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ダーティハリー のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ダーティハリー
製作国
上映時間102分
劇場公開日 1972-02-26
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,シリーズもの,犯罪もの,刑事もの,ハードボイルド
レビュー情報
泥沼化する戦争中のさなか、人権派が発言力を増す1970年のアメリカの状況で
有無を言わさず悪人にマグナムをぶち込むイーストウッドの姿はさぞ爽快だっただろう。
当時のフィルムの特徴なのか、疲弊しきったアメリカの特徴なのかは分からないが
人も含め街全体がピリピリとした殺伐な空気は独特なものがある。

イーストウッドの魅力とともに、やはりマグナム44が印象深い。銃といえば開拓時代からの
アメリカのシンボル。だけど生死を分かつ要因が、腕の差より運の要素が強くみえてあっけない。
生死の差がドライすぎる。死ぬときは簡単に死ぬ。

しかし、考えてみれば銃大国であると同時にアメリカは宗教大国でもある。
基本ぶっ放すだけというシンプルな殺人道具である銃に、一神教を重ねてみれば合点がいく。

より厳しい修行を積んだ者が強い、相対的な東洋の英雄像。
技を磨く過程、主人公の成長に魅力やカタルシスを覚える。
敵もまた修行してお互い切磋琢磨し、いつのまにか分かり合う時もある。昨日の敵は今日の友。
善悪ではなく、因果応報による理と理のぶつかり合い。

に対して、生まれながらの才能が絶対的な力を持つ西洋的なヒーロー像。
初めから強い。苦労して強くなるイメージがない。たまに修行の場面があるときはだいたい、
謎の東洋風マスターがあらわる。基本主人公は強い。弱みなどみせないし、
グダグダなやまない。戦って勝つ。敵の弾は当たらない。敵に有無を言わせない。
正義は強い。強いから正義の世界。俯瞰すれば悪すらいない。
正義ともう一方の正義の戦い。勝てば天国負ければ地獄。
この絶対的なカタルシスの背景に、神に選ばれてる感、創造主をイメージするのだろう。
michellさん [地上波(字幕)] 7点(2016-04-07 00:19:59)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 182件
作品の平均点 7.53点
作品の点数分布
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221.10%
300.00%
431.65%
5105.49%
62614.29%
74625.27%
85027.47%
92312.64%
102212.09%
作品の標準偏差 1.54
このレビューの偏差値 47.75
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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