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不知火檢校 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 不知火檢校
製作国
上映時間91分
劇場公開日 1960-09-01
ジャンル時代劇,モノクロ映画,犯罪もの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 勝新のヌルヌルヌラヌラした感じが最高に発揮されている。子どものときから自分の盲目をネタに言いがかりをつける悪いヤツ。世間は征服する対象としてのみ存在している。障害者のピカレスクが凄味を持つのは、世間との対立感覚がより際立つからであろう。差別かもしれないが、でもここには世間の側が持つ疚しさも関わっているから、見ているこちらにもジャリジャリと引っかかってくるのだ。しかしけっきょく女の心は得られず、自分の罪を他に転嫁しようとした過去の仕掛けによってアシがついてしまうという設定が皮肉。冒頭が祭りの風景で、そこで少年の杉の市が小さな罪を犯すところから始まって、ラストも、祭りを蹴散らしてゆく検校の駕籠が捕縛されるという対比。世間からのつぶてが飛んでくる。まったくひどいヤツだが、ずっとこの映画を見ていた一観客としては、このつぶての一団に加わるほどの真っ白な正義感も湧いてこない。そこにこの映画の価値がある。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2008-12-23 12:11:24)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 12件
作品の平均点 7.50点
作品の点数分布
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このレビューの偏差値 30.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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