121. シン・仮面ライダー
《ネタバレ》 まず最初に何を今更なことを言いますが、庵野さんって生粋の厨二病なんですね。まあだからこそ「エヴァンゲリオン」はその世界観が監督の趣向と見事にマッチして、歴史に名を残すほどの名作になったのでしょう。 で今回のこの「仮面ライダー」ですが、等身大のヒーローものでその趣向をやってしまうと、なんていうかもうイタイ、ですね。やっていることが特撮大好きな中二病の大学生のノリそのものなんですよね。 世界を変えてやるという大それた組織がまるで内輪もめの小競り合いみたいだし、登場人物のセリフは恥ずかしいくって赤面しちゃうものばかり。おまけにボソボソと聞き取りにくい箇所もあって、え?なに?なんだって?て何度もなった。それと父親が死んでも冷静沈着だったルリ子が急に乙女みたくなってしまうのは、唐突すぎて違和感しか感じなかった。着替えならトイレか風呂場か別のとこ行ってすりゃいいじゃんて。なんでわざわざ目の前でするかね。てこういうとこが厨二病感が出てるんですよね。 ただ誤解のないように補足しておきますが、別に厨二病が悪いと言っているわけではありません。なんなら私もそっちよりですから。ただその厨二病的な趣向が功を奏すかどうかということで、今回のこの「シン・仮面ライダー」では、完全に人を選ぶモノになってしまったなと。そういうことです。ちなみに2004年に公開された庵野監督の「キューティーハニー」はめっちゃ面白かったです。あのキャラとあの世界観が良い感じで監督のセンスとマッチしたんでしょう。私のお気に入りの作品です。 話がそれましたが、今回主人公の本郷猛を熱血正義マンから、今どきの草食系男子にしたのはいいけれど、彼の戦う理由もルリ子に同意した理由もなんか釈然としないまま話が進んでいくから、正直ついていきにくかった。 アクションシーンはわざと漫画ぽくしているのか、最初のクモオーグとの戦い以降は迫力にかけてただただ傍観者のようになってしまった。(;`Д´)<お゙お゙!お゙お゙!てなりにくいんですよね。手に汗握るバトルじゃないから。 作品からは監督の愛もオマージュも感じられはしたけれど、じゃあこの作品を手放しで絶賛できるかというとそれはまた別の話。 そもそも「仮面ライダー」というモノは「仮面ライダークウガ」から現代版としてリニュアールされ、その後の作品でも深いテーマを掲げて、幾多の名作をすでに生み出しているわけで、そんな中で作られたこの「シン・仮面ライダー」でしたが、少々マニアックすぎたかもしれません。好きな人にはたまらないんでしょうね。残念ながら自分には刺さりませんでした...。 「ロンリー仮面ライダー」だけがやけに沁みたな~・・・。 [映画館(邦画)] 4点(2023-03-20 14:58:04) |
122. モータルコンバット(2021)
《ネタバレ》 点数はあくまでもB級映画として観た点数です。 モータルコンバットといっても今作に、その大会自体が出てこないのがちょっと残念だった。 あまり大きな期待はしないで観たので、てかまあB級前提なので、意外とアクションやグロさが思っていた以上に良くって、楽しめることができた。特にコウモリ女が真っ二つに引き裂かれるシーンはグロかったな~...。 ライデンが浅野忠信だったのをこのサイトで知って、あ!そういえばそうだった!てなるほど全く浅野忠信を感じられなかった。やっぱりどうしてもクリストファー・ランバートのあのキャラのインパクトが大きすぎて、今回のライデンは物足りなかったな~...。 物足りないといえば敵のボスキャラもなんか野暮ったかったな~...。もうちょっと印象に残るアクの強さが欲しかった。 まあでもなんだかんだでB級映画として十分に楽しめました。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-03-14 21:11:55) |
123. アントマン&ワスプ:クアントマニア
《ネタバレ》 映画が始まって割と早い段階で量子世界に舞台が移るんですが、その量子世界がなんつうかもう「スター・ウォーズ」すぎて、これ「アントマン」だよね?て何度思ったことか(笑) それとカーンがマルチバースの世界を移動する時に必要なコアみたいなやつの中に入って行った時に、沢山のアントマン出てきてその時はまるで「エヴァ」かよ!て思ってしまった(笑) 量子世界が舞台にはなっているけれど、宇宙のどこかの惑星でもいい感じなのはちょっとだけ残念。量子世界ならではの何か! みたいのはやっぱりそうそうアイデア出づらさそう...(;´∀`) ビル・マーレイ出てきた時はおお!てなったけど、てか彼って結局何者だったのさ!w エンドロール後にロキちゃん出てきたけど、後で調べてわかった!オリジナル配信されてる「ロキ」ですでにカーン(元祖?)登場してたのね。やっぱりオリジナル配信も観ていかなきゃいけいのかな~...(´ヘ`;)ウーム… 鑑賞中とにかくずーっとキャシーちゃんに釘付けでした。だってめっちゃキュートで可愛いんだもん!あのスーツ姿もセクシーでたまらーーーん!フィギュア出してーーー!! て思ったら今年(2023)の8月発売予定だった。やったー! アベンジャーズが戦う相手はあの大量のカーンになるのかな? う~ん...なんか絵的に大丈夫なのか?て思ったりもする(;´∀`) とにかくますますMCUから目が離せないぜ!! [映画館(字幕)] 6点(2023-03-01 16:30:33) |
124. 監視者たち
《ネタバレ》 う~ん、前半はめちゃくちゃ引き込まれていったんだけど、犯人グループがほとんど捕まってあとはボスだけになってからがちょっと失速した感が否めないかな~。 まずはそのボスが、自分の師匠であり依頼をいつもしてくる元締めを殺しに行くシーン。なんでみんな格闘なの?なんで銃使わないの?頭悪すぎて興ざめしちゃいました。ああいうシーンを見せたいんだっていうそれだけのために思えて仕方なかった。 それともう相手に顔バレしてるのに尾行の形で後を追うのもよくわからなかったし、顔がもう分かっているんだからそこまで執拗に今すぐに追う必要あるのかとも。だって指名手配や監視カメラ、検問等、いくらでも方法ありそうなものだし、自ら危険な中にわざわざ向かって行ってるんじゃあ、監視、でもなんでもないじゃん。普通の犯罪アクション映画と何ら変わらない。もっと監視システム、監視能力を駆使して敵を追い込んでいく、そんなのを期待してました。主役の彼女の能力と、敵ボスの能力を活かしたような攻防戦を見せて欲しかった。派手なアクションじゃなくって。 とは言いつつも、映画としての見せ方の工夫やチャレンジ精神はとても評価できるのでこの点数にしました。 それと、主演のハン・ヒョジュさんが、若かりし頃の上戸彩さんみたいで可愛くって惹かれちゃいましたね。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-02-15 21:34:54) |
125. ザ・ウェイバック
《ネタバレ》 スポーツ映画なのにそこまで試合そのものをメインに見せずに、バスケというものに関わることによる挫折と再生のドラマを、実に丁寧に描いていて、なかなか引き込まれる作品でした。 冷えたビールを飲むためにいったん冷凍室に入れて、しばらくしてから冷蔵室へ移動。それを繰り返すシーンはアル中の表現方法としては面白かったし、良いアイデアだと思った。 ベン・アフレックの落ちぶれた演技が最高。あと何げに、バスケ部のアシスタントコーチで数学教師役のアル・マドリガルさんが良かったです。 スポーツ映画にありがちな終わり方でなく、まだ試練はあるけれどこれからもっと頑張っていこう、みたいな終わり方も好きでした。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-02-06 14:15:59) |
126. CUBE 一度入ったら、最後
《ネタバレ》 オリジナル版は昔に1回観ただけなので、細かい所までは忘れてしまいましたが、とにかく面白かった記憶はちゃんとあります。 今回のリメイク版は日本らしいというか、登場人物のバックボーンを描くことで作品にメッセージ性を持たせようとしています。どんなに辛い目に遭っても他人や世の中のせいにして現状打破を諦めてしまわずに、明るい未来を目指して前に進もう。まあこんなとこでしょうか。 メッセージ性は別にそれはそれでいいのですが、はたして成功しているのかと問われると、そこまでうまくいってるとは思えなかったです。いつ誰がどんな犠牲にあってしまうのか?無事に脱出できるのか?張り詰めた緊張感が、そのメッセージ性の演出のせいで途切れてしまって見えました。 傑作といわれるオリジナルをアレンジすることはとても勇気のいることですし、評価に値することだとは思うのですが、忖度なしで純粋に一作品として捉えた時に、そこで感じたものを優先して評価しました。 出演俳優さんたちの演技はみな良かったです。ただ杏さんだけは正体が、バレバレすぎでした。個人的感想ですが...(^_^;) [インターネット(邦画)] 4点(2023-02-06 13:39:39) |
127. 犬も食わねどチャーリーは笑う
《ネタバレ》 予告編を観た時はそこそこ笑えるコメディかと思ってたんですが、8割くらいシリアスな映画でしたね。特に流産は重い!重すぎる。姑さんが気楽に話すあの感じは、火に油を注ぐようで見てられなかった。 血のつながった親兄弟でさえ分かり合うのが難しいこともあるのに、今まで別々の人生を歩んできた他人同士が結婚して、互いを理解し支えあっていくことが、そうそう容易いことでないことは明白。この映画はその結婚生活の難しさを問いているのですが、なんていうかめっちゃ重いクエスチョンを投げつけておいて、めっちゃ軽いアンサーで返されたような、何とも消化不良な内容でした。 旦那デスノートをメインに面白おかしく展開していって、最後の最後にお涙頂戴でも良かったかも。あと気になって点は筋肉ムキムキの慎吾くんがヒョロヒョロの出版者の男に簡単にやられちゃうとこ。いや~あれはないでしょ。うん、ないない。 岸井ゆきのさんのちょっと猟奇的な演技だけが唯一、見れる!でした。 [インターネット(邦画)] 3点(2023-02-01 20:04:24) |
128. ルパン三世 THE FIRST
《ネタバレ》 ルパン初のフルCG作品ということで、そのCGに対するどんなものかは見始めてすぐに解決。鑑賞の妨げになるような違和感とか不自然さは一切感じなかった。 とにかく全体的にこれでもかと、ルパン、をやってくれてて、山崎監督のルパン愛を汲み取れた。ただ「カリオストロの城」すぎないか?ていうのも正直あったけど(^_^;) 顔への落書きとかカップ麺の容器の再利用とか、所々に細かな遊び心が散りばめられていたのも良かった。 総評するとこの作品は「山崎監督のルパン」というよりは、「山崎監督が作った宮崎駿ルパン」といったところでしょうか。出来ることならいつかは「山崎監督オリジナルのルパン」も観てみたいですね。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-01-30 21:00:38) |
129. ルパン三世VSキャッツ・アイ
《ネタバレ》 ルパンとキャッツアイが共演する!もうそれだけでワクワクドキドキ!いやがうえでも期待値は上昇。でも実際に観てみたら思ってたほど興奮もせず、なんていうか全体的に淡白な印象に。期待していたような化学反応もなく、夢の共演のはずがものすごく当たり前な風景に見えた。作画が統一されているせいもあるかもしれないが、それ以上に、ルパンとキャッツの魅力が半減されてしまっていた。 ルパンとキャッツといえばもちろん「盗み」を得意としているわけだが、その「盗み」そのものが物語にとって大きな見せ場になってなくって、戦闘が主になってしまっているのが魅力を半減させてしまっている要因なのかも。 その戦闘の相手となる組織や敵キャラもまったくもって魅力がないし、特にラスボスに至ってはだからなに?でした。それとあの三つの宝石もだからなに?でしたね。 シリアルな路線よりももっとお祭り的な作風にしたほうが面白かったかも。 ほんと、ただただ、普通、な作品でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-01-30 14:00:39) |
130. とんかつDJアゲ太郎
《ネタバレ》 点数は5点ですが面白かったですよ。はい。もっとバカバカしい内容かと思ってましたが、意外にもしっかりとしていて、とんかつとDJの接点も、不思議とスーっと納得がいってしまいました。 主人公がちゃんと一度挫折してそこから這い上がるので、最後のDJシーンは、なんていうか感動のスポーツ映画でも観ているようでした。 あと配役もこれまた絶妙でしたね。主人公役の北村匠海くんはバカだけど一生懸命だけが取り柄な感じが実に良く顔に出ていたし、ヒロイン役の山本舞香ちゃんは、台詞こそ少ないものの、その圧倒的な美が文句なく惚れ込んでしまう説得力があった。父親役のブラザー・トムさんも台詞は少ないながら、老舗の暖簾を守り続けている寡黙な頑固親父そのまんまで、もう漫画そのものもでした(笑)それとDJオイリーの伊勢谷友介さんの、似ても焼いても食えなさそうな独特な空気感は流石でした。 ただ一つだけ、最後に選曲した曲がベリンダ・カーライルさんの「ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」だったけれど、劇中にそこまでこの曲に対する思い入れが描かれているようにはみえなかった。 それと、原作漫画は知らないけど、もうちょっとヒロインととんかつの間に何かがあれば、ラストの食べに来たよが活きてきたかも。 あのDJを体験したことで苦手だったとんかつを克服!とかねw まあでもお気楽に見始めた割には結構楽しめたので良かったです。 [インターネット(邦画)] 5点(2022-12-29 19:06:47) |
131. 劇場版 呪術廻戦 0
《ネタバレ》 いや~思ってた以上に面白かったですね。漫画の原作は読んでなくて、TVアニメのみ視聴済みでしたが、ストーリーがすごくシンプルで分かりやすいし、まきやとげやパンダもちゃんとキャラが立っていて良かった。 五条さんがなんであのミゲルを一瞬で片付けないのか、それだけの力があるはずなのになんでだろうって思ってたけど、どうやら意図があったようなエンディング後のシーンだった。 それと夏油一派との戦いがミゲルくらいしか描かれなかったけど、もともとが時間稼ぎでまともに戦闘したら勝算が低いことが分かっていたということなんでしょう。でもどんな力、能力を使うのかが気になった~。 乙骨くんはこの先のTVシリーズにも出てくるのかな?2023年」に新シリーズ始まるそうだから楽しみです。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-12-28 21:38:56) |
132. バッド・ジーニアス 危険な天才たち
《ネタバレ》 実話?かと思うほどリアリティがあった。実際には本当にあったカンニング事件をヒントに生まれた映画だそうな。にしてもめっちゃ天才的なカンニング方法ですよね。そういったアイデアは本当にすげぇー!でした。ただあれだけ頭脳明晰なのに、トイレという場所がいろんな人たちが利用する所だって最初の段階で分析できなかったのが痛かった。まあそういう展開にしないと作戦のほころびを上手いこと演出できなかったかも。でもそれを差し引いたとしても鉛筆へのバーコード印刷はまさにジーニアス!でした。ただこういった作品が実際にフィクションとして作られると、試験会場側が用意した筆記用具しか今後使えなくなったりして(^_^;)不正防止の傾向と対策としてある意味、社会貢献?してたりしてw カメラワークや編集等、観ていてとても心地よいし緊迫感を煽る演出もとても良かった。主演のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンさんはこれがデビュー作だそうで、とても新人とは思えない素晴らしい演技で、グイグイと引き込まれちゃいました。最初に登場した時はみすぼらしくてとても主演女優には見えないんですが、眼鏡からコンタクトになって少しずつお化粧もして、身なりもそれなりになってくると、あれま!なかなかの美人さんではないですか。スタイルもいいですしね。元々はファッションモデルだったそうで、そりゃそうだよなと納得。 タイの映画も結構面白いじゃん!気付けて良かった。人にお勧めできる映画でした。 [インターネット(吹替)] 8点(2022-12-20 14:08:38) |
133. アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
《ネタバレ》 まずはじめに一言。絶対に映画館で観るべき!家のテレビなんかじゃこの映画の素晴らしさは伝わりきれない!スマフォなんて論外! 圧倒的な映像美。ただただそれに酔いしれる3時間。3時間なが!なんてこれっぽちも感じません。逆にテンポ良すぎて、ん?て始まってしばらくそうなりました。そもそも養女にした子や人間の子が誰の子で、なにがどうしてどうなった?状態でしたから。というか前作でシガニー・ウィーバーと、主人公と死闘を繰り広げた大佐にいつの間に子供がいたのかが、前作をおさらいしてこなかったからチンプンカンプンでしたね。 それと主人公たちをサポートしている研究員たちはどこにいるんだろうて思った。だって何年か後に再びやってきた新たな地球の組織が、なぜ彼らのことを気にもとめないのか不思議だったし、復讐に燃える大佐もなんでそこに気付かないのかなって。養女のキリが意識不明になった時に研究者たちを呼んで原因究明しようとして、乗ってきた航空機が大佐たちに探知された訳だけど、その航空機の後をレーダーで補足し、研究者たちを捕まえて主人公の居場所を吐かせるとか、なんでそっちに頭が回らないのかな~...て冷静に考えるとそうなってしまった。まあ頭良ければもうちょっとマシな作戦立てますよねw 人質とっても毎度失敗してるしw それとラストで海の部族と一緒に戦いが始まるんだけど、気がついたら主人公家族だけになってたのなんで?あそこが一番の謎でしたw まあね、そうしないとテーマである「家族」を浮き立たせられなくなっちゃうかもしれないしね。 家族の中でなんとなくのけ者みたくなってしまってる弟のロアクが、群れから爪弾きにされたクジラみたいなパヤカンと友達になるのは、この映画における一番の見所で、とてもグッときます。それとパヤカンが宿敵のハンターどもをやっつけるシーンは爽快でした。 それにしても海の美しいこと美しいこと。現実を忘れさせてくれる美しさでした。 ただどうしても全体的にお話そのものは言うほど目新しさや驚きがあるわけでもなく普通、でした。このまま残り3作品製作されていっても、圧倒的な映像美も見飽きちゃうかもしれないから、脚本、がんばれー!です。 [3D(字幕)] 7点(2022-12-17 17:17:34) |
134. 21ブリッジ
《ネタバレ》 全体的にはちょっと淡々とした印象。主演のチャドウィック・ボーズマンが終始抑えた演技をしているせいもあるけれど、意図的にそういった演出なんでしょうね。とくにこれといった見せ場があるわけでもなく、汚職警官の話てだけ。乾いた銃の発泡音がやたらと生々しかった。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-12-12 23:02:35) |
135. 老後の資金がありません!
《ネタバレ》 まあテレビ局の作った映画ですよね。 正直そこまで面白いとは思えなかったけれど、生前葬での草笛光子さんの台詞がとても印象深く、この映画のテーマを汲み取ることができたのでそこだけは評価したい。付け加えて、天海祐希さんと草笛光子さんのデュエットはとても素晴らしかったです。 50過ぎのおじさんに対しての役所の対応が現実的であり、社会のシステムの無感情さを思い知らされる。56歳なんてまだまだ若いです、お体使って仕事していきませんか?と提案する。確かにね、50過ぎのオッサンの再就職なんて容易いものではないかも知れない。でもね、今まで一度も肉体労働をしてこなかった人間に慣れない肉体労働をさせて、それでもし体を壊したら元も子もないじゃないですか。こちら側の立場に立った仕事の斡旋なんてしてはくれないものです。分からなくもないけど、やっぱり遣る瀬無いですよね。あの場面は。 途中でシェアハウスが出てきた時に、あ~これはもうここに住むって前フリじゃん。てなって結局そうなったからまあ驚きはしなかったけど、逆になんで?ともなった。だって旦那さんは売上上場の会社に再就職できたし、子供もおばあちゃんもいなくなって食費も減ったわけだし、それなのになんで家を手放したの?て。 まあお金云々の話でなく、二人がシェアハウスに向いてる性格だったから、てことなんでしょうね。この終わり方はこういった人生もありますよていう一つの提案、てことでしょう。 [インターネット(邦画)] 4点(2022-12-12 16:46:20) |
136. 罪の声
《ネタバレ》 中盤までは星野源と小栗旬がそれぞれで過去の出来事を追っていく展開で、淡々と進んでいくためやや単調に感じてしまった。 二人がともに行動をはじめ出してからは真相へと近付いていく感じが高まっていくので、グイグイと引き込まれていった。 この作品、小栗旬の記者もなかなか良かったのですが、個人的には星野源の何とも言えぬ心のやりどころのなさがたまらなく響きました。特にラスト、さんざん不幸な境遇にあってきたもう一人の声の主があなたはどうだったんですか?と問われた時の何とも言えぬ表情がとても素晴らしかったです。 大人たちの勝手な「正義」のために犠牲となってしまった子供が可哀想すぎる。でもよくよく考えてみるとなんで過激派だったとはいえ堅気だった人間が、ヤクザと手を組んだりしたのかがちょっとだけ理解できなかった。とても賢くて周到に事を実行していくタイプの人間(宇崎竜童)が、いつ何をしでかすかわからないようなヤクザを仲間にしたのか、原作を読んでいないのでその辺りが私的にはどうしても理解しきれなかったです。だってヤクザが仲間にいなければあそこまで不幸にはならなかったかも、て思えちゃって。すいません、水を差すようなこと言っちゃって。 まあ結局は最後の星野源のおじさんに宛てた言葉、この先なにがあろうとも社会に不満を抱いてもあなたのようにはならない、これが全てでしょう。 あと日本映画でいつも思うのは、モゴモゴと喋られると台詞が聞き取りづらくて辛いです。字幕つけて~。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-12-07 19:45:58) |
137. 護られなかった者たちへ
《ネタバレ》 今まで佐藤健さんの演技で泣いたことなんて一度もなかったのですが、倍賞美津子さんに生活保護を受けて欲しいと頼むシーンで思わず泣いてしまいました。それまで他者と関わることを拒むかのようなギラついた目つきだったのが、何が他人だよ生きてて欲しんだよ!と激昂する時の目が本当に真摯で真っ直ぐな澄んだ瞳になって、グッときちゃいました。佐藤健さんの名演技に心を初めて打たれちゃいました。素晴らしかったです。 色々と考えさせられる映画ではあったけれども、阿部寛の息子をもしかしたら佐藤健が救えなかったかもしれないという最後のあれは、私的には蛇足に思えてしまいした。恐らくはこの映画の一番の見せ場だったのかもしれないけれど、あまりにも都合良すぎるというか唐突すぎるというか、何となくそれはないってなってしまいました。 それとエンディングで流れだした桑田圭祐さんの歌ですが、もうハッキリ言ってやめて!ほんとやめて!なんでそこまでして「歌」にこだわるのか?なんでそこまでして関連付けでその「歌」を注目させてムーブを起こさせたいのか? どうして純粋に興行目的以外の部分で「作品」を大事に扱ってくれないのか。日本映画の今の実情の方もいつか「映画」にしてほしいですね(汗) [インターネット(邦画)] 6点(2022-12-03 12:00:37) |
138. リチャード・ジュエル
《ネタバレ》 まず初めに、これが実話だということで、何よりもFBIの初動捜査さのあまりにのいい加減さに呆れてしまいました。捜査というかもう初めから主人公を犯人扱いしていることに、は?が止まりませんでした。過去の事例になぞって都合よく犯人に見立ててるだけじゃん!れっきとした証拠も何もないのに。証拠がないから逮捕もできない。そして逮捕もされていないのに犯人扱いするメディアもまた恐ろしい。こういったのを見ているといかに人間が洗脳されやすくそして、愚かだというのがわかりますね。 イーストウッド監督は、本当にこういった人間のずさんさを描くことに関しては天下一ですね。 また主役を演じたポール・ウォルター・ハウザーさんの演技も素晴らしかったです。たしかに行き過ぎた正義感があって、それが逆によからぬ方へといくかもしれないかも、という危うさを見事なまでに表現しきっていてた。彼の演技だけでグイグイ作品の世界に引き込まれちゃいました。 結局物的証拠もなく、リチャードを逮捕することが出来ずに終わるわけだけれども、誤捜査によって傷付けれらたことへの謝罪がなかったのには腹が立ちましたね。容疑者から外れたことを報告に来てもクロだと思うって捨て台詞吐く始末。あーやだやだ。 ただそんなFBIを嫌というほど身にしみて思い知らされたのに、リチャードが警官になっていることに、それでも彼は国の正義を信じていくことに何の迷いもないんだと、つくずく感心されられました。もし自分がリチャードの立場であんな経験をしたら、もう国のためにとか人々を守りたいとか、そんな考えなくなってたかも。 映画の最初にサム・ロックウェル演じるワトソン弁護士と出会うのだけど、そこの描写がまたなんていうかそこまで特別な感じじゃないのが良いんですよね。ごくごく普通で当たり前な感じが。それが実はリチャードにとってはとても嬉しいことで、自分を唯一「人」として接してくれたって、ラストでワトソンに打ち明けるあそこにいきてくるんですよね。本当見事な演出です。 久々に良い映画を観ました。 ありがとう、イーストウッド監督。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-12-02 18:09:47) |
139. SING/シング:ネクストステージ
《ネタバレ》 前作は一つ一つの事柄をコツコツと作り上げていき、最後に大きなカタルシスで幕を閉じ、各キャラの見せ場や描き方も実に綿密に計算せれていたように見えたが、今作は新キャラ達の登場もあってか、物語同様やや駆け足感が否めなかった。特に新キャラの3人、ホッキョクオオカミの大物社長とその娘、それとライオンの隠居暮らしをしていたロック歌手は、なんていうかそこまで個性的でもないしごくごく普通なのがちょっと物足りなかったかな。社長の娘に関しては心変わりが唐突すぎますよ~。 ただラストで見せてくれる宇宙探険のステージはなかなか見応えがあり、ミュージカル映画としての醍醐味は十分楽しめました。 なんだかんだで終わってみれば結局、事務員のイグアナさんの見せ場が印象深く残っているという・・・(笑) [インターネット(字幕)] 6点(2022-11-30 22:39:27)(良:1票) |
140. ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
《ネタバレ》 MARVELとかヒーローものとか、そういったことを置いといて、普通に一つの映画として非常に良く出来ていた。チャドウィック・ボーズマンさんの他界によって、2代目ブラックパンサーを登場させることになったわけだけれども、その2代目のお披露目という一大イベントが実はそこまでメイン的な立ち位置になっていなかったのも、すっごく良かった。お客さんのお目当てが2代目の勇姿でありバトルだと分かっていながらも、あえてそこまで登場させずに、深いテーマを丁寧に丁寧に描ききった英断には称賛の拍手しかないです。 どんなに技術や文明が発達しても、人間の持つ業は何一つ変わらない。ほんと、変わらない。でもだからこそ人間はその業と向き合うためにこの世界に、「作品」を生み落す。「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」という作品が今、うぶ声を上げた。 この作品を戦争をしている国の権力者や偉い人たちにほんと、観て欲しいですね。 ただ一つだけ苦言を述べるなら、どうしても圧倒的スターのオーラを放ってるような役者さんがいないため、華のなさは否めなかったです。 あ!もう一なつあった! 記憶力に自身のない人は前作をおさらいする事を勧めます。おさらいをしなかった自分は、誰だっけ?何したんだっけ?てなってしまいました。まいったまいった。 [映画館(字幕)] 7点(2022-11-11 14:49:26)(良:1票) |