Menu
 > 作品
 > サ行
 > 残菊物語(1939)
 > ユーカラさんのレビュー
残菊物語(1939) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 残菊物語(1939)
製作国
上映時間143分
劇場公開日 1939-10-10
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 何度目かの再見で、新たに気づかされるのは音響に対する作り手の意識の高さとその達成である音の豊かさ。
長門洋平氏の著作『映画音響論』での詳細な分析とユニークで斬新な解釈に触発されて見返したわけだが、
フレーム外から聞こえる物売りや行商人の掛け声、囃子など、その対比としての沈黙の用法・タイミングまでよく考え抜かれているのがよくわかる。

まるでヒロインの表情を見せまいとするようなフレームサイズ、構図、陰影。加藤幹郎氏を始めとして散々指摘されてきたことではあるが
その分、森赫子の済んだ声音はより際立って美しい。

長門氏によるラストシーンの解釈に全面的に首肯するわけではないが、冒頭シーンとの対照という意味でも、「ありうべかざるものを、
ありうべきものとして」描いたとするそのユニークな解釈はとても興味深い指摘である。

十分に分析されつくしたかに見えても、さらなる味わいと解釈を許容する傑作の奥深さを思い知らされる。
ユーカラさん [ブルーレイ(邦画)] 10点(2016-07-06 23:59:20)
その他情報
作品のレビュー数 25件
作品の平均点 8.88点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
414.00%
514.00%
600.00%
700.00%
8416.00%
9936.00%
101040.00%
作品の標準偏差 1.48
このレビューの偏差値 55.12
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
残菊物語(1939)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS