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左ききの狙撃者 東京湾 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 左ききの狙撃者 東京湾
製作国
上映時間83分
劇場公開日 1962-05-27
ジャンルサスペンス,モノクロ映画,刑事もの
レビュー情報
《ネタバレ》 『東京湾』というタイトルだが、舞台は荒川沿いが主で、あそこらへん下町好きの人にとっては嬉しい映画だろう。山の手から麻薬犯罪が千住・立石・小岩に広がっていった、という設定。浅草松屋の屋上での金渡しから、押上までの逃走もある。街の喧騒から遠く離れておばけエントツの見える川辺にひっそりと暮らしている戦友。これらの町の捜査シーンを、ドキュメントタッチで見せていく。捜査官がこっそり撮影していた8ミリの映像なども出てきて、今でこそ珍しくないが、こういう映画内映像が緊張感を出すために使われ出した最初のころではないかな、『天国と地獄』よりも早い。仕事熱心で妻に逃げられた刑事がその戦友と繋がれるってのも、穏やかな家庭生活よりもまだ戦争の影のほうが濃かった時代を思わせる。サスペンス映画としてはもひとつ鮮やかなシーンが欲しい気もするが、いい映画でした。一番嬉しかったのはベテラン脇役のオンパレードで、タイトルが出る前に死んでしまう役が浜村純だったりと贅沢。最近の映画は脇役に魅力が乏しく、これは俳優のせいではなくてシナリオが痩せてきているのだろう。主人公とその周辺数人でドラマを閉じてしまう。社会を全体で捉えようという意思がなく、登場する他者とは、カーチェイスのとき逃げ惑うだけの個性のない他人の群れになってしまっている。これってかなりまずい傾向なんじゃないか。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2009-06-21 12:03:25)
その他情報
作品のレビュー数 2件
作品の平均点 6.50点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.50
このレビューの偏差値 70.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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