981. ナイトクローラー
《ネタバレ》 まぎれもない大傑作ですね。この1年で鑑賞した中では一番素晴らしい作品だったと思う。 ジェイク・ギレンホールは以前から演技派だなぁと思っていたけど、本作もまた見事な怪演を見せつけてくれます。 というか、彼は作品選びも巧いなと思うんですよね。いい脚本、そして自分ならこの役をこなせるぞって吟味してるんでしょうね。 主人公のルイスは、モラルもかなぐり捨てたクズ、というか狂人の域になっていくわけですが、 そんなクズ野郎なのに彼の心情にいつの間にかアイデンティフィケーションしてしまう。それが本作の恐ろしいところ。 最初の頃はその日暮らしをしていた無職で、ひょんなことからパパラッチの現場に出くわし、そこに自分の居場所を見出す。 多少の憐れみもあって最初は見てたけど、そのリアルな人間描写ゆえにグイグイと彼の心情に惹かれてしまうのです。 テレビ局に持って行ったら褒めて使ってもえらたというのも大きいね。承認欲求を満たしてくれた。 ちょっとした踏み外しがどんどん大きくなり、完全に一線を越えることに。でも、自分だったら、、、と思うと怖くなる。 あそこまで踏み外したりはしないと思うけど、多少のいけないことはしてしまいそうな気がする。 ニーチェが言っていた、「 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」という言葉を思い出す。 自分の中の黒い部分、モラルって結構儚いものだったりするのだなということに気がつく。 こういう主人公だと因果応報で悲惨な結末になるのが普通だけど、それどころかルイスは会社規模を大きくして終わる。 この結末もまた恐ろしい。単なる映画の枠を超えて、現実のジャーナリズムの戒めになってる。 印象深いシーンは数多くあるけど、個人的には事故に遭わされタンカーで運ばれるジョーを見るルイスの顔が目に焼き付いちゃった。 人間のあまりにダークな部分をむき出しで目撃しちゃったみたいで背筋が寒かった。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2016-04-05 21:59:03)(良:1票) |
982. ピエロがお前を嘲笑う
《ネタバレ》 ハリウッドでのリメイクが早速決定したそうですが、それも頷ける娯楽作に仕上がっております。 映像も垢抜けていて、テンポも良く先行きが気になる展開。 特にネット空間というものを地下鉄で表現し、ある種の仮面舞踏会のようなヴィジュアルで見せているのが新鮮でした。 鑑賞していてファイトクラブをなんとなく思い出してはいたのですが、ベンヤミンの部屋にファイトクラブのポスターが貼ってあったりして、 「ホホォ、一応オマージュなのね」と。そしてあのラストに。結末もオマージュかと思いきや、さらに最後にもう一つドンデンがあります。 なんという知的集団。そこまで考えた作戦だったとは。おみそれいたしやした。 [DVD(字幕)] 7点(2016-04-04 13:06:55) |
983. ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション
《ネタバレ》 ファイナルだけあって、シリーズで一番お金がかかってはいたと思います。 でもまあ、面白くなるのは後半からかな、、、、。 地下水道で人型エイリアンみたいなやつの大群に襲われるシーンが恐ろしかった、、、、。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-04-02 22:16:11) |
984. マイ・インターン
《ネタバレ》 とてもいい作品でしたね〜。ハートフルコメディという言葉がぴったりな内容。 会社経営に邁進するやり手のジュールズ。この役にアン・ハサウェイ以外考えられないわというぐらい はまり役で見事に演じていますし、ベン役のロバート・デ・ニーロは数多くマフィアを演じていたとは思えないぐらい、 優しい目をした素敵なおじいちゃんを演じている。この二人の役者としての巧さを改めて痛感した次第です。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-03-29 22:00:39) |
985. 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド
《ネタバレ》 巨人とは一体何者なのか、巨人を生み出したのは誰なのか。 そういう疑問がこの後編では明らかになっていてスッキリ。 中に人がいて巨人を動かすって、なんかエヴァ的だなぁと思いました。 原作は知らないので、普通に楽しみました。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2016-03-29 21:36:06) |
986. ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ
《ネタバレ》 これ、ジャンルは一応ホラーになるのかな?でも全然怖い要素はありません。まぁコメディ映画ですよね。 80年代のホラー映画をリスペクトした内容で、その当時のファッションなり映画のノリなんかがきちんと再現されていて、 その映画の世界に入っていくという。回想シーンで「色がなくなっちゃったわなみなみ!」とか、「ここはスローモーションよ」とか、 映画の展開をメタ的にコメディにしていくというのは新しかったです。 母ちゃんとのほろっとさせられる展開もあり、悪くない内容。 あとはタイッサ・ファーミガちゃんが可愛らしかった。個人的にこれから注目していきたい女優さんです。 [DVD(字幕)] 6点(2016-03-26 00:16:38)(良:1票) |
987. ベル&セバスチャン
《ネタバレ》 ベル。白くて大きくて美しい犬ですね。そして何より頭が良い。 人間にひどいことをされても、いい人と悪い人の区別がちゃんと付くのですねぇ。 でもあの犬は、おそらくですけどスイスの犬種じゃないかな。 舞台はフランスだけど、スイスに亡命する上での案内役という意味合いでスイスの犬を出してきたということかしら。 [DVD(字幕)] 6点(2016-03-26 00:11:27) |
988. 探検隊の栄光
《ネタバレ》 UMAものが好きな自分としては、あの探検隊シリーズのパロディ的な映画が作られたとあって観ずにはいられませんでした。 しかしながら鑑賞して、その期待は泡となって消えて行きました。なんなんでしょう、これは。 新しいタイプのコメディが作りたかったのかな?その心意気は買いますが、残念ながらほとんど笑えない。 ずっと上滑りしているといいますか、首を傾げたくなるようなギャグばっかり。 他のレビューサイト見ると、笑いましたという人も多かったので、この辺は笑いのツボが違かったということなのかな? [DVD(邦画)] 5点(2016-03-24 22:50:31) |
989. 社長道中記
《ネタバレ》 1961年製作ですかぁ。なんと言いますか、この時代はすごく大らかだったんだなぁというのがわかります。 コメディ映画なんですけど、実にゆるい。下品さもなく、毒も少なく清廉な笑いなのであります。 女好きの社長からなんとかして女性を引き離せようと奮闘する前半が特に面白い。 ただ後半はストーリーも収拾がついていない感じで、宴会のシーンとかもさすがに緩すぎる。 良くも悪くも、大らかなこの時代を堪能できる、そんな一本でした。 [地上波(邦画)] 5点(2016-03-23 21:56:52) |
990. ムカデ人間3
《ネタバレ》 一言で言えば、セルフパロディ映画でしょうか。まさしくファンのための作品になってるんですよね。 まぁ3作目ともなると、同じことを繰り返してもしょうがないのかもしれませんが、 これまででお下劣度というかグロ度は一番少なかったような気がします。 特に舞台が刑務所ですから、ほとんどむさ苦しい男しか出てこないわけです。 やっぱここは女子たちも出てきてつながることによって、あの「えげつなさ」が楽しめるというもの。 ムショの男500人のムカデでは単に汚いだけであります(唯一、女性秘書だけ紛れて繋げられてましたが、えげつなさは微塵も感じられません)。 そんなわけで、本作はなんというかパロディ的コメディ映画として愉しむという感じで、 所長の顔芸とやたらいじられ馬鹿にされるハゲのタトゥー白人とのやりとりの漫才ですね。 そしてそんな所長の荒業を汗水たらして凝視するドワイト氏。 こういう面白い人たちのキャラとトークで本作は形作られている。もうムカデとかどうでもよいです。 [DVD(字幕)] 5点(2016-03-20 23:22:39) |
991. マーターズ(2015)
《ネタバレ》 あの傑作ホラーをハリウッドがリメイクってことで観てみました。 パッケージにあるような変な器具付けられた女性は本作では出てきません。 オリジナルは、ある意味ハリウッドでは作れないようなホラースタイル、思索的で宗教的展開だったので、 それをどう焼き直しするのかと思いましたが、まぁ可もなく不可もなく。 グロ描写もそこまで過激でもなく、とことんダークであったオリジナルとは違いまだ救いのある結末。 要はより見やすく娯楽的にマイルド風味になってるわけですが、オリジナルのファンはそういうのは不満かもしれません。 でも一本の映画としてはしっかりと楽しませてくれる出来になってます。 [DVD(字幕)] 6点(2016-03-19 21:56:08) |
992. メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮
《ネタバレ》 このシリーズすごく好きですね〜。いや面白い。ひたすら娯楽に徹しているのが潔いです。 全編にわたって逃走劇が繰り広げられるのですが、映像的にもよくできてるしハラハラさせられる。 勿論、前作には劣る印象ですが、3部作の中の2作目というのは何かと難しいもの。本作はよく健闘していると思います。 砂漠と廃墟の街。荒廃した世界。SF好きなら好きなヴィジュアルです。 ゾンビ映画の焼きましと言われてしまえばそれまでですが、良く出来てるので素直に楽しみましょう。 3作目はどんなスタイルになるのだろう?裏切った彼女とはどんな末路に?気になります。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-03-18 22:55:29)(良:1票) |
993. PAN/ネバーランド、夢のはじまり
《ネタバレ》 記憶の木とか、鉄砲で打つと色鮮やかな煙になるとか、ヴィジュアル的に面白いなと思ったシーンが幾つかあります。 特に終盤の、巨大な結晶を縫うように進む海賊船のシーンとか夢があっていいですね。 主役の男の子は新人だそうですけど、すごくいい演技してたと思う。 でも何よりヒュー・ジャックマンですよ。変なカツラとヒゲのせいもあるけど、普段の彼とは全然違う形相でそのカメレオンっぷりに脱帽です。 ピーターパンの前日談でありますが、フック船長がまさかあんなイケメン青年だとは。 彼との間に、その後一体何があったのでしょう?そういう謎は続編へ持ち越しということでしょうか。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2016-03-18 20:49:56) |
994. 私はゴースト
《ネタバレ》 人間ではなく、幽霊側の視点で最初から最後まで語られるという独特な作品。 しかも、登場人物はただ一人だけという、これまた珍しい代物で。 ただまぁ、正直そんな怖くはないです。 終盤になっていきなり白塗りの気持ち悪い男が出てきたのはびっくりしたけど、 慣れると逆に笑ってしまうキャラクター。 しかし見終わって、彼女は本当に幽霊だったのかな? もしや全部妄想だったりして、という疑問もわいてきます。 主人公はなんだか日本人のような顔つきだなぁと思ってエンドロール見たらアンナ・イシダの文字が。日系の方? [DVD(字幕)] 5点(2016-03-03 08:21:47) |
995. ダイバージェントNEO
《ネタバレ》 エスケープシーンが幾つかあるのですが、いずれもハラハラさせられる出来栄えでした。 それ以上に、「実験」のシーンが映像的に独創性があってよかったです。 ストーリー的には目新しいものではないし、B級SFではあるんだけど、お金がないなりに頑張ってるなという印象。 [DVD(字幕)] 6点(2016-03-01 19:45:46) |
996. 劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~
《ネタバレ》 先に実写版の方を観ちゃったんで、話の流れを確認するだけみたいになってしまいました。 実写とほぼ同一の展開でしたね。でも、アニメの方が内省的な面がより色濃いと言う印象。 漫画がそうなっているということかな。次はコミックを読んで確認しよう。 [DVD(邦画)] 5点(2016-02-21 22:12:17) |
997. 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
《ネタバレ》 いや〜高い点数をつけてしまって申し訳ございません(笑)。 いやね、進撃の巨人てコミックも読んだことないし、どんな話なのかも全く知らない状態で鑑賞したので、 それが良かったのかもしれません。普通に楽しめました。 勿論、演技的に稚拙やなぁと思うところはあるし、長大なストーリーをまとめ上げるためか、 全体として駆け足でダイジェストを見ているかのような時間配分やテンポであることも少々気にはなりました。 でも、元々のお話がやっぱり面白いんでしょうね。人間と巨人との戦い。この世界観が素直に楽しいし魅力的でした。 ただ、すごく不満だったのはその巨人の見た目ですね。漫画の方がどうなってるのかは知らないけど、 顔がちょっとグロテスク系のやつはいいにしても、普通に人そのものみたいな巨人がいたりするわけですね。 酔っ払いとかキモオタを裸にして出してみましたみたいな。 あれだと、途端にアジアのB級コメディかのような感じに見えてしまう。 巨人はグロテスク顔の不気味な奴だけでよかったのにと思いました。 邦画としてはすごくスケール大きくて頑張ってます。後編も期待したいですね。その前に、とりあえずアニメ版を見てみます。 [DVD(邦画)] 7点(2016-02-19 23:29:53) |
998. ジョン・ウィック
《ネタバレ》 すごくシンプルなストーリーが逆に良かったですね。 嫁さんが亡くなって、愛車を盗まれ愛犬が殺されるまでがわずか15分というコンパクトさ。 早速家に殺し屋たちがやってくるも銃で瞬殺。このあまりの無双っぷりに、もしやセガール映画みたいに 無双っぷりを傍観するだけの映画なのかと思いきや、親友がきちんと助けてくれたり、かなりの重傷を負ったりと色々大変な復讐劇。 いいですね。ワンコを殺されたことに対する凄まじい怒り。そして親友を殺されたことに対する熱い怒り。 アウトローの考えや生き様がしっかりと描かれていたと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-02-17 23:55:09) |
999. ロスト・リバー
《ネタバレ》 初監督作品ということですが、映像センスが素晴らしいと感じました。 昔のフィルムノワール的な雰囲気といいますか、現実と夢の間の映像のような感じ。 ただ、映画としては全然面白くなかったんです。 誰か別の人の脚本で、また監督をしてほしいな。 [DVD(字幕)] 6点(2016-02-16 18:50:51) |
1000. 奇跡の2000マイル
《ネタバレ》 自省の旅ですね。旅は人生そのものと言いますが、まさにその通りでして、 人はみな孤独であるということ、後悔したりしながらも前を進んでいく、いろんな出会いがあること。 そういう一つ一つが端的に経験していく、それが旅という感じでした。 何のために、こんな旅をしたのだろう。本人も途中言ってましたが、 人生そのものも、意味を探し歩きながら模索するようなもんですからね。 にしても、愛犬との別れは本当に辛いなぁ。あの出来事で、「孤独」というものをまざまざと痛感させられる。 まぁでも、彼女を支えてくれる友人がいたから、自分が一人になることで彼らのありがたみを実感したのかもね。 [DVD(字幕)] 6点(2016-02-14 22:00:24) |