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《ネタバレ》 四十七士に討ち取られた吉良は実は影武者だったという話はこれまでも「必殺忠臣蔵」等で描かれているが、本作は吉良が松の廊下で浅野に斬られた際に致命傷を負い、双子の弟を影武者に仕立てるというなかなか斬新な設定で、忠臣蔵映画としては完全に吉良側の視点から描かれているというのも新鮮。とはいえ、全編シリアスタッチではなく、コメディー映画。脚本が「超高速!参勤交代」や「引っ越し大名!」を書いていた人、それになんといっても吉良と主人公であるその弟を演じるのがムロツヨシというところが大きい。とくに前半は兄の影武者に仕立てられた考証=ムロツヨシのキャラの面白さで突っ切っている感じがあり、ノリに慣れるまで少し時間がかかってしまったが、慣れるとけっこう楽しく見れる。冒頭に大石(永山瑛太)と考証の出会いを描いておいて、のちに遊郭で再会した二人が友人になるという展開も面白く、ここからはどう討ち入りまで持って行くのかに興味が沸いた。後半は大石に考証が自分の正体を明かしたあたりからシリアスさが出てきて、兄の身代わりとして潔く討ち取られようという考証の決意は前半のおちゃらけた彼とは違うかっこよさがあり、とても印象的だった。討ち入りでどうなるかはけっこうハラハラしながら見ていたのだが、そう来るかという感じで思わず納得してしまった。(話は忠臣蔵を基にしたフィクションながら、実際にこうだったとしても違和感はないと感じる。)討ち入りを成し遂げた後、吉良側の生き残りが追ってくるのは今まで観た事のない展開だが、そこから急にラグビーが始まってしまうのはあ然としてしまった。とはいえ、こういうのは嫌いではなく、ブラックさに思わず笑ってしまうものの、やはりちょっとやりすぎで浮いてしまった感じがしたのが残念。
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2025-06-09 00:00:07)
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