961. ボーイズ・ドント・クライ
同性愛をテーマに据えた映画、といった言葉で切り捨ててしまえばそれでお終いですけど、ことはそう単純なものではないですね。実際、性同一性障害に悩む人も結構いると思いますし。確かに周りの目から見れば異常かもしれないけど、本人であるブランドンからすれば彼女(彼)はれっきとした男であり、そういった障害をもちながらそれらを全て受け止めて彼女(彼)を愛したラナのような大らかな心で接する事が大切なんじゃないんでしょうか?周囲とは異質の存在だからといって“化け物”の一言で切り捨てるのはあまりにも不条理だと思いますけどね。日一つだけ確かな事は、この物語の中で異常なのは明らかにブランドンではなく、ジョンとトムの2人の方ですね。 8点(2004-03-10 15:24:29) |
962. ポネット
ある意味で【禁じられた遊び】みたいなもんですね。まだ死というものをよく理解していない子供が必死にそれを理解しようとしていつまでもママを待つというのは、大人の目からしてみれば確かに異常だけれども、本人にしてみればごく自然でそれが自分なりのやり方なんでしょうね。ラストはある種のありきたりなハッピーエンドですけど、これはこれでいいとおもいますよ。 6点(2004-03-09 17:44:20) |
963. ぼくの神さま
《ネタバレ》 一応ノベライズ本も読みましたけど、この作品ってどうにも好きになれないんですよ。簡単に言ってしまえば子供の目から見た反戦映画って感じですけど、確かに戦争を無垢な子供の目から捕らえればこれほど痛烈に戦争の愚かさを謳っているものはないんでしょうけど、それにしても内容が薄っぺらい。そもそも僕はキリスト教至上主義ってのが嫌いなんですよ。約2000年前にイエスが説いた原始キリスト教は良いんですけどその後のキリスト教は自分たちの都合の悪いものは全て異端として排してきて今に至っているので、つまりは自分たちが一番な訳です(勝手な解釈ですが)それに同じ反戦を謳っているものでも(個人的な見解による)反戦映画の最高傑作である【西部戦線異状なし】や【ジョニーは戦争へ行った】などのものと比べてしまうと、こんな上っ面だけのお涙頂戴映画には感動もしなければ“重み”も感じられないんですよ。例を挙げるとすればナチスの描写。確かにナチスが非道な事をやっていた事は事実ですがそれは戦争中であるから。戦争にはどちらが善でどちらが悪なんてものはないんですよ。ただの殺し合いでありお互いの信念の戦いでもあるんですから。こちらが善でそちらが悪という勝手な解釈で反戦を謳わないで欲しいんですよ。好きな方たちには申し訳ないんですがね。最後に、何故トロは汽車に乗ったかですが、あれは彼がキリストになるための彼なりの“処刑”だったんだと思いますよ。 4点(2004-03-09 17:30:37) |
964. スモール・ソルジャーズ
こういう作品って何気に好きなので結構期待してたりしたのですが…見事に裏切られました。メリハリもないしグっと来るものもハラハラするものもない。町中を巻き込んでそれこそ「人間対人形軍団!!」みたいなもっと思い切った事でも屋ってくれれば面白かったんですけどね。いかつい顔をしているのが実は優しくて正義の味方のようなヤツが実は悪だったってのはなんかありそうですけどね。それと、最後のほうで人形を芝刈り機で粉砕していくシーンは【ブレインデッド】を思い出してしまい、少し笑ってしまいました。 4点(2004-03-09 17:17:34) |
965. ゴシカ
テレビスポットはなかなかいい出来をしてますけど本編はこんなものでしょう。幽霊に取り付かれることに理由付けがなされているけれど、本来ホラーってのは不条理だから怖いんじゃないか、と思います。それに怖いというよりも殆ど音響で驚かせてるだけ…ってそれじゃなんか違うだろと思います。明らかに初監督作品の【クリムゾン・リバー】のほうが面白いと思います(それでもあまり面白くはないが…) 5点(2004-03-09 17:11:49) |
966. リベリオン
ガン=カタってのは斬新だけれども話の構成や設定などはほぼありきたり(というか殆どマトリックスのパ○り!?)ってな感じですね。いや、面白かったけどね。しかし設定が何処となく納得できるようなものでもないような気がします。絵画、音楽、詩集などのものを全て抹消するという事は人間がこれまで歩んできた軌跡や存在そのものを否定するという事だと思いますし、感情を制御し、雇員という概念を排して全て均一にするという事は人間が生物であるという事をやめるという事ではないでしょうか?…と、ぐだぐだ言っても仕方ないのでここでやめて起きますがね。確かに似たりよったりの感はあるけどなかなか楽しめるものだと思いますよ。 6点(2004-03-09 17:07:36) |
967. ブギーナイツ
登場人物がそれぞれ夢を持っていることが素晴らしい。ポルノ映画ながらただサービス精神満点の作品ではなく、映画として一つの“作品”を作りたいと思ってるジャックや自分の取り柄をいかしてスターになるというダーク等の擬似家族の形成、崩壊、再生そしてそれぞれの道に歩んでいくというストーリーはベタながら非常に見ごたえがある。やはりポール・トーマス・アンダーソンとは只者ではなかったんだなぁと思った。 8点(2004-03-06 19:37:02) |
968. たそがれ清兵衛
侍も農民から年貢を搾り取って優雅に暮らしているだけではなく、こうして落ちぶれた生活をしている者も居るってことですね。出世云々よりも人情に生きた侍ってどこか親近感が沸きます。維新が叫ばれる中自分の生きる道をしっかり見据えていた彼は凄いですね。ストーリーは結構地味ですけどこれはそこが見所の作品ですね。劇中の台詞「私たちは農民のおかげで成り立っているのですよ」こう思っている人がいたって言うだけで充分です。 7点(2004-03-06 19:28:01) |
969. 王妃マルゴ
さすが誇り高きフランスの映画。自国の歴史をこういう形で描くとは。劇中で、フランス史上最悪の大虐殺「サン・バルテルミーの虐殺」を起こす怪物のように描かれているカトリーヌ・ド・メディチですが、そんな彼女もフランス宮廷に嫁いだ最初の頃は物凄く苦労をしたらしいので、このような人物になっても半ば仕方がないといえば仕方がないですね。ユグノーとの争いの中人生を翻弄される王妃マルゴの半生を時には見ごたえのある映像を交えて描き出していますが、やはりどこか中だるみのようなものが感じられるので今回は6点という事で。 6点(2004-03-06 19:22:18) |
970. 許されざる者(1992)
かつてその名を轟かせた壮年のガンマンという設定が渋いですね。時代が変わったため、もはや勧善懲悪なストーリーでは駄目なのでしょうが、これもなかなかいいと思いますよ。自分のかつて犯した罪にさいなまれるガンマンというのも新しいですね。最後のガン・ファイトとイーストウッドの渋さに7点。 7点(2004-03-06 19:14:41) |
971. アイガー・サンクション
アイガー北壁を登るシーンは皆さんの言うとおり見ごたえ充分ですけど、その他のサスペンス部分がなにやら不完全燃焼気味。殺しのターゲットが3人のうちの誰だか判らないという時点で、もしかしたらこの仲にはいなくてあいつがそうなのでは?と思ったら案の定そうだった、というオチガなんとも言えない。しかしそいつも完全な悪でもなく最後は主人公との友情を見せたりとどこか憎めなかったので今回は少し甘めで。 6点(2004-03-06 19:09:49) |
972. マグノリアの花たち
《ネタバレ》 暖かい映像が醸し出す雰囲気や家族愛、女性同士の友情を描くという設定や話は好きなのですがこれはどうもイマイチでした。後半のシェルビーが死んだ後からは段々良くなってきたんですが…もう一度見たら評価が変わるかもしれません。 5点(2004-03-06 18:59:23) |
973. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 同じキング原作の刑務所モノで【グリーンマイル】がありますけどこちらの方が遥かに評価が高いですね。キングの映画化された作品は外れる事が多い中、これは成功した部類でありますね。ただ…個人的にはこの作品からは何も感じられませんでした。ブルックスのエピソードや仮出所したレッドのエピソードは感傷深いと思いますがこの作品のもう一人の主役であるアンディの最後が…どうも納得できませんでした。「無実の男が20年間信じ続けたもの、それは希望」てっきり僕は無実の罪で投獄されながらも最後はそれが認められて晴れて自由の身になるというような(言うなればベタな)ものを想像していたのですが…確かに希望を持ち続け自由を勝ち取ったのは事実ですけどどうもあれでは心に引っかかるものがあります。なので、それらを総合してみても個人的には5点がが限界です。 5点(2004-03-06 18:51:11) |
974. ミッション・トゥ・マーズ
デ・パルマ監督ですか。正直この人の作品ってあまり見たことないんですけど映像が何処た独特ですね(気のせい?)宇宙遊泳の場面は雰囲気でてると思うし、見所はやはり船体に開いた穴を修復するシーンと火星の大気圏に突入するところですか。それ以外はあまりパッとしないし、正直少し退屈だとは思いますけど、ラストの地球は実は云々という解釈はあり得ないものではないですね。我々が知る宇宙なんてほんのわずかな範囲ですし、ああいった形で出来た星もあってもおかしくはありませんね。点数は…迷いますけど5点。理由は少し退屈だったから。 5点(2004-03-06 18:40:42) |
975. ミッドナイト・ラン
《ネタバレ》 こういう感じのロード・ムービーは好きなんですがこれは正直「…」でした。ストーリーや設定などは結構好きだし十数台ののパトカーとの迫力のチェイス・シーン等、デ・ニーロのどこかだらしない賞金稼ぎ、グローディンの少しとぼけた会計士、コットーのいつも出し抜かれて地団駄を踏むFBI捜査官など、魅力的な登場人物も揃ってるんですが、ストーリーがありきたり…というか深みが感じられず、メリハリも少なかったような気がします。決して悪い映画ではないんですが個人的には少し物足りないという事で5点、+ラスト、マデューカスと分かれた後がとても感傷に浸れるシーンだったので総合6点という事で… 6点(2004-03-01 03:21:06) |
976. ノイズ(1999)
こういう話を以前【X-ファイル】で見たような気がするんですけど…。カメレオン俳優、ジョニ-・デップが宇宙人(恐らく)に取り付かれてからの変容ぶり(というよりは変容していく過程)を見事に演じ切ってますけど最初からオチ読めてしまうため物凄く退屈です。まあ、ジョニ-が出てただけでも良しとしますか(笑) 5点(2004-03-01 03:08:35) |
977. ラスト サムライ
《ネタバレ》 和ですね。さすがに主役なためトム・クルーズが凄く存在感をアピールしてます(トム・クルーズはそれほど好きじゃないんですけど)けど、インディアンのエピソードの時「彼らは野蛮人だ」といういかにも西洋人の観点からの発言に対し「彼らは真に勇敢だった」と認めるところが忠義を重んじていることを物語ってると思います。日本人がカウボーイになれないのと同様にアメリカ人も真のサムライにはなれないながら、それでも武士道に生きようとする姿は彼がまことの戦士という証なんでしょう。決起した侍達が「行くぞ!」の掛け声とともに村から馬に乗って駆けて行くシーンには大和魂を感じました。少し冗長だなと思うシーンもほんの少しありましたがそれでも充分に見ごたえのある映画でした。 7点(2004-03-01 03:02:46)(良:1票) |
978. RONIN
ジャン・レノが銃を構える姿って物凄く決まってますね。勿論デ・ニーロも負けてはいませんけど。依頼人の正体を聞かずに与えられた仕事を鮮やかにこなすプロフェッショナルたちを浪人としたのは斬新だと思います(日本人でもないのに四十七志の詳細を知ってるのは相当凄いですね)し、疾走感抜群&長テイクのカーチェイスシーンも見ごたえあります。…が、どうもそれだけのような気がします。設定や話の展開は結構いいのですがどうも淡々と進んでいくような気がしてイマイチな感じを受けました。でも見てそれほど損をしたわけでもなく前記の通り話は結構好きなものだったんで、点数は、微妙な線という事で5点にしておきます。 5点(2004-02-29 03:53:50) |
979. デアデビル
有毒廃棄物を浴びたために視力を失うがその他の感覚が超人的に発達するという安直な設定はアメコミならではですね。人を殺してもこれが正義だッ!文句あっかッ?で通すと思ったら以外に苦悩するシーンもあったりしてなかなか面白かったです。マイケル・クラーク・ダンカンもグリーン・マイルで善人を演じておいて「この世に真の善人はいない」なんて事言ったりしてなかなか悪役にハマってたと個人的には感じます。しかしこの連中は片手で人を投げたり物凄い距離を跳んだりとデアデビルでなくとも超人ですね。 6点(2004-02-29 03:04:36) |
980. 北斗の拳(1995)
平均点ワーストランキング堂々の1位に輝いてる本作。北斗の拳は好きですけど、元々小説を始め漫画、ゲーム等の映画化には微塵も期待してないのでそれが幸いしたのかなかなか楽しませてもらいましたよ。勿論突っ込みを入れればいくらでも入れられますけど、カンフーは今の似非カンフーよりはマシですし、↓わーるさんの仰るとおり、北斗の拳の元ネタがマッド・マックス2とわかればそれほどシドい物でもないと思います。それと、もし鑑賞する時はこの作品に至っては字幕より吹き替えをお薦めします。幾分かマシになってますよ(笑) 5点(2004-02-29 02:55:58)(笑:1票) (良:1票) |