タイトル名	カンゾー先生
製作国	日
上映時間	129分
劇場公開日	1998-10-17
ジャンル	ドラマ,コメディ,戦争もの,医学もの,小説の映画化

《ネタバレ》　少数意見だと思うが、私は晩年の今村作品の中ではこれが一番好きなの。60年代のこの人の気分が感じられて。カンゾー先生、和尚、モルヒネ医らの怪しい男集団に、初期の彼の作品の猥雑感が思い出されてくる。学究の徒となり中央で認められる成功話になりかけるところで、ニガみが湧き出してくる構成。せがれが生体解剖やってやせんかというためらい、顕微鏡探し回っててバアちゃんを死なせてしまう失敗、その葬式で聞こえてくる東京の拍手、ここらへん最後まで迷う医者なのである。周囲の連中も、なにやら道を踏み外していく。その踏み外させる元凶としての肝臓炎＝戦争に焦点が絞られていく。そしてラストが『神々の深き欲望』を思い出させる舟に漂う男女。そりゃ最盛期のバイタリティーには及ばないものの、これ『復讐するは…』以後では、一番今村らしい作品になったんじゃないか。

作品のレビュー数	44件
作品の平均点	5.59点
作品の点数分布	0 0 0.00％ 1 1 2.27％ 2 0 0.00％ 3 4 9.09％ 4 4 9.09％ 5 11 25.00％ 6 10 22.73％ 7 10 22.73％ 8 4 9.09％ 9 0 0.00％ 10 0 0.00％
作品の標準偏差	1.56
このレビューの偏差値	59.94 ※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値