1181. ドラキュラ(1992)
《ネタバレ》 時折挿入される登場人物の日記(原作小説が日記や新聞記事のみで構成されている)、“実はドラキュラ伯爵、太陽の下で活動可能”“霧や動物に変身するだけでなく、動物を使役したり、天候まで操っちゃう”等々、原作小説通りに映像化されているので、今までのドラキュラものの中では一番原作に忠実。 …なはずなんだが、すごく、すごく、すごく、物凄く煮え切らない作品。 実在のヴラド三世の逸話(妃のくだり)を上手く吸血鬼になる動機へと盛り込んだりと、評価できる部分もあるのだが、本作最大のマイナス要因はドラキュラ伯爵自身の描き方にある。 原作では、徹底的に悪の権化として描かれ、だからこそ彼の圧倒的な力やもたらす災厄に恐怖感が生まれていたのだが、映画では、死んだ妃に瓜二つのヒロインに恋し、あまつさえ恋の涙まで見せてしまうという、何ともしみったれた描かれ方。 さらに、ミナに血の洗礼を施す時でさえ、「俺やっぱ自信ないよぅ」と云った感じでとにかく歯切れが悪く苦笑いしてしまう。 そして、倒された伯爵の許にミナが行ってしまうという衝撃のラスト。 原作では伯爵のもたらす死の恐怖を止めるため、そしてその呪いを受けてしまった最愛のひとを救うためという目的があったのに、その絶対悪の許に行ってしまわれたんではテーマが霞んでしまうというかクインシーただの無駄死に(苦笑)しかも絶対的な光の守護者たるヘルシング教授さえもそのテーマを危ぶむような発言まで…。 アンソニーホプキンスは良いが、やはりゲイリー・オールドマンでは優男に見えてしまい(だからこそ選ばれたのだろうが)何とも映画が歯切れの悪い所で終わってしまっている。 原作ファンからすれば0点にしたいところだが、おしい点がいくつもあるので…5点。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-11-04 00:11:38) |
1182. XYZマーダーズ
さすがは敬愛なるサム・ライミだ!死霊のはらわたの次はコメディか! この人、明らかに他の映画のパロディを入れてたり、挙句死霊のはらわたの効果音まで使って!マンガをそのまま映画にしたような映画だ。 何より主役よりも“ゲス男”のブルース・キャンベルのほうが、個人的にはいいキャラしてるように思える。 さすが、サム・ロブ・ブルースのトリオが作る映画はどこか違うぜ!最近ではスパイダーマンで、一躍ハリウッドのA級監督の仲間入りを果たしたサム・ライミだが、ファンとしてはこれらのようなB級をこれからも撮り続けてもらいたいものだ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2003-11-03 23:58:35)(良:1票) |
1183. ホワイトアウト(2000)
まあ、邦画にしては良く出来てると思うが、アクションにしては少し後半のテンポが遅いような気がする。 6点(2003-11-03 23:48:59) |
1184. フロム・ダスク・ティル・ドーン
前半がクライム・ムービーで後半がスプラッタという、とてつもなく意味不明な作品。さすが!かの“ビヨンド”を名作視するタランティーノだけはある!しかし、この作品、面白い。ジョージ・クルーニーは渋さをたたえたかっこよさがあるし、タランティーノは切れキャラながらどこか憎めない存在感がある。そして、我らがトム・サヴィーニ!特殊メイク・アップ・アーティストでここまで出たがりの人物が果たしていただろうか?展開は最後に行けば行くほど無茶苦茶になっていくが、その分作品自体おヒート・アップしていく。これは1本で2本楽しめるお得な映画だ。 7点(2003-11-03 11:22:12) |
1185. スターシップ・トゥルーパーズ
《ネタバレ》 ※2021年更新 初見の時は、ハインラインの「宇宙の戦士」のことや、プロパガンダ映画をちゃかした意図があった、なんてことは露知らず。戦争賛美映画とか書いてましたが、ちゃんとそうしたことを理解したうえで観るととにかく面白い作品でした。 ヒヨッコ兵士がだんだん戦士の顔になって様、軍隊ものに付き物の頼れる鬼軍曹、友情、恋愛、そしてそれらを派手なドンパチとグロテスクな描写で彩ることで究極のバカ映画(誉め言葉)になっていて、純粋に楽しい作品でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-11-03 11:06:00) |
1186. スキャナーズ3
スキャナーパワーを使って世界を支配しようとする姉と、それを阻止しようとする弟の話。表向きは超能力の話だが、真のテーマは薬害問題を背景にしたものに思え、一概に駄作とは思えないと思う。 7点(2003-11-03 10:51:11) |
1187. THE LAST BROADCAST ジャージー・デビル・プロジェクト
題名で判るとおり、ブレア・ウィッチ・プロジェクトのバッタもん…と思いきや、実はこちらがオリジナル。作品の知名度ではブレア~の方が圧倒的に上上だが、擬似ドキュメンタリーとしての出来や面白さはこちらの方が断然上。しかも、文字通り驚愕のラストが用意されてます。そう、驚愕のラストが… 7点(2003-11-03 10:39:58) |
1188. レイダース/失われたゾンビ
正に俺もカズゥー柔術さん同様、この作品をビデオ・ショップで見つけてゲンナリさせられた一人です。何がヒドイって、その内容!題名はあからさまなパロディなのに、作風がいたって真面目というのだから始末が悪い。冒頭、「死人が俺を追っかけてくるぅ~」というナゾの歌を響かせながら放射能物質を積んだトラックがテロリストにジャックされ、SWATまで動員されるが、犯人はあっさり殺され、しかも当のSWATはたったの2人しか出てこない。しかもこのシーン、本編とは全く“関係ない”のであるから、本当に「だからいったい何がやりたいんだよお前らは?」と突っ込みたくなる。まだまだ、こうしたシーンをあげればきりが無いのであえてここで止めておくが、最後に、本作品の解説は「全米の若者が熱狂し、スクリーンの中のゾンビと格闘を始めた」→「全米の若者をゲンナリさせ、製作者側と乱闘騒ぎを起こした」のほうがしっくりくる、つまりそーゆー映画です。 1点(2003-11-03 10:31:21)(笑:1票) (良:1票) |
1189. 孔雀王/アシュラ伝説
確かに今見たらべたなCG合成やアクションなど、あらが目立つ作品ですけど、まだ小さかった僕はそれでも充分楽しめたこと、そしてアベちゃんとの出会いの作品なんで、それほどひどい作品だとは思いませんでした。 6点(2003-11-03 10:19:47) |
1190. バーニング・ムーン
思うに“我がドイツの残虐描写は世界一ィィィィィ!!”ということをモロに物語っている作品。全編を通して少しもたついてる感じはいたしかたないが、その分、残虐シーンに至っては他のどの作品の追撃をも許さぬ凄さで、ここまでやるか?と逆に呆れてしまうほどだ。普通の映画ファンは見ないほうが正解。コアなスプラッタファンにはたまらんだろうが、なにぶんストーリーそっちのけで残虐シーンを堂々と見せ付けてくれる映画なので、ストーリーは皆無に等しい。 5点(2003-11-03 10:06:45) |
1191. ウェス・クレイヴンズ ウィッシュマスター
かのウェス・クレイヴンが製作したファンタジックなホラー。何でも願いをかなえてくれる“ジン”という悪魔がランプを擦ったことによって…ではなく、封印されていた宝石が壊れたことによって現代に甦り、地獄の軍団を復活させるために人間の願いを叶えていく…というのが大まかなストーリー。しかし、劇中でも言っている通り、どうもランプの精のジニーを彷彿とさせる設定や名前なので恐怖感が薄れ、完全なホラーにもなりきれてはいないように思える。 5点(2003-11-03 09:38:05) |
1192. ジェイソン
世界感や犯人の容姿が似てるだけで“13日の金曜日”とは全然関係ない映画。ストーリーのほうは手堅くまとめた方だと思うが、殺人が行われる際、周りが必要以上に明るいため恐怖感が全く感じられず、“映像凶器”というほど凄くも無い。13金のパロディとしてなら結構楽しめる。 4点(2003-11-03 09:31:01) |
1193. ドイツチェーンソー大量虐殺
ドイツのことはよく知らんが、現在のドイツはここまで病んでる国なのかい?といいたくなる映画。やってることは悪魔のいけにえだが、それと明らかに違うのは残虐表現。さすがドイツ、やることがハンパねぇぜ~と思うんだが、ストーリーがわけ判らん。しかも、電話に「テレフォ~ン」なんて明るく挨拶して出たり、これはギャグなのかと疑いたくなる。そうそう、この映画、ウド・キアーなる人物が頭を燃やすキチガイ役で特別出演している。 4点(2003-11-03 09:25:31) |
1194. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地激震
《ネタバレ》 ことの始まりは“天地大乱”と間違えて借りてしまったこと。まあ同じシリーズだから良いか、なんて思ってたのが間違いだった。この映画はリー・リンチェイのシリーズとは全く関係が無い!それどころか恐ろしいほどいい加減な作品だ。まず、時代からして大きく違っている。確かにウォン先生も柳生十兵衛も実在の人物だが、前者は19世紀、後者は17世紀の人間だ。十兵衛はタイム・スリップしてきたとでもいうのか!?しかも、明らかに中国人の顔だし、妹のさくらと話す時まで中国語だ。何故中国語がそこまで上手い!?その前に同じ日本人なのに何で中国語で話す必要があるんだ!?まあそれはまだ許せる。しかし、しかしだ!ストーリーの方もとんでもない事になっている。物語中盤で、その土地一帯を統治する総督とちょっとした騒動を起こすのだが、そこに十兵衛乱入、ウォン先生すかさず「こいつと決着をつけるために3日くれ!」といい、暫し猶予を貰う。そしていざ決闘。ここに関してはなんら問題は無いが、問題はその後。十兵衛さん負けちゃって「武士道を知らんのか?武士は決闘に負けたら自害しなくてはならん」え、ちょっと待って、刀の使い方、明らかに中国武術なのにここにきて武士道持ち出すんスカ?なら初めからカンフーなんか習うなよ!さらにウォン先生、自害をやめさせ「カンフーは寛大だ。また一からやり直そう」と、十兵衛改心、修行に目覚めるのであった…終わり…え゛…ちょっと待って!総督との決着はつけないんカイ!?と、、最後の最後まで何がやりたいのかわからん映画だったとさ… 3点(2003-11-03 09:15:42) |
1195. 八仙飯店之人肉饅頭
なんかねぇ…ここまでゲンナリさせられる作品も珍しいよ。生きるために仕方なく人肉を喰ったりだとか、悪くても自分の趣味で喰ってるとかはよく聞く話だけど、料理して他人にまで喰わしてるとは…本当に実話かよ!?と思わず疑いたくなってしまう。全編にわたって残酷なシーンが何回も登場するけど、それだけならまだいいわけ。しかしねぇこの映画、それだけじゃないんだよ…問題は登場する刑事たち。前半はとにかく明るいというか明らかにコメディのような雰囲気を漂わせてるんだけど、それだけならまだいいの。でもねぇ、事件の捜査に至っては物凄~く手抜き。しかも犯人を自白させようと踏んだり蹴ったり、それでダメだと殺させた家族の親類がいる刑務所にぶち込んで集団リンチ、それでもダメだと3日間不眠不休で…と、犯人以上に残酷な拷問を繰り広げる。いやぁぶっちゃけ、ここまで憂鬱な気分になった映画は初めてだ。ここで断言しよう。この映画は“最低”である。 2023年10月8日更新 自分にとって数少ないトラウマを植え付けた作品なので、前回のコメントでは0点にしていたんですが、「そういう作品」として考えるとやはりよくできている、としか言えません。 あの頃から比べてこれ以上に残虐だったり陰惨だったりな作品をそれこそ山のように観てきましたがやっぱりこれを超えるのって出会えてません。なのでそう考えるとやはり0点はおかしいな、ということで点数を変更します。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-11-03 08:55:28) |
1196. JM
(ウド・キアってあのウド・キアなんだろうか?)近未来、ネットワークで繋がれた世界と世界を支配する権力、それに対抗するレジスタンスや謎の奇病、記憶屋などなど、いかにも日本のサイバーパンク・アニメを見てるような感じがするが、結構面白かった。妙にレトロなコンピュータや地下組織のアジトなどは70~80年代のB級SFのような印象を受けるが、ネット世界のグラフィックスはいかにもな感じがするし、キアヌやドルフ・ラングレン、たけしなどもなかなかキャラに合った演技をしていたと思う。 6点(2003-11-01 23:13:39) |
1197. デモリションマン
《ネタバレ》 細かい突っ込みはいろいろとありますが、そんなことはもはやどうでもよく、スタローンとスナイプスの筋肉超人vs格闘超人の闘いというだけでとにかく熱いです。 スタローンは相変わらずな役で安心、スナイプスもひょうきんだけど実はむちゃくちゃ強い凶悪犯を好演していて楽しいです。まあ凶悪性はあまり感じられませんでしたが、それがこの人の味ですし。 しかしお互いネタにし合っているとはいえ、州知事になっちゃったシュワちゃんが“大統領”として説明されているくだりは、あのころのあらまだしも今なら有り得そうで怖いです(笑) そして、さりげなくジェフリー・ダーマーまで冷凍されていたとは…。 [DVD(字幕)] 7点(2003-11-01 12:51:40) |
1198. 魔界からの逆襲
ホラーばかり見ていた中学の頃、夏休みの深夜にやっていたので見ていて、本当に“夏の思い出”と化してしまった作品。作風としてはオーメンに近く、天国を追放された堕天使ルシファが人間に転生してこの世を地獄にするのを、同じく人間に転生したミカエル、ラファエル、ガブリエルの3大天使が阻止するっちゅー話どす。そのまま作ってればまあまあな作品だとは思うんだが、なんとこの作品、ラストでルシファが滅び、あろうことか復讐を誓った神に助けを求めるという、今までの常識を覆す終わり方をする。おいおい、悪が滅んだら善も存在できないんじゃないカイ?と思わず突っ込みたくなる。またひとつ、コアな作品の知識を増やしてしまったという1本でした… 5点(2003-11-01 03:31:29) |
1199. 原子怪獣の襲来
冒頭より歌と踊りの嵐、そして、かくれんぼのつもりで岩陰に隠れる1人の女の子。と、海草まみれの怪物が変な音楽に乗ってさも当たり前のように女の子の後ろから歩いて登場するというとてつもなく“ヘン”な映画。しかも、どーも着ぐるみくさいなぁと思ってたら本当の着ぐるみというのが泣ける。しかし一番泣けてくるのは、こんな作品でも「味があるなぁ」と思ってしまう自分… 5点(2003-11-01 03:21:02) |
1200. 殺人療法(1995)
なんか、こういう超ブチ切れドクターの出てくるホラーって何気に多いよな…例によって例の如く、病院という限られた空間を舞台に、いかにも医者らしい手口で人を殺し、脳下垂体を抜き取るという完全にイってしまってる映画。しかし、病院という無意識に感じる恐怖や犯人との攻防戦などはしっかり描かれていて、映画としてはそれなりに楽しめる1本。 6点(2003-11-01 03:11:10) |