1. シェイプ・オブ・ウォーター
《ネタバレ》 ジャイルズの髪はなぜあれだけ中途半端にしか生えてこなかったの? 半魚人がなぜあんなパワーがあるの? あれだけ生えても嬉しいの? 公開当時、鑑賞し、「あ、好きなはずの映画なのに、なんで楽しめないんだろう」と思ったことを思い出して、8年ぶりにみたところ、こんな感想しか出てこなかった 年齢とともに感性が枯れていってるのだろうか・・・ 2mA18/3/15 9thSX [映画館(字幕)] 5点(2025-05-08 22:51:36)★《新規》★ |
2. 否定と肯定
劇場でみた当時、不勉強なせいで、「ホロコースト否認論者」の存在はもちろん、「ロイヒターレポート」なるものを全く知らず、ストリーというか、裁判の行方ばかりに注目していた そして、楽しめたのは楽しめたのだけれど、結局、まあ、そりゃあ勝つよな、というくらいの感想しかもたなかった 10年たって再視聴して、この作品が、なんでも自分で決め、行動することで人生を切り開いてきた、デボラ・E・リップシュタットという学者が、人に委ねることやチームの一員となることを描いているのだな、と感じた。 しかし、そうだとすれば、50歳前後のデボラ・E・リップシュタット教授を、30歳前半の美しきレイチェル・ワイズが演ずることによって(デビッド・アービングを演じるティモシースポールの陰湿さとあいまって)、事実をかなりゆがめてしまっているのではないか まあ、それはそれで、創作というのはそういうものかもしれないが、それにしても扱っているテーマがテーマだけに、もやもやした 裁判長の最後の質問(これは原作にもある挿話なのだが)は、全く意味不明 映画のストーリーとして、最後にドキドキさせる効果はあるけれど、「あれはなんだったんだろう(原作ではそういう扱いになっている)」というフォローがないため、もやもやさせられた そして、まあこれは事実なんだろうが、デボラを支えるリーガルチームが、ほぼほぼ男性なのには驚かされた あれから30年、イギリスは変わっているのだろうか? 1mA18/1/20 3thSX [映画館(字幕)] 5点(2025-05-08 14:24:38)★《新規》★ |
3. ナチス第三の男
緊迫が続き最後まで一気にみせる佳作ではあるが、私的には退屈な時間帯があった というのも、ハイドリヒとレジスタンスの二人、両者が主人公で描かれているのだが、私的にはハイドリヒやその妻のほうが魅力的で、正直、レジスタンスの二人は(風体が似ていることもあって)動向に興味が持てなかったからである (私的には、ハイドリヒの妻と、レジスタンスの片割れの恋人が風貌が似ていて、ちょっと混乱:相貌失認の人がドラマが楽しめないというのは、こういう感じなのかとも思った。 <上映時に鑑賞、25/5/7配信で二度見>24mA19/2/17 ohnSX [映画館(字幕)] 6点(2025-05-07 22:31:40)《新規》 |
4. ハンナ・アーレント
《ネタバレ》 映画のできそのものより、話の前提となる理屈が混乱していて、もやもやする このての映画は、ある程度以上の論理性と知識を有する人間を対象にしているのだろうから、論理や話の筋道を大事にしてほしい ハイデガーとアーレントとの関係の描き方が中途半端 30歳代半ばのハイデガーを、映画公開当時60歳のKlaus Pohlに演じさせているのは、悪意があるとしか思えない と、色々難癖をつけたが、全体とすれば佳作だと思う == 私の理解が間違いなければ、アーレントは(この映画で扱われていることに関していえば)、次の2つを主張している ①アイヒマンは極悪人などではなく小心者の小役人にすぎず、彼の悪は表層的で凡庸である(悪の凡庸さ)がゆえに、容易に社会に広がり世界をむしばむ恐ろしさがある ②ナチの所業にはユダヤ人指導者が関与しており、彼らはなぜ抵抗できなかったのか、彼らのモラルがなぜ破壊したのかという問いを投げかけることは重要である (近年では、①について、あまりにもアイヒマン個人の「悪」を軽視し、自説に都合の良いように単純化されているという非難があるが、これはもちろん映画の中ではとりあげられていない) もやもやするのは、ユダヤ人たちが、①②どちらに怒っているのかがぼやけていること どうやら、最後の方になると②のほうが強調されているようだが、かりに②を非難するのであれば、もうちょっと彼らの理屈を語らせてほしい というのも、アイヒマンの裁判で、ナチにユダヤ人の中央組織を作らされ、その組織が収容所の現状を知りつつユダヤ人移送にかかわっていたことが明らかにされ、しかも傍聴者(多分ユダヤ人)が怒りを訴えて外に出される場面が描かれているからである [インターネット(字幕)] 6点(2025-05-07 11:21:57)《新規》 |
5. 赤い闇 スターリンの冷たい大地で
第二次世界大戦前夜の歴史はそこそこ好きなので大変楽しめた ただ、ロイドジョージの当時の政界での位置がいまひとつよく分かっておらず、ウイリアム・R・ハースなんて名前を初めて聞いたくらいなので、もっと当時の状況の知識を持っていれば、さらに楽しめたと思う 知識なしに、この映画を楽しむのはちょっと難しそう こういう映画で描かれていることは、もっとみんなに知ってもらいたいのだけど、そもそも入口の興味がないとそういうわけにいかないんでしょうね [インターネット(吹替)] 7点(2025-05-04 14:07:38)《新規》 |
6. 花筐/HANAGATAMI
私の中の大林信彦は「学芸会レベルの芝居しかできなくなった日本の役者を使って作るなら、学芸会のような映画で何をやれるかをやってみよう」という戦略をもった監督 最晩年になって、こういう映画になるのは、実に味わい深い みるに値する作品になっている しかし、窪塚 俊介のわざとらしいひきつった笑顔は、やりすぎではないか そして、戦時中の映画をとるのに現代の体格のだけが良い役者を使うのはいかがなものか 旧Jの小柄な人々をつかえば、もっとそれらしくなるんじゃないか なにより、先の世界大戦を被害者として描いていないところは、交換をもったのだけれど [インターネット(邦画)] 5点(2025-05-01 12:34:14) |
7. ゼロ・グラビティ
サンドラブロックの顔がどうも苦手なのと(ごめんなさい)、有人宇宙活動そのものが膨大な無駄だと思っている人間なので、大好きなジョージクルーニーが出ているにもかかわらず、話題になっていたのに上映中に観に行こうとも思わなかった作品 映像そのものはとてもよくできているんだと思います しかし、以前私が仕事で日本の有人宇宙活動の一端にかかわったことで少しは知識があるからなのか、え??なんでなの??これありえなくない?という疑問百出で、ちっともお話に入り込めなかったです(気になって調べたら、私の疑問の少なくとも半分くらいは「ありえない」ということが専門家から指摘はされているそうです) 20世紀のSF映画は、設定無視はお約束でよかったのだと思いますが、さすがに2010年代の映画でこれはないんじゃないかな、と個人的には思ったので低評価です とはいえ、オスカーも受賞しているし、ここの点数もよいので、そんなこと気にしないで見るのが正しい態度なんだなあ、というのが一番の感想です [インターネット(吹替)] 5点(2025-05-01 12:22:59) |
8. 危険な女(1959)
原作の設定をいくつか大きく変えているのだが、それの変更が、いずれも原作の持つ絶妙な心理的描写を消し去っている 結果的に、香辛料を全く使わないで作られた麻婆豆腐のような出来にしかならない 松本清張の短編は、いずれも映画化すると、本当に今一つなのだが、それは、映画化に向かないような短編を選んだり、短編を無理に2時間前後の映像に引き伸ばすからなんだろうなあと思っていた しかし、この、原作が映画化に向きそうで、しかも60分ほどの映画をみて、あらためて、日本の映画スタッフの力量の問題ーつまり、松本清張の短編を映像化するだけの技術や能力がないという問題ーではないかと痛感した [インターネット(邦画)] 3点(2025-04-24 16:14:13) |
9. 君の名は。(2016)
流行った時には見逃していて、10年の時を経て、プライムビデオで初見 ストーリーも素敵だし、アニメもきれいだし、素晴らしい作品 ただ二人の気持ちが深まっていったり求めあったりする感じが、今一つうまく描かれていないように感じてしまったため、作品に入りきれなかったです また、新海監督の作品全体にある、平成のジェンダーに満ちている感じが、あまり好きになれませんでした ただ、これは、2010年代を描いた作品だからといえば、それまでなのですけれど 細かいところだけど、時代背景からいって、長野の田舎の女子高生の三葉があんなふうにスマホを使っているのも少々違和感 [インターネット(邦画)] 6点(2025-04-24 12:22:27) |
10. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 最初に観たときは、あーなるほど!これはうまく作ってるし、やられちゃったなあ、と思った・・・ことを覚えているのだが、どんな映画だったかを全く忘れてしまったので、7年ぶりに久しぶりに見直してみた しかし、「え、だからなんなの?」という感覚しか生まれなかった 素人製作の動画のような、いまいちの動画をみせられたうえで、それの舞台裏(というには「舞台」すらない感じだが)みせられて面白いわけないじゃん、という感覚。 察するに、この8年間、utubeの日常化によって、素人っぽい映像が私の中では飽和状態になっていて、そうした映像を流して観る習慣ができてしまったからではないかと思う ぜひ、みなさんもアフターコロナの時代に、この作品を再度確認してみてほしい ほんとつまらんよ (初見7点+2回目0点→3.5点切り下げて3点) [インターネット(邦画)] 3点(2025-04-24 10:16:35) |
11. 名探偵コナン 純黒の悪夢
シリーズでも、これが一番好きという人も多いと思う 冒頭のカーチェイス(首都高~レインボーブリッジ)から、降谷と赤井さんの登場で魂を持っていかれたかと思うと、記憶を失ったキュラソーと少年探偵団とのせつない交友と・・・ 赤井さんさんが降谷を助けるのも素敵だし、二人のOne on one fight「狩るべき相手を見誤るな」からの~コナンを交えた三人でのコラボの中での松田陣平のエピソード! 謎解きやサスペンス要素がないけれどその分アクションはド派手 そもそもコナンは謎解きがウリじゃないですからね(私感) 個人的にちょっと残念に思うのが、重要な舞台となる二輪式の観覧車 別々の景色が楽しめますとか言っていたと思いますが、普通の観覧車の景色の半分しか観れなくていまいちの欠陥観覧車なんでは? (韓国ソウル上岩洞に世界初二輪交差の大観覧車ができるんだそうだけど) [インターネット(邦画)] 6点(2025-04-23 20:59:28) |
12. 名探偵コナン 紺青の拳
コナンの魅力が上手に詰まった一作。 謎解き要素もサスペンスもアクションも、コナンらしいし、園子のかわいさ、蘭のいやらしさと強さも描かれていて、小五郎もいねむりする 映像も音楽も素敵だと思います。 難点と言えば、みんな英語がめちゃめちゃ下手くそなところ シンガポールイングリッシュを話せとはいわないが、ここまで下手くそなら、普通に日本語でやりとりすればいいだけなんじゃないですかね 日本の昨今の俳優さんの大根ぶりに比較して、日本の声優さんはなかなか上手と思ってますが、英語をしっかり話そうというプロ意識はないんですね、残念 [映画館(邦画)] 6点(2025-04-23 19:33:49) |
13. 名探偵コナン ゼロの執行人
《ネタバレ》 安室さんがコナンに協力してもらうためだけにおっちゃんを逮捕してしまうというラストが腑に落ちず、後味が悪く作品 本物のファンは何回も観に行く 一度しか観なかった私には、無茶苦茶なカーアクション&定例のコナンキックの展開についていけず、正直楽しめなかったです [映画館(邦画)] 3点(2025-04-23 17:29:13) |
14. シン・ウルトラマン
感心したところ ①昭和のウルトラマンというコンテンツを、うまく串刺しにしたところ ②ウルトラマンや禍威獣の造形 ③特撮の美しさ ④ザラブの津田健次郎の声の演技 残念過ぎるところ ①役者のみなさんがまともに発語できない冗長な台詞を多用して台無しになっている脚本 ②意味ありげで意味のない説得力も演出効果もない角度からの撮影 ③長澤まさみにリクルートスーツ・ハイヒールを履かせてローアングルから撮影するという悪趣味な昭和的な映像 ④禍威獣という意味のない醜い言い換え ⑤禍特対という意味のない醜い言い換えと、本設定とは異なるソフトパワーの官僚出向者のチームとしたリアリティのない設定 ⑥もはや使いつくされた、首相官邸や官僚・政治家のもっともらしい、しかし実は全くリアリティのないやり取り ⑦台詞棒読み、学芸会レベルの芝居しかできず、作品を無茶苦茶にしている役者たち [インターネット(邦画)] 4点(2025-04-23 13:48:44) |
15. ギリシャに消えた嘘
原作は読んでいないのですが、申し分ないんじゃないかと想像します リプリー・太陽がいっぱいや見知らぬ乗客なみの奥行きと緊張感はなんとなく感じるんです ヴィゴ・モーテンセンはもちろん、オスカー・アイザックはよい芝居をしています デイジー・ベヴァンは本当に美しいです だけど、なんだか切れがないんですよね キルスティン・ダンストが冴えない(演技もルックスも)だけじゃない 演出とか脚本とか監督のせいなんですかね? 1960年代を感じさせないし、なんだかよくわからないけど、緊迫感なく、だらだらと話が続く感じです この原作でもう一度ちゃんと撮ってほしいと思います ヴィゴ・モーテンセンが現役のうちに、ぜひ [インターネット(字幕)] 4点(2025-04-19 22:38:59) |
16. 天城越え(1983)
原作は短編で、至極シンプルで、作者の伝えることシンプルに伝わる佳作なのに、映画にした途端に、冗長でわかりづらく退屈な駄作になってるのは何故なのか 単に映画化に向かない作品を映画にしてしまったからなのか、脚本や監督や俳優が下手っピーなせいなのか、日本映画が堕ちるところまで堕ちているからか、よくわからないけれど、すごく残念な気持ちに包まれる作品である [インターネット(邦画)] 3点(2025-04-18 04:45:18) |
17. ボヘミアン・ラプソディ
クイーンやフレディマーキュリーって、こんなだったんだねーっていう情報の方に圧倒されて、フレディをよくここまで演じ切ったなあという感想にはあまり至らなかった クイーンが色モノだったなんて1ミリも感じてなかったもんなあ とにかく単に音楽がかっこいい、としか当時の日本人たちは思ってなかったんじゃないでしょうか だからあの要望も、きっとかっこいいんだろう、と少なくとも私は感じてました そしてその後のことだけれど、あの時代のエイズへの恐怖も今になると、不思議な感じがする TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて視聴 11/19/18 with A oh [映画館(字幕)] 7点(2025-04-17 23:49:46)《更新》 |
18. はじまりへの旅
ヴィゴ・モーテンセン主演ということで視聴 ストーリーや脚本の説得力の無さを、俳優の演技でカバーしてる、という感じでしょうか 妻との関係とか出会いとか、なんであんな教育になったとか、多分設定にはあるんでしょうが、脚本的には全て無視して、俳優さんのお芝居でなんだかお話の世界に引き摺り込まれました きちんと育つって重要だな、この作品のテーマとは多分全然違う妙な感想を持ちました [インターネット(字幕)] 6点(2025-04-17 21:45:12) |
19. 影の車
橋本忍脚本野村芳太郎監督のペアが頑張ってはいるのだけれども、短編小説を映画にまで拡げた無理がどうしても感ぜられる それに回想場面のエフェクトが、どうにもこうにも気に障る(どうやらものすごい予算をかけて作ったらしいので、引き返せなくなったのだろうが) 昭和40年代の田園都市線の風景が垣間見られて興味深い 金曜日の妻たちは、この作品のオマージュなんだろうか? それにしても、日本旅行と東京生命保険(現T&Dフィナンシャル生命保険株式会社)もこんな不倫ずぶずぶ作品に、よくぞ協力のクレジットを出したものだ いまじゃ、大変な騒ぎになるぞ [インターネット(邦画)] 4点(2025-04-17 13:48:37) |
20. ゼロの焦点(1961)
みなさんも書いておられるが、橋本忍&山田洋二のシナリオのテクニックがすごい 何もこんなコンパクトにすることはないんじゃないかと思うが、これはおそらく興行上の理由なんだろうし、それにきっちり答えているのはすごい まあ、こういうプロットは使いつくされているので、3分の1くらいで、だいたいどんな話になるのかが分かるし、脚本のすごさにくらべれば、監督、音楽、俳優さんたちは、特筆するところはない しかし、この脚本で、今の日本の監督、音楽、俳優の人たちにやらせたら、学芸会レベルになるような気もする 戦後の日本の歴史の中で押しつぶされそうになりながら、必死に生きてきた女たち、というイメージがあるかないかでもだいぶん違うだろうし [インターネット(邦画)] 6点(2025-04-17 13:38:09) |