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晩春 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 晩春
製作国
上映時間108分
劇場公開日 1949-09-13
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
小津の作品は当然にしてコメディだと形容できるのだが、あの切り返しだけはあまりに凄まじく、ホラーと呼んでしまいたいくらいである。それは『散りゆく花』のなかでグリフィスがリリアン・ギッシュに向けた視線に近い感覚の何かであり、それは様式美であり、愛である。さて、小津の一作品を論じる意味があるのだろうか。小津とは反復であり、心地よい音楽であり、様式美である。娘を重宝しすぎた父親と、沢庵の切れない(嫉妬深い)婚礼期を過ぎた生娘の物語はあまりに中庸に始まり、凡庸な結末を迎える。だがそれを心地よく反復される台詞と仰角の、または特権を与えられる切り返しの、ほんの少しの恐怖が「映画」を形成してしまう。小津はマニエラであり、マニエリスムである。ミケランジェロであり、カラヴァッジオでもある。普遍的であり畸形であるのだから畏怖する以外仕方がないではないか。
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-02-07 14:01:23)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 79件
作品の平均点 7.73点
作品の点数分布
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100.00%
200.00%
322.53%
433.80%
511.27%
61316.46%
71316.46%
81620.25%
91924.05%
101215.19%
作品の標準偏差 1.72
このレビューの偏差値 57.67
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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