1. 現金に体を張れ
《ネタバレ》 「悲劇=喜劇」の証明式。映画史上最高の茫然自失。へにゃにゃ~ 8点(2004-09-07 03:56:57) |
2. 大菩薩峠 完結篇(1959)
《ネタバレ》 死神よりも冷酷、永遠の闇を生きる机龍之介。凄まじいラストシーンでは狂気と悲劇が入り交じり、崩壊する橋からはどこかカタルシスさえ感じられ、複雑に入り交じった感動を覚える。見終わって思えば壮大な物語だった。こういう、時間の流れを感じる映画が好きだ。 6点(2004-08-30 03:03:04) |
3. 大菩薩峠 第二部
片岡千恵蔵は一人別世界。その場の空気が一瞬で緊張し、静かに声が響き渡る。ラスト、槍での立ち回りの迫力は凄まじい。魂から発する演技を見せつけられた。 6点(2004-08-30 02:59:12) |
4. 大菩薩峠(1957)
富士山をバックにした大菩薩峠、この雄大なファーストシーンが物語の壮大さを想起させる。ふてぶてしくどす黒い片岡千恵蔵と、若々しく誠実な中村錦之助。二人を中心に偶然と運命が復讐を中心に交差し、悲劇的な物語が展開する。原作が有名な小説なだけあって、やはりストーリーが抜群に面白い。随所に盛り込まれる立ち回りは緊張感溢れ、神前試合、道場での手合わせ、雪の中、爆破とバリエーション豊富。ダイジェストのように展開が速いが、ダレるよりはずっといい。『宮本武蔵』同様、内田監督の大河ドラマは見事なエンターテインメント。 7点(2004-08-26 22:41:25) |
5. 薄桜記
二人の男と一人の女。怨みと時代に翻弄される三角関係が、運命を赤い血に染めてゆく。いつの時代も複雑に絡み合った恋のもつれ、剣豪・中山安兵衛といえどそう簡単には断ち切れぬのだ。 5点(2004-08-21 23:24:28) |
6. 勝手にしやがれ
恋人は恋をして、ゴダールは映画を撮って、俺たちは映画を観る。 5点(2004-06-03 22:54:37) |
7. サンセット大通り
『何がジェーンに起ったか?』を最近観たこともあって、往年の大女優の晩年の悲劇がずしりと身に染みる。久々に映画を観て嫌な汗をかいた、グロリアさんのラストの狂気。サスペンスというよりホラー。きっとアカデミーの会員は恐ろしすぎて賞をあげるのをためらってしまったのだろう。執事は気味悪く、偏屈し、不気味であるが究極の愛。主人公のジョーはどう見ても売れない脚本家というより映画スターだが、死体の回想という物語の構成は見事。つまるところ、『何がジョーに起ったか?』。 6点(2004-03-03 01:35:27) |
8. エデンの東(1955)
映画史上極悪の看護婦ですなぁ 6点(2004-02-12 12:36:53)(笑:2票) |
9. 天下の伊賀越 暁の血戦
親父さんが斬られた事への無念を余り見ることができず、荒木又衛門の怒りがそれ程伝わってこない。その為「忠臣蔵」の様な仇討の達成感は薄いのだが、それでも市川右太衛門さんはラストに見事な立ち回りを魅せてくれる。流石東映、流石日本映画黄金期。叱咤されながら戦う北大路欣也さんはそのまま親子の関係に見えてしまい、何だか微笑ましい。 4点(2004-02-11 22:42:33) |
10. 宮本武蔵完結篇 決闘巌流島
稲垣監督、三船敏郎主演で撮った「宮本武蔵」三部作の完結編。一作目はアカデミー賞外国語映画賞を受賞しているのだが、中々観るチャンスが無い。是非とも観てみたいんだが。 三船武蔵は武蔵というより三船敏郎そのまんま。圧倒的な存在感。どんな役柄だろうがその豪快な台詞と佇まいで観る者を引き付けてしまう、これが映画スターってもんなんだなぁ。演技力じゃねぇんだ、ここまで来ると。 朝日をバックにした巌流島の決闘が印象に残る一本です。 6点(2004-02-11 22:18:45) |
11. 独眼竜政宗
「風雲児織田信長」に続いて中村錦之助さんが戦国武将の青春時代を演じるシリーズ。本作は伊達政宗。冒頭、政宗だと気付かない老人とのエピソードなどは政宗の人柄、非凡性を表していてとても面白い。しかし政宗が刺客に囲まれ大立ち回りを演じるというシーンがあるのだが、これは現実味が薄くウソくさい。とはいっても錦之助さんの殺陣は凄いのだけれど。 やはり前作同様、こういう映画が月日に埋もれてしまうのはもったいない。 6点(2004-01-20 17:19:45) |
12. リオ・ブラボー
あのじいさんは最高のキャラですね。こんだけシンプルなストーリー、分かりやすさ、だけど2時間20分退屈させない。昔の西部劇もいいなぁ。 最近のハリウッド製アクション映画というのは、制作費の高さやCGのクオリティというものと面白さを履き違え、観終わった後にすぐ忘れてしまうものが多すぎる。もちろんそれらを否定するつもりは無いが、アクション映画の面白さって言うのはそんな上っ面だけじゃない。ギターを弾きながら皆で歌うシーンの素晴らしさを見ると、そんなことを思わずにはいられないのである。 7点(2004-01-11 00:13:06)(良:1票) |
13. 雨月物語
「日出づる国」の幻想物語。息を呑むその美しさに、映画というものが芸術作品であるということを認識させられる。人の心の影に、欲に、そして小さな望みに「物の怪」は潜む。気付いたときに残るのは虚しさだけ。そしてもちろん、我々の心の中にも・・。 8点(2003-12-29 14:16:35)(良:2票) |
14. 風雲児 織田信長
歴史上に実在した人物の映画というのは、特にこの信長のような戦国武将ではそう多くないように思う。実際、自分はこの映画が始めて。それは映画の尺に歴史を収めようとすると、どうしてもダイジェストの様にならざるをえないからだと思う。だから大河ドラマが必要になってくる。 だが本作はとてもよくまとまっていた。信長の豪快さ、非凡さが90分という時間ながらよく伝わり、知識の全く無い自分でも楽しめた。中村錦之助さんも最初は線が細いなぁ、とか思っていたがどんどんハマってくる。 合戦が始まるまでが長く、またその合戦も人数は多いが迫力に欠けていたのは残念だが、このような大作映画がほとんど現在知られていないというのはチト寂しい。 6点(2003-12-26 16:57:17) |
15. 浪人街(1957)
正に就職氷河期な太平の世、江戸。浪人サンも大変なのだ。 この映画の登場人物はみんな人間くさい。良い所もあれば悪いところもある。主人公の荒牧なんてひどい女ったらしで、自分の妻が牛に引き裂かれそうになっている大ピンチに、命が惜しくて助けにいくのを躊躇したりもする。娯楽時代劇のヒーローでは考えられない男が必死で戦うからこの映画は面白いのだ。 7点(2003-12-26 16:52:34) |
16. 旗本退屈男(1958)
市川右太衛門さんの300本目の主演記念映画。片岡千恵蔵、大友柳太郎、中村錦之助、この自分でも知っている顔ばかり! 豪華キャスト、セット、安定したストーリー、そして達人的チャンバラ。東映時代劇の、いや日本映画の黄金時代のパワーを感じさせてくれる作品。 聞けばこの時代の日本の人口9千万人に対し、年間ののべ観客数は10億人以上とか。画面から伝わるエネルギーが、映画の活気が、スクリーンの向こうで盛り上がる当時の大衆のすがたを思い浮かべさせてくれる。 何だか哀愁さえも感じてしまいました。 6点(2003-12-26 16:49:57) |
17. 丹下左膳 怒涛編
松島トモ子に対しては「ライオンに噛まれたオバさん」というイメージしか持っていなかったが、いやいや、恐れ入りました。まさに天才子役。 6点(2003-12-03 20:10:17)(笑:1票) |
18. 血槍富士
ロードムービー風時代劇。可笑しくてちょっといい話がラスト10分までテンポよく続きます。在りそうだけどあんまない、士農工商を叩っ斬る映画 6点(2003-11-30 17:18:21) |
19. 丹下左膳(1958)
時代劇というのは皆ちょんまげで着物を着ているため、古い作品を観ていると誰が誰だか分からなくなることが少なくないが、この作品はそんな事が全く無かった。とにかく一人一人のキャラクターが面白く、豪放な丹下左膳の影が少し薄くなっているほど。そこがちょっと残念。 映画としては笑いあり、歌あり、殺陣ありで面白かったんだけど、左膳の活躍をもっと見たかったなぁ 7点(2003-11-29 23:21:11) |
20. 忠臣蔵(1958)
登場人物一人一人が胸に秘めた熱い意志、その周りの人々との深い壮大な人間ドラマ、超骨太な本格時代劇は見ごたえ十分。侍としての忠義から、多くを犠牲に戦う。昔の日本には、彼らのような男たちがいたのだ。江戸の町を歩く四十七人のカッコいいこと。 8点(2003-11-19 20:09:48) |