Menu
 > 作品
 > ク行
 > グリード(1924)
 > なんのかんのさんのレビュー
グリード(1924) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 グリード(1924)
製作国
上映時間100分
ジャンルドラマ,サイレント,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
単なる金の亡者ってんじゃないの。倹約狂とでもいうか、腐りかけた肉を買って釣銭をもうけるあたりの壮絶さ。しかもきっかけが宝くじを当てた、ってのが面白い。ちょっと視点がずれれば落語の「芝浜」ふうの美談にもなるところが、あちらだと「悪」とか「妄執」とかいったもののエネルギーを発見していってしまう。醜いものそのものが、もう社会批判の材料といった役割を越えて、作品の動機になってる。性悪説というのとも違うんだろう。コッテリした肉食民族だなあ、としみじみ思う。旧約聖書といまだに通じている。それでいて情熱を描きながら、なんとなく冷ややか。海岸にたたずむ人々の荘重な構図。あるいは殺しの場、クリスマスツリーが両脇にあって、真ん中のドアを押して奥へ行き、左から斜めの光が二三本はいってて、惨劇の装置としてこの上ない。市井の事件が、まるで神々の物語のように昇華されていく。そしてラスト、地平線も定かでないように、世界全体が白く光っている。箱庭的な日本文化と一番遠い世界だろう。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2010-11-13 09:57:20)
その他情報
作品のレビュー数 8件
作品の平均点 8.12点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6225.00%
7112.50%
8112.50%
9225.00%
10225.00%
作品の標準偏差 1.54
このレビューの偏差値 45.23
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
グリード(1924)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS