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街の野獣(1950) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 街の野獣(1950)
製作国
上映時間95分
劇場公開日 1954-10-15
ジャンルドラマ,モノクロ映画,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
実景による街の俯瞰ショットは、人間の矮小さをも際立たす。冒頭で闇の街中を逃げ回るリチャード・ウィドマークの人影もその卑小さを強く印象付け、続くジーン・ティアニーのアパート階段上から彼を捉えるカメラアングルもまた、その勾配がもたらす遠近法によってその孤立を駄目押しするかのようだ。一方の屋内空間では、極端なパースを活かした構図や仰角画面によって顔面はいびつにデフォルメされ、空間の狭さが強調される。これら「見晴らしの悪い夜の屋外実景」と「窮屈な屋内セット」の二段活用は、何処へも「逃げ出せない」という主題と、物語の結末の暗示ともなる。終盤の逃走場面に登場する工事現場内の狭いらせん階段の歪曲と闇がもたらす切迫感、レスリング場面の張り詰めた重量感と迫真性も非情に見事である。
ユーカラさん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-09 22:11:47)
その他情報
作品のレビュー数 6件
作品の平均点 8.83点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.07
このレビューの偏差値 51.46
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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