1861. ペレ
とても気持ちが沈んだ記憶のある映画。貧乏も寒さもちっとも良くなる気配はないし、年取った親父はどんどん覇気を無くしてく。えーん。なんとか息子には脱出してほしいと願いつつ、願いを打ち砕きそうな北欧の厳しい自然と現実に言葉もない。こちらの手までかじかんだ気がして、さすりながら映画館を出たのでした。 [映画館(字幕)] 6点(2012-02-11 12:28:20) |
1862. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
うわあぁ こりゃマジ怖じゃないですか。ティム・バートンちょっと線引き間違えてませんか。ぞくぞくする怖さではなく嫌悪感がつのって単に観てるのが苦痛になってくる。ユーモアないんだもん。それにしても海辺の似合わないことNo・1のカップルだったなあ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-11 01:43:03) |
1863. アイズ ワイド シャット
《ネタバレ》 贅を尽くしたパーティやら豪邸やら、金ぴか豪華な舞台にトム・クルーズとキッドマンがばーん、とゴージャスにはまって映像はとても流麗な印象。夜のNYの街にもくっきりと輪郭があり、安アパートにも灯るクリスマスツリー。綺麗。でも話はよく分からない。ミステリアスな記号をあちこち散りばめてるけど、全体を覚醒した目で俯瞰すると起こった事件も事件とすら呼べないような気もするし。今作では周囲に振り回されてるトム・クルーズが好印象。娼婦のとこで「先にお金の話をする?」って台詞が可愛いじゃないですか。手土産持って後日ふらっとまた来ちゃうのも。ああでもキューブリックが表現したいのはこんなことじゃないだろうな。すみません監督この映画わかりません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-11 01:21:27) |
1864. 太陽は夜も輝く
こんなに美しい顔ぶれなのに、なんかちっとも楽しくなかった思い出の映画。ナスターシャ・キンスキーほぼチョイ役だし。神父の葛藤の出所もよくわからないし、格調高すぎで視界かすんでなんかもう延々わからないことだらけ。 [映画館(字幕)] 3点(2012-02-11 00:51:00) |
1865. ミザリー
《ネタバレ》 ロブ・ライナーぽいというか、画面が明るいのでおどろおどろしさがないのだけど、その分突然現れるキャシー・ベイツにびびる。七三分けの髪形と、もっさりした体型。超オバサンだ。おばさんのくせに小説のヒロインの行く末に目をきらきらさせてうっとりしてるのもまた怖い。このおばさんの気に入るようにしぶしぶ出来上がる三流小説の俗っぽさはちょっと笑えた。小説家にとっては笑い事ではなく、必死の攻防をしていたわけですが。思い込みの激しい大迷惑なファンを演じたキャシー・ベイツがリアルすぎる。こわいこわい。 [地上波(吹替)] 7点(2012-02-11 00:36:01)(良:1票) |
1866. ダメージ
《ネタバレ》 散々なダメージとむごいラスト。んー誰だって自分の人生を否定したくはないと思うんですが そうですか平凡な女でしたか。アナタが人生棒に振った女は。愛の業みたいなものを描いたんだろうけど・・お互いそんなに相手に惹かれてるように見えなかったしな。というわけで劇中もしも会えたならJ・アイアンズにはやめときなはれやー、と助言してあげたい。 [地上波(吹替)] 5点(2012-02-11 00:07:27) |
1867. 未知との遭遇
意外といろんな解釈が飛び交いそうな一筋縄でいかないお話でびっくり。楽しい娯楽大作、ではないのですね。映像は今この時代でも絢爛で、マザーシップ登場でウチのテレビがびかびかと光り輝いた時はちょっとおお、とのけぞったほど。当時映画館で観れていれば、さぞ強烈な思い出になっただろうと思われる。五音の旋律でコミュニケーションを取ろうとしてるけど、どういう意味があるのか判然としないまま打ってるのが心許ないよお。母船の中の会話が漏れて、「直帰って書いといて」とか「つぶあんにしとけば良かった」とかいう意味だったらどうするんだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-07 01:50:29)(笑:1票) |
1868. バンク・ジョブ
《ネタバレ》 実話ものとは知らなかった。銀行強盗がうまくゆくまでは、しめしめ♪的な空気だったので、ゆるい心持ちで観ていた身に後半のハードな展開はきつかった・・。J・ステイサムが絡む銀行強盗モノってことで勝手にトボけたものを想像してたこちらが悪いんですが。でもラストの妙なハッピーエンドはよろしくないな。他のエンディング候補は無かったのかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-07 01:15:19) |
1869. バットマン リターンズ
猫顔M・ファイファーのキャット・ウーマン、彼女の存在で作品に艶が出た。哀感漂うペンギンと美しい猫女、彼らに比べてバットマンがちと押され気味。もすこしがんばれ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-07 00:52:48) |
1870. 鬼龍院花子の生涯
筋が粗いのは気になるけども、そんなのは脇に吹っ飛ぶほど役者の厚み、熱量が半端じゃない。けれん味だくだくというか、緋色をバックに牡丹が目の裏でちかちかするような。近頃邦画ではめったに見かけない情感の分厚さ。そして夏目雅子が女優になった映画。この松恵をつかまえてグラドル出身の三蔵法師と同じ評価を下す人はいないだろう。 [ビデオ(邦画)] 6点(2012-02-07 00:37:02) |
1871. シャンドライの恋
《ネタバレ》 怪しい贈り物と、こぼれ落ちるピアノの音。ぽろぽろぽろぽろ・・。加えて濃密な映像と螺旋階段に悪酔いしそうになった、中盤までは。あー、シャンドライはきっとこのヘンな男のせいでノイローゼになるに違いない、と思った私はとんだ青二才だった。ストーカーだと思っていたのが純度の高い愛に百八十度転換したそのときの衝撃たるや、もう・・。なんだか身動きがとれないラストも忘れ難い。 [映画館(字幕)] 8点(2012-02-05 16:10:01)(良:2票) |
1872. 裸のランチ
そもそも、ラリッた奴の頭の中が整合性が取れてるわけがないので、ストーリーを理解しようとするのはハナから意味が無い。もっと、てんで破綻しちゃってんのかなと思ったら、監督けっこう一生懸命話つなげて物語を作ってる。エライなあ。面白くはなかったけど。ジュディ・デイビスがこの作品から声がかかったことに当初軽い怒りを感じた、ってエピソードに笑った。なんで私がムカデなのよってムカついたのですね。もっともだ~。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-04 02:27:38) |
1873. サクリファイス
《ネタバレ》 さて、タルコフスキーだ。しかも2時間半だ。うあ観るのに覚悟がいるなあ。台詞にとらわれないこと、プラス理解しようとしないこと。この2点を自ら言い聞かせて観賞。のっけからニーチェの終末論を語りだす郵便配達夫に引く。ま、まだ始まって数分なのにこうですか。哲学的で難解、眠たくなる要素てんこもり・・かと思ったら自分でも意外なほど引き込まれた。光あふれる、とはまた逆のしっとりした品格ある映像。居間の調度品の優雅なこと。磨きこまれた木の床、風にたなびくレースのカーテン。不吉な振動に棚から零れ落ちるミルク。床一面に広がる白。窓とベッドと鏡のみの子供部屋はゴシックホラーのようでどきり、とする。心惹かれる妖しさ。映像詩人とよばれている監督だ。学生の頃詩の解釈が苦手だった私のような人間は、考えることを放棄して感覚でキャッチすることが正しい観賞の仕方なんだろうな 多分。眼福でありました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-04 02:13:00) |
1874. 誘う女(1995・米)
元ネタがワイドショーを騒がせていたので、あらましは知っていました。想像を超えるでもなく、下回るでもなく。ラストをあんな風にしたってことは、アメリカの人たちもこの女にあったまきてた、ということでしょうか。 [地上波(吹替)] 5点(2012-01-31 14:53:41) |
1875. 真夜中のカーボーイ
《ネタバレ》 田舎から安易で馬鹿な夢を抱いて のこのこニューヨークに出てきたジョーを待ち受ける都会の厳しいこと、冷たいこと。うぅ、観ていてつらい。「カウボーイなんかに引っかかるのはゲイくらいなもんだ」とホフマンに看破されて半泣きのジョーが滑稽やら哀れやら。でもジョー、お前いい奴だなあ。ラッツォへの途切れない友情に涙、涙。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-01-31 14:37:36) |
1876. ラビリンス/魔王の迷宮
お子様向けな内容ではあるけども、美術は丁寧に作られてるし、けっこう腰の軽いボウイ様がやる気満々で引き受けた魔王が妖しくて美しくて、いい年して映画館で2回テレビで1回観ました。楽しかった。 [映画館(字幕)] 6点(2012-01-30 18:24:03) |
1877. 特別な一日
《ネタバレ》 名優マストロヤンニとS・ローレンの二人が見せる、ほんとにたった一日の出来事。男と女の邂逅と、互いの孤独が溶け合ってゆく様を切り取ったこれぞドラマ。背景に流れるのは常に孤独の影。見るからに疲れた主婦然としているS・ローレンと、何かを抱えているマストロヤンニ。ラジオから流れる喧騒で かえって取り残されたような人気のないアパートの一室の寂しさがしん、と際立つような。男が連行されるのは決まっていたこと。特に「何も起こらなかった」一日。なのに心に焼印のように残った一日。なんだろう、この衝撃は。こんなに静かな映画なのに。 [ビデオ(字幕)] 9点(2012-01-30 17:53:10)(良:1票) |
1878. 絶叫屋敷へいらっしゃい
いやこれ併映で観たんですよ。この前後5年くらいを通して思い出しても自分の中では断トツのワーストワンでしたね。時間もったいなかった。 [映画館(字幕)] 0点(2012-01-30 17:01:08) |
1879. グリーン・カード
《ネタバレ》 節度のある大人の恋愛。距離を保ちながらじわーっと心が近づいてゆく、いろんなエピソードが微笑ましくて品がある。ピアノがあんなに上手いなんて・・、や フランス男は侮れんな。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-30 16:53:32) |
1880. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 現実の煩わしさから避けて避けて漂流するかのような鈴子を演じる蒼井優の上手いこと。姉弟の心の交わりを縦糸にして、二人がそれぞれ紡いでいく現実という横糸。この現実がビターで、もう。上手くいかないよね現実って。理不尽でさ。意思を表明すると牙をむいてくるし、かといって言葉を引っ込めてやり過ごそうとしても結界は破られる。弟の、闘う決意の手紙を読んで姉もまたひとつ上のステージに上がる。号泣しながら。私も泣けました。ナカジマくんの計画がお粗末なのはナイなあ。でもラストはあれで良かったと思うな。一歩一歩踏み出す鈴子ちゃんが、きりっと凛々しく決まったことだし。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-28 02:19:23) |