661. 言の葉の庭
確かに映像はキレイ。制作当時監督は40歳のハズだが、40にもなってこれだけの妄想が出来るってのはある種の才能がある人なんだろうな。主人公は15歳にしてはかなり大人びてはいるが。 [地上波(邦画)] 5点(2017-03-05 23:40:51) |
662. M★A★S★H/マッシュ
《ネタバレ》 野戦病院という特殊かつある種の閉鎖空間に常識ぶち壊し男がやってくる。で、そこでの常識なりルールを揶揄するという『男はつらいよ』的な作品。戦争モノなのか病院モノなのかよくわからないが、死と隣り合わせであるからと言って、戦場や病院に笑いがあっちゃイケナイって事はないわけで、これはコレでいいのかなと。特に反戦という印象もないですね。どっちかと言うと、官僚組織を皮肉る『ポリスアカデミー』的というか。ただ、ラストのアメフト試合は設定としての戦場も病院も関係なくなってしまって幅を広げすぎという感じで、終盤萎えてしまった。お笑いをやるにしても最低限の舞台設定というかテーマ性は保持して欲しいところ。野戦病院でしっかり完結して欲しかった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-03-03 16:18:28) |
663. やじきた道中 てれすこ
リズム・テンポ・雰囲気は悪くないんですけどね。肝心の中身がツマラナイ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-03-02 11:19:06) |
664. 恋愛だけじゃダメかしら?
題材としてはオモシロそうだが、群像劇なので1つ1つの内容が薄い。女の苦労はいろいろと描かれているが、男の苦悩はイマイチかな。子供は産まない・持たないという選択もあるので、そういうカップルが出てきて、論争させてもよかったような。 [地上波(字幕)] 4点(2017-02-28 12:40:40) |
665. LIFE!(2013)
《ネタバレ》 あの表紙にする事を最終決定したのは買収元であるヒゲの再編担当。ハッキリってあの表紙じゃ、インパクトはないし大衆ウケはしないし売れないでしょう。表紙は自由に選べるのになぜ彼はあの表紙にしたのか?命令があれば人は何でもできる。戦争で人殺しもできる。ヒゲ男は彼なりに真面目に仕事をしてきて再編担当に抜擢されたんでしょう。写真整理とは立場が違うだけです。よって「(たとえ命令があっても)嫌な奴になるな」が人生の真髄であり、「相手を尊重しろ」というのが鑑賞者へのメッセージではないのかと。「世界を見よう。お互いを知ろう。それが人生の目的だから。」ラストの表紙が両者の和解の象徴である事を物語っている。世界を見ように重点を置いてしまい、お互いを知ろうが少々弱かったのと、結構深いメッセージがある割には、チャラケちゃったのがマイナスかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-24 13:58:08)(良:1票) |
666. レスラー
《ネタバレ》 「あいつはもうダメ」系の作品は結構多くて、逆境をバネに復活しちゃうケースが多い(その頂点がロッキーかな?)んだけど、コレはダメなままもがいて終わり。謂わば、ロッキーの対極的な作品で、かなり痛々しい。プロレスは比較的選手寿命は長くて、一度人気が出ればそのまま行けるケースも多いし、60過ぎてもやってる人は多い。時代が飛んじゃうので主人公がなんで転落したのかがよくわからないのと、主人公が妙に前向きなので、不特定多数からの承認欲求から逃れられない人間の苦悩や葛藤、老いの苦しみみたいな所の表現が弱いかな。すべての人間は死刑囚なので、死刑執行までどのように生きるかの選択は各々なんだけど、これもひとつの生き方かなと。が、テイストは違うが大河ドラマ的ロッキーに比べるとやはり見劣りはする。比べるのもアレなんだけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-02-17 16:03:57) |
667. 油断大敵(2003)
コメディとあるのでそのつもりで見たのだが、古臭い人情話だった。後半の父娘関係の描き方は中途半端だし、泥棒との交流にも深みがない。柄本明の演技が不自然なのも気になる。子役の女の子と夏川結衣の色っぽさ等々前半はよかったんだけど、時間が飛んでからがツマラナイ。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2017-02-17 12:43:34) |
668. ジャズ大名
《ネタバレ》 大政奉還から薩摩藩邸焼き討ちそして戊辰戦争。藩主は尾張から来ているというのもポイント。そんな中、尾張の徳川慶勝は西軍についてしまう。駿河の小藩の運命や如何に。という時代背景や地理的条件が理解できていないと、作品のオモシロさがわからないかもしれない。南北戦争に疲れた楽隊が混乱の幕末日本に流れ着く。世直し・信仰としての「ええじゃないか」と倒幕としての西軍の進軍ラッパ。そして非武装中立としてのジャズ演奏の見事な対比構造。刀・鉄砲の代わりに楽器を手にし、地下に篭って「勝手に戦争してろ!俺たちにはカンケーネー!」とばかりになんでもアリアリのドンチャン騒ぎ。これぞまさに「THE・自由」。結果、戦禍に巻き込まれる事なくメデタシ・メデタシ?ならジャズ大名は名君ってことに・・・。ずいぶん皮肉の効いた作品だなと思ったら、エンドロールで原作:筒井康隆とわかり納得。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-02-16 14:17:38) |
669. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
《ネタバレ》 裏切りの理由が「労働者に未来はない!」って所が何とも言えない。冒頭から暴力での応酬が始まるので、オイオイと思ってしまう。勧善懲悪・仁侠映画的には、嫌がらせやイジメに耐えに耐えて最後に爆発というパターンなので。カンフーアクションは小出しにしていかないと客がついていけないのか?そこがキャラや演技だけで引っ張れないカンフースターの限界なのかなと思ったり。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-16 12:18:41) |
670. ピンチクリフ・グランプリ
これはアニメなのか?人形劇なのか?サンダーバードとも違うし。作りが細かくて独特の趣がある。群集が手を抜きすぎだが、仕方ないのか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-16 12:12:18) |
671. ミッドナイト・イン・パリ
《ネタバレ》 所謂「過去問題」。過去は存在しませんから、憧れても仕方ない。もちろん恨んでも仕方ない。「現在は常に不満。それが人生」と割り切れない人は原因を過去に求める。現政権のキャッチフレーズが「日本を取り戻す」。いつのどのような日本を取り戻すのか?そもそも取り戻せるのか?全く意味不明なコピーですけど、高度成長期よもう一度!という事なんでしょうか?ナントカ会議の隠れファシストゾンビたちは戦前の日本なのかもしれませんが。これが、どうやら国民にはウケているようで、支持率も高いようです。年齢を重ねて未来がなくなると、懐古趣味になってしまう事は仕方のない事ですけど、日本人が主人公のように目を覚ます事はあるんでしょうか?主人公は政治的にはリベラルでありながら文芸的には保守です。実は似た者同士の米仏対立・対比を通じて監督はその辺の業界事情も皮肉りたかったのかなと。哲学的でありながら政治的でもありますが抑制も効いており、ウディ・アレンも大人になったような? [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-02-11 11:40:31) |
672. アドレナリンドライブ
《ネタバレ》 逃走始めるまで50分もかかるし、逃走劇としてもテンポが悪いし緊張感もない。逃げてるのに周囲に行き先連絡したりしてコメディとは言え言動がオカシイ。が、この2人はどうなるんだろうという興味から飽きる事なくは見られるが、オチがかなり弱いので最後にシラケル。石田ひかりは悪くはないんだが、安藤政信が魅力に欠ける。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-02-09 11:14:11) |
673. 星守る犬
《ネタバレ》 どん底末に野垂れ死にする高齢男が犬と逃避行した軌跡を、別れの辛さからか犬も愛せぬ程生物と関わりたくないニヒリズムの若者が家出少女とその軌跡と辿るという2重構造のロードムービーで中々オモシロイ設定。最大の謎というか不明なのは最終的にあのような行動をとった西田演じる男の動機。人生には絶望しているようではあるが、死ぬ程追い詰められているようには感じないし、余命何ヶ月という感じでもないし、自暴自棄になってるわけでもなさそうだ。最後は「死にたくない」と叫ぶのでこの世に未練もあるようだ。経済的に破綻しているなら生活保護もある。無知ゆえの行動だったと思うしかないのか。数々のシーンが非常に痛々しいのだが、分厚い束の年賀状を持ち歩きそれがイザという時には何の役にも立たないというシーンは印象的だった。「人生は死んでしまえば記録でしかない」と虚無的になっていた玉鉄演じる男が、たまたま燃やされずに残ったレシートという会計記録から西田の人生を辿り、そこにはいろんな出会いがあり、出会った相手にも各々人生があり各々の事情を抱えて生きている、そして燃やされてしまったレシートにもドラマがあったのかなあと思わせる作りは人生の悲哀と無常を感じさせるウマイ作りだなあと感じた。終盤の動物映画ならではの過剰演出は不要だったかな。ただし、ハッピーにモノを投げつける父親に関しては、世の中犬が嫌いな人もいるし野良犬から家族を守ろうとする必死の思いがあったのだろうと、これもある種の世間の断絶を表現したかったかなと思うが。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-02-07 01:00:02) |
674. さよなら、クロ
ずいぶん昔の作品とは言え、10年後で相応の役者陣が高校生を演じるのははやり無理があってかなり気になる。まるで出来損ないの日活青春映画のようだ。どこまで実話かわからないし、キレイな話だとは思うのだが、やはり盛上りに欠ける。伊藤歩の清潔感のある佇まいは非常に存在感があって、魅力的ではあるんだが。あと犬の演技もかなりよかったかな。 自分の時代を振り返っても、学校に野良犬が入り込んで給食上げたりしてたなあという記憶はよみがえって来た。餌もらいに来るだけで、何年も居座るという事はなかったが。今はそういう事も許されないんだろうな。そもそも野良犬が居なくなったし。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-02-07 00:30:21) |
675. あん
《ネタバレ》 期待を持たせる前半だったが後半失速した印象。問題が何も解決していない。戦う事もしていない。ドラマがない。「世間って怖いよ。でも世間よりヒドイのは俺だ。守れなかったんだ」という自責の念に駆られるシーンは胸を打つのだが、ならそこから具体的な行動をして欲しかった。でもこれが実際には行動できない人間の弱さの実情なのかもしれないが。慰謝料を肩代わりしてもらっている弱味もあるだろうし、正義を貫く難しさもある。その辺の葛藤の描き方が弱い。 療養所訪ねてアレコレ説明するだけじゃ「差別はいけません」という視聴者への啓蒙作品にしかなっていない。ならドキュメンタリーを見た方がよいわけで。ハンセン病は過去にいくつかドキュメンタリーは見たが、こういう説明的描写では映画は負ける。もう法廃止から20年経過しているわけだから世間との対立や融和を物語にして、現代的な新しい視点が欲しかった。これじゃ昭和の物語にしか思えない。役者の演技は総じてよかった。特に永瀬の演技は沈んだ中での喜怒哀楽表現の使い分けが非常によかった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-02-02 12:34:48) |
676. 私だけのハッピー・エンディング
ありきたりな話なんですけど、万人に共通する重大な話なのでもっと丁寧に描けばいい作品になると思うんですけどね。死を宣告されないと生き方を見直す事ができない人間の愚かさは伝わってきますが、医者と患者がデキちゃうってのも安易だし、主人公がちょっとカッコつけててサラリとしているので、もっと葛藤が欲しかったかな。 [地上波(吹替)] 4点(2017-02-01 11:55:33) |
677. リトル・フォレスト 冬・春
《ネタバレ》 主人公はどうやら運搬のバイトのような事をして収入を得ていたようだ。完全な引きこもりというわけでもない。ただし、暮らしに納得できないものがあり山を出て行く。が、5年後には戻ってきている。結婚もしているようだ。この5年間で何が起こったのかは全くわからない。どこでどんな生活しようが、大事なのは本人の納得なのだが、その過程も全くわからない。結局帰ってこない母娘問題も解決していない。最後の神楽の舞で覚悟と決断と成長のようなものは感じられたが、あまりにも説明不足。人生は螺旋状という台詞は印象的だけど。 尚、無人島で1人で生きるなら別だが、電気もガスもあって、家電製品も揃っていて、「自給自足の私ステキ」なんて事にはならない。社会は分業で成り立っている。あとは生き方の選択の問題。 [地上波(邦画)] 4点(2017-01-30 00:19:15) |
678. リトル・フォレスト 夏・秋
《ネタバレ》 獲って、作って、食べてが延々と続く。どうやら主人公は街の生活に馴染めず、実家に戻り、自給自足の引きこもりのような生活をしているようだ。が、居座る覚悟もできず、このままでよいとも思っていないらしい。母親はこの暮らしが嫌になって出て行ったらしい。父親は不明。自給自足と言っても最低限の生活費は必要なわけで、農作物を売っている様子はないし、貯金暮らしなんだろうか?いろいろと謎が多い。ただし、里山資本主義を礼賛しているようにも思えない。橋本愛の影のある感じは悪くないんだが、農作業ばかりしているのに色白でギャップがありリアリティーもない。日焼け止めを塗り捲っているのだろうか。後編で謎が解けるのか。 [地上波(邦画)] 5点(2017-01-29 23:41:58) |
679. のんちゃんのり弁
《ネタバレ》 最後の嗚咽は何だったのでしょう?私は「不安」だと感じました。泣き方が尋常じゃない。いろんな人の世話になって、ようやくここまでたどり着いた。が、これから独立して一人でやっていけるのだろうか?一時の感情と勢いで家を飛び出して走り出したが、紆余曲折あってついに来る所まで来てしまった。もう逃げられない。自分で決めた事だが果たしてコレでよかったのだろうか?といった諸々の不安だと思います。時給2000円で給仕の仕事ができると勘違いした(事前にしっかり説明しない方にも問題はありますけど)お嬢さんが、生きていく事の大変さを実感するまで成長した事を表す中々よいシーンでした。ただし、これまでのキャラクターからは少々違和感・唐突感もあったかなとは思います。小西真奈美はミスキャストでしたね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-01-27 11:42:02) |
680. 太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
《ネタバレ》 史実の詳細は知らないので、あくまでの映画の物語としての感想。ターニングポイントは米軍TOPがタカ派からハト派に交代した事だろう(交代がなければこの話も存在しないだろう)。事実上の戦闘は終了しているわけで、米軍も無駄な血は流したくないし、いかにして島内を落ち着かせて終結させるのか?が目的となる。日本軍側も組織的な戦闘行動は出来なくなっているわけで、冷静に考えれば米兵を殺す事より、島民を守りつつどうやって生き残るかが目的となる。ここで双方の思惑(無血)はある意味一致しているわけで、あとは現実的にどう終結・解決していくのか?という「交渉」がポイントとなる。最初は収容所に簡単に出入りできるのが非現実的に思えたのだが、交渉のチャネルとして米軍が開けておいたのなら非常に上手いやり方だ。日本軍側も島民から情報収集できて現状認識・冷静な判断ができ、無益な戦闘が避けられた。あとは「米軍の言いなりで降伏はしない。ただし上官の命令には従う」というタテマエと落としどころ。大場大尉の見事な交渉力と統率力だと思う。が、大きな役割を果たしたのは阿部サダオ演じる仲介者。この人が影のヒーローだろう。この人なしでは解決しなかった。他方、唐沢の役どころがよくわからなかったのが残念。非常によくできた話(奇跡)なので、いったいどこまでがホントの話なのか?という疑問は残る。 [地上波(邦画)] 7点(2017-01-24 19:57:19) |