21. 大河への道
現代の市役所の話かと思ったら。伊能忠敬の話、と思ったらその弟子、高橋景保の話という、かなり凝った作りの映画。 ただ、凝った作りだからと言って、面白いってわけではないんだよね。 コメディタッチで悪くはないんだけど、どうにも物語の起伏に乏しい。 ところで、この高橋景保っていう人をちょっと調べてみると、シーボルト事件の主犯で、死罪になっているんだよね。 要するに、シーボルトに日本地図を渡した人。 映画にするなら、そこまでやるべきではないかなあ。 この人は幕臣でそこそこの地位にいたから、当時の外人に日本地図を渡すということがどれだけ重罪か、知らなかったはずはない。 何かよほどの覚悟を持った上での行動でしょう。 今の日本の市役所公務員と重ね合わせるのは、ちょっと失礼だと思う。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2023-01-29 23:40:21)(良:1票) |
22. ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
途中「ストーリーのない、ただのアトラクションなんだな」と気付いた瞬間、一気に白けた。 それからは見続けるのがかなりつらかった。 「宮部みゆきのサボテンの花では、国語教師が漢字テストで蝗害を出したなあ」なんて、全然関係ないことを考えてしまった。 恐竜って、なんか恐いから恐竜なんだと思う。 アメリカ人はダイナソーって呼ぶから、お手軽なオモチャに見えてくるのかな。 [ブルーレイ(吹替)] 3点(2023-01-29 10:20:11) |
23. かがみの孤城
地味なアニメではある。 特に序盤から中盤まで、ダイナミックな絵がないし、これといった事件も起こらない。 お話に期限があると言うが、その期限が来たからどうなるわけでもないし。 だからかなり退屈。 ところが、終盤、とある展開から自分は号泣してしまい、話を追いかけることすら難しくなってしまった。 なんかいろいろと伏線の回収があった気がするんだけど、よくわからない。 過去、心に傷を負ったことのある人なら、この映画は何かしら刺さるはず。 そういった意味で、主人公は中学生だけど、明らかに大人向けの映画。 それにしても泣き過ぎた。 恥ずかしいから、映画館明るくなったらかなり無理してさっさと立ち上がったけど。 <2023/8/11追記> DVDで2回目の鑑賞。またも終盤で号泣してしまったので、10点に変更。 この映画、物語の伏線と回収も多いんだけど、心理描写の伏線と回収がうますぎ。 序盤から中盤にかけて「現実はこんなに甘くないよ」と斜めに見てしまうのに、終盤の怒涛の展開で号泣させられてしまう。 そう、現実じゃなく映画なんだからこれでいいんです。傑作。 [映画館(邦画)] 10点(2023-01-27 19:09:07) |
24. THE FIRST SLAM DUNK
自分はこの映画の原作漫画の大ファンなので、この映画単体で評価するのは難しい。 好きな漫画は他にもあるが、一番他人に薦めたい漫画なら、ダントツでこの漫画を推す。 この原作漫画は、週刊連載漫画の楽しさが凝縮されている傑作中の傑作。 しかし今回の映画の方は、過去のTVアニメや映画版(津久武高戦)の出来がひどかったこともあって、見る気はしていなかった。 しかし、世間の高評価に釣られ、やはり見ることに。 さて、この映画、まず、オープニングがメチャメチャかっこいい。 いかにも原作者が監督・脚本をやっている感があって、テンションが上がる。 試合シーンの迫力も素晴らしい。 しかも微妙にデフォルメされていて、ちゃんと「スラムダンクのアニメ化」がされている。 挿入された新しいエピソードも納得できるもの。 無理に不満を挙げれば、リョータの妹がブサイクなところかな。 リョータの妹なら、絶対かわいいはずだし、せっかくの新キャラなのにひどい。 まあ、原作者=監督としては、そこに意識を取られてほしくないということなんだろうけど。 でも、全体として「スラムダンクの熱さ」がよく再現されていて、いい映画になっている。 見て良かった。 [映画館(邦画)] 8点(2022-12-18 00:41:35) |
25. すずめの戸締まり
色々とツッコミどころは多いし、説明不足のところも多いし、結構モヤモヤする。 それでも見終わって、明らかに楽しい。 監督の人間観だったり、恋愛観が至極真っ当だからだろう。 見てる途中、「あーこれロードムービーにしたかったのね」なんて、余計なことも考えてしまうくらい、集中させる力は弱いんだけど、端々のシーンが楽しくてうれしくなってしまう。 個人的に好きなのは、神戸のスナックのシーン。 母親から夜の女への変身が見事で、店も色っぽくて好き。 そのほか、イスやら猫やら、主要なキャラクターもなかなかかわいいし、新海監督は商業映画のツボを押さえているなあ。 いい映画だと思う。天気の子よりはずっと好き。 [映画館(邦画)] 8点(2022-12-16 17:55:43) |
26. ONE PIECE FILM RED
自分はワンピース読まないんだけど、今日は友達と会うにあたって、たまたま上映時間が都合良かったこの映画を見た。 なんにも知らずに見たから、最初、ヒロイン・ウタのライブシーンが迫力あるのに驚いた。 これはいいね! 特にダンスがいい。アニメとダンスって相性悪いな、って以前は思っていたけど、これはかなり頑張ってる。 かっこいい。 動きがシャープで、映像が眩しく、そしてなんと言っても曲と歌手がいい。 「今、自分は新しい映画を見てる!」感がとても楽しい。 ところがねえ。 ウタの世界や正体がわかってくると、どんどんつまらなくなってくる。 こういう映画の縛りなのか、無駄にキャラクター多く出し過ぎ。 多すぎるから、話にまったくメリハリが無くなってしまっている。 そしてクライマックスのバトルシーンは退屈以外の何物でもなく、「ポケモンの映画もこんな感じだったなあ」とか思って見てた。 やはりワンピース好きな人以外お断りのファンムービー。 でも、最初のライブシーンだけは本当に楽しくて、その思い出でご飯おかわりできそう。 [映画館(邦画)] 4点(2022-10-21 23:52:04) |
27. KAPPEI カッペイ
面白そうかな?と思って借りたブルーレイ。 結論から言うと失敗だったかな。 ストーリーの根幹は、粗野な男の純愛ギャグ物語。 自分、そういうのちょっと苦手で。 しかも主人公とその仲間はみんな結構なオッサンなんだけど、好きな女は大学生って、ちょっと無理がある。 まあ、ギャグシーンで笑えるところは結構あるんだけど、純愛部分は気恥ずかしいだけ。 途中、「この人、どっかで聞いた声だな~」って思ってたら、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で三浦義村やってる人だと見ているうちにわかった。 山本耕史ね。こんな情けない役もちゃんとできるんだ。さすが。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2022-10-14 20:20:29) |
28. トップガン マーヴェリック
前作をリアルタイムで見ているけど、さほど面白いとは思わなかった。 アメリカ万歳、マッチョ万歳、あーそうですかー(棒読み)という感じだった。 なので、今作も当然のように無視していたけど、周囲の高評価に誘われて、遅ればせながら見に行った。 結果、見に行って良かった。 良かったなんてもんじゃない。前作よりもずーっとずっと出来がいいよ、コレ。 テンポが良くて、小ネタが楽しく、戦闘機アクションの迫力が凄い。 個人的には、腕立て伏せ前後のシーンが超好き。 細かいことは言いっこなし! そんなもんは映画見終わってからタップリ語れ! 久しぶりに「いい映画見た!」って感じ。 トムクルーズありがとう。 映画の帰り、カッコつけて自転車乗ってる自分が嫌いじゃなかった。笑 [映画館(字幕)] 9点(2022-06-27 00:54:42) |
29. シン・ウルトラマン
序盤の怪獣が暴れるシーンは迫力満点だし、中盤のメフィラスのセリフ回しはメチャ面白い。 しかしその分、肝心のクライマックスシーンは退屈すぎる。はっきり言って眠かった。 全体として、ウルトラマンのパロディみたいだと思った。 自分は、ウルトラセブンの初回放送から見ている世代だけど、当時、テレビに向かって「がんばれっ!セブン!」って叫んじゃった記憶がある。 そろそろ会社も定年、みたいな世代になって、そんなスクリーンに釘付けされるような出来を期待してはいけないのかもしれない。 でも、庵野や樋口ならできるんじゃないかと期待しちゃうんだよね。 だからこそ、映画館まで行ったんだし。 [映画館(邦画)] 6点(2022-06-10 07:50:59)(良:1票) |
30. コンフィデンスマンJP 英雄編
今まで何作かやっているシリーズ物らしい、という程度の予備知識で見た。 一言で感想を言うと「なんだよ、コレ」という感じ。 「実はこうだったんです」みたいな話が延々と続く。 コレ、作ってる人達は本当に面白いと思って作ってるの? こっちは、後出しジャンケンを延々と見せられている気分なんだけど。 ただ、マルタの景色はきれいで、長澤まさみはなんだか楽しそう。 その2つでなんとか2時間もちました、っていう映画。 [映画館(邦画)] 2点(2022-02-04 23:52:09)(良:1票) |
31. 劇場版 呪術廻戦 0
原作既読、アニメ未見の状態で鑑賞した。 だから、最初は主人公のエヴァのシンジっぽさにちょっと戸惑った。 似てると言うよりは、ワザと寄せてるよね、コレ。オマージュってやつか。 でも、慣れてくると意外に楽しい。 シンジよりはいい奴だし。笑 内容は、日本アニメの王道なのか、状況や心情変化はキャラがセリフで手短に説明し、後はひたすら戦闘シーン!みたいな感じ。 でも意外に集中して見れるし、怪物たちの造形も見映えがする。 年末年始、家族や友人たちとワイワイ見るのには良く出来た1本と思う。 [映画館(邦画)] 7点(2022-01-07 17:25:10) |
32. 浅草キッド
自分は、78年のツービート高田馬場ライブの一部を、コッキーポッブというラジオで聞いて以来のファン。 だから、たけし役には「殺気が足りないなあ」とか「賞レースでは負け続けていたはず」とか、思うところはある。 逆に、歌手になれなかったストリッパーには泣かされた。 特に「ジョニィへの伝言」が出てきたのには参った。 今聞いても名曲だけど、当時は、他の誰がどんなにうまく歌ってもカラオケレベルにしか聞こえなかった歌だから。 でも全体として、師弟愛をいかにも昭和っぽく表現できていて、万人が楽しめる出来。 「笑われるんじゃない、笑わせるんだよ」は、たけしも昔よく言っていた。 今のプライド高いお笑いは、ここが原点。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-12-26 03:36:08) |
33. シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
前半の村生活シーンが長くてイライラする。 後半の父親(ゲンドウ)シーンがつまらなくて長くてイライラする。 シンジのいじけっぷりにはイライラしない。 エヴァはこういうもんだと知っているし、これ見るのも最後と思うと物足りないくらい。 それから、戦闘シーンは速すぎてよくわからないし、物語はもっとよくわからないけど、緊張感は持続する。 いかにもエヴァらしい。 ラスト、エヴァが終わってしまったのはよくわかった。 これはもう、続編やろうと思っても無理でしょう。 エヴァは庵野監督のものであり、こじらせ青年だった庵野監督が大人になって、決着をつけて決別したのだなあ、と思った。 寂しいけど、仕方ない。自分も大人にならなきゃ。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-12-01 22:13:37) |
34. ワイルド・スピード
今アメリカで昔の日本スポーツカーが人気で、その理由はこの映画と聞いて、見てみることに。 なるほどこりゃ面白いわ。 クルマ好きからの自分から見ても、かなり色々といいかげんだけど、それも楽しい。 ミラーは見ないがよそ見はするとか、両手をほとんど並べてハンドル握るとか。でも楽しい。 ロード用のオートバイ乗ってた連中が、急にオフロード用に乗るとかも、アクション始まるなって感じでOK。 あと、クルマ降りると必ずすぐに色っぽい女が現れるのも、男子が見る映画として正しい。 しかしアメリカ人ってわかりやすいな~。 なるほどこの出来ならシリーズ化されるのも納得。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2021-11-26 00:53:59) |
35. 式日 SHIKI-JITSU
今度、庵野秀明展を見に行くので、勉強のために鑑賞。 予想はしていたけど、これはダメだね。 映像でハッとはしても、つまらない男女とつまらない話。 退屈だから、「庵野はこの頃アニメ界の人間関係に疲れていたのかな?」とか余計なこと考えながら見てしまった。 [DVD(邦画)] 2点(2021-11-26 00:16:41) |
36. 竜とそばかすの姫
《ネタバレ》 映像美と序盤の伏線が効いて、途中泣けてしまうけど、この映画の結論はとても好きにはなれないなあ。 細田作品で結論が嫌いになったのは初めて。 だって結局、「母親と同じく、他人の命を救うために平気で自分の命を投げ出す人になりました」って話にしか思えなかったもん。 それは決していいことじゃない。 今回はたまたま無事に帰ってきたけど、近い将来、死ぬことになりそうだなあ、なんて思った。 それでも物語に引き込む力や予測できないストーリー展開は、さすがの細田節。 細田監督、次回はスカっとする話を作ってね。 [映画館(邦画)] 7点(2021-07-16 22:21:28) |
37. ザ・ファブル 殺さない殺し屋
アクションシーンが素晴らしい。 前作よりずっと見やすく、そして迫力がある。 自分の見た映画の中では、一番の出来。 反面、ストーリーは... いやそんなにひどくはないんだけど、原作のこのエピソードは、傑作中の傑作だからねえ。 それを活かしてるかっていうと、全然できていない。 特にエピローグは漫画をなぞりすぎ。長すぎる。 それでも、この映画は楽しいし、アクションシーンはすごいし、クライマックスではちょっと泣ける。 エンタメ映画として、よくできてる。 前作の出来を上回っているから、次回作もあるだろうね。 [映画館(邦画)] 8点(2021-07-03 01:06:13)(良:1票) |
38. 空飛ぶタイヤ
タイトル見て、「天空の城ラピュタみたいだな」なんて思って、何も知らずに借りた。 パッケージ写真から「子供向けじゃなさそうだ」とは思ったんだけどね。 さて、冒頭のシーン見て、思わず「これか...」と声に出てしまった。 自分、この事件現場の近くに住んでいたことがあり、また車好きということもあって、この事件のことはよく覚えているから。 映画と違って、車好きはみんな最初からメーカーを疑っていたと思う。 タイヤがホイールごと外れて転がっていくなんて、運転ミスや整備不良じゃまず聞いたことなかったから。 ただその後に出てきた話は、映画以上に本当にひどくて、「潰れてしまえ」と思ったなあ。 このメーカーは、真っ黒な排気ガスを出す乗用車を、「環境エンジン」という真逆の名前で売っていたことがあり(しかも四つ葉のクローバーのステッカー付き!)、自分は以前から嫌いだったし。 さて、映画の方は、エピソードがテンポ良く出てきて飽きずに見られる。 ただその分、深みというか盛り上がりに少し欠けるかな。 でもクライマックスでちゃんと泣けたし、エピローグはちょっと意外な感じが楽しい。 でも、もう1回見たいかというと、どうかなあ。 この実話は本当にひどくて、車好きとしてはもうあまり思い出したくないんだよね。 [DVD(邦画)] 7点(2021-02-12 01:22:05) |
39. 超高速!参勤交代
コメディというジャンルは好き。時代劇も好き。 しかし、両方重なると、自分にはダメだっていうこと分かった。 時代考証はともかく、ストーリーの粗さが気になってしょうがない。 街道を使わず、さして近道でもない間道を使うとか、参勤交代の武士が全員で白昼堂々と忍者軍団と戦闘とか。 自分の見方が悪いのは分かっているんだけど、ノレなかったなあ。 カレーライスも寿司も好きだからって、一緒に食べちゃダメだよね。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2021-02-01 01:27:40) |
40. 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
遅ればせながら、見てきた。 遅れた理由は、以前原作を読んでいて、自分にはそんなに面白くなかったから。 でも、映画は面白かった! なんといっても脚本が、、、良くはないなあ。笑 起承転結なんてあったもんじゃないし、むしろかなり悪い部類かと。 でも、テンポや演出がいいんだよね。 技の名前を叫びながら必殺技を繰り出すっていう、もはや日本の伝統芸がなんとも気持ちいい。 最後の方は、ちょっと泣けたし。 この映画ははっきり言って、いいトシした分別のついた大人が見るべき映画ではないと思う。 でもね、自分と同世代にはこう言いたい。 「お前はさらば宇宙戦艦ヤマトで号泣したことは無かったか?、そして、”これこそ史上最高のアニメだ!”と叫んだことは無かったか?」 自分はもちろんある。今の若い人にはとても言えないが。 この映画は、そういう映画なんだと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2020-12-01 22:30:56)(良:1票) |