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半分の月がのぼる空 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 半分の月がのぼる空
製作国
上映時間112分
劇場公開日 2010-04-03
ジャンルドラマ,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 映画は時制の仕掛けを用いた、流行ともいえる「辻褄合わせ」的サプライズを用意する。しかし、伏線の控えめさと、その転機をさりげない振り返りとカットバックで処理するシンプルな手際によって賢しさを感じさせることなく、笑顔の忽那汐里の写真とともに静かに感動を盛り上げる。

この仕掛けの要請もあって、劇中では年代を特定するような装飾は極力排され、美術も落ち着いてすっきりしている。

その分、シーツやパーティション、カーテンの白布の白さが格段に引き立ち、手持ちの微細な揺れの中で光とシルエットと風が強く印象づけられる。

ベッドに並んで横臥する池松壮亮と忽那汐里が被るシーツが、月光を受け光を帯びる。その柔らかな光の感触が素晴らしい。

ランプシェードの光に照らされる大泉洋の横顔。ラストで月光のスポットライトに照らし出される窓辺の二人。その労わりの光が優しい。

宮沢賢治の一節も、会話劇の中に効果的に引用されていて胸を打つ。

ユーカラさん [DVD(邦画)] 9点(2011-02-27 22:09:18)
その他情報
作品のレビュー数 18件
作品の平均点 6.89点
作品の点数分布
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100.00%
200.00%
315.56%
415.56%
5316.67%
6316.67%
7211.11%
8316.67%
9422.22%
1015.56%
作品の標準偏差 1.94
このレビューの偏差値 55.61
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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