481. 第九軍団のワシ
《ネタバレ》 いや、面白かった。 覇権を広げること自体が目的化しているローマ帝国。 そのローマの精鋭部隊ですら壊滅させてしまう北の蛮族。 互いにそんな誇り高き父を持つ青年同士の誓い。 後半、黄金のワシを取り戻してからの緊張と諦めと高揚の流れは素晴らしかった。 ローマの罪深さを裁くのは歴史家に任せて、ここは二人の友情に胸を熱くさせたい。 奇をてらわず、ちゃんと作り込んだ良質の映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-07-19 21:45:34) |
482. ブレイド2
《ネタバレ》 掟破りのウィスラーは生きていた! で始まるのだが、この人がいないとブレイドはパワーアップできないんだから、当然の帰結。 むしろ嬉しい誤算。 そして二作目の監督はギレルモ・デルトロ。最初に観た当時はそんなこと知らなかったけど、今はやはり期待を込めて観てしまう。 この人、なんかチーム作るの好きだよなあ。 ワクワクするから大歓迎なんだけど。 ドニー・イェンと若かりしノーマン・リーダスも観られるお得感もあり。 続編を作る為には、新種を登場させないと盛り上がらないのがこの手の映画の悲しき宿命。 ギレルモ監督に敬意を表して加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-07-19 01:08:17) |
483. ブレイド(1998)
ヴァンパイアハンターの王道と言えば、やはりこのブレイド。 とにかくウェズリー・スナイプスがカッコいい。 またこの頃のウェズリー・スナイプスは脂が乗ってて動きもキレキレ。 『アンダーワールド』のセリーンのガン捌きもシビれるけど、スナイプスは刃物を持たせたら天下無双。 バッタバッタとヴァンパイアをやっつけるブレイドに酔いしれる一作。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-19 00:50:43) |
484. パニック・ルーム
《ネタバレ》 最低限の設定を紹介して、ほぼ助走なしのフルスロットルで展開。 逃げ込んだ先に悪党の欲しいものがあるという筋立ては面白い。 悪党3人のキャラクター割りも、ソツがない。 ただの阿呆と憎たらしい極悪人と人情味溢れる職人。 パニック・ルームからあぶり出すシークエンスの後も、元夫や警官の登場など、観るものを飽きさせない工夫で2時間はあっという間。 フォレスト・ウィティカーが出てきた時点で、この母娘は無茶されないなっていう安心感が出ちゃうのが難点と言えば難点。 ジョディー・フォスターは、胸元も眩しいタンクトップで眼福の一作だが、警官に話した三つのいいことって何だよ、と気になって悶々しつつ観てしまう一作でもある。 それにしても、悪党一味をやっつけた後のジョディーの美しさは神々しいほど。 あのシーンは、きっとジョディーもこだわって撮ったに違いない。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-07-18 08:08:54) |
485. ミラーズ・クロッシング
これほどタイトルと内容がマッチしている映画も珍しい。 最後まで驚きをくれる映画。 だけど、登場人物覚えるの大変。 ガブリエル・バーンは黙ってるシーン多いけど、流石のカッコよさ。 観て損はなし。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-17 00:06:37) |
486. NEXT-ネクスト-
《ネタバレ》 2分先が見える男、は、2分先までしか見えない男、でもある。 カジノのシーンで、あれだけ何分先まで予言できるのかにこだわっていたのに、途中からほぼ何でもありのまさにゴールデンな展開。 つまりほぼほぼ危機感無し。 核弾頭がアメリカ国内に持ち込まれたのに、FBIだけで対応するの? ボスの右腕的な部下が、あんな若造でしかもすぐに撃たれちゃうような奴でいいの? コロンボはあれで出番終わりなの? なんていろんなことが気になっても、やっぱり最後の掟破りの巻き戻しの衝撃にはかなわない。 原作はフィリップ・K・ディックなんだね、これ。小説版は違う展開なのかなあ。 久しぶりにカッコよくてセクシーなジュリアン・ムーアが出てなかったら、私の中の評価はもっと低かったかも。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-16 20:33:54) |
487. ウソはホントの恋のはじまり
《ネタバレ》 いや、予想外のいい映画。 と言っては失礼か。 相手の気を引くためにFacebookで先回りって、今時の映画にはありそうなんだけど、その部分の葛藤と男女の普遍のテーマもちゃんと考えさせる所がいい。 偽らない自分でいることと、相手の嗜好も大事にする妥協も必要って、全く矛盾しない。 まさに真理。 それをサムに気づかせる友人達も愛すべきキャラクターなのがいい。 キャリー・フィッシャーをオカズにする下品さも、物語の中で柱になる展開なのが心地よい。 そして自由奔放でありながら、純粋さも持ち合わせたキュートなバーディに途中から完全にノックアウト。 設定は違うけど、『ノッティングヒルの恋人』が重なる佳作。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-07-15 00:13:08) |
488. ロボット
《ネタバレ》 長い。 でも、全然嫌いじゃない。 要所で挟まれる踊りと歌にいつのまにか陶酔している自分に気づいた。 キスシーンは許さない厳格さがあるのに、歌の歌詞は映倫ギリギリな所がアンバランスで癖になる。 アシモフのロボット三原則なんか気にしないぜ!的な潔さとラストの怒涛の展開にやられた。 そして引きずらないあっさり目のラストシーンはインド映画の真骨頂。 いや、インド映画って面白い。 でもまあ、ちょっと長いかもね(笑) [インターネット(字幕)] 8点(2020-07-12 22:42:31) |
489. 悪魔を憐れむ歌
《ネタバレ》 冒頭がラストにつながる作り。 のたうち回ってるのが本人ではなく、悪魔だったことにはやられた!とは思ったものの。 誰に乗り移ってるのかわからない怖さは、物体X的でもあるなあと感心したものの。 それならアメリカの大統領とかローマ法皇に乗り移っちゃえば、あっさり人類を堕落させられるのでは?という疑問が。 悪魔のくせにそんなに悪どいことしてないのも煮え切らないよね。 デンゼル・ワシントンはまだ若いが、流石の重厚感。 宗教学者の女性も知的で魅力的。 だが、結末があまりにも予想つき過ぎてツライ一作。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-07-11 13:38:34) |
490. ラン・オールナイト
どんでん返しとか意外性のある映画が増えたせいなのか、こういう真っ当な映画を観ても面白いと思えなくなっている自分に今更ながら気づいた。 キャストは申し分なし。 一晩で完結、という設定もいい。 でもね、心に残らないんだよね。 リーアム・ニーソンのアクション映画ってリストに載って、久々に骨太な漢の映画を観たなあ、って感じ。 これは観る側に問題があるような気がして怖い。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-07-07 00:29:06) |
491. AKIRA(1988)
《ネタバレ》 32年前の作品とは思えない斬新さ。 そして時代設定が2019年。 年代だけは時代が映画に追いついた、と言えるのかな。 東京オリンピックも開催予定という、今年改めて観るのには最適なタイミング。 そして、面白い。 反政府の地下組織、なんて今の日本人にはそんなパワーや情熱は望めそうにない自己嫌悪を感じつつ鑑賞。 仲間のケリは自分がつける、という青二才には十年早いセリフに恥ずかしくなりながら鑑賞。 有無を言わせぬ圧倒的な展開は、2020年となった今も少しも色褪せていない。 まさにクールジャパン、な名作。 [映画館(邦画)] 8点(2020-07-05 22:14:38) |
492. ランボー/ラスト・ブラッド
《ネタバレ》 前半は家族の愛をじっくり描く。 時間かけ過ぎでは?っていうくらいじっくり描く。 スタローンがこのランボーシリーズを本当に愛し、本当に今作がラストなのだなと思いながら観た。 遭難者の救出には命を賭けるランボーも、悪党には一切容赦なし。 女性を品物としてしか見ず、罪もない娘たちを売り捌く輩に何の遠慮がいる? 悪い奴はとことん黒くなっていくだけだ、という潔さのある映画。 そして、トラップで殲滅したって、やっぱり最後は弓。 ランボーが弓を引き絞る度に、怒りが加速し、解放されていく。 ちゃんと見届けたぜ、スタローン。 最高のシリーズをありがとう。 [映画館(字幕)] 8点(2020-07-04 23:57:35)(良:1票) |
493. 28週後...
《ネタバレ》 ゾンビ系の映画としては、稀に見るクオリティ。 とにかく息つく暇がなく、全編通して息を飲む展開。 そして感染者も食料がなければ餓死するという、今まで誰も触れてこなかったタブーを逆手に取って新たな地平を開いた稀有な作品。 食べるのか殴るのかはっきりしないのが唯一の難点かも。 ジェレミー・レナーとローズ・バーンが使命感に燃えて(ジェレミーは本当に燃えちゃったけど)子供たちを救ったことが、結局エッフェル塔の下にまでゾンビを呼び込む皮肉な結末。 続編見たいけど、これ以上のクオリティはちょっと期待できそうにないから、なしでいいかも。 相変わらず美しく、迷彩服がセクシーなローズ・バーンにも加点。 [インターネット(字幕)] 9点(2020-07-04 18:28:57) |
494. クロール -凶暴領域-
《ネタバレ》 サメは敵に回すと絶望的な感じなんだけど、ワニならいけるかも?と思わせてくれるタフな映画。 ただ、いかんせん数が多すぎて、やっつけた時の爽快感があまり感じられないのが難点。 パニック映画としては、見たいシーンもごまかさずに見せてくれるし、ラストに向けての盛り上がりも上々。 主役の女の子は、映画冒頭はちっともピンとこなかったのに、中盤からは俄然魅力的に見えてきたから不思議。 ワニ映画の中では出色の出来じゃないかな。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-01 00:58:14) |
495. タイムライン
《ネタバレ》 考古学者なら、歴史を変えることに対する逡巡を持たねば。 ほぼレクチャーなしで過去に飛んじゃうし。 レディ・クレア助けちゃったし。 未来から来といて何人も殺してるし。 ギリシャ火薬教えちゃったし。 ってなことは気にせず観ないと、楽しめない映画。 ブラッドベリの『サウンド・オブ・サンダー』のような虫一匹殺しても未来が変わるからダメ!的な科学的考証は求めてはいけない映画。 投石機など、戦闘シーンはそれなりのクオリティがあるから、そこそこ楽しめる。 キュートなレディ・クレアに加点。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-06-28 23:11:47) |
496. アップグレード
《ネタバレ》 近い将来に治療法のひとつとして現実化しそうなチップ埋め込み。 現在も実現してそうなドローンでの市民監視システム。 実用化へ向けた実験も最終段階?の完全自動運転。 未来はそうなるのか。 しかし、武器を体内に埋め込むってのだけはむしろ退化の発想な気がするが。 中盤からスピード感も文字通りアップグレードしていくのだが、なんだか映画内の世界がスケール小で危機感に逼迫性が足りない。 乗っ取るなら議員とか大統領とかじゃないと、ヤバイぜ!ってなんないよなあ。 格闘シーンのカクカク感とか嫌いじゃないんだけどなあ。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-28 15:11:46) |
497. 国際市場で逢いましょう
《ネタバレ》 戦争で引き裂かれた家族の物語。 家長として家族を守り抜くドクスの覚悟には脱帽するしかない。 私が子供の頃は、中国残留孤児と家族の再会番組をテレビでやっていたが、朝鮮でも他の地域でも、同じような悲劇が起こっていたんだということに改めて気づかされた。 ドクスの孤独な奮闘を観て、マクスンや父親が見つかって欲しいと、私自身も祈るような気持ちで劇中に引き込まれたし、鏡の中でまだ幼いドクスが父親と再会するシーンは泣けて参った。 年老いたドクスが妻と互いの夢を語り合うラストシーン。 冒頭から画面を舞っていた蝶が、静かに空へと飛び立って行く。 あれは父親に違いない。 ファン・ジョンミンは本当に素晴らしい役者だし、友人役の人も悪友として素晴らしい存在感だった。 いや、いい映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-24 23:03:06) |
498. スーサイド・スクワッド
ハーレイ・クインが出てなかったらそもそも観てないかもしれないが。 劇場で観た時はアドレナリン出てるしそれなりに楽しめた気はするが、いかんせん相手が悪過ぎる。 この盗賊チームの相手には、次回は是非エクスペンダブルズを推奨したい。 いい勝負だと思うけどなあ。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-06-17 00:03:14) |
499. ゼイラム
《ネタバレ》 やっぱりこの世界観は魅力的。 女バウンティハンターって、カッコいいよなあ。 初っ端のスーツ着て弾を弾くシーンなんて、何度も巻き戻して見ちゃうぜ。 ゾーンなんて設定も斬新。 神谷さんもテッペイもちょうどいいキャスティング。 ターミネーターもエイリアンもプレデターも物体Xも全部詰め込んだ邦画の心意気。 特撮が突如アラジンばりのコマ撮りになるのも愛おしい。 後世に残したいSF邦画の金字塔だと私は確信している。 [インターネット(邦画)] 7点(2020-06-14 16:13:35) |
500. 悪女 AKUJO
《ネタバレ》 しかしまあこれでもかってくらいの怒涛のアクションの連続。 銃にばかり頼らない殺陣は韓国映画の拘りなのか。 『アジョシ』も凄かったけど、この『悪女』はさらに凄まじかった。 切なさが韓国映画のスパイスだと思うけど、ここでも容赦ない主人公への仕打ち。 冒頭の殴り込みもラストの殴り込みも、どちらも愛する者を奪われたゆえの落とし前。 悲しみが宿る殺陣は凄まじくも美しい。 そして何より主役の女性二人がどちらも魅力的。 韓国映画って、こういうの作らせたらうまいなあ。 いや、痺れた。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-13 22:06:52) |