転三転するサプライズ含みの展開が肝心のラストで尻すぼみしているように思えます。 仮面集団もドッキリ動画作成集団だったことが明かされて火葬されそうになった彼が失禁して笑ってごまかすとか、ヒロインが解放されたのは彼女もマスク集団の一員で車中で幽霊役の女優とハイタッチするとか、あくまでもドッキリ番組の延長線で纏めてくれた方が「してやられた感」が確実になって良かったかなと。大ラスとかエンドロールで、実はこれ全体がドッキリ企画でしたなんてのもありだったかと思います。 ところが製作者さんは、マスク集団を実在の犯罪集団として描いて終わってしまいます。結果、一番後味の悪いエンディングですね。そこを狙った作品と言うことでしょうか。 だとしたら何故ヒロインは解放されたのか?マスクの親玉は「待っている」って言うけど、何をどうして待つのか?彼女に何を求めたいのか?車に監視カメラ据えてどうしたいのか?そもそも、彼らの属する巨大で財政豊かな組織とは一体何を目的とする組織なのか? あぁスッキリしない。こりゃどう見ても「2」製作前提?でも予定はなさそうだし。何とも残念な仕上がりでした。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-23 12:17:53) |
18. スカイライン-逆襲-
《ネタバレ》 三作目となって最強ヒロイン大活躍的作品といった色が益々濃くなったような…。最早無敵のローズ。全二作を未見でも十分に楽しめるSFアクションエンタメ作品に仕上がっており、結果、シリーズ全三作はそれぞれに異なるテイストの魅力的な作品になっていますが、本作は前二作がそれぞれに持っていたようなオリジナル感が少々控え目に感じられます。SFアクション大作の王道を行くような正統派作品とでも言いましょうか。 ただし、攻め入る人類側がローズを中心として強力極まりなく、背水の陣で決死の攻撃に出たはずなのに、結局は圧倒的に優位なように感じられ、どっちが侵略者なのか分からないような気がしないでもないです。まぁこの場合、リベンジと言えども地球人が侵略者と言っても当たっているような気はしますが。 ということで、前二作を未見でも楽しめるとは言いましたが、シリーズを通して観た場合の評価と本作単品での評価は若干異なるように思えます。ここではシリーズの完結編(第四作があるかも知れませんが)として大いに楽しめたということで7点献上します。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-02 23:11:31) |
19. 睡蓮の人
《ネタバレ》 わずか16分の尺で、寂しく生きる一人の男が一匹の亀との出逢いを契機に考えまいとしていた思い出の世界に自ら入って行き、失われつつあった温かみを取り戻していく姿が表現されています。 リアリティを排除しつつも細部にまで拘ったラフなクレイモデル。特に主人公と亀は随分とデフォルメされています。そのラフさが逆にストーリーの深みを照らし出すのに功を奏していて、表情らしい表情は作らずとも主人公の感情の移ろいが伝わって来ます。 なにせ尺の短い作品、ある意味大いに説明不足ですが、予備知識なしに観るといつの間にか主人公のこれまでの人生とこれからの人生に思いを馳せている自分がいました。 強いて言わせていただくとしたら、16分とは思えないゆったりとした時間の流れに少々退屈してしまうかも知れません。とは言え、これ以上エピソードを詰め込むのも如何かなとも思え、ショートムービーであるからこその作品なのだと理解しました。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-01-10 11:11:28) |
20. スリープレス それは、眠ると憑いてくる。(2016)
《ネタバレ》 キリスト教世界では悪魔によるものという考え方があり、日本では「金縛り」と呼ばれ、やはり霊的な原因によるものという考え方がある所謂「悪夢」。ところ変われば解釈も変わるといったところでしょうか。 アリスは、幼い頃に夢遊病の弟を目の前で失ってしまい、弟の最後の言葉は彼女に救いを求めるものでした。その体験がトラウマ的に脳裏から離れないがために、彼女は今の職業を選んだのでしょうけれど、自らが克服出来ずにいるのに人様を治療するというのには土台無理があると思います。 患者の切実な訴えに極力科学的・医学的に対処しようとして深みに嵌ってしまう。そんな彼女の行動にはイマイチ感情移入出来ないままにストーリーは進行。結局、患者を救えないどころか自らも悪夢の世界から抜け出せなくなってしまいました。というお話ですね。 一見、患者の一家は救われたかのように描かれていますが、その表情は何か沈んでいるようにも見えます。それが演出通りだとするならば、アリスもモーガン家も救われないまま。つまりは悪魔側の全面勝利ということなのでしょうか? 全体を通して緊迫感があり無駄に残酷描写もないので(アルフィーは可哀そ過ぎますが)、スプラッター系NGの私としては惹きつけられる作品ではありましたが、観終わってみると何か救いようのなさの中に徒労感だけが残る作品でした。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-11-22 00:53:00) |