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《ネタバレ》 悪魔が憑いていたのかどうなのか、を法定で争うというネタ自体はいいのだが、最後まで面白い展開にはならなかった。
悪霊に取り憑かれたのか,精神障害だったのか、の事実認識で二転三転するドラマなら楽しめただろうが、残念ながらそうではなく、悪魔に取り憑かれていたことはほぼ確定で話は進む。 ホラーと言うよりヒューマンドラマな作りだが、特に心動かされるものはなかった。 「神父は被害者を愛していた」云々を最後に主人公に語らせ、そこで感動させてやろうっていうのがクライマックスのキモなんだろう。しかし、神父がエミリーを「愛していた」というくらい大事に思っていたと思わせる描写がほぼなかったので、このキモの部分がうまく機能しているとは思えない。 有罪だけど、刑罰はなし、という結末は、どんでん返しとしては面白いけど、刑罰なしとなった理由が語られず何だかモヤっとする。 この映画、冒頭にも語られるように事実をベースにしたお話なのだが、調べてみると現実には、検察側は罰金刑のみの軽い処分を求めていたのに、判決はそれより重い刑である勾留6ヶ月(執行猶予付き)だったという。事実ベースのものでも、ある程度の脚色はあってもいいと思うが、根本のところが事実と完全に真逆というのではさすがに問題がある。 ところで、聖書において、神は何度も理不尽に人々を苦しめるのだが、現代になってもその傾向は変わらないらしい。本作では、エミリーの「どうして私を苦しめるのか」という問にマリア様は何も答えない。この理不尽と意味不明さ、これこそがキリスト教である。 【椎名みかん】さん [インターネット(吹替)] 4点(2025-05-20 23:08:57)
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