2121. サイレントパートナー
《ネタバレ》 モッサリしているが悪知恵が働く小悪党エリオット・グールドと残虐さに目を背ける悪党クリストファー・プラマー(「トラップ大佐」のキレキレの狂気模様に心底仰天)の絡み合いは先が読めなく結構ハラハラさせられた。緊張感が高まった中での悪乗りが過ぎた女装姿に脱力したまま結末を迎えたのがすごく残念。 2017.11.25 オトコマエの狂乱模様を観たくて再見。残忍なチンピラ役は見事な役作りだとしても、子供の頃からの悪役好きの私が見ても魅力のカケラも感じない。オトコマエがけったいな顔にしか見えなかったのが致命的。女性の顔を踏み躙ったり、女性の喉を掻っ切ったり、モッサリ銀行員にいいようにしてやられたり、「愚か者が! 女にしか勝てんのか!」と憤慨する始末。金輪際見ること無い作品。不細工な女装姿にちゃんとした役だったら美人になるのだろうかと考えてしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-30 17:07:39) |
2122. 現金に手を出すな
《ネタバレ》 年寄チームVS若造チームの他愛ないお話であってもジャン・ギャバンのオーラに見惚れる。無法者に対する因果応報な結末に耐える姿は絶品。 [DVD(字幕)] 5点(2016-07-15 02:50:19) |
2123. ディナーラッシュ
《ネタバレ》 落ち着けないレストランで食事をしたいとは思わない。ストーリーもゴチャゴチャしてイライラする。自分の大切な店を復讐の場所に選ぶ神経が不快。尺が短いのが救いだった。 [DVD(字幕)] 4点(2016-07-06 23:38:47) |
2124. ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
バーベキューで泥酔しⅢ度熱傷を負いながら、「記憶が無い、痛みが無い」とアッケラカンとしている娘を叱り飛ばした出来事を思い出す。映画にするくらいなので、ありえないハチャメチャさは百歩譲るとして、それがドラッグによるのは一歩も譲れない。蛇足なエンドロールがつまらなさにとどめをさす。 [DVD(字幕)] 3点(2016-07-03 16:34:58) |
2125. チョコレートドーナツ
《ネタバレ》 男同士の愛の深さに羨ましさを生れて初めて感じた作品。条理を尽くさない法律家の罪深さを見せつけられる。出所した実母がマルコの前で晒すどうしようもない醜態を、ゲイが養育すると悪影響を及ぼすという判断を下した判事達に見せて感想を聞いてみたい。バッドエンドに呆然となるがマルコの死顔を見せない演出が救い。 [DVD(字幕)] 8点(2016-06-30 23:44:28)(良:1票) |
2126. ある殺し屋
阿婆擦れを描かせたらピカイチの増村保造の名に恥じぬ圭子(野川由美子)、野心ギラギラの三下前田(成田三樹夫)、善良そうな小料理屋の店主/凄腕殺し屋塩沢(市川雷蔵)。それぞれ際立った個性に惹かれるものの、三人が絡んで進んでゆくストーリーが拙くて盛り上がれないの歯痒かった。 [DVD(邦画)] 6点(2016-06-20 14:42:31) |
2127. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 マイケル・ケイン演じるラーチ医師が出色の存在。孤児達を守る慈愛に満ちた父親。法を犯しても堕胎を行う信念の医師。実子のように接するホーマー可愛さのあまりに卒業証書偽造や徴兵逃れのレントゲン写真すり替えを行うあまりにも身勝手な親馬鹿。ホーマーが巣立った後の喪失感が滲むエーテル中毒。彼の辿ってきた人生を見てみたかった。ホーマーはラーチの後を継いで孤児院に戻ったが、2年ばかりのサイダーハウスでの体験は彼にとって貴重なものとは思えないところが減点。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-12 18:44:27) |
2128. ブリッジ・オブ・スパイ
《ネタバレ》 ドノバンの自宅に銃弾が撃ち込まれた際、彼を詰る警官に向かって「自分の仕事をしろ」と一喝する姿に、自分の職責は感情抜きで果たす意志を持つ人物であり、アベルにも共通するところで、二人の心が通い合うのも理解できます。米、東独、ソ連の交渉の綾を見たかったのでハッピーエンドにも物足りなさを感じました。 自分の身を案じてくれる「(死の)不安は感じないのか?」の問いかけに対するアベルの「役に立つか?」いう台詞。 私の心の支えとなっています。映画は生きる糧の一つなのです。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-04 23:45:13) |
2129. 薄桜記
《ネタバレ》 五人組に卑劣な手段で凌辱された千春を「千春に非はないが、町人なら見過ごされることはあっても、武士の道ではそれが許されぬ。自分の頭では許していても肉体が許さぬのだ」と離縁し里に返す典膳。千春への愛情から義兄に真相を明かさず甘んじて太刀を浴びる。ボトリと落ちた右腕に武士の生き辛さを見る。ラストの立ち回りは端整な典膳とは真逆ののた打ち回りながらの一太刀一太刀の気迫が凄まじく侍の一分を見る。言う事なしの市川雷蔵に対して千春を演じた真城千都世の拙さが残念だった。 [DVD(邦画)] 7点(2016-06-04 01:16:01) |
2130. 赤ひげ
《ネタバレ》 初見。赤ひげが仕切る小石川養生所を舞台にした新米医師保本登の成長物語。弱き者には慈悲深く強き者からは金を巻き上げる三船敏郎の重厚さに対する加山雄三は清々しくて凛々しくて引けをとらない存在に驚く。赤ひげが語るところの「病気の陰には恐ろしい不幸が隠れている」が、各エピソードによって示される。狂女の帯使い、蒔絵師の娘の絞り出すような一言一句、佐八とおなかが再会した時の風鈴の音、床を磨くおとよ、また盗みをしてしまった乞食にしときゃよかったと謝る長次。言葉通りの恐ろしさとやるせなさでとにかく息苦しい。そんな中にあって賄の4人が見せる人情が殊更胸に沁み、この世も捨てたものではないと思わされる。井戸に向かって長次の名を叫ぶおとよの回復した姿は保本にとって医者の務めを果たしたと言えるのでしょう。赤ひげが枯れ木を折るように手足をへし折る立ち回りシーンがマイナス0.1。製作に携わった全員の渾身の思いが感じられる傑出した作品。感服しました。 [DVD(邦画)] 9点(2016-05-31 01:51:11)(良:1票) |
2131. マジック・イン・ムーンライト
コリン・ファース観たさに鑑賞。ウディ・アレン監督十八番の人生を楽しめない皮肉屋キャラのスタンリーはうってつけですが、娘のような年の差がある、お洋服とおめめがキュートなソフィとのロマンスはどこかで醒めているようで無理があるように見えました。小洒落た雰囲気がありましたが数日で観たことを忘れてしまう作品。 [DVD(字幕)] 5点(2016-05-30 16:31:17) |
2132. 復活の日
初見。スケールが大きいようで安っぽいようで不思議な感覚。恐竜が絶滅したのは自然の摂理だが、本作での脊椎動物の滅亡はヒトが起こしたもの。南極政府での種の保存の議論に人種が隔てない太古の人類を想像させられた。昭和基地隊員がフェードアウトしてしまったのと吉住の放浪模様がくどいのが残念。 [DVD(邦画)] 6点(2016-05-07 20:10:59) |
2133. パルプ・フィクション
タイトルのPulp Fictionとは、安いパルプ紙に印刷された、大衆の一時的な欲望を満たすための読み捨て小説であり、格安原稿料の、新人や落ち目になった作家の受け皿になっていたのだそう。豪華俳優陣がそれに違わぬ作品に出演した理由を知りたい。 [DVD(字幕)] 2点(2016-05-07 19:38:21) |
2134. Dearダニー 君へのうた
《ネタバレ》 巨万の富を築きながらも自堕落な暮らしぶりのロックスターに人生のやり直しを決意させた43年前に書かれたジョン・レノンからの手紙。息子一家とのエピソードはとってつけた感が否めない。宝物の手紙の上のクスリを吸引する姿に変わるのは簡単ではなく一進一退なのだと思わされる。落ちそうで落ちなかったアネット・ベニングの魅力が際立っていた。パチーノの人生とダブるところがあるのだろうかと思うと共に健在ぶりに大満足の作品。 [DVD(字幕)] 7点(2016-05-02 22:50:29) |
2135. アルゴ
《ネタバレ》 実話ベースという事で、珍作戦なれど007やMIPとは違う現実味があった。飛行機がイラン領空を出るまでヒリヒリする緊張感に包まれ、結末にホッとするものの、彼ら6名が残されている同僚の事を案ずるシーンが一度たりともなかったのが減点。 [DVD(字幕)] 7点(2016-05-02 19:55:14) |
2136. 白昼の死角
《ネタバレ》 初見。存在感たっぷりの豪華俳優陣の中で天知茂は別格でありその目力には痺れます。数々の詐欺の手口は漫画チックに見えて現実味が感じられませんが、自分の前で騙されてゆく者に対する舌なめずりするような鶴岡の目つきは犯罪人そのものでした。結末に当時のキャッチコピー「狼は生きろ、豚は死ね」を思い出しました。大切な者皆を死に追いやった死神は狼ではないと言いたいです。原作を読みたくなりました。 [DVD(邦画)] 8点(2016-05-01 22:20:43) |
2137. エディ・コイルの友人たち
《ネタバレ》 とてつもなく地味でスリーピー・アイのうらぶれた姿と相まって、目を開けているのに必死。利用し裏切り命をも奪う間柄を「友人たち」と呼ぶ皮肉が強烈。尺が短いにも関わらず身も心もくたびれた作品。 [DVD(字幕)] 5点(2016-05-01 16:24:35) |
2138. キングスマン
《ネタバレ》 コリン・ファース。ビシッと決めたスーツ姿は何時もながらの渋さで魅了されます。何十人も殺した教会での大乱闘は「何故?」と唖然茫然ながらも、初めてお目にかかるキレッキレッのアクションにメロメロ状態。このシーン何度も見直しちゃいました。最後まで登場願いたかったものです。選ばれし者だけ生き、庶民は殺し合わせて削除するという企みは何だか現実味を感じました。見応えのある掘り出し物の作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2016-04-30 23:27:54) |
2139. カリフォルニア・ダウン
映像に2点。無茶苦茶なお話については語る気力も無い。 [DVD(字幕)] 2点(2016-04-30 00:28:32) |
2140. 死刑台のメロディ
《ネタバレ》 初見。事件の知識無し。題名からして二人の死は免れないと分かっていたが、法の名の下に繰り広げられる検事と判事の一言一句は暴力であり、偽証の強要、証拠隠滅は殺人。もう、怒り心頭。判事が都合が悪くなると力一杯打ち下ろす木槌、この男の脳天に叩き付けてやりたいと何度も思った。全米や世界各地の良識を振り切った州知事の判断「法の定めにより死を宣告する」は国の黒歴史。人種がヒトを隔てるのは90年近く経った今日に於いても変わらなく「〇〇人は強姦魔」と演説する大統領候補者が人気を博している。リカルド・クッチョーラ熱演のサッコが回復して妻子と作品を観る者に遺言を残してくれた事に救いを見た。 [DVD(字幕)] 8点(2016-04-29 12:37:52) |