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《ネタバレ》 軽いタッチの幽霊コメディはTVドラマとか含めて多々あるとは思いますが、多くの場合は主人公が幽霊となって家族や恋人に会いに行くも、触れることはおろか姿も見てもらえないし声も届かない。そんな状況でいろいろなことが起き、幽霊の主人公が苦悩したり煩悶したり、そしてその末に安堵してあの世に旅立つ、みたいな展開が多いのでは?
本作はイキナリ母親が霊能力者というか、普通に幽霊が見えちゃう。だから、主人公は幽霊なのにお母さんと会話出来るし、挙句、先に帰宅していた数年前に故人となった父親までもがその輪に入る。てか、主人公が新たに輪に入るというのが正しいのかな? なので、幽霊話というよりも普通に繰り広げられる家族の会話。死んでんだか生きてんだか分からないというのが面白いですね。そして、その状況だからこその家族の在り方の振り返り。主人公が死んだことをひとつのピリオドにして、その生き様や家族との関係性を再検証するといったスタイルで話が進んで行きます。まぁ、死んじゃって幽霊なのは確定なので見えたり聞こえたりしても触れ合うことは出来ないという所はさり気なくキッチリ描かれているところは好感です。 結局、生きている者も死んでしまった者も何かしら心に抱いていたわだかまりのようなものが、ともに振り返ることで剥がれ落ちて行く。そして、死者は行くべきところへ、生者は新たなる一歩を踏み出す、そんなイメージで観終えました。ラストのスナップ撮影。母親の右の空間に居たであろう主人公(もしかしたら父親も)は、写り込んだ後に母親の見つめる天高く旅立って行ったのですね。良作でした。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-07-12 13:01:23)《新規》
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