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ゲッタウェイ(1972) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ゲッタウェイ(1972)
製作国
上映時間123分
劇場公開日 1973-03-16
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,ラブストーリー,犯罪もの,小説の映画化,バイオレンス,ロードムービー
レビュー情報
《ネタバレ》 ペキンパーでは「男の美学」的なコッテリした作品が尊重され、たしかに『ガルシアの首』など傑作だと思うが、本作のサラッとしたイキのよさも好きだなあ。主人公はけっこう心に鬱屈を抱えているけど、なにせマックィーンだから、立ち居振る舞いはサラッとしている。もっぱら脇筋がコクを担当。追い続けるルディのしつこさはペキンパーの真骨頂だし、それに絡む倦怠期の獣医夫婦は笑いを担当しながらも、主人公二人の対照物として重要な存在。ベッドサイドで縛られている医者の亭主と、女房、ルディの図ってのは、牢屋にいたときのマックィーンと、アリ・マッグロー、ベン・ジョンソンの形と相似で、しかし女の心情が決定的に違うところが対比によってハッキリする。同じ「車の中の不自由」という状況、主人公二人はゴミにまみれてもなぜかベトベトした生ゴミはよけられるのに、獣医夫婦は人間用の車の中にいてさえスペアリブのベトベトまみれになっている。医者は拘束された後にカタストロフを迎えたが、こちらの夫婦はゴミ回収者という拘束から解放され愛の回復を確認する。だいたいアクションもので男女を描いた部分なんてオマケ的要素が強いんだけど、これは夫婦愛の回復が話の本筋になっていて、しかもそのことがアクションの醍醐味を薄れさせていない。またロッカーコソドロのカウボーイハット男、これももっぱら笑い担当なんだけど、鞄の中を見てウキウキするところなんか、チンケな野郎の束の間の夢がいじらしくさえ感じられて、記憶に残る。そしてラストの銃撃戦、銃声と静寂・リアルスピードとスローモーションのカットつなぎの名人芸。大好きな映画です。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-09 10:11:37)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 87件
作品の平均点 7.33点
作品の点数分布
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111.15%
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566.90%
61820.69%
71618.39%
83135.63%
91112.64%
1044.60%
作品の標準偏差 1.44
このレビューの偏差値 58.09
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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