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ラースと、その彼女 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ラースと、その彼女
製作国米,カナダ
上映時間106分
劇場公開日 2008-12-20
ジャンルドラマ,ラブストーリー,コメディ,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 この作品は、人形を恋人と勘違いしている変な男の話だと思われているが、そうではない。ラースという心やさしい青年が、かけがえのない人の「死」をどのように受け入れるのかという物語なのである。ラースの母は、ラースを産んだときに亡くなっている。いわば、ラースはかけがえのない母を初めから失った状態で産まれてきたのだ。それは、大切な人を喪失するという体験ができないままに、失ってしまったということを意味する。ラースの兄夫婦に子供が授かり、やさしい義姉の出産が近づくことでラースに変調が訪れるのは、義姉が出産によって死んでしまうという恐ろしさゆえと考えられるだろう。だから、ラースは、人形であるビアンカの死を看取ることによって、たとえ義姉が出産ゆえに亡くなってしまうとしても、受け入れられる自信を得たのではないか。大切な人を愛するということは、その人をいつ失ってしまうだろうかという恐れと隣り合わせである。ラースの愛は、たとえ大切な人が死んでしまったとしても、ラース自身は歩き続けて行けるんだという自信に支えられている。この洞察はものすごく深い。
wunderlichさん [映画館(字幕)] 9点(2009-08-10 15:54:24)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 47件
作品の平均点 7.30点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.47
このレビューの偏差値 57.86
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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