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コメント数 347
性別 男性
自己紹介 直接的に「内容」に向かうのではなく、「スクリーンへの現れ方」を語る言葉(技法論的な言葉)をなんとかめざしたい。

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341.  メイン・テーマ 《ネタバレ》 
80年代の瑞々しい軽み映画の良さが、今やまったく感じ取られないだろうな。私は最初映画館で観た後ビデオで何回も見た、ほんとうに素晴らしかった。ハードな名作『家族ゲーム』の翌年に撮られたのだし、軽いだけの作品のはずがない。80年代の「戯れ」ものよろしく、あり得ない仕掛けを満載させるべく主役の男は手品師という設定だが、しかし裏に或る哀しみがある。80年代の「戯れ」ものの上質なものには上質な哀しみがある。それは世界の仕組みにけっして働きかけることのない戯れ=透明人間の自由に起因する。そう考えれば森田芳光がなぜ次に『それから』を撮ったかがきわめて明瞭で、そこでは「高等遊民」の主人公が社会的にはまったく無力であることを曝け出す。 
[映画館(邦画)] 9点(2011-03-03 10:02:12)
342.  還って来た男 《ネタバレ》 
自主上映の催しで、はるばる大阪まで足を運んだ甲斐のある映画だった。この映画にはまさに足を運びたいのであって、路上で人同士が「偶然に」出逢うことの多い映画なのである。「雨男」も居るし、道案内(これが主役の男女カップルの縁、「こっちです」との案内がきっかけ)もある。「こっちです」に観客も引っ張られるしかない。なんともほのぼのとした味の締めくくりとしてラストの石段シーンがある。ここでも「偶然に」出逢ったくだんの男女、男のプロポーズらしきものも含んだ長広舌がだらだらとあるなかで「終」マーク。この終わった感じのしない終わり方が良かった。痛快な川島、いい映画だと心から思う。
[映画館(邦画)] 9点(2011-03-02 19:45:14)
343.  洲崎パラダイス 赤信号 《ネタバレ》 
完璧である。主人公カップルが脱出してきた洲崎パラダイスへと架かるあの小さな橋は、カオスとコスモスを分節する橋であり、そのカオスへの逆戻りをこのカップルはぎりぎり踏みとどまる。しかしこちら側カタギの空間とて「コスモス」となりはしない。50年代の時代の寵児たる「オートバイに乗ったラジオ商」が、彼女を奪い去る。 主人公は人に尋ねる、二人が去った方角は「橋の中か外か」。「外の方」だという答え、つまりカタギの物象化された都会。同時代のイタリアでも「自転車泥棒」(デ・シーカ)すら捕まらないご時世に、相手がオートバイでは探し当てることは不可能だ。そうしてさらに、ひとりの純情娘がこの橋に現れ、主人公へのかなわぬ恋心を水面に映す。見事な橋の映画である。
[映画館(邦画)] 10点(2011-03-02 17:57:39)(良:1票)
344.  翔んだカップル
相米慎二という猛烈な監督がいた。80年代の軽佻浮薄の風潮のなか相米も遊び心のある映画を撮った・・・・というレヴェルにはまったくおさまらない。その気合いのこもった長回しがもたらすのは、極度に真剣に遊ぶ映画なのである。『セーラー服と機関銃』『台風クラプ』『雪の断章』『お引越し』などみなたいへんな力作だが、つねに過剰で、暗く、どこか大きく破れている(破れてしまう)。『翔んだカップル』がいちばん「完成度」が高いのではないだろうか(例外的に「明るい」のもいい)。この第一作においてもすでに、名状し難い良さが到る所にある。私は最初映画館で観た後、ビデオで何回も見た。
[映画館(邦画)] 10点(2011-02-26 02:17:31)
345.  息もできない
いい映画だと思いますが、大島渚が60年代前半にやっていたことという感じもします。「暴力表現のかつてない必然性」というやつです。しかしこういう映画を観ると暴力表現は「感染する」ということも自覚しますし、けっきょく観客の知的エネルギーを消耗するものという感じもします。暴力の直接的な表現は極力控えて(かつてのフィルム・ノワールのように)隠然たる暴力についてはきちんと暗示するという方法の方が貴重であると私は思いますが、そうなると映画の質がまったく変わってしまいますね。
[映画館(邦画)] 5点(2011-02-24 00:50:57)
346.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
「映画の映画」ということばがあるが、この映画は、「映画館の映画」である。つまりでんでんが主人公に陰気な犯罪への加担を迫るのとパラレルに、この映画は観客に、この映画の悪趣味に耐えられずに映画館を出るか出ないかを迫ってくる。この映画の凄さはそこにしかないが、私はそんな「凄さ」を求めてはいない。
[映画館(邦画)] 2点(2011-02-22 23:48:03)(良:3票)
347.  稲妻(1952)
食べることの交通だけを取り上げてみても豊饒である。娘高峰秀子が母元の「有象無象」と共に蕎麦を食べるシーン、これが爽快で、蕎麦を食べることが「有象無象」の陰気な会話に風穴をあけ、さらに高峰は蕎麦を二階の貧乏女子学生(自立への知的ないざない)へと運ぶ。蕎麦が取り持つ縁である。縁といえば、下宿の大家さんがながーい蕎麦を打ってくれる(女性の団結)のがなんとも微笑ましい。葡萄を食べる時間というのも素晴らしい。引越し荷物を取りに親の家に帰って、仏壇の葡萄を食べながら母と会話、その際、葡萄の皮を庭にすてる律動的な運動は、庭という「外」との交感であり、葡萄を食べ終わればさっさと立つ鳥である・・・成瀬巳喜男の瑞々しさの面! 
[映画館(邦画)] 10点(2010-12-01 21:57:23)
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