301. 恋愛適齢期
《ネタバレ》 老年にさしかかった男女が、はじめて真の愛に目覚めるというテーマはなかなか良い。ダイアン・キートンとジャック・ニコルソンもうまい。しかし、そこに若い医師役のキアヌ・リーブスをからませるのは無意味だ。こ~んな非の打ちどころのない若い恋人を振って、心臓の弱い63歳の男を選んじゃうくらい深い愛なのよ、と観客に訴えるために、キアヌ・リーブス演じる医師は、女性なら誰もがメロメロになるだろうと思えるくらい魅力的な役どころになっている。だから、見ていて気の毒でしかたがない。このレビューサイトの情報によると、この映画の監督と脚本はナンシー・マイヤーズという人物。私はこの人のことをまったく知らないが、ダイアン・キートン演ずる脚本家が自分の体験を劇に描いているように、このナンシー・マイヤーズという人も自分の体験談を書いたのだろうか。それとも、自分が2人の男から愛されて、しかも超カッコいいほうを振っちゃったら、さぞかし痛快だろうなとか考えて脚本を書いたのだろうか。だとしたら自己満足でちょっと気持ち悪いなと思った(はずれてるかもしれませんが)。あの医師をからませずに、2人の愛が発展していく様子を描ききれたら、もう1点高くつけたのに。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-18 22:18:20) |
302. 大いなる西部
二つの家族が互いを憎み合い、無益な争いを延々と続ける映画。「やられたらやり返す」ではいつまでたってもキリがないことは、よく考えれば子供でもわかるのに、それでも和解しようとしない西部の血は、現在のブッシュ大統領(バカ息子のほう)に受け継がれている。二家族の憎しみの深さがいま一つわからないので、感情移入できず、「勝手にすればぁ」と思う。長くて退屈なだけ。テーマ曲がいいのが救い。ただ、争っている場面でも能天気なメロディが流れているとすごく違和感を感じる。アメリカ人にとって、戦いって楽しむべきゲームなのかなと感じる。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-10-10 14:34:51) |
303. いま、会いにゆきます
《ネタバレ》 いい映画ですね。原作と比較すると、いろいろ書きたいこともありますが、こんなものでしょう。原作と違っていて納得がいかなかった点は、死んだはずの澪が戻ってきた真相を巧が知ったのが、生前の澪が遺した日記であり、"幽霊"の澪が自分は死んでいるのだと知ったのも、同じ日記だったという点です。原作では、"幽霊"の澪は最後まで自分が幽霊だと思っていたのですが、映画では実はそうではないことが澪にわかってしまうことになり、話の前提そのものが変わってしまうと思いますが、それでいいのでしょうか。No.110【sayzin】さんの投稿の「清純派ゾンビ女優」には笑いました。私も、「またか」って思いました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-09 23:11:37) |
304. 死に花
《ネタバレ》 「そんなバカな」と思う強引な展開が多いのですが、それに目をつぶれるくらいおもしろい映画でした。隅田川の川原のホームレス、銀行が合併して支店がなくなっちゃうという身近な問題が出てくるのも、興味を引き付けられました。そして何といっても年寄り俳優陣がいい味出してる。でも私にとって一番衝撃的だったのは、前半の加藤治子が死ぬシーンでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-25 21:24:59)(良:1票) |
305. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
いかにもアメコミという作品でした。日本人の私から見ると、寒いくらい下らなかったです。後半のバトルシーンは見せ場なのでしょうが、バカバカしくて眠くなりました。 [試写会(字幕)] 2点(2005-09-12 21:51:28) |
306. 珈琲時光
私の家の近くでロケしてたので、興味を持って見ました。でも、私のような芸術オンチは、ストーリーの好き嫌いくらいでしか評価できないので、この映画は理解不能でした。知ってる場所が出てくると、「あ、ここ知ってる」という観点で楽しめるのですが、もしこの映画の舞台が私の知らない町だったら、さぞかし退屈しただろうなと思います。余談ですが、浅野忠信が店主だった書店のロケ地の誠心堂書店では、先日、大規模な耐震工事が行われました。珈琲時光が撮影された店の雰囲気が失われてしまうのかなと思いましたが、この書店は千代田区の「景観まちづくり重要物件」に指定されており、元の雰囲気を残しつつ改修されたようです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2005-09-07 20:45:14) |
307. カレンダー・ガールズ
《ネタバレ》 ほかの方々が書いているように、カレンダーを作ったあとが退屈で突っ込みが足りませんでしたが、あのおばさま方は一般人なので、あれ以上私生活をさらけ出すわけにいかなかったからああいう作りになったのでしょうか。いい話ですが、私は最後のほうでクリスがアニーに言ったせりふが聞くに耐えませんでした。CM撮影から逃げ出すアニーに向かってクリスは、(表現は違っていると思いますが)次のようなことを言っていました。あなたは私がカレンダーを成功させたから私に嫉妬しているとか、夫をなくしてファンレターが殺到したのでスター気取りだとか言っていました。でもアニーは最愛の夫を失った上に子供もいず、クリスは夫も息子も健在なのに家族を大事にしない姿に、アニーは心を痛めていただけなのに、クリスはなんとひどいことを言うのでしょう。アニーの孤独のつらさがクリスには全然わかっていないのです。最後に2人は仲直りしましたが、私がアニーだったらば、クリスに言われたことは心に深い傷として死ぬまで残り、家の中で一人になったときに思い出しては涙を流すことでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-09-01 21:39:52) |
308. ポーリー(1998)
私は動物ものはあまり好きではないのですが、この映画は素直に楽しめました。とても気持ちのいい映画です。ポーリーがたどってきた波乱の人生(?)、どれひとつとっても映画が1本できそうなくらい深いですね。特に、老婦人アイビーのエピソードは、さらりと扱われていたけど、号泣ものの映画ができそうです。でもやはり一番はマリーとの心の交流でしょうね。あのあとミーシャはどうなってしまうのかも気になります。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2005-08-11 21:29:04)(良:1票) |
309. 天国の本屋~恋火
私は原作は読んでいないのですが、#1【sayzin】さんによれば「天国の本屋」シリーズの原作の一作目と三作目をミックスしたとのこと。私が調べたところ、花火師とピアニストの恋のエピソードは三作目らしいです。ピアノ曲と花火が重要な要素としてふんだんに使われており、原作は文字だけでこれをどうやって表現したのだろうと不思議になります。しかし、原作にない音楽と映像という表現手段を駆使しているのに、映画のできはいま一つ。なにしろ、設定があまりにも突飛です。パワーのある映画ならば、不自然な設定にも観客が自然に入り込むことができ、感動できるのですが、この作品にはそれだけのパワーがなく、何もかも中途半端で終わっています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-08-09 20:30:54) |
310. 深呼吸の必要
いい映画ですね。でも、上映時間が長いわりに登場人物のエピソードが完全には明らかにされず、きび狩りのシーンが延々と続くのは、せっかちな私にはちょっとつらかったです。こんな私には向いていない映画かも。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-08 21:44:17) |
311. 地上最大のショウ
《ネタバレ》 サーカスを見るつもりでこの映画を見るならば、非常に優れた作品だと思う。この時代にしてここまで作れたのはすごい。しかし、ストーリーは、ジェームズ・スチュワートのエピソードが心に残るぐらいで、それ以外は情けないくらいにお粗末。特に、団員どおしの恋の争いは昼メロ以下だ。一番納得行かなかったのが、最後の列車事故後の対応である。どんな事態でもショーを開くサーカスを美談として描いているが、事故直後に、破損していない機材をどう使って、どこでショーを開くのかということを真っ先に考えているのを見て寒気がした。本来なら、死傷者がどれくらいいるのかを把握し、傷の程度に応じて治療の優先度を決め、ライオンなどの猛獣を捕らえることが先決ではないだろうか。医師であることを隠して警察から逃げていたバトンズが、大怪我をしたチャールストン・ヘストンを治療し、逮捕されるのを美談として描いているが、ほかにも重傷者はいただろうに、治療したのはチャールストン・ヘストンだけ。それでいいのか? また、とことん美談とするのなら、刑事にバトンズを見逃すくらいの度量が欲しかった。また、動物の半分は逃げてしまったというのに、周辺住民がのんきにサーカスを見に来ているのが信じられない。猛獣がつかまるまで家にとじこもるとか、サーカスの責任者・経営会社の責任を追及して、大いに怒るのが普通ではないだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-07-30 09:10:45) |
312. キッド(1921)
いい映画ですけど、私も【kazu-chin】さんと同じく、夢のシーンが不可解だと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-29 15:56:04) |
313. オルセン姉妹のローマでお仕事
オルセン姉妹が子役で出ていたドラマ「フルハウス」の大ファンなので見ました。今ではすっかり人気スターとなったオルセン姉妹ですが、この映画はいまひとつ。おこちゃま向けドラマに見えます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-07-24 21:34:16) |
314. ラスト サムライ
主だったポイントは皆さまが指摘してくださったので、特に付け加えることはありません。日本人が見ると違和感を感じる点も多いですが、アメリカ人が作った日本ものとしては良心的なほうかなと思います。ちょっと長すぎ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-07-23 19:14:18) |
315. 華氏911
この映画の公開前、私はタイトルを知って、「すごいセンスだ!」(レイ・ブラッドベリは怒っているようですが)と感心し、見る前から期待を大いにふくらませていたのですが、「ボウリング・フォー・コロンバイン」に比べると説得力はいまひとつだったかな。著しく偏った内容と思いますが、それでもこういう映画を作った勇気に敬服します。でも、この映画って本当に選挙向けに作ったのですね。911を周知の事実と考え、特に説明がなく、チェイニー、ラムズフェルド、ライス、パウエルなどがどんな人物だったのか説明がないので、何年もたってからこの映画を見ると、なにがなんだかわからなくなるでしょう。たとえば、911のときまだ生まれていなかった若者がこの映画を見たら、なんでパラシュートの話になるのかわからないと思います。この映画を後世に残し、こんなアホな大統領がいたということを語り継いでいくためには、もっと解説をつけた再編集版を作る必要があるでしょう。内容はおもしろいですが、見ていて疲れるので、元気がある日に見ることをおすすめします。無残な遺体の映像も出てくるので、苦手な人はそういうシーンは目をつぶってください。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-18 21:31:57) |
316. ニューオーリンズ・トライアル
いい映画だと思います。てっきりジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンの対決がメインなのかと思いましたが、主役は正体不明の男女2人なのですね。この2人の真意が最後までわからないため、好奇心を引き付けながらラストまで進んでいきます。残念なのは、#72【miso】さんが書いているように、登場人物に魅力が感じられないことです。それとも、特定の登場人物に肩入れせずに見られるように、わざと魅力なく作っていたのでしょうか。ジョン・キューザックは正体不明な感じをよく出していましたが、何となく厚化粧っぽくって、気持ち悪く見えました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-17 16:28:04) |
317. マッチスティック・メン
不思議な味わいの映画でした。この映画を見て気付いたのですが、私はこれまで映画を見るときに「これはスポーツ+恋愛ものの映画だな」と無意識にジャンル分けして、それに応じた見方をしていたようです。この映画は、犯罪ものなのか、サスペンスなのか、父と娘の話なのか、異常な潔癖症の話なのか、いろいろな要素がありすぎて分類しきれず、見ていて脳が混乱し、落ち着きませんでした。最後まで見てようやく「そういう話だったのね」と納得。途中で不快なストーリーに気分が悪くなる人もいるかもしれませんが、最後まで見れば納得すると思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-16 16:07:38) |
318. ミスタア・ロバーツ
私がまだ若かりし頃、超感動して繰り返しビデオを見た思い出の作品です。最近は見ていませんが、#8の【monteprince】さんがおっしゃるように、今見ると感じ方が違うかもしれませんね。確かこの映画には続編があって、本作ではジャック・レモンが演じていたパルバーが続編では主役なのですが、続編は監督も違うし、パルバーもジャック・レモンではありませんでした。とんだB級映画でした(本作の思い出が汚されるような気がしました)。タイトルは「ミスタア・パルバー」だったかな? このサイトで検索したけど見つかりませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-07-15 22:32:58) |
319. 戦争と平和(1956)
長いっ!!でも、【☆】さんが書いていらっしゃるように、原作が原作だから仕方ないのでしょう。あと、私の目には、どうしてもヘンリー・フォンダは「アメリカの良心そのもの」にしか見えないので、ロシア人には見えず、違和感を感じました。名優なんですが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-07-15 22:13:41) |
320. 十二人の怒れる男(1957)
私はほかの作品のレビューでは、「昔の名作は今見ると意外につまらない」とよく書いていますが、この作品は例外中の例外。今見ても十分おもしろいです。舞台は実質的には狭い一部屋だけ、登場人物は実質的には12人だけ、それでもこんなにおもしろいドラマが作れるのかと圧倒されます。今見ると違和感を感じる点といえば、陪審員に女性とアフリカ系・アジア系がいない点ぐらいでしょうか。若い頃に見たときは、単に説得のプロセスの面白さに引き付けられたのですが、年をとった今では、嘘をついているという意識なさに偽証をしてしまった孤独な老人の心理とか、つい見栄を張ってしまう40代の目撃者の女性の心理とか、どうしても捨てられない偏見とか、そういうちょっとした人間の哀しさが心に染みますね。この映画は陪審制の重要性を指摘する際に引き合いに出されると思いますが、陪審員8番が無罪を主張しなければ、5分で有罪の評決が出て、あの少年は死刑になるところだったと思うと、そんな重大な役目はとうてい自分は負うことができないなと思いました。それよりも、陪審員があそこまで推理しないですむくらいに、弁護人と検察がもっときちんと仕事しろよと思いました。また、日本語では「有罪・無罪」と訳して間違いないのですが、英語では「guilty・not guilty」で、not guiltyはたぶん「有罪であることが立証できない→疑わしきは罰せず」くらいの意味ではないかと思います。「無罪」と訳すと「潔白」を意味するように思えるので、もっとうまい日本語がないものかなと思います。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-07-11 10:05:08) |