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偽大学生 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 偽大学生
製作国
上映時間94分
劇場公開日 1960-10-08
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 誰が正義なのか、誰が弱者なのか、誰が被害者なのか、と簡単に割り切れない社会の根を物語の設定に据えるの、初期の大江健三郎はうまかったが、これなんかそう。偽大学生をひとり60年安保時の学生集団に据えることで、権力の対抗者だけではなかった彼らの、特権性・エリート意識・権力志向をえぐっていく。学生たちは、その闘争の目標とするものにどこかで安住しているところがあり、コンパで偽大学生のジェリー藤尾が「学歴なんて関係ないんだ」ってはしゃぐところが皮肉。で仲間に警察のスパイと疑われて監禁される。“進歩的文化人”教授の船越英二も印象深い。偽証による学生たちの保身のあたりが、見ていて一番チリチリと来るところで、正義づらした・弱者づらした加害者たち。集会でジェリーが許しを乞うあたり、若尾文子の発言をエヘラエヘラ流すあたり、現場検証の場で偽学生を見る視線など、見事。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 8点(2009-01-03 12:13:20)
その他情報
作品のレビュー数 2件
作品の平均点 8.50点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.50
このレビューの偏差値 30.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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