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廃市 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 廃市
製作国
上映時間105分
ジャンルドラマ,青春もの,小説の映画化
レビュー情報
蛍、昼の月、水藻などのアワアワした世界が広がっている。作中の言葉を使えば「道楽」の世界。「本来の仕事を忘れてそれ以外のことにふけり楽しむ」ときの心のゆとりというか、合いの手を入れるオルゴールの音や花火の音が、それこそ「道楽」の雰囲気でした。ハッと気を取り直すようで、またそこに没入していってしまう。自分は愛されていないと思いたがっている人たちの物語で、愛されるのが怖いというか、他人の心をおもんぱかることの傲慢さを自ら封じてしまってるというか、みんなの思いがそれぞれ孤立して、流れ出さず淀んでいる町。頽廃への傾倒、意志のなさ、行為に対する不信、というより面倒くささか。舟で見る歌舞伎の遠景のシーンの、古い記憶のような懐かしさ。全体のトーンからすると、ちょっとクサいところはあって、根岸季衣が顔をピクピクしたり、ラストの三郎君の叫びとかありますけど、それらが目立つほど全体のトーンはいいの。ラストの「列車の窓から」を除いて風景が広がらないのもいい。もう二度とこの夏を繰り返すことができない取り返しのつかなさが、大林監督のモチーフだな。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 9点(2012-12-17 09:58:16)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 11件
作品の平均点 6.27点
作品の点数分布
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219.09%
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8327.27%
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作品の標準偏差 2.00
このレビューの偏差値 56.79
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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