161. 色あせてカラフル
《ネタバレ》 この地味な中編が登録されていたことがまずすごい。 手作り感があってチープな印象。 ただ言いたいことはとても共感できる。 過去の嫌な思い出を引きずらないで生きていこうや! というシンプルで前向きなメッセージは悪くはない。 過去が嫌で東京に出てきたけど、過去を吹っ切れたから田舎に戻ったということね。 東京という場所をそんな一時逃れの場所に使ってほしくはないけどね。 (そんなわたしも若い頃、一時逃れの目的で沖縄という場所を使ったのはナイショ!) [インターネット(邦画)] 6点(2024-12-20 22:30:46) |
162. 栄光の日々
《ネタバレ》 ただのプロパガンダ映画だと思っていたら、思いのほか構成がしっかりしていて驚いた。 さすがは一流監督が携わっているだけのことはある。 もはやこのドキュメンタリーは貴重な映像過ぎて、面白いとか面白くないとかの評価軸から外れている。 時に残忍な映像が入ってくる辺りで吐き気を催すも、これが現実に起きた惨事だと思うと目を逸らす訳にはいかなかった。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-19 22:00:13) |
163. 偽りのないhappy end
《ネタバレ》 結局、2人の姉とも妹のことを分かっていなかった。 姉たちは妹が亡くなった理由や失踪した理由について自分にとって都合の良いように解釈したかった。 その都合の良い解釈を邪魔するものはこの世から葬り去りたい。 そういった人間のエゴと闇を描いたミステリーなのだが、自分にとってストーリーの把握が難しく分かりにくかった。 タイトルがカッコいい(響きがいい)のだけれど、タイトルに偽りがあるね。 爽快感すら覚えるバッドエンドだからね。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-12-16 21:05:13) |
164. 香も高きケンタッキー
《ネタバレ》 この作品を見るまでに相当な時間を要した。 かつて新宿TSUTAYAや渋谷TSUTAYAにVHSレンタル在庫が大量にあった頃に借りていれば難なく見る事ができたであろうが、それらのTSUTAYAにVHS在庫なき今、サブスクでこの作品を見ることは出来ない。 便利な時代になったはずなのに、この作品を見るという点においてはむしろ不便になっている。 便利とは何かについて考えさせられる。 便利と引き換えに何か大切なものを失っているのではないかと。 さて本作について。 素直に感動できてほっこりもできる、非常に優れたサイレント映画だ。 母娘の馬同士が馬体を擦り合っているシーンなんか胸が熱くなる。 かつての主人が馬体を撫でてくれた時、赤ちゃんの頃を馬が思い出すという演出も素敵だ。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-14 22:23:32) |
165. 拳銃魔(1949)
《ネタバレ》 愛した女から頼まれてしまうと殺し以外は何でもしてしまう。 そんな悲しい男の結末を固唾を飲んで見守った。 やはり破滅しかないのか? メキシコへ逃してやろうよ! [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-14 19:09:01) |
166. Falling Leaves(原題)(1912)
《ネタバレ》 お姉さんが結核にかかってドクターから「あの葉が散るまでの命」と言われ、それを聞いた幼い妹が葉が落ちない様に葉を糸で枝にとめるという話で、原作自体がきっと素晴らしいんだと思われる。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-12-12 21:20:11) |
167. リバー・オブ・グラス
《ネタバレ》 典型的なロードムービーで嫌いではないのだが、二人のルックスがひどいというか若くないというか、いや別に若くなきゃいけない訳ではないけど、見ていて華がなくイマイチ乗りきれない。 足の指でタバコをいじるところなんか『ミステリートレイン』そのものだけど、これはオマージュなのか単なるパクりなのか分からない。 最後のオチはそうなる必然性もないし、物語をどうやって終わらせるか悩んだ末の無理やりなオチのような気がしてあまりよろしくない。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-12-12 20:14:14) |
168. NINIFUNI
《ネタバレ》 決して皆さんの評価と逆の点数を付けたがる逆張り人間ではないのだが、凄い映画だったのでこの点数をつける。 自殺にいたる人間の様子を淡々と映した前半部分を見ている時、少し前に見た短編映画『J005311』に似てると感じたし、もしくは竹馬靖具監督の『今、僕は』を思い起こした。 エンドロールで気付いたが、共同脚本として竹馬監督の名前があり、思わず声を上げてしまった。 竹馬監督がこの作品に脚本という形とはいえ関わっているからこそ、この作品を見ていて既視感があったのだと。 とは言え、前半部分の車道の騒音が耳障りで嫌になったし、主人公が車の中でカップラーメンをすする音がうるさくて怒りさえ込み上げた。 だが、主人公が首をうな垂れて死んでいる車をよそに、その間近でももいろクローバーが元気に歌って踊るという、生と死の対比に感慨を覚えた。 この生と死の対比はまるで鶯谷駅の景色の様だ。 鶯谷駅は駅ホームを挟んで墓地と東京最大のラブホテル街とが向き合っており、まさに生と死が対比された東京の裏の名所だ。 若さ躍動するももいろクローバーの歌と踊り、そしてその背後に映り込む死人の乗った車。 この映画は生と死、動と静、明と暗、それぞれの対比を描き、そしてそこに人生の交錯をも織り込んだ稀有な映画である。 (追記) だからこそ作品名が『而二不二(ににふに)』なのね、納得。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-12-10 20:30:08) |
169. 午後3時の悪魔
《ネタバレ》 カラーなのに、若松孝二が撮ったようなモノクロ映画的な異世界。 都会の中のエアポケットに入り込み、周囲の喧騒とは断絶されたような感覚を味わえる。 これだけでも十分面白いし、好み。 トンネルの中で警備員に襲われはしたものの、結果的にはお金を盗んだことにならず、家族も傷害保険で事なきを得た。 ハッピーエンドとも言える終幕だが、いっときの悪夢的な時間は何だったのか、あの男は本当に自殺したのか、独特の余韻を残す面白い短編映画だった。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-12-10 17:03:58) |
170. 水深ゼロメートルから
《ネタバレ》 山下敦弘監督作品としての特別感がなく平凡な内容。 水のないプールで延々と繰り広げられる会話劇はいかにも舞台劇の映画化といった感じで、果たして映画にした意味があるのか疑問。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-12-10 15:13:42) |
171. 街の野獣(1950)
《ネタバレ》 スリリングな展開なのに、そこに男女の愛まで入れてみせる完璧さ。 だけどわたしには少し分かりにくい部分もあった。 野望を抱く者は破滅に向かうのか? いや、自己資金がなくて他人のフンドシを借りて大勝負に臨むから破滅するんだろな。 主人公は金を借り過ぎだ。 でもそんな生き方しか出来なかったのは理解できる気がする。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-07 20:02:49) |
172. 暁の脱走
《ネタバレ》 李香蘭が苦手なせいかえらく長く感じた。 小沢栄太郎の完膚なきまでな悪役ぶりに拍手を送りたい。 しかし三上はなんてバカな軍人なんだろう。 いやバカなんて言ったらいけないね、帝国軍人のかがみだからね。 しかしバカだ。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-12-04 20:06:18) |
173. 1秒先の彼
《ネタバレ》 山下敦弘監督が好きなので、苦手なSFだけど挑戦してみた… 結果やっぱり苦手だった。 奇想天外過ぎて全くついていけない。 SFじゃなくてこんな雰囲気のフツーのラブストーリーなら面白そうなのになあ。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-12-02 23:12:00) |
174. Walden
《ネタバレ》 揺れる水面を映しただけの内容。 ゴダール映画に出てくるような水の美しさがあればともかく、とくに何の変哲もない水面の映像を2分間見せられても感想の書きようがないし、感銘を受けようがない。 むしろ若干不満。 [映画館(邦画)] 4点(2024-11-29 20:01:21) |
175. 天国はまだ遠い
《ネタバレ》 前知識なしで見たので、途中で頭の中が一瞬混乱したよ。 いやーびっくりしたね。 こんなぶっ飛んだ話とは。 でもこれも奥が深いね。 最初、玄理は霊感とか信じないタイプと言ってたでしょ。 それが最後は感極まって男と抱き合う始末。 でもこれって、死に別れた会いたかった姉が今まさに目の前に生き返ったと感じたからこそ抱き合った訳で、人間、本当にまた会いたい人が憑依すると言われたら実際信じちゃうんだよ?という事を言いたいのではないだろうか。 かく言うわたしも霊感だとかイタコだとか信じてないタイプなんだけど、なんだかその考えが揺らいでしまった。 (どうでもいいはなし) この男は玄理と熱い抱擁を出来た訳で、実に役得だなぁと嫉妬した。憑依した女性を熱演した甲斐があって良かったねぇ、クソッタレ。 この頃の玄理はアラサーにも関わらずまだ幼さが残っていて、後年の『偶然と想像』の時の完全無欠な美人な彼女とはまた別の魅力がある。 [映画館(邦画)] 7点(2024-11-29 19:18:31) |
176. 永遠に君を愛す
《ネタバレ》 本作での河井青葉はやっぱり綺麗だった。 『偶然と想像』での疲れ切った主婦役がよく似合う河井青葉は河井青葉なんかじゃないよ! やはり彼女はこうでなくっちゃ! 結婚式の当日になって新婦の不貞の事実、そしてそれを実は新郎が知っていたという事実が発覚、結婚式は取り止めになるのか?!というお話。 結論、でもお互い愛し合ってます結婚します!ってオチなんだけど、なかなか深いなぁと思う。 だってそんな事実が発覚したら普通に考えれば結婚なんかしない事になりそうなもんだけど、相手を本当に愛していて一生を共にしたいとお互いが考えているからこそ結婚する決心をした訳であって、真の愛とはこれなんだと感じた次第。 そう考えると相手の浮気を知ったくらいで結婚をやめたり、離婚をしたりするのって、しょせんは本当に相手を愛していたわけではないのだということになる。 永遠に君を愛すとはそういうことなんだと。 (わたしと濱口竜介の共通点?) 濱口竜介監督が今までに主演に起用した女優のうち、河井青葉、玄理、唐田えりか、いずれもわたしが大好きな女優ばかりだ。 わたしと濱口竜介の女性の好みは相当に似通っているかもしれない。 [映画館(邦画)] 6点(2024-11-29 18:40:06) |
177. アンダーカレント
《ネタバレ》 真木よう子の悲しい過去、友人をさらっていった男から脅されたから事件について知らないと嘘をついた。 子どもだから怖いだろうし仕方のないことだが、本人からしたら深い心の傷だろう。 とてもよく理解できる心情ではあるが暗い過去すぎて見ていて気持ちが滅入ってしまう。 この事件が関係者をいかに長い期間苦しめるのかを知らしめるという点において、本作は成功しているし社会的な意義もあるだろう。 だけど真木よう子の暗い過去を背負った表情が見ていてしんどい。 つまりこの作品を見ているとしんどいんだ。 自分のことさえ分からないのだから、他人のことなんて分からない。 確かにそうなんだけど、それを言ったら身も蓋もないよ。 井浦新が黙って去ろうとしたけどバスに乗るのは思いとどまって、銭湯に戻って何事も無かったかのように薪を焚べてるシーンとかは好きだけどね。 全体的に冗長で暗い。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-11-29 15:56:41) |
178. 人生はわれらのもの
《ネタバレ》 見る前の前提知識としてフランスにおける共産党とは何なのか、何と対立していて何と同胞なのか、ファシストとは何かについてくらいは知ってないと訳のわからないまま終わってしまうプロパガンダ映画である。 戦争や政治思想に関する歴史的映像を見たという感覚であり、面白いとかつらまないとかの尺度では測れない内容である。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-11-26 20:29:26) |
179. 映画『からかい上手の高木さん』
《ネタバレ》 これは『耳をすませば』を超える耳すま症候群な映画だ。 特に永野芽郁ファンが見たら間違いなく重症な耳すま症候群になるだろうね。 浴衣姿の永野芽郁が隣りに座っていて一緒に花火を見るとか、どんだけ幸せなんだよ! と元気なくツッコミながら見ていた、口をへの字に曲げて指をくわえて( ⋅́ ̯⋅̀ )ショボーン [インターネット(邦画)] 8点(2024-11-24 22:30:19)(笑:1票) |
180. ハッピーアワー
《ネタバレ》 映画館で317分を初体験。 内容は良かったが317分は相当に堪える。 マジでキツイ。 エンドロールが流れた時の安堵感ったらない。 濱口竜介監督はどうも美人を不幸に、美人以外の人を幸せにしたいらしい。 これは他の濱口作品でも感じた。 美人になんかされたのかな? 女性4人が主人公の映画であるが、それを取り巻く男性陣がどいつもこいつも不快な野郎ばかり。 これはわざとなのかな? だからこそ女性が際立つみたいな。 仕事優先で家のことを全て妻に任せていた夫。 妻に浮気されるも謝ってもらえず。 ただこの夫はモラハラ気味だから浮気されて仕方ないのかも。 妻に対して稼ぐ力が無いだの言ってはならないね、絶対に。 かわいい作家(これがほんとマジでかわいい)に好きと告白されて浮き足だったロン毛ヒゲ男。 交通事故に遭って妻にざまあみろと言われるが、これは当然だね、同意。 謎のワークショップが開催される。 テーマは「重心」。 これがやたらに胡散臭いが、何気に内容が面白かった。 群像劇っぽい内容だが、一つ一つの話にケリをつけたのは凄い。 これだけ風呂敷を広げてよく収拾をつけたものだ。 さて317分は必要だったのか? これ案外、重要な問題。 それは実際に見てご判断を。 317分の映画を見たという体験は、あなたの人生において必ずや貴重なものになるであろうから。 (映画の内容とは関係のない個人的メモ) 下高井戸シネマにて鑑賞。 場内は満員。 下高井戸シネマには何度か来ているが満員になったのは初めて。 客層は何故だか爺さんが一人もいない(おっさんは大量に居たが)。 婆さんは数人いた。 本作の鑑賞料金は3000円でシニア割引などの割引は一切ないとのこと。 通常この映画館ではシニア割引適用で一本1000円で見ることができる。 なので本作は老人の財布に優しくないのだが、爺さんがいないのは果たして金額の高さが理由なのだろうか? それとも爺さんは濱口竜介に興味が無いのか? 謎である。 [映画館(邦画)] 8点(2024-11-23 22:45:42) |