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暖流(1939) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 暖流(1939)
製作国
上映時間124分
劇場公開日 1939-12-01
ジャンルドラマ,ラブストーリー,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
最初、主人公をどの程度肯定的に描いているのかハッキリしないうちは、ちょっとイライラした。己れに疑いを持たぬ「竹を割ったような」行動派を美化していると見ればいいのか。喫茶店で紅茶注文しといて、すぐに食事に誘い出してしまうのが、当時の「男らしい」だったのか、などと。しかし途中から「女同士の義理」みたいなモチーフも浮きだしコクが出、最後には佐分利信の生き方に疑問を与えるようなラストで、これなら満足。なんとなく相思相愛の一組があるのに、思い過ごしや遠慮や義理やで、うまくいかない。決して劇的な障害があるわけでもないのだけど、うまくいかない。女二人のどちらにも肩入れしないで、均等に扱ったのがいいのかも知れない。高峰三枝子に力を入れると「いい気なものだ」式の話になってしまうし、水戸光子に力を入れると「女のガムシャラな愛」ということでちょっとギラギラしたものになってしまう(後年の増村保造はそれを狙う)。美術では当時のモダンぶりが味わい。女たちの対比も織り込んでいるのだろうが、神田の喫茶店、白と黒に染め分けていて、カップまで白と黒になっている。でも上流家庭の描写は、地に脚が着いてないというか、日本人には苦手ね。日本の戦前の上流家庭とは、案外こんなもんだった、という可能性もあるけど。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2012-09-19 09:52:55)
その他情報
作品のレビュー数 5件
作品の平均点 6.60点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.02
このレビューの偏差値 53.85
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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