1. ペイルライダー
《ネタバレ》 金城一紀の「映画篇」の中にあるこの題名の短編を読んで以来、ずーっと観たいと思っていたから、BSで放送してくれて感謝感謝! が、あまりに期待しすぎたため、何も判然としないまま終わってしまうラストに肩すかし感は否めない・・・・。ま、カッコ良かったから良しとしましょう。 ひたすら金を掘っている男たちに囲まれて生きていたら、思慮深く腕も立つ男が現れた日にゃあ、そりゃどうしたって魅力的に見えますわな。母娘の気持ちは痛いほど解るけど、ちょっと牧師様モテすぎかも。なんにせよハルには幸せになってもらいたいものですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-30 16:26:38) |
2. セーラー服と機関銃
アイドルを女優に開眼させることで名高い相米監督の手腕が光ってます。思えば、当代きってのアイドルの映画に、裸やらエッチシーンやらを出すなんて、角川春樹はなんて優れたプロデュ-サ-なんだろう、と妙に感心したりして。ヤクザの世界を垣間見ることで彼女は少し大人になったけれど、彼女の出現によって、ヤクザ達も少しずつ素直になっていったのが印象的。ひとりは雨の中で本心をせつせつと吐露して、ひとりは母親に甘えるようにぎゅっと抱きついて。これはかなり切ないシーンでした。監督や脚本家の思い入れは、ここにあったのね、きっと。この年で再見して解りました。 傑作ではないかもしれませんが、いい映画です。ひとつの時代を築いた角川映画に改めて感謝を。 [地上波(字幕)] 7点(2005-11-08 23:32:40)(良:3票) |
3. 探偵物語(1983)
松田優作の部屋に意を決して訪ねていき「一人で淋しくないんですか?」とつめよる薬師丸ひろ子の演技にいたく感動したのを憶えている。何度も正座をしなおすようにお尻を浮かせて。握りこぶしを何回も握りなおして。全身全霊でぶつかってくる純な乙女心に、松田優作その人自身が少なからず気押されていたのだと今も思う。それ程この作品のひろ子ちゃんはすごかった。あの時代、彼女はまぎれもなく私達の憧れだったな....。最後のキスの後、もう1度軽くキスしたのには「やられた!」。あれがあるのとないのとじゃ、まったく違うものね。最後の「バイバイ」も名シーン。彼女には旅立ちが本当に似合う。何を今さらのレビューだが、根岸監督の東京国際映画祭受賞を祝して。これからも頑張ってくださいませ。 [映画館(字幕)] 7点(2005-11-03 12:12:53)(良:1票) |
4. ジンジャーとフレッド
鏡越しに見るタキシード姿のフレッドの、そのあまりの美しさに泣けました。かつて愛した女の前で、もう1度気取って見せるポーズ。愛おしく切ない男の強がり。別れ際、思わず汽笛の音で引き止めるフレッドに、鞄を置いてひらりと手を振るジンジャーのいさぎよさにも泣けました。2人の戻る場所は、もう2度と一緒になることはないんだな、と。人は思い出だけでは生きていけないけれど、思い出があればきっと大丈夫なんですよね。名優2人の見事なタップに心から敬意を表します。 9点(2004-12-16 01:02:35)(良:2票) |
5. 黄昏(1981)
私にとってキャサリン・ヘップバーンといえばこれ。ヘンリー・フォンダともども、文句無しに見事な演技でした。湖に投げ出された老夫が助けにきた老妻に向かって「お前どうしてこんなところにいるんだ」と言った場面で思わず泣いてしまったのは私だけでしょうか? テレビ放映時に違う台詞になっていて、とてもがっかりした記憶があります。実際にはなんと言っているのか、高校生の時に聞き取れなかったあの台詞を、もう1度聞いて確かめてみたい。 8点(2004-07-17 00:20:39) |
6. 台風クラブ
数人しか観客のいない京都の映画館でリアルタイムで鑑賞。バービーボーイズの「暗闇でダンス」にのって少年たちが疾走するファーストシーン。深夜のプールに静かに潜る少年の行き場のない心。結婚に煮え切らないありがちな教師役の三浦友和。工藤夕貴ののんしゃらんとした表情。長回しより何より、ひとつひとつのシーンに込められたメッセージにビンビン反応しながら、2時間近く食い入るようにスクリーンを見続けたのを覚えている。馬鹿みたいに映画にどっぷりと浸りきっていた大学時代。我が青春の1ページ。 [映画館(邦画)] 8点(2004-01-11 17:10:48) |
7. 恋におちて
遅れて駅に着いたデニ-ロが振り向くと、微笑みながらメリルが近寄ってきて、思わず駆け寄って抱き締めてキスしてしまう....。あのシーンが最高に好き。会いたくて会いたくてたまらないというせつない恋心が溢れていて、胸が締めつけられそうになってしまった。そして最後のメリルの表情。再会を喜びながらも不安を隠せないあの終わり方は、恋愛映画史上屈指と言ってもいい名ラストシーンだと思う。二度とやってくることのない甘い恋の日々、ああ..。もちろんデイヴ・グルーシンの音楽もGood。 8点(2004-01-05 10:51:18)(良:2票) |
8. エバースマイル、ニュージャージー
世の中から虫歯を無くすという使命のもと、乾いたパタゴニアの平野をひたすら走っていく主人公に、本気で惚れ込みました。世の中、矛盾は多々あれど、自分が信じ、自分を信じてくれる「何か」がひとつでもあれば、それでも進んでいけるのです。彼にとって彼女は天使で、彼女にとって彼は救いだったのかしら? 絶望のどん底から主人公が「立つ」シーンが大好きです・ ラストの音楽も最高! 9点(2003-10-19 20:08:07) |
9. サブウェイ
個人的にベッソン作品のベスト1。エリック・セラの音楽がズンズン響くスピード感溢れるオープニングも、全編を覆い包む独特のセンスも、何かありそうで何てことのない展開も、クリストファー・ランバートとイザベル・アジャーニのダンスシーンも、どれもすべて好き! とはいえ、傑出した才能の持ち主(監督)が、処女作以降、そう簡単に傑作を量産できるものではないということを示した顕著な例といえるかも。C・ランバート(「グレイストーク」までは良かったのに。トホホ)以外は今や皆一流どころになってしまったし、彼ならではの良さをダメにしたのはハリウッドかダイアン・レインか。 9点(2003-05-29 11:31:48) |
10. スタンド・バイ・ミー
公開当時、20才そこそこだった私は、あまりにも青春のまん中過ぎて、この映画が持つ胸を締めつけるような切なさを、まだ感じとることができなかった。あれから17年。息子(8才と10才)と一緒にBSで見てみたら、信じられないくらい涙が溢れてきて、自分でもびっくり。息子たちにはまだ分からなかったようだけれど(1番気に入ったのはゲロのシーンだったし)見終わった後、下の子が「もしお兄ちゃんが死んだら、僕の方がよかったって思う?」と聞いてきたので、母はこれでノックアウト。どうでもいい大人のどうでもいい一言で人生を台無しにする必要はないと思いながらも、当の子どもにとっては、何よりも心に突き刺さる一言になりかねないんだなあ、と痛感。実の親ならなおのこと。ちゃんと育てていかなくてはと思い直させてくれたことに多謝多謝。 8点(2003-05-26 15:23:01)(良:1票) |
11. 眺めのいい部屋
イギリスの上流階級の暮らしぶりももちろん素敵でしたが、やはりこの映画の見どころは、なんといってもダニエル・ディ・ルイス! 公開当時、姉と私の間ではヘレナ・ボナム・カーターの「シシル?!」の真似が異常に流行りました。階段の途中で彼女に熱烈なキスをされて眼鏡がずれそうになる仕草も美しいし、その後、踊るように上っていく後姿のなんて愛おしいこと! 彼が彼なりに彼女を愛していたのは見る者には明らかだったのに、淑女的な生き方をしてきた女性ほど、どうしても本能的な男に弱いんですよねえ。私が慰めてあげたかったな、シシル.......。 8点(2003-05-20 14:59:34)(笑:1票) |
12. マイ・ビューティフル・ランドレット
ダニエルディルイスの凄さを知る上で欠かせない1本。「眺めのいい部屋」のシシル役と同時期に、体力自慢のチンピラをするなんて、神業としか思えない! 主人公(男)相手のラブシーンでは、あまりに愛が溢れているので、正直嫉妬してしまったほど。後の「ボクサー」の時も、抑えた演技の中にものすごい愛情を感じたし.....。この人は、愛を表現するのが本当に上手い。差し出した指先とか、ふとした時の視線とか、演技以前の問題かも。とにかく役者の鑑です。「ギャング....」みたいなのはもういいから、もうちょっと痛くないの出て~~~! 7点(2003-04-14 00:52:50) |
13. いまを生きる
暗闇の中、薄明かりを頼りに洞窟へと走る彼等の姿に、思わず鳥肌が立ってしまった。若いって、こういうことなんだな。先が見えない道をひたすら走っていくことなんだな、と。「世界初の空飛ぶデスクセットだ。大丈夫。また来年、同じものがもらえるさ」と、トッドのプレゼントを笑って投げ飛ばしたニ-ルの台詞にも涙、涙。彼のこの一言で、トッドの人生がどれだけ意味のあるものになったことか。ニ-ルが友人達の人望を集めているのが、とてもよく分かるシーンになっていた。とにかく、ピーターウィア-の映画は、音楽が良い。というか、このシーンにこの音でくるかーという、ちょっとはずし気味のところが好み。それがツボにはまる感じ。しかし、この時のイーサンホークは嘘みたいに可愛い。本当にお坊ちゃまみたい。でも、個人的な好みは、ヒゲ面の「恋人までの距離」。 9点(2002-11-12 21:56:04) |
14. 危険な年
大事な情報を伝えようかどうか迷ってあげく、雨の中をびしょ濡れになりながらメルギブソンの元へと歩くシガニ-ウィ-バー。言いたいのに言えなくて、愛しくて愛しくてたまらないという思いで繰返すキス。この映画のこのシーンは、20代の私にとっては、今までで見た中で、最高のキスシーンだったのです。どれだけドキドキしたことか。それに、ピーターウィア-の映画は、音楽の使い方が最高に素敵! 「いまを生きる」も「刑事ジョンブック」も。まさに「粋」という言葉がぴったりだと思うのですが。 9点(2002-11-06 00:12:38) |