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日本侠客伝 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 日本侠客伝
製作国
上映時間98分
劇場公開日 1964-08-13
ジャンルアクション,ドラマ,シリーズもの,ヤクザ・マフィア
レビュー情報
仁侠映画のハシリだが、もう型が出来かけている。ラストが仇役の家でなく作業場ってのがやや踏み外しているほかは、石松的馬鹿役の長門裕之がチョロチョロしたり、大木実と品川隆二の友情が敵味方になるってのは『昭和残侠伝』の原型のようであり、分かりながらも泣きこらえつつ錦之助を送り出す三田佳子とか、すでに安定した型を成している。悪役は「近代」であり政治家や軍に近く、善玉は滅びることを意識している。自分たちをも邪魔ものと認識して、そこにラストの悲壮味が倍加する。『次郎長三国志』ではワッショイワッショイと担ぐ次郎長という元気な親分がいたが、これからの仁侠映画になるとそこが空になる。そこにニヒリズムというかペシミズムが生じる。「最後の親分」は途中で病死するか、悪役に卑怯な形で殺されるかするのだ。しかし何だな、これらの運送業者たちはやがて企業に吸収されていくのは目に見えており、仁侠映画の底にあるのは、近代で切り捨てられたものに対する共感なんだな、あるいはその怨霊鎮めというか。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 6点(2010-03-03 12:07:30)
その他情報
作品のレビュー数 12件
作品の平均点 6.33点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.18
このレビューの偏差値 47.60
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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