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山の音 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 山の音
製作国
上映時間95分
劇場公開日 1954-01-15
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 若いときに一度観ていて、チンプンカンプンだった。こちらもヨワイを重ね、そろそろ作品の滋味がしみじみ堪能できるようになったかも、と観てみたが、まだ駄目だった。ポイントは、舅と嫁の、思いやり以上・恋情未満の心の揺らぎなんだろうが、なんか作り手がそこに焦点を当てないように当てないようにしているみたい。それがデリケートな味わいを出すためというより、別のモチーフを隠すために撹乱しているような気もして、どうも素直に観られない。「つんけん」とか「鬱陶しさ」とか「不和」とか、成瀬のモチーフは遍在している。いつもならそれらが「納まるべきところに納まらない」我々の世界への微苦笑へと解消されていくんだけど、これは苦いだけ。成瀬作品では珍しく上流階級が舞台になっていることと関係があるんだろうか。男たちは東京に通勤していてもその世界は鎌倉と会社に閉じており、かえって出戻り娘や上原謙の愛人ら女たちが、外の世界の荒々しい風を作品に導いている。その現代の戦後女性群に対し、嫁の菊子だけが古風な戦前女性として設定されていて、その彼女が中絶するところに当時はもっと衝撃があったのかも知れない。山村聡が杉葉子と路地を歩くあたり(原作によると本郷)に成瀬の味が匂いたち、やっぱり鎌倉よりこっちのほうが似合う監督なんじゃないか。
なんのかんのさん [DVD(邦画)] 6点(2010-10-19 09:57:49)
その他情報
作品のレビュー数 22件
作品の平均点 6.50点
作品の点数分布
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414.55%
5627.27%
6627.27%
7418.18%
829.09%
914.55%
1029.09%
作品の標準偏差 1.62
このレビューの偏差値 48.09
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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