| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 十数年ぶりの再鑑賞です。香港の映画作家が、アジア系のミュージシャンを主演にして米国でロードムービーを撮るとなれば、何かしら特別な意味を期待してしまうけど、残念ながら、そのようなものが見出せる映画ではありません。
物語は、限られた場所での会話から登場人物の背景を想像させるスタイルで、いわば短編小説のような味わいですが、さほど中身のない話をお洒落にカッコよく撮っただけともいえる。メンフィスの話も、ラスベガスの話も、要するに「失ってはじめて大切な存在に気づく」ってことだけど、それほど独創性を感じさせるエピソードともいえない。 テキサス出身でニューヨークを拠点に活躍するノラ・ジョーンズにとっては、米国を縦断するロードムービーに出演する意義もあろうし、その土地にまつわる音楽を選ぶ意義もあろうけれど、残念ながら、王家衛の脚本や映像には米国の土地に対する関心が感じられません。とくにメンフィスのエピソードは、あえてメンフィスを舞台に選ぶ必然性をまったく見出せない。メンフィスの風景が映し出されるわけでもなく、歴史が垣間見えるわけでもなく、黒人と白人の関係性が浮き彫りになるわけでもない。ネットの情報によれば、たんに予算の制約からロードムービーを撮ることになっただけらしい。 ノラ・ジョーンズをはじめとして俳優陣の演技は悪くないと思います。オマケの7点。 【まいか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-06-17 05:38:10)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |