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《ネタバレ》 伊集院光氏と大学2回生の長女。信頼出来る2人のススメにより劇場鑑賞。多分これが無かったら観ていないと思われます。それほどに教皇と言われてもピンと来ませんし、何より敷居が高い。ところがどっこい。全然大丈夫。いや本当は大丈夫じゃないかもしれませんが、問題なく楽しめました。かなりエンターテイメント色強し。それでいて問題提起もメッセージもある骨太な映画でした。
選挙自体は、民主主義を選択した私たちにとっては身近な制度です。とはいえ、教皇選挙=コンクラーベは単純な多数決ではありません。有効得票数を獲得するまで何度でも、何日でも、投票を繰り返します。少数支持者は有力候補者へ強制的に投票を促されるルールもありません。長年培われてきた技法は、議論を尽くせという意味でしょうか。あるいは求心力と人間力を示せという意味でしょうか。果たして今回のコンクラーベは歴史を変える画期的な結末を迎えました。この結果をどう捉えたらよいのでしょうか。ほんの少しでも野心をみせた者、すなわち自分自身へ投票した有力者は皆脱落しました。テロによる爆発はまるで神の怒りを買ったかのよう。いや、いや、いや。そんな訳ありません。最初から最後まで前教皇の描いたシナリオ通りに進んだとみて間違いないでしょう。秘密裏に加わった最後の枢機卿を受け入れること。不適格者をきちんとふるい落とすこと。そして新教皇の素性を知って尚、受け入れる度量をみせること。主人公はまさに前教皇の期待に応えた選挙管理者でした。この選挙結果をもって、大失態と罵られるか、英断と讃えられるか。これからカトリック教会14億人の真価が問われます。 【目隠シスト】さん [映画館(字幕)] 8点(2025-05-18 06:24:36)
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