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1.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 
『藪の中』は、芥川作品の中でも最高傑作だと思っています。 証言から明かされていく被害者の背景。捕まった多襄丸の白状。それとは異なる女の懺悔…さぁどっちの言い分が正しいのか? ここに来てまさかの“巫女の口を借りたる死霊の物語”と来たから驚いた(当時本当に驚きました。こんな時代にこんな追跡方法もあるのか!って)。しかも多襄丸と真砂の、どっちの意見とも違う話が出てきたから更に驚いた。三つの証言のうち、真相はどれなんだろう?高校生の頃、面白くて何度も読み返した短編です。とても大正十一年の作品とは思えない完成度でした。  日本映画の海外進出に大いに貢献したといわれる本作『羅生門』。半壊した巨大な羅生門と、滝のような大雨が、寒々しさを感じさせる一方、回想の場面では照り付ける太陽の焼けるような暑さの対比を感じさせます。…この両日、ほんの三日程しか違わないんですが。 多襄丸を殺人に走らせた“風”の表現が恐ろしく見事でした。「そうだ、あの風さえ吹かなければあの男も、俺に殺されずに済んだものを…」“風が吹いて牟子(日除けの布)がめくれて、真砂の美しい顔が見えたんだな…”なんて凡人の浅知恵でした。まさか映画で風が観えるなんて。光と陰で風を表現するなんて。更に一瞬観える真砂の横顔も、映像表現に負けじと美しいこと。つま先から映す撮り方も巧いのひと言。 基本的に日本人は表情に乏しいと思うんですが、主演の三船敏郎と京マチ子は、感情がとっても伝わりやすい表情の演技をしますね。二人とも、証言毎に性格の異なる人物像を良く表現しています。森雅之演じる日本人らしい無表情な金沢との対比がまた、良い比較表現になっています。映画の舞台・俳優共に、当時の日本映画の質の高さを感じさせます。海外での高い評価も頷けます。でもね、話に関しては原作『藪の中』が面白過ぎるんです。  本作の海外の評価に、私は押井監督の『攻殻機動隊』が海外で高く評価されたのと同じ匂いを感じました。小説と漫画のちがいはあれど、どちらも“原作から既に凄い作品”というのが共通点です。 同じ時間の同じ場面を、違う証言ごとに三度(映画では四度)観せる。ここが独創的な表現方法「ラショーモン・アプローチ」として評価されたそうですが、きっと当時の多くの日本人は短編小説『藪の中』を読んで、脳内で映像化して楽しんでいたことでしょう。恐らく海外では、芥川の発想の素晴らしさも含め「黒澤明って日本人監督が凄い発想の映画を創ったわ」って、のっぺりした評価になったように思います。 題名を『藪の中』でなく別作品の『羅生門』としたのも、芥川作品なんて知らない海外を狙い、更に原作に辿り着かせない為の大仕掛けだったのかもしれません。死体から髪の毛を奪う老婆から、衣服を剝ぎ取って盗人として生きていく決心をした下人の話が、黒澤監督の手によって、こんな不思議な殺人事件になってるんですから…(そう考えるとちょっと姑息)。  映画独自の展開が“杣売の証言”です。当時四十歳くらいの黒澤さんが考えた『実はこれが答えなんだよ。』という、とても面白い解釈でした。ですが、原作が完璧なだけに、蛇足にも思えました。 そもそも“巫女による死者の話”は、この事件の正解になる筈なのに、余計にややこしくしてしまうところ。誰かが嘘を言っている訳でもないところに物語の面白さがあり、原題でもある“(真相は)藪の中”を象徴する見事な“落ち”になっていました。 そこを一歩進めて“藪の中を内側から見ていた第三者の話”としてしまっては、そもそも、最初に杣売が正直に証言したら終わってしまい、多襄丸も真砂も証言(言い訳)の必要が無い話になってしまいます。 そこから続く、最後の赤子登場から原作『羅生門』に寄せる話も、杣売の改心も、どこか浮いて観えてしまいます。取って付けたような『羅生門』部分を抜きにしても、充分に面白く、斬新に出来ていたように思えてしまいます。  ※決して黒澤監督や押井監督が凄くないという考えではありません。どちらも原作有りの映画の中で、今までに無い斬新な映像表現を使って、後世に残る名作を残した、素晴らしい監督だと考えています。こと本作の映像表現は、今の目で観ても素晴らしく、この作品の歴史的価値は揺るぎないものと考えています。
[DVD(邦画)] 7点(2025-06-02 22:30:01)★《更新》★
2.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
“日本を襲う破壊の象徴”として誕生したゴジラでしたが、度重なるシリーズ化により“怪獣と戦う怪獣の王”のイメージに落ち着いていました。日本でのゴジラシリーズは終わり、再度海外進出したけど、やっぱり怪獣と戦う作品でしたね。そんな当時、ゴジラを使って記憶に新しい原発事故と大震災を落とし込むのは、まさに原点回帰でした。 圧倒的な力で破壊されていく日常風景。次々起こる大惨事。徐々にわかってくる被害の実態。この日本で想像もしなかったまさかの原発事故。今後日本がどうなるか解らない恐怖。戦争を体験していない私たち世代に、東日本大震災はリアルタイムな恐怖でした。  地域を破壊する困った存在から、日本の武力では太刀打ちできない脅威へ。ネットやテレビの他人事から、徐々に自分の身に降りかかる危機として迫ってくる描写は、現代社会のリアルを感じます。そう、現地の人以外の多くの人にとって、最初は他人事なんですよ。 第2形態と呼ばれる目の大きい弱々しいゴジラが、車や建物を押し退けて進む様子は、記憶に新しい震災の津波被害を連想させます。震災から僅か5年後ということもあってか、生々しい被害者の様子はほとんど描かれません。日本政府vsゴジラという大きな話にすることで上手く受け流したとも言えるし、隣近所のミニマムな情報より、ネットや報道で知るグローバルな情報の方が、自分にとって近く感じる現代社会の歪さも感じさせてくれます。 首相ほか日本を動かしていた中心人物たちが呆気なく事故死し、次世代を担う若い政治家。たまたま生き残ってしまった地味な政治家。専門分野の中でもはみ出し者が活躍する展開は、個性と多様性の今の時代にマッチしていたと思います。  作中何度も出てくるエヴァ臭。会議や兵器登場で出てくる、目で追いきれないテロップ文字群に序盤圧倒されるけど、徐々に“特に気にしなくて良いんだろうな”って切り捨てることに。政治家や専門家が早口で話してグイグイ進んでいく今後の展開も、結構置いてけぼり感を感じたけど、そこもあんまり気にしなくて良いんだろうな。漫画チックなカヨコ。リアルであんな特徴的な日本語を話すのは矢沢くらいだろう。まるでアスカ(エヴァのキャラ)がそのまま大人になったよう。どっから出てきた?ヤシオリ作戦って作戦名。とどめは会議で掛かるエヴァの曲… エヴァが賛否両論の“Q”で止まったまま4年。こんな寄り道してた事に、当時は「何をしてるんだ父さん!」状態だったけど、今では当時の庵野さんの状態を飲み込めてます。  中心となる登場人物が多いのと、端役にまで有名人を起用したため、毎度私は、どの立場でこの映画を観ればよいのか迷ってしまいます。矢口が主役なんですが、日本を守る政治家としての公(こう)の顔は出ていたけど、私(し)の顔?家庭や家族を守る身としての一面は描かれません。矢口に限らず登場人物全員。こんな大災害のなか、ここまで対ゴジラの事に集中できる彼らのメンタルって凄い。 こんな描き方も、災害に遭遇した自分というリアリティより、SNSなんかでゴジラに破壊される世の中を、俯瞰して観ている自分…という微妙な立場で映画を観てしまいます。それもまた、ネット化した現代社会を反映しているのかもしれませんね。 最後の人型の尻尾は、ネットで知るまで意味が解りませんでした。もう少し作中で説明(矢口たちがアレをどう解釈するか)が欲しかったです。
[映画館(邦画)] 7点(2025-06-01 10:01:50)(良:1票) 《新規》
3.  ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング 《ネタバレ》 
【The Final Reckoning】《最終精算》。前作と同じ“レコニング”って単語を使っているけど、意味合いが違ってきますね。【PART TWO】にしなかったことも含め、様々な紆余曲折や台所事情なんかがあったんでしょうね。 今回、前作の予習をしないで観たため、誰がどういった役割だったかとか、結構忘れてしまってました。相変わらずエンティティを“それ”と名付けたのは、字幕を追う際の大きな足枷になってます。  世界中を飛び回るイーサン・ハント。前作はコロナ下で溜まった海外旅行欲を満たすかの如く、世界を跨ぐ大規模なロケ感を感じさせてくれました。本作では海中から大空と、トムの身体を張ったアクションが見所です。相変わらずスケールはデカいんだけど、潜水艦セットの撮影と、ジャングル上空での撮影がメイン。この手のアクション映画ではお決まりの、大都市でのカーチェイス的なものが無かったためか、ちょっとこじんまりとした印象を受けてしまいました。  過去作のキーワードやキーパーソンを絡めるのは、ファイナルらしかったです。特に「あ、この人ってあの人か!」ってなった時は気持ち良かったですね。でも3のアレを出すのは無理やりな気もしましたが…こんな所も作品のこじんまり感に拍車をかけている気がします。 シリーズも8作目ともなると、イーサンだったらどんなピンチも乗り越えてしまうのは大前提です。あとはどれだけ“ピンチをギリギリすり抜けるか?”に期待するんですが…そこがちょっと肩透かしに思えました。“あれだけ注意事項沢山の○○。死に物狂いで〇いだ。さぁどう助かる?”“ただ探すだけでなく、犬〇〇の扱い方から猟銃まで渡されて…さぁどう見つける?”“〇秒で大爆発。さぁどう切り抜ける?”“○○が無い??さぁどう脱出する?”この辺の処理が立て続けに雑だったように思えました。アクション上のスリルはあったけど、脚本上のスリルが欠けていたように思えました。 黒人の女大統領に女の空母艦長。イーサンのチームも人種のるつぼ。大作映画から創りたいものをそのまま創る自由度がどんどん奪われている気がします。それでもトムの身体を張ったアクションは、この時代に、一見の価値はしっかりとあったと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2025-06-01 00:11:06)《新規》
4.  霊幻道士 《ネタバレ》 
【彊屍先生】《キョウシ(硬直した死体)を操る師匠》みたいな意味でしょうか?“霊幻道士”“キョンシー”どっちも映画公開に合わせて東宝東和が創った言葉でしょうけど、言葉に魂が宿ってます。 公開当時、ユーモラスな動きのキョンシーと、異文化を感じさせる道士の戦闘方法が斬新で、一気に国内に浸透して滅茶苦茶流行りました。記憶では“幽玄道士”がテレビ放送されてからのブームだった気がします。気が付いたら流行ってた状態。どっちも観てなかった私にしたら『スイカ頭が爆死した』なんて話題は他人事でした。 ただ『子供向けの幽玄、大人向けの霊幻』って棲み分けだったので、ブームの後年(中学くらいかな?)、本作“霊幻”だけ観ました。凄く面白かった。家族の前でティン=売春婦ネタで笑いを堪えるの大変でした。  振り返ると香港映画ってあまり観なくなっていました。ジャッキー・チェンのカンフー映画が、ゆるい昔話からガチな現代劇ばかりになって以降、私の興味が湧かなくなったのかな。本作の舞台が“古き良き中国の昔話”なのが、とってもゆるふわで柔らかい印象を与えてくれます。外国人にサムライ映画がウケるのと同じ感覚なんでしょうかね?こんな楽しい映画を世に送り出してくれた香港映画の懐の深さも大好きでした。  久しぶりに再視聴。吹き替えでも観たかったけど、残念ながらDVDに入ってなかった。 本作がキョンシー映画の元祖なのに、初っ端からクドクド説明もなく始まるのも良いですね。当時はキョンシー・ブームの下地があるから、何で死体が動くのか?とか道士がどう戦うのか?とか、本当にこれが最初なのか?って思うくらい説明が無い。女幽霊なんかも唐突だけど、ほんわかした作風とマッチしていて、良い具合のスパイスに感じました。 道士が使う道具なんかは観てりゃ解るけど、弟弟子とキョンシー隊なんて、もっと説明必要な気がする(本作の前に)けど、このサッパリ具合は学ぶところを感じました。そして再登場はかなりムネアツ。頑張れキョンシー隊!ってなるもんなぁ。幸せな気持ちになれる97分でした。
[地上波(邦画)] 8点(2025-05-31 08:05:36)(良:1票) 《新規》
5.  ビフォア・ミッドナイト 《ネタバレ》 
【Before Midnight】《真夜中のまえ》。タイトルから、「日の出から始まったこのシリーズ、この次ってあるのかな?」って思ってしまうよね。9年おきに描かれたジェシーとセリーヌの恋模様。2022年に4作目が創られなかったところを見ると、シリーズは本作で完結なのかな? 3作目ともなると、あれからどうしてた?って近況報告に興味が行ってしまいます。可愛らしい双子が産まれてたなんてねぇ…恋愛モノにおける結婚は一つのゴールだと思うんだけど、二人の結婚後の姿(恋愛モノとして成立するのか?)を描くというのは、ある意味新鮮でした。そして本作がジェシーと息子(連れ子)の別れから始まるのも、略奪婚(?)の戦後処理の面倒さを感じさせます。  双子が産まれて2人になる時間が奪われて、気が付けば9年。ここに来てようやく2人きりの時間が作れたってところが面白いですね。ずっと一緒だったけど恋愛は出来てなかった。みたいな。 2人の状況を表すように、前半は必ず誰かが居ます。娘たちだったり、作家仲間だったり。中盤からようやく、2人でず~~っと喋ってる本シリーズっぽさが出てきます。相変わらずだなぁって思った矢先、まさかここまで濃厚なラブシーンが入るとは思いませんでした。このシリーズで。   ここからは、まさかのこの2人でさえ…と思えてしまう怒涛の展開でした。相手に合わせてきたけど、我慢ならなかった本音。お互い見て見ぬふりをしてきた疑惑。『それを言っちゃおしまい』の決定打を与えてしまった夫婦。夫婦生活の終焉で、人生の分岐点。 ここで高ぶった感情をグッとこらえて、自堕落に流れに身を任せないで成功確率50%の“ザオラル”を放ったジェシーの殊勲賞です。お互いに今のパートナーと別れることは、大きな後悔を残すのは目に見えてます。だからこそ、未来から来たって作り話は、とても沁みました。 私も何度となく、その決断を思い留まるよう、過去の私を説得しに行きたくなります。ザオラル大事。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-31 07:07:25)《新規》
6.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
2が公開されると知り、最初に思ったのは「え?創ってしまうの?」だったわ。 そりゃ、ゼメキスとスピルバーグが創る、あの映画の続きだもの、面白いに決まっている。でも私にとって、あのバタバタと未来に旅立つ終わり方は、他に類を観ない素晴らしい終わり方でした。『この後、未来で、いったいどんな冒険が待っているんだろう?』って、私たちの想像力を掻き立てる終わらせ方だったのに、その続編が出来るということは「こういう内容の冒険ですよ」って、公式に決めつけられてしまうことになるんだよね。 まぁ楽しみではあったし、公開翌週に観に行きました。ほぼ満員の客席で、最前列で、左右知らない人に挟まれて観ました。  未来の描写は面白かった。空飛ぶ車に未来の夢を感じて、LDをまとめて潰したゴミに未来の現実を感じる。警官が指紋でジェニファーを識別するのも未来感が出てました。こうしてずーっと未来の話をやるのかと思ったら、未来パートは全体の1/3しか無いのね。 もう一つの現代に戻ってから、どこか今までのBTTFとは違う印象を感じました。犯罪者の街ヒルバレー。BTTFって全体的にカラッと爽やかな作風だったのが、チラッと映った死体を表す白線と血痕から、ジメっとヒリヒリした印象を感じました。"あぁ、観たかったモノからズレてきたな…"って。 前作にもテロリストが出てきて、ドクが撃たれたりしたけど、主要人物のビフがジョージを殺して、今度は継子のマーティに銃を撃つのは、避けるべきシナリオだったように思います。ビフは"永遠の憎めない悪党"ポジションであるべきだったのに…って。 そして過去。またあの1955年11月12日へ。前作で観たシーンを別角度で観たり、お馴染みのあの場面の舞台裏で、実はこんな苦労が隠れてたりと、予想に反して面白かったです。ここのアイデアは素晴らしかったと思います。  スポーツ年鑑を取り返して、次のトラブルが起きる。前作の終わり方とそう変わりないんですけどね。前作は『続きは無いのに続くよ』って終わり方が粋だったんです。でも2には3という続きがあって、それを“いま”観る事が出来ないのも、モヤモヤする原因だったと思います。 そして次作で活きるであろうキーワード(主に西部劇に関するもの)や、マーティのキレやすい性格が付加されてたりと、当時の多感な中学生には『伏線の入れ方があざといなぁ』って思ってました。 更に最後に予告が入ってて、それがほぼ全編西部劇。…西部劇あまり得手でないんだよなぁ。というのが、当時の素直な感想です。  後に『1本の映画にする筈のものを2本に分割した』と知り、それはモヤモヤするわ…と納得。 更に最近になって、未来の息子をクリスピン・グローヴァーが。未来の娘をリー・トンプソンが演じる予定だったと知り、あ、それならもっともっと観たかったわ!きっと本作より遥かに面白い2になってたわ!って思いました。 そもそもお父さん(ジョージ)はマイケルJと違う顔なのに、マーティの息子も娘も(あと先祖も)マイケルJなの、なんか無理っくりだな…と思ってたんだ。 それとね、ヒューイ・ルイスの曲が一回も入らないの、今回の再視聴で知ったわ。BTTFといえばパワー・オブ・ラブだと思ってたのに。
[映画館(字幕)] 7点(2025-05-25 09:29:24)(良:1票)
7.  カプリコン・1 《ネタバレ》 
【Capricorn One】邦題まま。無理っくり訳すと《やぎ座計画 第一弾》みたいな感じ?NASAは有人宇宙飛行計画に、神話や星座に関する名前(マーキュリー→ジェミニ→アポロ)を付けていたため、それに則って名付けたんでしょうね。 中学生の頃かな?テレビで流れたとき見逃したんですよ。学校で結構話題になっていて、なんでも「有人探索が実はスタジオで撮影されていた」そうで、「月面着陸もひょっとすると?」なんて、当時流行っていた陰謀論(ケネディ暗殺やエリア51)同様に、想像が膨らむサスペンスだったようで、見逃したことを後悔しました。  序盤は期待通りのミステリー・サスペンス。ロケット発射直前に降ろされて撮影スタジオへ…何もこのタイミングでなくてもって思いますが、それだけ時間がない中での緊急プランだったんでしょう。スロー再生での着陸撮影や、人質に取られている家族とのビデオ通話に、宇宙飛行士たちの無念さと隠されたメッセージの緊張感が感じられました。ロケットの事故により、自分たちが生きていてはいけない存在になる恐怖感も見事です。 後半はサバイバル・アクション要素が強くなってくるのも、なんか'80年代のアクション映画らしくて不思議な味わいがありますね。追跡のヘリ2機が、まるで会話をするように顔を向き合わせたり、無機質な不気味さがあります。複翼機で逃げる場面は、今までの作品の質を変えてしまう急展開だけど、ここの空撮が思いのほか力が入っていて迫力があります。  NASA職員が通信波の異変に気が付いて、あんな消され方をするのは、政府の巨大な闇を感じさせます。更にwikiを信じるなら、捕まった2人は抹殺されたそうで、政府の容赦無さが感じられますね。そう考えると再突入の事故自体が疑わしく思えます。最初は無人なんだからトラブルの際のプランも考えておけよ!とも思いましたが、実はこの事故も最初から想定内だったんじゃないか?パイロットは消される運命だったんじゃないか?とも思えました。NASAはパイロットたちを悲劇のヒーローにすることで、宇宙開発の更なる予算を維持しようと…怖いですね。 ラストのあの後、どうなるんでしょう?あれだけ多くの人の前で、揺るぎようのない登場をしたとしても、その気になれば家族・関係者ごと消せてしまいそう。ブルーベイカーに似た愉快犯が乱入したとかって事にして、家族やコールフィールドはNASA職員の時のように入れ替えさせてしまう…とか?ケラウェイ博士の単独犯にして収めるかなぁ?あまりに終始リアルだったら、陰謀論を深掘りするマニアもいるだろうから、サバイバル・アクション要素入れて中和したような印象を受けました。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-18 16:56:59)
8.  沈黙の戦艦 《ネタバレ》 
【Under Siege】《包囲下》。人気漫画にあやかったタイトルからして、B級作品丸出しなんだけど、飽きることなく最後まで楽しく観られる作品。また本作以降のセガールの作品の大半が『沈黙シリーズ』なんて呼ばれて、気が付けば40本近くあると言うから驚きです。 「俺はただのコックさ」ジョーダン=ミス7月への自己紹介が最高過ぎる。誰もが「お前のようなコックがいるか」って突っ込みたくなる容姿と風格のライバックさん。この映画が同年代のガン・アクションと大きく違うのは、ヒーローが単身大活躍するのではなく、仲間たちと共闘するところかと思います。  敵は元CIAと悪党集団に艦内を熟知したクリル副艦長。対するはライバックさんとプレイメイト、非戦闘員の士官数人、コックに洗濯係、退役軍人…この状況。あわや悟空とミスター・サタンがポタラで合体!?並みに、ライバックさんにとって足手まとい&弱体要素なのに、彼ら雑魚どもが予想以上に善戦するんですね。勇敢に戦って、テロリスト数人を倒してます。退役軍人キャラウェイが指導して、ミズーリの主砲で潜水艦を撃沈するところは、戦艦を舞台にした映画の醍醐味を感じさせます。 …数年ぶりに観返したら、ジョーダンが急に銃器の扱いに詳しくなってたり、退役軍人そんなに活躍してなかったりと、端折ってる感は感じましたが、これがもしライバックさんが単身活躍する映画だと、ここまでの支持は得てなかったと思っています。  ボインボインのエリカ・エレニアックも可愛らしいですが、個性的な悪党も魅力の一つです。ゲイリー・ビジーが女装して踊りまくる。ゲイリーがカツラを取った中途半端な格好でシリアスに話す様子は、後のダークナイトのジョーカーを彷彿とさせます。カタブツな役を演じる印象の強いトミー・リー・ジョーンズが、アニメ好きのヒッピー系テロリストを演じてます。作戦の失敗から撤退までの判断の速さもプロっぽいです。色んな意味で、同年代のガン・アクションとはちょっと違って印象に残ります。
[ビデオ(字幕)] 7点(2025-05-18 16:04:32)
9.  MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 
ラノベっぽいタイトルですね。こんなタイトルにピン!と来て、サクッと楽しみたい欲求は満たされるでしょう。タイトル通りタイムループモノで、"上司"とあるように会社の人間関係モノでもありました。 月曜から始まって、日曜日の先が、また同じ月曜日…この月曜スタートの一週間というのが、まさに会社の物語らしい区切りです。そして舞台となる広告代理店にとって無茶な企画を仕上げるために、密室と言える事務所で、泊り掛けで仕事をする修羅場の一週間となっています。  いち早くループに気が付いた後輩2人組が、先輩であり主人公の吉川にループのことを伝え、彼女が気が付いたところから物語は動き出します。この、主人公を挟んで後輩2人、先輩2人(他に部長と事務員さんがいる)という板挟みな立場で、後輩と手を組んで、先輩にループを気付かせるという設定が、会社版"死亡遊戯"みたいで興味を沸かせます。ループを脱する方法は、タイトルにあるように結論ありきです。CMにもあるプレゼンはこの映画の醍醐味です。…と、ここで終わればスッキリ・サッパリ。…でもちょっとストレート過ぎるかなぁって思うところですが、映画はそこで終わらず、もうひと捻りあります。   この入り口は面白かったです。会社の上下の縦のラインで解決を目指していたところ、無関係と思われた横のラインが絡まってくる…王道だけど良い展開でした。今まで相手にしていなかった人物の重要性。会社の序列から、自分の中で勝手に創ってしまう上下関係。吉川は取引先の大手企業に転職を控えていて、その中で勝手に、零細企業である今の会社の同僚たちを、自分より才能の劣るものに見ていたことに気が付くんですね。脱ループと自分の将来を天秤に掛けた葛藤も良かったです。 「崎野くん、センス悪いでしょ~、苦労してない?」上司からそう思われている崎野のぶら下げたニンジンと無茶な要求に、一喜一憂していた自分を顧みて、改めて自分の職場環境と立場を見つめ直す吉川。良いですね。  とても興味深く、グイグイ引き込まれる映画で、後半はホロリとさせる展開でしたが、少しばかり惜しい点が目立ってしまいました。 こんなタイトルなのに、ループの脱出方法がアレで、何か論点をズラされた感を感じてしまいました。そもそも“部長が緑色のアレを付けたために、その週にループが起きた"という推論に、まとまりの良さを感じていまたのに、実はそうではなかった!ってことで…"だったらそもそも、なぜこの一週間?"という疑問が、有耶無耶になってしまった感があります。82分とそんなに長くない映画ですが、もっと短い簡素な話に、後半別な話をくっ付けて引き延ばした感がありました。 また密室で繰り広げられるタイムループ物語なら、とことん密室(&屋上)で終わらせて、木本事務所は映像化しないほうが、スマートだったかな?って思います。それを言ったら吉川の事故と怪我もってなりますが…彼女を出せば、マニアがニヤリとするだろうって意図が感じられて… 期待通り面白い映画でした。そして映画はまだまだ面白いものが出来る!目指せ第二のカメ止め!って、気概も感じさせます。それと同時に、結構このハードルって、高いんだなぁ…とも感じました。
[DVD(邦画)] 6点(2025-05-18 14:22:59)
10.  家族(1970) 《ネタバレ》 
奇しくも大阪・関西万博開催の真っただ中に、元祖大阪万博の時代の映画を観ました。 人口も産業も都市部に集中していた高度経済成長期の昭和日本の、ほぼ西の端からほぼ東の端まで、家族連れ立っての大横断モキュメンタリーです。時代を反映して、衰退していった炭鉱町・伊王島から、万博で湧き上がる大阪、経済発展を遂げた東京を経由し、開拓地・中標津へと、一家揃って向かう風見一家。北海道には自主的に渡る事を決めたとはいえ、高度経済成長の末期に、裕福とは言えない一家が、日本の端から端へ、辺境から辺境へ追いやられる様を観ているようで、複雑な気持ちになりました。  途中、万博を一目観に大阪会場に立ち寄る様子も、入り口前まで行って中の様子を伺うのも、なんか解ります。時間の関係で入場は断念しましたが、一時的に大金を手に入れたためか、お金が無いのに展示物の一つでも観ようと思ってしまう気持ちも、痛いほど解ります。 当時の記録映像なんかを観ると、日本中が万博で盛り上がってたんだろうなぁ…なんて思ってしまってましたが、この時代でも好景気の波に乗れてない、風見一家のような家庭も多かったんだろうな…とも思えて、リアリティを感じました。お爺ちゃんの肉まんの一件も、私なら「きちんとお礼言いなさい」ってなりそうだけど、少し前までみんな貧しかったという時代背景もありますが、お金があまり無いからこそのプライドが出てしまうんでしょうかね。  都会の人ごみに疲れ果てて、車窓の富士山に視線を送る元気もない疲れ切った民子が、一家の状況を語ってくれます。西日本での観光旅行気分と、東日本に入ってからの、開拓地への移動との違い。また今の時代と違って、延々と陸路で移動する時間の長さも感じ取れます。北海道に入って、ず~~~~~~~~~~~っと雪景色の中、ぽつん、ぽつんと民家が点在する光景が延々と続く。それをジーっと見る民子を、映像として観せてくれるのも良いですね。実際、北海道の田舎って今でもあんな光景です。長崎から来た一家が、縁もゆかりも無いこんな寒々しい土地で、今後ずっと暮らしていくんだと思うと、なんだか逃げ出したくもなるでしょうね。 何もない真っ暗な中標津駅。ようやく目的の住居に到着して、玄関先で崩れ落ちる様子がとても心に響きました。ボーン、ボーン…という時計の時報の長さが、夜遅くの到着を伝えてくれます。観ていてこちらも、安堵感がどっと湧きだしました。  確かに、あの時代の鉄道中心の移動だと、相当な体力を削られるんだろうなって思いました。途中幼い赤ん坊が亡くなり、とどめとばかりに義父も亡くなる。犠牲の多さに、風見夫婦の決断、開拓地へ一家で行く決断は、本当に正しかったのか?って、疑問に思えてしまいます。 澄み切った青い空。どこまでも続く大平原。子牛の出産を嬉々として語る民子。三人目の報告をする精一…最後があまりに、理想の開拓地生活が過ぎました。作品全体のバランスを考えてのことでしょうが、確かに、このくらい“中標津まで来た甲斐”を観せてくれないと、映画鑑賞後の後味が悪かったと思いますし、あの時代、中標津で開拓をしている人達がいたことを考えると、この終わり方で良かったんだと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2025-05-11 15:28:43)
11.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
【Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb】《ストレンジラブ博士。または:いかにして悩むのを止めるよう学ぶか、そして核爆弾を愛するか》人名のloveと愛するLoveが韻を踏んでますね。だからかどうか、邦題も《異常な愛情》って"じょう"を重ねて韻を踏んでます。 《または》は、前後二つのタイトルに掛かっているんだと思います。《寅さん。または:男はつらいよ》みたいな。…どうだろ?  キューバ危機('62年10月)の翌年に、こんな笑えない状況のブラックユーモアを創るキューブリックのセンスが素晴らしい。 核弾頭に跨ってカウボーイハットを振り回す少佐は、コミカルだけど観ていてゾッとしてしまう。一方でリッパー准将の空軍基地を攻撃する州軍の描写はまるでドキュメント映像を観ているようにリアル。このリアリティとコミカルさのバランスがとても絶妙。 リッパー准将の"共産主義者によって汚染された水道水"の話。こんな陰謀論って、どの時代にも存在するんですね。ディープ・ステート。コロナワクチン。電磁波。5G。…内容を変えて今の時代でも広まっています。ちょっと責任ある立場の人が、そんな陰謀論を信じてしまったら…  人類は地球を壊滅させるだけの核兵器を創り出してしまった。そして創られたからには、ほぼ例外なく使われる。だったらもう、開き直って核戦争後の未来を考えようじゃないか。とも取れるメッセージ。 そこで提案される案は、政府高官と軍人、コンピューターが選んだ優秀な男女を、男1:10女の割合で、100年間に渡り地下坑道で暮らさせる。 ストレンジラブ博士の提案。先の大戦で敵と見なした、ナチスの選民思想と変わらない案に納得する、現代アメリカの政府高官たち。 100年後、ソ連の核兵器に負けないかを心配する将軍。この場に及んでスパイカメラで基地内を撮影するソ連大使。 アメリカ大統領も元ナチの博士も同じピーター・セラーズが演じてるのもミソでしょうね。 で、結局この戦争、誰が勝ったことになるの?
[ビデオ(字幕)] 8点(2025-05-11 13:37:21)
12.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 
【Back to the Future】《未来へ戻る》ちょっと「??」で良いタイトルですね。普通に考えたら、マーティはモトの時代に戻るわけだから【Back to the Present(現在)】とかなんだけど、ご存じの通り、マーティのタイムトラベルによって過去が変わり、戻った先は、同じ時代だけど《未体験のいま》【Future】だったんですねぇ。 初視聴は中学の何かの授業の一環で、改築されたばかりの視聴覚室で、2週に分けてみんなで観ました。「あ、このお母さんビバリー(ハワード・ザ・ダック)だ!!」って、友達とひそひそ盛り上がってました。 本作は映画マニアにも一般の人にも人気の作品です。本サイトでも唯一の平均点9点台。今では不動の平均点トップ作品ですが、当サイトが書籍化された当時(2003年)は、BTTFは3位(256件9.21点)でした。 ※ちなみに1位は『情婦(35件9.40)』、2位は『ショーシャンク(519件9.22)』でした。  マーティが過去に行ったのは偶然のアクシデントでした。1955年11月5日。その過去で偶然、同世代だった両親に出会ってしまい、2人の未来に影響を与えてしまう。想像以上にダメ男だったジョージと、話が違って破天荒だったロレインのギャップが楽しい。2人にとって、一週間後の11月12日(プロムの日)は、結婚を決める人生の転機の日だったけど、過去を知ってしまうと“マーティが影響を与えなかった、モトの時間軸の両親の本当の馴れ初め”も観てみたいですね。 そして何回も観ていると"モトの時間軸のマーティのその後って、どうなるの?"が気になってしまいました。  童顔イケメンで、バンド(しかもギター)やってて、スケボーが趣味で、相思相愛の可愛いガールフレンド(恋人未満?)がいて…今で言う"リア充"です。オープニングのフィットネス・ジムの前で女の子たちに手を振る姿なんて、計算高く自分がイケてる自覚があるか、世間知らずのお子ちゃまじゃないと出来ないですよね。今のマーティって後者で、まだ世間の荒波に揉まれていない、明るい未来を夢見る純粋な少年なんです。 だけどマーティの周りを俯瞰して観ると、既に暗雲が立ち込めています。上司(ビフ)に言われるがままの父。夜間バイトの兄。パッとしない姉。バンドのオーディションは理不尽な理由(音が大きい)で落選。ジェニファーとのデートは車を潰されて行けない。そして親友ドクは殺されてしまう…1955年11月12日が両親の人生の明るい転機だったのに対し、1985年10月25日~26日は、純粋なマーティが夢見る未来が、無残にも打ち砕かれる転機の日だったんです。  急展開の連続で、両親の未来を変えないと自分の存在が消えてしまう!という大問題を前に忘れてしまいがちですが、モトの時間軸のマーティのその後って、じわじわと暗くなってくるんです。 そこをマーティ(と臆病なジョージ)は、自分の力で未来を明るいものに切り開いたところが、多くの人に共感と希望を感じさせた、この映画の秘訣なんでしょう。単にバタバタと、面白おかしいだけのジェットコースター・ムービーとは一線を画してます。  マーティの未来は明るいんだけど、どんな未来か?は、新しい現在の、仲睦まじいジョージとロレインの姿から想像するだけで充分でしょう。今までの映画だと、今まで未遂で終わってたジェニファーとの長~いキスをしてエンディング。なところですが… もう単体映画として完璧です。そして恐らく今までに無いエンディングの表現方法です。最後のドク登場は、この映画のオマケのようなものと思っていますが、こんな終わらせ方は過去に無かったでしょう。未来はまだまだ不確定要素に溢れている。そして未来に向けた冒険は続いていく。ゴミを燃料に、空を飛ぶデロリアン。いったいどんな未来になっているなのか?想像するだけでワクワクしますよね。上映中観客を楽しませ、鑑賞後も想像させて楽しませる。映画の楽しさがギッシリと詰まってます。素晴らしい。
[レーザーディスク(字幕)] 10点(2025-05-11 09:46:33)
13.  死霊の盆踊り 《ネタバレ》 
“Orgy Of The Dead”『死者の乱交騒ぎ』。オージィは古代ギリシャやローマの“酒の神”を祭る秘儀。狂喜乱舞、酒池肉林の宴会騒ぎがモトのようです。それを盆踊りって…まぁ、大昔は『盆踊り禁止令』が出たくらいなイベントだったようです。  盆踊り好きですか?道民の場合、夏の夕方に「そよろ そ~よ風 牧~場に 街~に~♪」(♯子供盆おどり唄)って唄が流れてくると「あぁ、夏だなぁ~~」って、子供の頃の楽しい思い出がしみじみと思い出される方も多いかと思います。私も盆踊り大好きです。あの唄が聞こえてくると、ついつい会場に向かってしまいます。 公園の真ん中に簡単なやぐらが組まれてて、屋台では焼きそばやらおでんやら…すごく夏。…でも最近では踊る人って少ないです。時代だからかなぁ?私もいつも、会場を見るだけで満足して、踊らずに10分くらい見て帰ります。私が子供の頃は延々と踊らされましたっけ。もう10分くらいで踊り飽きてるんだけど、最後にお菓子の詰め合わせが貰えるから、およそ1時間、頑張って踊ってました。 そう考えると、昔も今も、私は盆踊りを本当に楽しんでいたんでしょうか?ただ夏のあの時期の雰囲気が好きなのであって、盆踊りが楽しいか?って言われると、どうなんでしょう?…怪しくなってきました。  さて映画の話。死霊の盆踊り好きですか?映画好きなら「嫌い」という人は少ない気がします。私も映画史上最低の作品だと思っていますが、「好きとは言えない」けど、嫌いか?というと「嫌いじゃない」って答えるでしょう。 公開当時、ポルノ映画ではなく一般の映画で女のヌードを出すには、ポルノじゃないよって逃げ道が必要だったみたいです。例えば“登場人物自身は服を脱がないが、主人公の妄想の中で彼女が裸になってしまう”って理由。なるほど、登場人物は実際脱いでない。妄想なら仕方ないよね?って感じでしょうか。実に男の子らしい発想です。 本作では“夜の帝王の開いた宴にて、現世を彷徨う女の死霊が、永遠の地獄に突き落とされないよう、帝王を満足させるため、裸になって必死に踊る”って逃げ道。なるほど、裸なのは女自身でなく、その女の『霊魂』か…だったら仕方ないよね?って感じでしょうか。これは驚きです。死霊って事にすれば一般映画でもヌード出し放題。これってアダルトゲーの、どう見てもロリキャラだけど112歳の老魔女だからオッケー!と同じくらいの大発明です。 「また適当に話し膨らませて…」ってお思いかもしれないが、その証拠に、作中のまだ生きてる女・シャーリーは、闇の女王に脱がされそうになるけど、間一髪で助かります(※片乳ポロリはしています)。 この映画は、当時の一般映画の逃げ道ルールを守ったうえで、男どもが大好きなおっぱいを、92分間の中で目一杯プルンプルンさせた、意欲的な映画だったのです。  …まぁ、出来上がったモノは、思った以上に退屈な作品です。十人十色の美女たちの裸踊り、実際目にすると、こんなにも退屈なんて…踊りが始まり10分くらいで飽きてました。これって本当の盆踊りに似ていますね。 夏にあの唄を聞くとワクワクが止まらないのに、実際10分でおなか一杯になり、満足してしまう。子供の頃は最後のお菓子に釣られて頑張って踊ったんです。そして今の私は、レビューを書くため、この映画を再度観たんです、わざわざDVD買って(これで4回目の視聴)。 この変な義務感。そして変な達成感。あとなんか知らんワクワク感。子供の頃も、大人になった今も、な~んも変わってないや。   今まで映画は観るだけだった私に、多くの気付きを与えてくれた『みんなのシネマレビュー』。当サイトが書籍化された当時『死霊の盆踊り』は11件くらいしかレビューが無かった(たぶん本に載せるには選外扱いだった)みたいです。※ちなみにワースト1は『北京原人』で、31件・1.19点。 後発レビュワーの私にしたら、サイトの最盛期に、読む側でなく書く側として、皆さんと一緒に盛り上がれなかったのが心残りでした。 レビューを書く私の目標のうちの2つが、映画レビューを大台の1000本ぶん書くこと。と、死霊の盆踊りに0点を付けること。でした。製作者の作品愛を考えると、0点は付かないハズ。このサイトの0点は、死霊の盆踊りの為だけにある点数、様式美に思えます。 稚拙ながらやっと1000本目のレビューが書けました。そして私が観た映画の中で、唯一の0点をここに刻めました。これで何も思い残すことはありません。  今までありがとう、みんなのシネマレビュー。
[インターネット(字幕)] 0点(2025-03-30 14:17:18)(良:1票)
14.  HACHI/約束の犬 《ネタバレ》 
"Hachiko: A Dog's Story"『ハチコー:ある犬の物語』。ハチのフルネームがハチコー。字幕では当然『ハチ公』ですが、日本語の公(動物に“さん”とか"ちゃん"と同様に、親しみを込めて付ける接尾語)って意味では、無いんじゃないかなぁ? 物語は、飼われたキッカケは少々ドラマチックになってますが、私たちが良く知った『忠犬ハチ公』のそのまんまアメリカ版です。リメイクするときに名前とか展開とかアメリカナイズするところ、名前をそのまま「ハチ」にしたのは、スウェーデン人・ラッセ監督の良心に思えます。  大正~昭和の古き良き物語を、どうやって現代劇にするのか?日本の話ですが、ここ40年で野犬というものが居なくなり、ここ30年で外の犬小屋で飼われる犬というのも見なくなりました。そんな部分にリアルを求める作品ではないんですが、ハチ生きていけるんだろうか?って部分。無理に現代版にすることなく、新しすぎず古すぎずな架空の駅で、絶体絶命のピンチもなく、心根の優しい駅長や売店の人々に遠巻きに守られている様子が、普遍的な物語として完成しているんじゃないでしょうか?  リチャード・ギアを配しながら、主役をしっかり犬のハチのしてるのが良いですね。ハチを見守る人間話に時間を割いてしまいがちですが、物語の根幹がしっかり犬の話になっています。娘の家を脱走したのではなく、許可を得て出ていくところも良いですね。そして白い雌犬と会話にならぬ会話をするシーンが何故か印象深かった。ラッキーは何を思い、ハチは何を思ったのか?想像するしかないですが、この辺りもしっかり犬の映画であり、"忠犬"の物語でした。  余談ですが本家『ハチ公物語』との私の点数差ですが、犬への演技指導の差を大きく感じました。本作では三匹の秋田犬を使い分けているそうで、映画として犬の感情が伝わるように創られていますね。そして犬好きが創った犬の映画…という感じがひしひしと伝わります。この同じ題材の2作品、22年という期間で、犬の扱いも変化したんでしょうね。
[DVD(字幕)] 7点(2025-03-30 12:33:31)
15.  ザ・カー 《ネタバレ》 
"The Car"『あの車』。中古のDVDが200円で売っていました。ザ・カーですよ?そりゃ買っちゃいますよね。 正体不明のあの車が人を襲う…同世代で、子供の頃にロードショーで観て、なんか覚えてるって方も多いかと思います。改めて観ると案外地味な映画で、やはり最後のインパクトが大きかったようです。 私も『人を襲う』って記憶が薄っすらあった程度で、『どう襲ったか?』は全然記憶にありませんでした。覚えているのは大爆発の最後です。爆発の炎で車に化けてた悪魔が姿を現し、舌を伸ばす…このシーンは記憶に残りますね。  本作はスピルバーグの激突!('71)を意識した映画だと思います。ホラーじゃないけど、無機質な車が人を襲うって衝撃が大きかったんでしょう。そして激突!では敢えて濁した『ドライバーは誰だ?』。本作はその部分をサスペンス仕立てで引っ張り、『ドライバーの正体がこんなヤツだったら納得じゃないか?』を映像化した、-激突!の消化不良部分を補完する-ホントそこを狙った作品だったんじゃないでしょうか? 崖から落ちるってシチュエーションも類似していて、一時期、激突!の最後とザ・カーの最後がアタマの中でごちゃ混ぜになってました。 だから、ザ・カーが大破してもメキメキ自己修復するんだっけ?いやいやシャキーン!と瞬時に復活するんじゃ…なんて、途中の内容全然覚えてなかったんですね。ザ・カーはチョットやソットじゃ壊れない車でした。  さてザ・カーの正体は悪魔です。結構インパクトのあるデザインですが、ベースはリンカーン・コンチネンタルだそうです。リンカーンに悪魔的で不気味なデザインを加味しているんですが、ジーっと見てると、どこかで見たようなデザインです。 "モスマン"に似てると思いませんか?モスマンはネッシーやビッグフットみたいな未確認生物で、アメリカでは'66年に登場した新種のUMAです。車に悪魔デザインを落とし込むにあたり、近年流行ったモスマンを取り入れてみた。…ってのはどうでしょうか?
[地上波(吹替)] 5点(2025-03-30 11:07:31)
16.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 
"Baby Driver"邦題まま。サイモン&ガーファンクルの同名曲からの命名だそう。 こういうシンプルな映画も好きです。登場する車か、劇中掛かるロックがビビッと来たら楽しめます。私は最初の車がインプレッサだった為に、アッサリ楽しんでしまいました。かっこえぇ~。 選曲も結構ツボで、フォーカスのホーカス・ポーカスが流れてきた時は「あ!昔フェイセズと間違って買ったアルバムの曲だ!」って驚いてしまいました。よくこんなドマイナーな曲を…※後から調べたら秘かに流行ってたんですね。  銀行強盗を逃がす天才ドライバーと言えば、ザ・ドライバーからドライヴまで、けっこう種類豊富ですが、主人公がボーっとした少年で、日本車を乗り回す姿から、『これはハリウッド版イニシャルDだ!』って思いました。“85号線の亡霊”なんて二つ名を出してくるあたり、絶対“秋名のハチロク”意識してるよ。ダウンヒルでもヒルクライムでもなくクライムサスペンスにしてる辺りがハリウッド。トランスポーターでもワイルドスピードでもない、この味付けは新鮮だったわ。  映画はベイビーの最後から1つ前の犯罪から始まります。最初の犯行からとか、長々クドクド描かないのがイイ感じ。デボラ可愛いし、バディ&ダーリンのコンビは魅力的だし、バッツは良い塩梅で憎たらしい。このいちいち説明しないでも観てりゃ解る感がナイス。展開早いしご都合主義だし。詰め込み過ぎてないから分かり易くて、結末も真っ当。とても後味の悪くない映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-03-26 22:26:22)
17.  17歳のカルテ 《ネタバレ》 
“GIRL, INTERRUPTED”『(成長を)中断された(状態)。少女。』のような意味のようです。 映画ではスザンナ達が17歳かどうかは解りませんから、邦題は独自の意訳です。でも17歳と18歳で、少女から女性に扱いが変わる時期でもあるため『17歳の少女の時に精神病院に入り、人生が止まった状態』みたいに解釈できますね。良い邦題だと思います。 作中、性的だったり人種差別的だったりと、かなり過激な言葉を使っていますが、字幕は相当表現が柔らかめです。  アンジーってこんなに可愛い女の子だったんですね。彼女の事はトゥームレイダー辺りから認識したので、峰不二子みたいな誰から観ても大人の女性…って印象を持っていました。それがこんなギャルを演じていたってのが、とっても新鮮でした。まだ少女なんだけど、大人びていて、それでいて繊細で壊れやすい。序盤の活発な姿と、後半の廃人状態の姿。とても良く表現できていたと思います。  一方スザンナは境界性人格障害という病名だけど、彼女は“精神病院に入れられた普通の人”の視点で描かれます。患者の行動に振り回される人という立ち位置でしょうか。彼女自身の障害で苦しむ姿は入院前の回想に集中しているように思えます。 患者の症状を丁寧に描きつつ、地下の遊戯施設やアイスクリーム店で心地よい一体感を感じさせる展開が巧いですね。恋のダウンタウン弾き語りのルール違反も心地よかったです。 そして持ち上げて落とす。デイジーの死と、それを見たリサの反応。本当の死と、信じた友達の受け入れられない部分。ここが彼女の社会復帰のトリガーになったんですね。 「1年を無駄にした」スザンナにこの入院生活が本当に必要だったかは疑問です。
[DVD(字幕)] 6点(2025-03-24 07:29:43)
18.  ミツバチのささやき 《ネタバレ》 
“El espíritu de la colmena”『蜂の巣の精神』えぇ~?本当? “la colmena”には群れるとか『群衆』って意味もあるそうで、当時のフランコ政権下の『群衆の精霊』のような意味合いがあったのかもしれません。フランケンシュタイン、毒キノコ、脱走兵。幼いアナの目を通じて、多くの大人が決めたことが、いまのスペインの現状が、本当に正しいかどうかを、もう一度考え直そう。と、そういう意図があったのかもしれませんね。  独裁政権下、検閲を逃れる精一杯の表現方法を用いているためか、かなり難解な作品です。 母が手紙を燃やすところも、敢えてフランコの切手を見えるように燃やしたり。色んなところに隠された意図がある映画のようです。 まだ幼いアナがピアスしているのも不思議。スペインでは常識なのかな。カラスの飼育ではピアス無かったと思ったなぁ。ピアスにはいろんな意味があると聞くから、意図的なものかもしれません。 イサベルが血の口紅を差すシーン。偶然か意図的か、肩紐がハラリと落ちるところなんて、幼女なのに見事に妖艶に撮れてます。イサベルの死んだふりも、最初観たとき、子どもだから呼吸で体が動いてるけど、本当に死んだ演技なのか、振りなのか解りませんでした。そもそもイサベル、何でそんなこと(猫の首絞め→血化粧→死んだふり→手袋で脅かし)したんだろ?  当時のスペインの情景の中に登場人物が動き回るという構図です。ほぼ固定カメラですが、アナがタイプライターで遊んでいるところとか、脱走兵の死体のシーンで、一部カメラがスクロールしたり引いたりしてました。…何でここで?とは思いますが、意図は不明です。 朝食の時に懐中時計を出して、父はアナが持ち出したことを察するところ。アナは脱走兵が死んだことを察するところ。この時のアナの表情もとても良いですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-03-23 19:02:22)
19.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
学生の頃に原作を読みました。うろ覚えだけど夢探偵パプリカの活躍が面白かったです。でも後半の壮大な戦いが、何が起きてるのか頭の中の理解を超えてしまい、意味が解らなくなった記憶があります。 しばらく経ってあのパプリカが映画化されるとあって、あの壮大な戦いがどのように映像化されるか?映像だと理解できるものか?が気になっていました。 最初観たときは原作のボリュームに比べて物足りなさを感じましたが、今回は単純に映像表現の素晴らしさに感心してしまいました。  粉川の夢表現から素晴らしい。これぞ夢っていう夢。たくさんの自分と同じ顔が迫ってくる。崩れ落ち続ける被害者。進みたくても進めない廊下。そしてオープニング。摩訶不思議なテーマ曲と、常識を無視して自由自在に動き回るパプリカに、まさに掴みはオッケーでした。悪夢のパレードも不思議で不気味で見応え充分です。 「浮かれ浮世の憂さ晴らし~♪」うろ覚えだから原作の後半もこんなだったような気がする。もう少しデビルマンの最後みたいな派手な戦いだったような気もしたけど、よくアニメでここまで表現したなって、素直に感心しました。そうかぁ~、映像化すると、こうなるのかぁ~…気持ち悪。  映像化したら観たかったのが、夢表現ともう一つ、大人の敦子が少女のパプリカに変身する様子です。原作では鏡の前でソバカス付けてメイクしてパプリカに変身したって記憶がありますが、映画だともう一人の別人格として、敦子とパプリカはそれぞれ独立して出てきました。敢えてそうしたんでしょうけど、敦子の変身過程、観たかったなぁ。
[DVD(邦画)] 6点(2025-03-23 17:18:12)
20.  かがみの孤城 《ネタバレ》 
これは、大人の鑑賞にも耐える映画ですが、ぜひこころちゃんと同年代の子に観てほしい、とてもデリケートな映画ですね。 お城に入れる時間が9時から5時というのが良い設定です。基本的にこの時間は、学生でも社会人でも他人と関わらなくちゃいけない時間です。その時間を、人並みに他人と共有出来なかった子が、この7人って事になりますかね。 学校でいじめのターゲットになっていたこころが、お城ではみんなと一緒にウレシノを下に見るのも良い。少人数でも人が集まれば社会が形成されて、上下関係を作り、自分の立ち位置によって居心地の良さが決まる。 鍵を探すのが彼らの使命であり権利。鍵を見つけずに最後まで過ごすか、鍵を見つけて願いを叶えるかは、各々の自由。ここがまさに、社会に出ていくか、不登校を続けるかの、使命と権利に思えます。  こころの願いは真田さんを消すこと。…消してどうする?真田さんが居なくなれば、自分は社会(学校生活)に復帰することが出来る。って、こころは考えたようです。靴箱のところで萌ちゃんとバッタリ会ってしまった時のこころの気持ちがよく解るし、実は学校でも状況が変わっていて、萌ちゃんのこのときの心境も解るようになってます。 とっても芯が強い萌ちゃんですが、真田さんと遊ぶようになってから、教室でこころに対しバツの悪い表情を見せるところとか、とても人間臭く感じました。  ツッコミどころは多々あります。私はアキの制服姿で気が付きましたが、何か月も一緒に過ごしていたら、もっと早く気が付きそうです。お城の話を一か月とかの短期間にまとめた物語にしなかったのは、不登校や心の傷の解決には、1年とかそれくらいの長い時間が必要だから、敢えて延ばしたんだと思いました。 マサムネの携帯ゲームなんて危ない橋渡ってます。中学の頃って、一学年上だとスッゴイ大人に見えましたよね。スバルはきっと早いうちに秘密に気が付いていたかもしれませんが、アキはそんな男の子のオモチャに興味がない年頃でしょう。過敏に反応しそうな'99を空欄にしたのも、実は巧い演出。そして上映時期や原作のタイムリー世代が、こころじゃなかったところは、後から気が付きました。リオンは望んだから、それが叶った。でもアキはどうして?…でもこういうのが引っ掛かるのって、大人な証拠ですよね。同年代の子はもっとスーッと入り込めたんじゃないかなぁ? マサムネが考え付いたパラレル(異世界)をオオカミさまが全否定するのも良かった。『そんな都合の良い逃げ道なんてないんだよ』って感じで。  お城の話は大団円で幕を閉じますが、叶えた願いは現実世界には何の影響も与えないものです。そして現実のイジメ問題は解決した訳ではなく、鍵の力を借りたのでもなく、こころがお母さんや喜多嶋先生と地道に乗り越える道を選んで前に向かいました。この映画は何か不思議な力で他人や状況を変えるのではなく、周りの力を借りて、ゆっくりでも自分の意識を変えていく映画です。そこがとても繊細に描かれていました。 真田さんと和解に向かわないのも、とっても良いです。だってそんなの必要ないんだから。「(真田さんたちは)10年後も20年後もあのままだよ、きっとロクな人生送らないよ」「バカみたいだよね、たかが学校の事なのにね」その通り。 エンディングが“前向きに歩き出したこころのその後”ではなく、何故かオオカミさまが全部持って行ってしまいます。でも実はこの映画、オオカミさまに始まり、オオカミさまで終わっていました。オープニングの“行きたかったけど行けなかった”子の代わりに、今の私には何ができるのか、考えてしまいます。 で、エンディング。機会があれば4枚の絵の、リオンのお母さんに注目してください。とってもデリケートな作品なのが滲み出ています。
[DVD(邦画)] 8点(2025-03-23 14:52:26)
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