41. 人間失格 太宰治と3人の女たち
《ネタバレ》 主人公があまりにクズなんで、ちょっと見ているのがつらい。 あとでいろいろと検索してみると、どうもほとんど事実らしく、これまたビックリ。 なんでこんなクズが今でも人気あるんだろう。 戦中戦後の男に甘い時代(戦争すると男がたくさん死ぬから、男に甘くなる)ってことを割り引いても、ひどすぎるでしょ。 どうやら若くして死んだために、許されているらしい。 でもなあ、現実から逃げ回って、逃げ切れなくなっての自殺だから、全然同情できないな。 自分は、本人の人格と作品は切り離して評価するべきと信じている。 でも、子供向けの仕事する人の自殺は別。 それは、子供に対して、やってはいけない裏切りと思うから。 だから前から太宰も太宰の作品も嫌いだったけど、この映画見てますます嫌いになった。 この映画自体は、面白くもなんともないけど、後でいろいろ考えさせるという点では興味深い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-11-03 23:26:54) |
42. パラサイト 半地下の家族
自分には、ダメな映画だった。 貧乏家族に全然共感できず、おバカな金持ち家族に同情してしまったから。 「”万引き家族”にはノレたのに、この映画にノレないってのは、自分は長く日本人をやりすぎたせいかなあ?」なんてことを考えてしまった。 中盤あたりの緊張感やスピード感は、なかなかうまいなあ、って思う。 でもまた最後の方で、えらく後味悪いし。 アカデミー作品賞、自分にとってまたもやハズレ映画でした。 [ブルーレイ(吹替)] 3点(2020-10-20 21:44:30) |
43. 記憶にございません!
なんだか後味が悪いなあ。 自分は日頃「総理大臣って大変だなあ。起きてる時間は基本、全部仕事なんだろ?」なんて思ってる人間だから。 政治家って、今の日本じゃお笑いにしにくいんだよ。 少なくとも、今の日本で総理大臣になるような人は、みんな真面目で24時間1年中、日本の将来考えてるような人達ばっかりだから。 だからこんなふうに茶化されても、ノレない。 小池栄子の芸達者ぶりだけは楽しかった。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2020-10-18 23:08:50) |
44. 明日に向って撃て!
中学生の頃に憧れた超有名作品。 自分より少し上の大人が、この作品の魅力を熱く語っていた。 今さらになって初めて見たんだけど、残念ながらダメだった。 こりゃあ学生のときに見なきゃダメだなあ。 会社員生活30年以上なんて自分が見ても、主人公が犯罪者じゃ共感できない。 「ボリビアなんて、今でも悪人が稼ぎに行く国じゃないのに、50年前にあるわけない」とか、どうでもいいことが気になるし。 ところで自分、「俺たちに明日はない」のあらすじだけ知ってるんだけど、これ、ソックリだね。 おまけに原題もソックリで、邦題もなぞっている。 にもかかわらず、こちらは二番煎じ扱いされず、むしろ傑作扱い。 ベトナム戦争とか、当時の空気感を知らないと理解できないのかなあ。 つまらなかったわけじゃないけど、感想は「見なきゃよかった」。 憧れの作品は、憧れのままでいてほしかった。 [地上波(吹替)] 5点(2020-09-23 00:49:00) |
45. 翔んで埼玉
東京出身で神奈川住民歴の長い自分にとっては、楽しめない映画だとばっかり思っていた。 しかし、高評価をあちこちで耳にして、今回鑑賞することに。 結論から言うと、面白かった! とにかく小ネタをこれでもかとギッシリ詰め込んでいるんで、どこかで必ず笑えるし。 ところで、自分が「日帰りでどこか遊びに行こう」と考えた時、埼玉県内を候補に挙げることはまずない。 100回のうち1回あるかないか。 距離的にも時間的にも伊豆(静岡県)より近いけど、行った回数は伊豆の方が全然多い。 それでも、その1/100を20年、30年と繰り返していたら、埼玉でもかなりの場所に行ったことがあることに気付いた。 浦和、大宮、所沢、深谷、与野、熊谷、春日部、川口…みんな行ったことがあるし、地図上でもどこにあるかわかる。 だから「与野は黙ってろ」なんてネタも大いに笑えた。 長いこと遊んできた知識から笑うことができたんで、「年取るのも悪くないな」なんて見終わった後に思った。 楽しく前向きに見終われるんだから、これは結構バカにできない、いい映画ですよ。 [DVD(邦画)] 8点(2020-09-06 00:34:59)(良:1票) |
46. 若おかみは小学生!
良作の噂を聞いて、前知識ゼロでの鑑賞。 能天気なタイトル、絵柄、音楽から微笑ましく見始めると、いきなり超ハードな展開に度肝を抜かれる。 ただ好き嫌いでいえば、はっきり言って嫌い。 そりゃあいきなり人が死ぬとこ見せれば、客は集中するけど、楽しくはならない。 それを子供向けアニメでやるってどうなの?って思うし。 それから主人公、小学生のくせに、働くことに真面目過ぎだし、疑問なさすぎ。 子供らしくない。 この辺、おそらく小学生女子なら抵抗ないだろうが、小学生男子はまったく共感できないだろうなあ。 男子はバカだから、男子が主人公じゃないと共感できないし、冒険話がないと集中力続かないし。 それでも、数々の暖かいキャラがうまいこと話を進めて、まとめて、確かにまずまずの良作。 数あるキャラの中でも、自分は断然ピンフリが好き。 暗くなりがちな物語の中で、彼女には何度も笑わせてもらった。 救われたと言っていい。 [DVD(邦画)] 7点(2020-07-13 21:29:25) |
47. 万引き家族
昔見た「誰も知らない」より、ずっと良かった。 「誰も知らない」は、話が進まず退屈だったし、ウソくさかったけど、こっちはいかにもありえそうな生活だし、楽しい。 やってることは万引きなんだけど(笑)。 虐待家族と万引き家族だったら、そりゃあ万引き家族の方が楽しいよね。 後から考えたら、どっちもダメだろって思うけど(笑)、映画見てる最中は気にならなかった。 まあ、風俗店での客との交流とか、おばあちゃんの死後の扱いとか、「そりゃ違うだろ」と思うシーンもあったけど、ギリギリ状態の仲良し家族をうまーく描いてる。 クライマックスからラストにかけてのまとめもうまいなあ。 最初からの「どうみても長続きしない感」からの伏線をうまーく回収して、キチンと決着をつけてる。 この家族は、自分の目標とした家族とは全然違うけど、すごくうらやましい。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2019-10-23 00:25:04) |
48. ジュラシック・ワールド/炎の王国
《ネタバレ》 ラプトルを生まれたときから飼うと、ペットにできるって? できないよ。 だって人間をエサとする動物なんだから。 いや、別に映画なんだから、できるって設定でもいいけど、そうしたらもう恐竜じゃないし、自分の見たい「ジュラシック~」じゃない。 最後もなんだかなあ。 恐竜を野に放つとか、「ムチャもいいとこだなあ」なんて、冷めて見てた。 でもまあ、なんとか最後まで飽きずに見られたから、まあいいかって感じ。 で、次回作はなんですか、「野生化した恐竜が大繁殖し、人類は滅亡の日まであと365日。そこに人類の救世主としてラプトルの子孫が現れる!」とか。 どう考えてもつまらなそうだけど、つい見てしまうかもしれない。 [DVD(吹替)] 5点(2019-10-14 10:19:35) |
49. 天気の子
つまらなくはない。 途中、ちょっと泣けたし。 ただねえ、印象は「君の名は。の縮小再生産だなあ」。 特に、「君の名は。」同様、エピローグが結構長いんだけど、そこで結構マイナス点。 この終わり方は、あまりいい気分じゃない。 主人公の最後のセリフに、自分は「そうかなあ?」と思ってしまった。 [映画館(邦画)] 7点(2019-07-19 22:39:55)(良:1票) |
50. ザ・ファブル
この映画の原作マンガの大ファン(コミックレビュー参照)なので、映画については、大いなる不安を持って見た。 この原作の持つ、日常と非日常の対比、ギャグセンスなんていう魅力を、はたして映画で表現できるのか、という不安。 しかし、見た結果、まずまず表現できていたように思う。 ただ、映画としての完成度は高いとは言えない。 原作の登場人物を、整理せずみんな出してしまっているから、一人一人が薄いし、話の内容も薄い。 それに、原作で印象的なシーンを全部詰め込んだ結果、意味がよく繋がっていない所多し。 でもね、この映画、見終わった後、楽しくなって誰かに話したくなるのよ。 あのシーンはおかしいとか、あのキャラはいいとか悪いとか。 だったら映画としては充分に合格点でしょう。 実際、「家族そろってどうぞ!」なんて映画ではないのに、お客さんよく入ってる。 原作に興味持った人も多いだろうし、そういう意味で、原作ファンとしては大満足。 [映画館(邦画)] 8点(2019-06-24 07:33:22) |
51. マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー
前作とは似ても似つかぬ凡作。 というか、暗すぎ。話も曲も。 その割に男と女が簡単にくっついたり別れたり、正直見ていて不愉快。 ダンシング・クイーンのシーンだけは良かったよ。 そこだけはね。 [ブルーレイ(吹替)] 4点(2019-03-15 22:17:36)(良:1票) |
52. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
「戦争で勝った国はいいなあ」なんて子供っぽいことを、本気で考えてしまった。 島国、立憲君主制、先進国と、共通点の多いイギリスとは、どうしても比べてしまうから。 1940年当時のイギリスも、こんなに難しい政治判断が必要だったんだ。知らなかった。 日本との違いは「信念があったことかなあ」なんて考えた。 今の日本、信念ありますかね?これからの日本は大丈夫かな? だってこういう政治映画、今の日本じゃまず作れないから。 源頼朝や大久保利通みたいな「全身政治家」は全然人気ないし、徳川家康みたいな戦国大名+政治家でもあまり人気ないし。 話がだいぶ逸れたけど、この映画のチャーチルは、政治家のくせに人間くさくて楽しい。 特に、秘書や奥さんとのやりとりが楽しい。 ウィットに富んでるっていうの? 緩急をつけながら、クライマックスできっちり盛り上げる。 あー「戦争で勝った国はいいなあ」。 [DVD(吹替)] 8点(2019-03-06 23:04:38)(笑:1票) |
53. アリータ:バトル・エンジェル
この映画の原作を昔大好きだったけど、この映画はノーマークだった。 だって、日本漫画のハリウッド映画化なんて、ロクなもんじゃないから。 ところが、映画の予告映像を見たら、考えが変わった。 原作のいいシーンを忠実に実写化してるのが分かり、思わず熱くなったから。 実際見てみると、原作へのリスペクトは想像以上だった。 なによりうれしいのは、造形こそ多少異なるものの、主要なキャラの性格は、原作と全く同じなこと。 それでいて、アクションシーンやクズ鉄町の表現は、原作を超えている。 ハリウッドが大金かけただけのことはある。 しかも、お話は時系列こそ変えているものの、原作の前半(前半だけなら傑作!)とほぼ同じ。 これで映画としてつまらないわけがない。 ヒロインに萌え、アクションシーンで燃え、ヒロインの悩みや恋愛にちょっと泣ける。 SFアクションエンタメとして、非常によくできている。 日本漫画原作のハリウッド映画としては、自分の知る限り史上最高。 この映画の映画の続編も見たいし、もっと日本漫画をたくさんハリウッド映画化してほしい。 本気でそう思った。 [映画館(字幕)] 9点(2019-02-23 00:49:25)(良:1票) |
54. ベイマックス
主人公のキャラ、設定が傑作「ヒックとドラゴン」に似ているから、つい出来を比べてしまうけど、これはこれで楽しい。 ただ、後半はあまりにご都合な展開にちょっと引いてしまったなあ。 でも、新橋とか道頓堀っぽい街並みとかメカが楽しく、気持ち良く終わるから、好感度高いです。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2019-02-18 00:19:36) |
55. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 この映画の「全員悪人」というキャッチコピーは覚えていた。 で、見終わった後は、「”全員悪人”じゃなくて”全員短気”じゃんか」と思った。 だって最初は60万円ですよ?60万円。 そりゃあ高いですけど、命のやりとりする金額じゃあない。 それに、警察署の前でタバコのポイ捨てするシーンに象徴されるように、意味なく相手に反感持たせてるし。 これじゃヤクザじゃなくて頭の悪いチンピラだし。 でもねえ、見終わって数時間すると、やっぱり「面白かった!」って感情が上回る。 テンポいいし、暴力とお笑いを両立させてるし。 このセンスはたけしならではだなあ。 やっぱり「全員悪人」ってキャッチは正しいな。 みんなカッコつけて悪ぶった後、カッコ悪く死ぬ。 それを一言で言うなら「全員悪人」しかないと思うから。 大人の男しかわからん映画だと思うけど、それでいいのだ。 もっと早くみれば良かった。 [DVD(邦画)] 7点(2019-02-10 20:50:25) |
56. 何者
《ネタバレ》 「自分もかつて痛い若者で、痛い就職活動したなあ」、そんなことを鮮明に思い出させる映画。 それだけで確実に5点以上。 でも、もう一度見るのはつらいから6点止まり。 でも自分は、この主人公ほどはひどくなかったなあ。 目の前で話している友人の悪口をリアルタイムでツィッターで上げるとか、そりゃ人としてどうかと思うわ。 こんなんでよく友達できたなあ。 あとねえ、就職活動は友人と一緒にはやらないほうがいいと思うぞ。 「自分が内定ゼロで、友人が第一志望内定」なんて状況になったとき、心から友人を祝福できるか? その自信がないんだったら、友達なくす前に無理にでも一時的に離れるべきと思うけどね。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2019-02-05 23:13:30) |
57. リメンバー・ミー(2017)
音楽が主題なのに、その音楽に魅力がない。 死後の世界では、人から忘れ去られると雲散霧消するという「第2の死」があるんだそうな。 「俺の場合、”第2の死”もそう遠くないなあ」なんて考えてしまう自分には向いていない映画でした。 [ブルーレイ(吹替)] 3点(2019-01-29 22:33:12) |
58. 忍びの国
伊賀忍者の価値観とか織田信雄の立ち位置とか、意外にも背景は史実に則っている。 でもさあ、主人公はいったい何をしたかったの? 価値観ブレブレの上、助演陣にも感情移入できる人がいない。 アクションシーンにところどころ目を奪われるものの、お話がそれこそ「話にならない」。 忍者って存在は、海外でも人気あるんだから、海外公開も視野に入れて、もう少し丁寧にお話作ろうよ。 [ブルーレイ(邦画)] 3点(2019-01-14 13:02:36) |
59. ボヘミアン・ラプソディ
高評価に釣られて、遅ればせながらの鑑賞。 自分にとってクイーンは「知っている曲がいくつかある」程度。 「Don't stop me now」を使った浅田真央の動画でいたく感動したことがある、そんな程度。 さて映画。 ストーリーは意外に凡庸。 実在の天才を扱った映画を過去にいくつかは見ており、そこから想像できる物を超えはしない。 印象的なエピソードを短くどんどん出してくるから、飽きはしないけど。 「日本がらみのエピソードが出てこないなあ」なんて思いながら見てた。 それでも、クライマックスシーンには心動かされた。 クイーンの曲の歌詞に意味があるなんて、今日まで思ってもみなかったけど、ジンときた。 初めてのIMAX鑑賞だったけど、その価値はあった。見て良かった。 [映画館(字幕)] 7点(2019-01-14 09:30:02)(良:1票) |
60. 今夜、ロマンス劇場で
あざとい話だなあ、なんて最初は斜めに見てた。 綾瀬はるかは綺麗な服をバンバン着替えるし。 「その服の金はどこから出てんだよ」と。 でも、次第に引き込まれ、その分ラストは想像もつかず、ついに最後で涙ボロボロ。 映画らしい、夢のある話で、自分は好きですね。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2018-12-26 23:07:51) |